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銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその十五
「大尉、攻めないので?」
「上から可能な限りワルキューレ(艦娘)との戦闘は回避しろというお達しだからなあ。」
ロッテルダム港のターミナル埠頭が見える位置についたドイツ陸軍のレオパルド2の砲塔の上で戦車兵達のそんな会話が交わされていた。
現在ドイツ陸軍はロッテルダムを包囲していた。
欧州最大の貿易港であるロッテルダムを手中に収める為にオランダへと侵攻したドイツ軍であったがオランダの大半を占領したにも関わらず足止めを受けていた。
それは目の前の景色にある。
彼らの目の前では超大型客船や輸送艦がひっきりなしに港を出入りし、
数を数えるのも馬鹿らしくなる程の飛行艇が離着水を繰り返している。
大半が神崎島の軍用艦艇と軍用飛行艇である。
兵士達から第二次ダイナモ作戦とかお菓子爆撃機(ロジーネン・ボンバー)を捩り客船爆撃機などと呼ばれる大脱出劇だ。
それら艦艇の大半が空から降りてきたなどと言ってかつてならば一笑に付すような話だっただろう。
神崎島とまだ全面戦争をしたくない政府(リベラルナチ)は神崎島部隊との交渉の結果政府(リベラルナチ)は避難民脱出のため72時間の戦闘停止に合意した。
ついでに陸軍の一部は不穏分子を占領地から無くすためという建前で一部包囲網に意図的に穴を開け避難民が入れるようにしている。
「それにお前アレと戦いたいか?我々はいの一番にアレの餌食になるぞ。」
「自分が悪うございました!」
戦車長の指差す先には巨大な戦車が鎮座している。
兵からラーテ(陸上戦艦)の名前で恐れられている神崎島の大口径砲(しかも14インチだ!)を搭載したType-16機動戦車だ。
これがあの超大型輸送飛行艇(びっくり箱)から出て来た時には全員が唖然とした。
公称全備重量200トンを超えるこいつらが一機につき三両搭載され、合計九両も持って来られてドイツ軍としてはたまったものではない。
陸(おか)の上に戦艦が一隻居座っているようなものだ。
例の宇宙生物との戦闘で性能も実証済みだ。
偉大な指導者(フューラー)である女伍長閣下の部下のリベラル啓蒙大臣殿(アンヒムラー)が我が国(第四帝国)が誇る新兵器と喧伝する、
マンムート自走砲(鉄のイチモツ)など比較にならないだろう。
しかも同じ砲を搭載する金剛型戦艦は主砲で艦隊防空まで行う。
アレが鎮座している為に島も合意の上でロッテルダムより半径100キロ圏内は飛行禁止かつ戦闘も全て72時間停止されている。
その間に戦闘を始めればそいつはテロリストとして扱うと島は通告してきた。
そんなバカはいないと思うがそんなやつは即主砲の餌食になるだろう。
実際安全圏はもっと取った方が良いのだろうが政治家(ナチ)がそれを許さない。
「それにな軍人は暇してるくらいが丁度いいんだよ…。本来ならこんな事ない方が良い…。」
今回の侵攻や他国との対立とてほぼ政府(ナチ)が原因で発生したものだ。
本来ならばヤンキー(米帝)やライミー(大英帝国)の様に島の恩恵を受け繁栄を謳歌していた筈なのだ。
政府(ナチ)が昔の事持ち出さなければ…。
『こちらHQ!総員その場を動くな!動いた者は全てナチと見做す!!』
そんなことを考えていると司令部の憲法擁護官(政治将校)が通信越しに怒鳴りつけてきた。
まさかと思いロッテルダムの市街地方に目を向ければ、炎と煙が立ち上り時折爆発が起きている。
あそこにいるのは…、
「武装SS共やりやがったか…!!」
いつかやらかすとは思っていたがそれがよりによって今にとは…!!
武装SS、正式名称をドイツ憂国騎士団とかいうけったいな名前の狂信的な現政権の私兵集団だ。
独断専行と捕虜となった軍人や民間人への素行の悪さだけでなく、
悪名高きリベラル思想解放施設(リベラルゲットー)の運営と督戦隊(エスケープキラー)を担い大半の軍人から嫌悪されている。
そうしていると武装SSの主力が展開している辺りが都市区画ごと吹き飛んだ。
あのラーテ(陸上戦艦)の主砲から発射された榴爆弾だろう。
その後一分余りに渡り数十発の砲弾が叩き込まれた。
あれでは誰も生きてはいまい…。
「「「「「………。」」」」」
その場にいる全員の背中に冷たい汗が流れ悟った。
もし何かすればああなると。
『総員分かったな…もし迂闊な動きをすればああなるぞ…。』
全員が憲法擁護官の言葉に首を大きく降って頷いた。
431: 635 :2020/12/25(金) 07:02:17 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ!
ロッテルダム撤退戦はもう少し続くんじゃあ。
そして現在構想中のフランス方面のお話、
ネタでリシュリューが平行世界に行った因果か残存フランス軍と市民が助けに来たリシュリューの指揮下に入ることを望み、
戦艦リシュリューの旗の元で戦うフランスという謎な展開になりつつあります。
最終更新:2020年12月25日 13:28