542: ナハト :2019/12/30(月) 14:14:20 HOST:opt-115-30-204-189.client.pikara.ne.jp

みほが導術士学校の廊下を歩いている時だった

「みほ」
「あ、お姉ちゃん!」
「ここは、先輩だ」
「あ、ごめんなさい。先輩」
「次から気を付けるように。・・・・それはそうと学校生活はどうだ?つらいか?」
「そんなことないよ!凄く楽しいよ!」


みほは長々と入学したころとか、自分と同じ境遇のクラスメートが何人かいてほっとしたこと
そして、最近になって幹部候補生に入った辺りで、まほは眉を顰めだした。

「エリカさんに突然、呼ばれてびっくりしたけど、私の事を認めてくれて凄くうれ「みほ。逸見から離れろ」
まほは冷たく言う

「お姉・・・ちゃん・・・?」
「お前は私達と違う世界にいる。どれほど身に着けようが、お前のような無能は戦場にいらない。だから、学校を辞めて「やめないよ」・・・みほ?」
まほは驚いた。みはここまで反抗的で意見を言う子ではなかったからだ




「お姉ちゃんは分からないよね。恵まれた姉を持った恵まれない妹の気持なんか。
毎日毎日、私は落ちこぼれ、いない子、西住の恥さらしと言われ続けた・・・・」
みほは思い出すかのように紡ぎだす


「どれだけ、訓練を積み重ねようとも魔力が引きずり出せなかった
だから、ありとあらゆる拷問をやらされた。食べ物じゃない食べ物も食わされた。
そして、自分の身に危険があれば魔力が目覚めるとか言って、崖を落とされたり、危険な動物と対面させられたこともあった。
正直言って西住の家の下に生まれたくなかった。お姉ちゃんが活躍すれば活躍するほど
周りの者が妬んで、私をいじめてきたこともあった」
「み・・・・みほ・・・・」

まほは初めてみるみほの姿に怖じづく。


「それでも、私は自殺しようと思わなかった。
エリカさんは見てくれた。西住みほじゃなてく、みほを見てくれた。
そして、エリカさんは私を必要としてくれた。
だから、私はエリカさんのために辞めないよ。

        • 話は以上です。西住先輩」



そう言って、スタスタ歩くみほの背中から声が飛ぶ

「みほ!!戦場はお前が思っているほど優しくはないんだ!!
だから、お前は帰れ!!・・・・帰ってくれ・・・・傷付ける必要・・・・ないんだ・・・・」

それでも振り返ることなく歩く





みほは当てもなく歩きながら思う。
(・・・・分かっているよ。お姉ちゃん。
私のような魔力も何も持たない人が戦場にいたら邪魔ものにしかならないってのは)


コツコツ


(指揮が認めてもらえて幹部候補生として入ることは出来たが・・・・
エリカさんと同じ道を歩くことは出来ない。私と歩く足の大きさが違う)


  コツコツ
(だからといって、戦場に無理に出たら元も子もない
エリカさんが付きっきりで側に居てくれたら指揮に専念できるが
エリカさんにおんぶ抱っこは嫌だ!私はエリカさんと並びたいんだ!!」


気が付けば、独り言を大声で行ってしまった。
はっと周りを見たが、幸いにも誰もおらず、みほの奇行を見てなかったが
顔を真っ赤にして足早にさろうとしたその時だった

グラウンドの片隅に立てられた格納庫の中にあったものに興味惹かれたのである

「これは・・・・」
「ん?ああ、お嬢さんは学生の子かい?これはな・・・・」

たまたま近くで整備していたおじさんが教えてくれ
それを聞いた、みほは胸に大きな決意を抱いたのである。

543: ナハト :2019/12/30(月) 14:14:54 HOST:opt-115-30-204-189.client.pikara.ne.jp


―――翌日

「お前ら席につけー・・・・うん?西住と他数人は欠席か?」
「せんせー、食中毒で、保健室だって」
「食中毒かー。なら仕方ないな。みんなも気を付けろよー」
「「「はーい!!」」」」
こうして授業が始まった


 別所、そこでは演習でエリカが押し込められていた
「ちっ!第二中隊は急いで回り込みなさい!ここを抜かれたらおしまいわよ!」
「はいっ!急ぎます!」
「そこも!後退しなさい!」

慣れぬ指揮に四苦八苦してる様子を頭上でみている存在があった。
「やっぱり・・・・苦労してるね」
「西住ちゃーん。今から突撃するね」
「はい!よろしくお願いします。・・・・ごめんなさい、私の我儘に付き合ってくださって」
「いいよー。私たちもあの先輩が気に入らなかったからねー」
「なーにが魔力があるから私が偉いだ!そんなの頭脳で勝負しろーーー!!」
「・・・頭そんなに良くないよね(ぽつり)」
「何か言った?」
「いえいえー。これより、エンジン始動!行きます!」
「これより!エリカさんの救助作戦に向かいます!戦車前進!!」

それは突如現れた。エリカが率いる本部にまで敵部隊が攻め入り、もう少しで陥落というときに
本部横にあった崖の上から落ちてきた鋼鉄の存在であった。


その鋼鉄は履帯大きく回転させながら、敵味方のウィッチを大慌てで蜂の子を散らすかのように逃げ回り
そして、エリカの敵側のウィッチに向けて57mm砲で吹き飛ばし
大きくペイントづけられた地面とウィッチに歓声の声が巻き上がる


やがて、その鋼鉄の猛牛、八九式戦車はエリカのすぐそばによると
キューポラから顔を誰かが飛び出し、それを見たエリカの目が大きく開く
「みほっ!何やってんの!?」
「えへへへ。エリカさんと一緒に戦いたくて」
「馬鹿な子ね・・・・・うわ」
そういうとエリカがあきれた声を出したかと思うと
急にパタリと倒れる


それに気づいたみほが慌てて駆け寄ると
エリカが下手な声を出しながら

「やられたー(棒)。私は狙撃されて死にかけだー」
「えーと・・・?」
「みほ、指揮官をあなたに継承させます勝ち取りなさい」
そういって、差し出した手に腕章がありました。
ふと、みほが周りを見ていると、その場にいたウィッチたちが
みな、信頼するような目つきでみほを見つめていた。
それを見た、みほは決意し

「エリカさん・・・・分かりました!指揮を受け取ります!」
そう言って、エリカの手をギュッと握って、腕章を取り、そのまま戦車に戻り

「指揮を受け継いだ西住みほです!これより敵本部へ強襲作戦をとります!
第一中隊は我に続け!第二と第三は前方を突破し然るべき後に反転かく乱させます!
これにて、ところてん作戦をとります!戦車!!前進!!」

「「「「「了解!!」」」」」


演習は突如反転、反撃に出たウィッチと未知の戦車に
対応しきれず、そのままエリカ側が勝利に導いたが
機材を勝手にもちこんだみほ達は当然、大問題となり

教育や陸軍上層部で喧喧囂囂としたが
西住流の師範でもあり、陸軍にも影響のある、母親の西住しほが
「あの子が自分で戦う力を得、戦場に立とうとしてます。
これほど、母親として誇らしく思います」
といった言葉で、有耶無耶となり、結局女子寮のトイレ掃除一週間となったのである。

これが後に女子戦車隊が起こるきっかけとなったのである・・・・

544: ナハト :2019/12/30(月) 14:16:15 HOST:opt-115-30-204-189.client.pikara.ne.jp
終わり

リハビリがてらに書きました。
短くともssを書けたらいいなあ(今年はさぼりすぎた)

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最終更新:2020年12月05日 13:06