860: 第三帝国 :2020/12/15(火) 23:25:52 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS――——――外伝「イゼイラ訪問記Ⅰ」


ーーーーーーデロニカ・クラージェ船内、格納庫




イゼイラへ向けて順調に航行中のクラージュであるが、
乗員の間で現在話題沸騰中の施設が格納庫に出来ていた。

それは入浴施設。
すなわちお風呂である。


しかも災害時に自衛隊が展開させる簡易的な物ではなく、
フェルが以前城崎温泉のホテルで入浴した温泉施設を再現している。
宇宙船で温泉施設レベルのお風呂に入れるとはなかなか贅沢である。


これも全て神様仏様ハイクァーン様様のお陰であり、
柏木に吹雪、駆逐棲鬼は何でもアリなのに呆れると同時に、
風呂好きな平たい顔の民族として宇宙船でお風呂とウキウキしていたが・・・。

「なんでこうなったんですか!!?」
「俺だって聞きたい!」

顔を赤くした吹雪の叫び声に柏木が同じくらい顔を赤くしつつ大声で叫んだ。

「いいじゃないか、
 減るもんじゃないし」


「ウム、ソノ通リ」

「減るデスヨ!
 というか減ったデスヨ、恋人の時間が!」


激オコなフェルがシャルリとリアッサに詰め寄る。
今にでも口から内閣総辞職ビームを発射しそうな勢いである。


「えっとエっと・・・少し恥ずかしいですう」
「・・・アウアウ、ハイ」


ニーラと駆逐棲鬼、もとい黒雨がチラチラと柏木に視線を向ける。
2人とも柏木と同じ湯船に入っているため素っ裸である。

というか、全員素っ裸である。
ぶっちゃけ、現在野郎1人(柏木)と女性6人で混浴していた。

神崎提督の爛れた日常生活、もとい性活とは規模的に劣るが、
世の中の一般な男性諸君からすれば羨ましいことこの上ないシチュエーションである。


      • おお、ブッタ!寝ておられるのですか!(憤怒)

「・・・どうしてこうなったし」

柏木はまさか自分が「い○ご100%」や「To○ove」のようにラブコメ物にある定番中の定番。
すなわちラッキースケベな温泉回を実体験するなど未だ信じられず、頭を抱えて再度疑問を口にした。

思えばフェルと一緒にこの浴場で過ごしていたのがまずかったかも知れない。
深夜の浴場なら人が来ないから大丈夫、だなんて他の人も思いつく発想でありエンカウントすることだって十分あり得た。

結果、フェルと一緒に温泉を楽しんでいる最中。
女性陣が大勢入浴して来た上に見られても気にしないシャルリとリアッサがいたのが運の尽きであった。
回れ右で慌てて出ようとした他3人をシャルリとリアッサが強引に湯船に放り込んだ結果、今に至る。

861: 第三帝国 :2020/12/15(火) 23:26:31 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
「しっかし、ハルマのデルンって私らと大差ないんだなぁ」

「タシカニ」


「ちょ、」

などと言って柏木をガン見するシャルリとリアッサ。
異星人からの逆セクハラに思わずフェルの背後に隠れる。

「フェル、俺を守ってくれ頼む!」
「無論デスヨ!マサトさんの裸を見て良いのは私だけデスから!」

腕を広げてキシャー、と鳥みたいに威嚇するフェル。
これには見ていた面々はこの微笑ましい光景に思わずクスリ、と笑みが零れる。
そしてフェルの裸云々の件で同時に2人の関係が婚約者であることを改めて認識する。

「ひゅーひゅー、
 見せつけてくれるじゃナイか、熱いねー。
 思わず大使をフェルから奪いたくなっちゃうじゃないか」

その婚約者を即座に煽る獣人系宇宙人がいた。
というかシャルリであった。

「ふ、ふ~ん、残念デス!
 『付き合ってくれ』と告白したのはマサトサンの方デスしー。
 し・か・も、手を出したのもマサトサンからなので、
 シャルリが奪ったり、入り込む余地なんてこれっぽちもないデスヨ!!」

これ以上無い程ドヤ顔でフェルが宣言した。
自分の方から研修という名の押しかけ女房をした事実を言っていないがそれ以外は概ね事実である。


「え、マジ」

まさか柏木の方からフリンゼに対して積極的だったとは予想外であり、流石のシャルリも真顔になる。
自然と視線はフェルの背後に隠れている突撃一番(意味深)な某馬鹿に向かう。

「あ、うん。
 まあ、大体合っている・・・」

事実なので肯定する他ない柏木。


「ま、ままままま、マジかーーーー!!?」


「オオゥ・・・」

「フェえええええ!!?」

「きゃー、
 大胆ですね柏木さん!
 いいなー、提督は夕立ちゃんには手を出した癖に、
 私の時は姉妹で襲うまで全然駄目だったのに、いいなー」


「提督モ柏木サンヲ見習ウベキデス、ハイ!」


柏木の回答に質問したシャルリを始めとする女性陣が驚愕すると同時に大いに場が盛り上がる。


「ん、今さら思い出したけどそう言えば噂ではアンタら確か結婚しているとか」

「噂じゃなくて事実です!
 この証拠に・・・ほら!」

シャルリの疑問に吹雪が自信満々で指に嵌めたケッコン指輪を見せびらかせた。
ティ連に結婚指輪の習慣こそないが、それとは違う形で婚姻の関係を表明する文化がある。
なので吹雪が見せた指輪の意味について理解できた宇宙人女性陣一同が「おお~」と盛り上がる。


(胃、胃が痛い・・・)

なおこの場における唯一の男性こと柏木は人妻と混浴、
しかもあの神崎提督の艦娘という事実を突きつけられて青ざめていた。

どうかバレませんように、
と神様仏様蛭子様と柏木は内心で祈りを捧げる。

862: 第三帝国 :2020/12/15(火) 23:28:22 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
「・・・後、1人のデルンに対してかなりの嫁さんと結婚しているとか」

「愛サエアレバ関係ナイデス、ハイ!」

「姉妹5人、10人同時だって『私たちの提督』なら逝けますから問題ありません!」

黒雨と吹雪が誇らしげに重婚を語る。
『私たちの提督』と表現している辺りが一夫多妻、
ではなく多妻一夫な力関係であることが伺える・・・。

「え、姉妹同時?5人、10人も?え、エエ??」

種族の間で寿命差があるため、
年の差結婚について理解があるティ連の獣人系宇宙人シャルリであるが、
流石に「姉妹同時」「5人、10人」という単語には困惑しか覚えなかった。

「・・・なあ、ハルマのデルンって皆その、
 そうなのか?そんなに凄いのか?そんなにスケベなのか?」

「断じて違います」

「フーン、研修初日に私を押し倒したのが誰だったデスかー?」

赤面を浮かべ、気恥ずかしそうにもじもじするシャルリの問いかけに柏木が即座に否定する。
が、突撃一番の否定に対してフェルがジト目で自らの体験を口にする。

「研修初日に異星人を押し倒すなんて・・・それなんてエロ同人?」

「夜ノ研修デスネ、分カリマス、ハイ」

「エッチなのはいけないと思います!!」

「ヘンタイダナ」

「やっぱり、スケベじゃないか!」

女性陣からフルボッコにされる柏木、自業自得である。
これに対して柏木が選択した対応はと言えば、

「お、俺。先に出るから!
 流石にこの状況は色々不味いし!」

転進である。
撤退ではなく転進である(大本営発表)。
これ以上この場にいれば碌な事にならないと勘が囁いていた。

「マア、待テ。
 コンナ機会早々ナイシ、ユックリ話ソウジャナイカ」

「一緒にガーグと戦った戦友ダロ。
 もう少し大使の話を聞かせてくれないか?」

ニヨッタとシャルリが逃げようとした柏木を捕まえる。

「というか・・・へー。
 コッチもあんま変わらないナー」

「興味深イ」

「ヒゃああああ!?」

「マサトサン・・・」

タオルや手拭いを体に巻いて湯船に浸かる習慣は日本にない。
なので当然湯船から立ち上がれば丸見えな訳で・・・。

「あ、提督より小さい」
「小サイデス、ハイ」
「ぐふぉ!?」

顔を手で隠しつつもチラ見した吹雪と黒雨の率直な感想に柏木は精神的打撃を受ける、こうかはばつぐんだ!

(お、男として色々完敗したぜ・・・神崎提督)

男のプライドと精神的防壁が毎度のイベントにて、
三式弾で毎度キャンプファイアーされる集積地棲姫のごとく燃やし尽くされ、
柏木は頭部にフェルの実り(意味深)を感じつつ、そのまま意識が闇へと沈んで行った。


なお余談であるが、
後日この混浴について日本、神崎の双方にバレてしまい、
地球への帰還後、某突撃馬鹿は二水戦旗艦「神通」主催の地獄のブートキャンプでたっぷり「可愛がられた」事をここに記す。

863: 第三帝国 :2020/12/15(火) 23:31:26 HOST:58x4x169x209.ap58.ftth.ucom.ne.jp
以上です。
最近シリアスな話が多かったので思いっきりネタに走りました。
それと行間の設定を誤ってしまい読みにくてすみません。

では

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2020年12月20日 10:09