690: ナイ神父Mk-2 :2020/12/02(水) 22:27:45 HOST:p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp
憂鬱スパロボ 未来編小ネタ

鉄血のオルフェンズ編 その8

燃える空にて

クーデリアを護衛するセントエルモスが地球に居りてから数か月後、通信に置いて蒔苗氏を連れてのアーブラウ入国をオセアニア連邦経由で入国交渉を進めていたがアーブラウ側はコレを拒否するだけでなくクーデリアをテロリスト認定して敵対的な姿勢を見せて来た形となる。この為、セントエルモスはエドモントン郊外に展開したギャラルホルン部隊を排除して市街地へと入場する事を決定。市街地にMSを突入させることは必要以上の悪感情をアーブラウ市民へと招く事や敵を追ってギャラルホルンが市街地に侵入することで市街が必要以上に破壊される事を避ける為に市街境界部にMS隊で到達後は其処よりMTやヴァンツァー部隊によって市街の敵を排除することが決定された。それと同時にセントエルモスは部隊の市街突入後に攻撃してくるであろうギャラルホルンMS部隊へと対応する為の増援を火星連合及び駐留する地球連合へと要請する。連合にしてもこの事態に至ってはギャラルホルンとの全面衝突は避けられないと判断した事からグワデンを旗艦とした中規模艦隊の派遣を決定した他、火星連合でも設立した火星軌道艦隊の投入を決定する。こうして火星圏を出発した連合及び火星の艦隊であったがこの動きを察知できていたイズナリオ側でも迎撃の為に宇宙に残していた自派閥の艦隊を導入することを決定する。この中には地上に降ろしていたMS部隊の母艦を改造した砲艦なども複数存在しており砲艦による質の不利を埋めようとしていたことがうかがえる。

お互いに全面戦争と成る事を考えて戦力を結集した両軍はエドモントン上空で衝突数に勝るギャラルホルン艦隊が降下部隊を投下しようとする連合艦隊や火星艦隊を包囲する形で開始されたしかし、その数の包囲も形成できていられる時間はそう長いものでは無かった。プライアルアーマーを艦艇の主力防御に据えた火星連合のロフォガスター級強襲装甲艦に対して通常の実態弾やレールキャノンを主体としたハーフビーク級は相性が最悪で有り敵艦に有効打を与えられないまま手古摺っている間に艦首主砲の射程圏内と成った艦艇から徐々にギャラルホルン側は損害を加速させその包囲陣形に徐々に穴が増えていったのである。

その隙を逃す程火星連合の練度が低い訳も無く砲撃の密度が薄くなった事から各艦からMS隊が発進ギャラルホルンのMS隊を戦闘を開始した。機体性能に置いては優位で有った火星連合では有ったがその多くが宇宙戦に置いては不慣れで有った事から予想外の苦戦を見せる部隊も出てきており、後方にて降下部隊の輸送の指揮を執っていた水城大佐は教導した部隊の動きを気にしながらも各部隊に命令を飛ばし予定時刻に間に合うように降下部隊を順次投下していた。

「コムサイ第二陣降下開始、同時にバリュート隊降下を開始しました。」

「第三任務部隊より入電HLVの投下開始しました。」

「第一任務部隊は?」

「既に安全域まで退避しています。」

「旗艦グワデンはこれより前に出ます。主砲は12時方向で固定、艦隊による主砲斉射後にMS隊は順次前線の火星連合MS部隊への支援へと回しなさい。」

「艦内の各ブロックに伝達本艦はこれより砲撃戦体制に移行する繰り返す…」

この指示の後間もなく連合艦隊から発進したMS隊は火星艦隊が維持する前線へとスラスターを吹かせて一斉に移動を開始した。連合製、それも旧来の機体のリファイン機を中心とした連合のMS部隊は細身の機体の多いPD世界のMSとは違う趣を持ったMS部隊は火星連合の戦う戦線へと参戦する。その頃、火星連合のMS隊が維持する前線では死傷者こそ余り出て居ない者の徐々に数に押されて損傷を増やす機体が増えてきており劣勢に追い込まれ始めて居た。

『此方、第12小隊僚機の損傷多数。交代の許可を!』

「ダメだ!今交代すれば敵の突破してしまう。交代は許可できない!」

『しかし…うゎあ!』

「少尉如何した、少尉クソ!」

『少佐此方にも敵機です!』

691: ナイ神父Mk-2 :2020/12/02(水) 22:32:13 HOST:p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp

通信の切れた小隊の心配をする間もなくMS隊を率いる少佐の元には僚機から敵機の増援の報が無慈悲にも入る。機体のカメラをレーダーの反応の有った方向に向けると大隊規模と思われるグレイスが牽制のライフルを撃ちながら接近してきておりゼノファウルスを中心とした中隊も応戦の為、其々に武装を構えて迎撃しようとするが、それより先に先行してきていたグレイズの小隊の中の一機へと光弾が着弾し機体が爆散したのである。その光景を見て足を止めてしまった残りのグレイズの一団も同じ方向から飛来したビームの雨に寄って撃墜された事で目の前の脅威は排除されたのである。ビームの飛んできた方向を確認すると同時にモニターにはオーソドックスな見かけの機体の多い連合の部隊には珍しい頭部が胴体に埋没した様な機体を戦闘にビームライフルで武装したMS隊が向かってきておりIFFの反応は味方の物であることを示していた。

『此方第8492MS中隊、これより其方の援護に回る。』

「援軍か、助かった。此方は第9MS中隊だ支援感謝する。」

『いやこちらも投下の護衛で思ったより手間取った。待たせたな…各機我々について来いMS戦闘と言うものを教えてやる』

そう言うや否や体調機らしき機体はスラスターを一気に吹かせると接近してきていたMS部隊の一機の懐まで潜り込むと装備したアイアンネイルによって敵機を貫いて撃破それを後続のMS隊向けて投げつけると内蔵されたミサイルランチャーを斉射して一気に敵機を撃墜していく。それに追従する様に連合からの援軍部隊はスラスターを駆使して敵の射撃を最小限の動きで回避しながら片手に所持している大振りな斧で或いはビームライフルで近距離射撃を行う事で敵機を一方的に撃墜していく。ギャラルホルンでも上位の練度を有するアリアンロッドに対してその技量を持って撃破して行く様はその部隊が並々成らない技量を誇っている事を如実に示していた。

「凄まじいな…」

『隊長私達も!』

「あ、ああそうだな」

部下からの言葉に思わず味方の動きに魅せられていたゼノファウルスのパイロットは再度武器を構えると残っている敵機へと指揮下の部隊と共に向かっていく。投下作業を行っていた連合艦隊参戦と同時に苦戦していた火星連合軍による対アリアンロッド艦隊に敷かれた前線は瞬く間に戦線を押し返し、撃破されたアリアンロッド艦隊の多くは重力に引かれてそのまま大気圏へと次々突入地球によって焼き尽くされる事となる。

692: ナイ神父Mk-2 :2020/12/02(水) 22:32:47 HOST:p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp
火星連合と連合軍が上空での戦闘を開始するより少し時間を巻き戻した、エドモントン郊外に置いては未明より始まったクーデリアを護衛するセントエルモスを始めとする艦隊とエドモントンを守備する防衛部隊との間で激しい戦闘が始まっていた。セントエルモスが到着するまでの数か月の間にギャラルホルンは地球支部の戦力やアーブラウの企業に依頼を出すなどしてエドモントン周辺への防御陣地の作成やMSの武装を利用した砲台、ミサイルランチャー等が設置されており都市周辺には強力な防衛網が敷かれる形と成って居た。コレに対してはセントエルモスは正面からの攻略を選択。朝日が昇った現在に置いても攻撃が続けられおり驚くべきことにセントエルモスは防衛網の中ほどまでに食い込んでおりその一角を崩壊させようとしていた。防衛部隊を指揮する総本部へと詰めていたマクギリスやガエリオ、そして地上指揮官として配置について居たカルタ・イシューからもモニター上の味方を示す光点がバターを溶かす様に消えて行きそれを埋める様に周辺の部隊が集結してその穴を埋めようとしている事が見て取れる。

「想像できていたが実際に見ると恐ろしいな…」

「ああ、既に当初この都市西部を防衛していた部隊は既に壊滅状態、侵攻方向が一転に絞られた分戦力をまわして居られるが…状況は依然厳しいままだ」

「だが、確実に進む足は鈍っている今のままでは都市には届かないだろう。このまま数で押しつぶしてしまえばいいわ、後顧の憂いも断てる。」

戦闘状況にある種諦めにも似た表情を浮かべるマクギリスやガエリオに対して連合やセントエルモスとの戦闘を経験していないカルタはこの戦いに勝てると目算を立てており二人の弱気な発言に対してあくまでも勝つことを前提に話を進めている。カルタの指摘に対してガエリオがモニターを見直すと確かに一時間ほど前までモニターの戦況表示でもわかる程に足を進めていたセントエルモスが有る位置を境に防衛ラインに対する食い込みが徐々に鈍っている事がうかがえる

「たしかに、勢いは弱く成って居る様だが…」

「地球軌道上の艦隊より緊急入電!エドモントン上空に置いて火星連合及び地球連合軍と思わしき艦隊を遭遇、迎撃を開始するとの報告が!」

「上空より飛来物多数!これは…MSです!」

「向こうの狙いはコレか…最低限の防衛戦力を除いてエドモントン防衛の全MS隊は全機西部防衛ラインへと集結、例の部隊を出す。総員に伝えろ、コレが正念場だと」

緊急報告を受けたマクギリスは切り札として用意していた特殊機部隊を投入することを決定すると共に降下部隊とセントエルモスに対抗する為に他方向に配置していた部隊へと集結する様に命令を下しその総力を持って火星連合及びセントエルモスとの決戦を行う事をエドモントン防衛に就いているギャラルホルンの部隊へと伝えている。

693: ナイ神父Mk-2 :2020/12/02(水) 22:33:30 HOST:p331223-ipngn2201akita.akita.ocn.ne.jp
短いですが以上です。取り敢えずはエドモントンでの戦いの前哨戦の一部をば…
+ タグ編集
  • タグ:
  • 憂鬱SRW
  • 未来編
  • 鉄血世界
最終更新:2023年10月10日 22:51