399: 霧の咆哮 :2020/12/24(木) 22:31:30 HOST:KD106181169095.au-net.ne.jp
〇日蘭世界IFネタ~プリンス・オブ・ウェールズの躍進~
~彼女は何故、現代でも健在となったのか。イギリスに顕現した新たな王子伝説~
KGV級戦艦2番艦プリンス・オブ・ウェールズ。
史実においては排水量制限や新機軸の設計やらが上手くいかなかったせいでKGV級自体評判が悪く。
『WW2の新鋭戦艦最弱クラス』『欠陥戦艦』と散々言われたり、当人(当艦)であるPOWも世界初まともな航海戦闘中に沈められた戦艦として悪評を背負ってしまったが、日蘭世界においては事情が異なった。
世界に冠する二大大国である日蘭を主軸とした大洋連合側への対抗するために後期サウスダコダ級の建造が急がれる中、正面戦力やコスト最重視で設計余剰を切り詰めたり、足の遅さやらは建造中の時点で指摘されていた。
そこら辺使い辛いとフランスが独自にリシュリュー級を建造してる中、イギリスも同様に独自にKGV級建造に乗り出すのも必然であった。
無論、そこにフランスやドイツやイタリアの新鋭戦艦への対抗意識が強かったのも言うまでもない。欧州枠で蘭帝はある意味ノーカン枠と現実逃避したかったろうが。
しかし、後期サウスダコダ級で建造リソースが食われてる中で史実通り5隻建造は不可能であり、この世界のKGV級は1番艦キング・ジョージ・5世、2番艦プリンス・オブ・ウェールズまでは確定として、3番艦デューク・オブ・ヨークが建造されるかどうか、となった。
同じく史実のような冒険的な新規設計もこの余裕のない情勢では出来るわけがないと海軍上層部が訴えたことで、排水量制限もなく信頼できる設計中心で発展性等も確保したまま完成したことで、41センチ連装砲4基搭載のよく言えば堅実で完成度の高い、悪く言うと他のビスマルク級やヴェネト級等と似たりよったりな性能となった。
さて、改めてPOWに焦点を当てるが彼女は日蘭世界の主軸から更に外れたこの世界において『不死鳥の王子』の異名を冠していた。
リシュリューのような伝説的な撤退戦や武勲を上げたわけでも、オセアンのようなオカルト事件を起こしたわけでもない。
ただ、当初の予定通り高速戦艦として通商防衛や空母部隊護衛、船舶救援とで駆けずり回る日々においてこの世界の彼女は運に恵まれていた。
どこぞの異能生存体染みた駆逐艦と異なり、無傷で窮地を切り抜けるようなエピソードに恵まれたわけではない。
戦いで小破も中破も珍しくもなかったが、乗員の不断の努力の賜物もあいまり不思議と致命傷となる部位は避けたり、致命的な被弾になりそうな魚雷は深度のミスか外れたりしたのだ。
傷だらけになりながら何度も何度も戦場に舞い戻り、奮戦していく姿からいつしか彼女は『不死鳥の王子』と呼ばれ、軍民問わず人気を集めるようになった。
なお、この異名についてこの世界でも不死鳥の異名を得ていたとある駆逐艦の乗員達や前世も含めてそちらのファンであった者達も反応していたが、さておき。
そしてロイヤルネイビーの最終決戦、リシュリューを始めとした枢軸側欧州残存艦隊と大洋連合の大艦隊が欧州の覇権を決定打にさせるべく起きた大一番において。
同僚の後期サウスダコダ級が敵戦艦と相打ちで沈んでいくのを見送りながら彼女も奮戦していたが、リシュリューが敵陣中央突破で撤退する最中、こちらは行き先の方向性的に同行するわけにもいかなかったが、同乗していた艦隊指揮官からフランス艦隊に注目が集まる隙に最後の意地を見せる時ぞとばかりに指示が飛んだ。
結果的にはフランス艦隊が乱した戦場の響きに相乗りするかのようにイギリス海軍もその混乱を広げ、大洋連合艦隊の被害を広げ、リシュリューの離脱の手助けにもなった。
最終的にはPOWは大破し、あちらに鹵獲されるよりはと自沈を選ぼうとするも、最早大勢は決したし応対した大洋連合側も実に紳士的で騎士道精神溢れた説得をしてきたこともあり、名誉ある降伏を選んだ。
戦後は占領統治においてリシュリュー同様一度は接収されながらも、データを取られた後は国民感情の都合もありイギリスに返還。修復・再就役となった。
モンタナ級は燃料不足や整備不足、練度不足で実戦参加できなかったとはいえ、日蘭側にも対抗相手が限られる46センチ砲艦というのが脅威と見られたり、戦場に出てなくて活躍もしてないから
アメリカ国民の愛着も薄いのと、3分割されたアメリカでモンタナ級の運用・維持も難しく、そもそも軍備制限も受けてた事情もあって日蘭に接収されたままとなったが。
POWは異名持ちなほどに武勲をあげ、マスコミにも散々宣伝されたことで国民の認知度も高く愛されてたのと、戦力的には良くも悪くも堅実な41センチ砲艦に過ぎず、モンタナ級ほどの脅威にもならないと判断された為である。
ここら辺はフランスにリシュリューが返還された際も同様の事情であろう。
400: 霧の咆哮 :2020/12/24(木) 22:32:45 HOST:KD106181169095.au-net.ne.jp
さて、POWは戦後も近代化改修を受けながら運用されイギリスがBCに変化していきながらも国を支え続け、本来は遅くとも80年代にはお役御免となって解体か記念艦化が精々であったが、ここで日蘭本編世界以上に武勲や知名度を上げてた影響が出てくる。
日蘭世界では戦時中の活躍もあり史実よりも軍艦信仰・戦艦信仰が根強いというのは周知の事実であるが、こちらでは更にイギリスのPOW、フランスのリシュリューと、ライバル国の象徴的な戦艦が健在かつどちらも武勲艦として有名となっており、日蘭本編以上にこの2隻が絡むと軍民問わずライバル視が強くなっていた。
『フランスがリシュリューを戦艦の女王と称するなら、我らイギリスにはプリンス・オブ・ウェールズという戦艦の王子がいる』
この逆もまた然りであった。なお、よりでかくてヤバイ日蘭の大戦艦群はノーカン扱いがまたまた暗黙の了解であった。
戦後世界で最強戦艦議論で大和型が名誉の殿堂入りで除外されるのと同じようなものである。
こんな風潮が出来てる情勢でもただの近代化改修では限界がきているPOWはいずれ退役せざるを負えない、その筈であった。
だけど、そこに飛び込んできたのが後に美魔女化改装と称されたほどのリシュリューの大改装計画であった。
その予定通りならば、リシュリューは最低でも今の倍以上に巨大化し、もう半世紀近くは現役続行するというイギリス上層部からしたら狂気の沙汰としか言えない代物であった。
リシュリューが自国の王室に匹敵する信仰を集めつつある空気はイギリスも一応察しており、狂気の沙汰を完遂させ得る熱意と情熱を向けられてるのを理論上理解は出来た。
ここで頭を抱える事態となるのが上層部である。
幸いというべきかイギリス王室という象徴が健在なこちらでは、あのリシュリューほど異常な信仰をPOWが受けてるわけではないが、それでもこのままPOWを退役させるには国威や海軍の象徴という意味合いや、国民からの支持的にも、なまじ四半世紀以上張り合ってきた実績的にもすんなりとはいかなくなっていたのだ。
また、大戦艦の魔力というものへの影響はより巨大な代物を複数抱える日蘭と比較しても大きく。
『我らのP0Wをより大規模にした影響は、軍事的にも政治的にも決して無視できない』と、上層部が判断してもおかしくない土壌が出来ていた。
これによりまさかのPOW現役続投及び大改装計画がBCにおいても計画・実行され、リシュリューの大改装からいくらか遅れて行われることになる。
勿論この報が広まった際は周辺諸国や大洋連合側も含めて驚愕の声が挙げられた。
リシュリューへの執念と執着は他所でも良くも悪くも有名であったが、それにイギリスもPOWへの大改装という形で付き合うとは、いくら長年張り合ってても半信半疑であったからだ。
BC国内ですら支持一択のフランスと異なりPOWが人気とはいえ、ある程度の温度差が有って疑問の声が上がるほどであったが、支持する者の方が多数派で合った点はこの世界の軍艦・戦艦信仰の根強さが伺える。
やがて、大洋連合の審査も潜り抜け、竜骨の継ぎ足しを始めとしたBCの総力を挙げた魔改造により排水量を10万トン近くにまで拡大した強化型POWが再就役。
その威風堂々とした姿を全世界にお披露目するのであった。
401: 霧の咆哮 :2020/12/24(木) 22:36:14 HOST:KD106181169095.au-net.ne.jp
強化型リシュリューより幾分小ぶりなのは、海洋帝国イギリスの高い技術により性能を維持したままコンパクトに収められたからと宣伝され、実際それも間違いでもないスペックを誇っていた。
裏の事実としてはフランスとの熱量の差でコストカットも幾分か優先せざる負えなかった事情もあるのだが、それでもイギリスの威信をかけた可能な限りの予算や人員やらを継ぎこまれたのは確かである。
タイマンならばリシュリューを道ずれに出来うるスペックは保有し、日蘭としても脅威に見える実力を保有していた。
これにより日蘭は対リシュリューだけでなく、対POWとして敷島型やDZP級を当初の46センチ砲艦から51センチ砲艦に規模を拡大し、イタリアもムッソリーニ級を泣く泣く建造する羽目となり、ドイツやロシアはうち等は大型正規空母の建造で精一杯だからと逃げ、他の中堅規模の国々も必死で視線を逸らした。
世界は敷島型2隻とDZP級2隻、リシュリューとPOWとムッソリーニとで排水量が最低でも8万トン以上ばかりの新型超巨大戦艦、偉大なビッグ7時代の到来を実感するのであった。
以上。
ウィキ掲載はご自由に。
後書き
POWがどういう経緯で現代に存続することになったかの理由付けをふわっとした文面だが何とかしてみた。
強化後のスペックは具体的にはどうなるかは、戦艦の設計に詳しくないので無理だった、すまない。
イメージ的にはサイズはドゥーチェ級と同等か、ドゥーチェとリシュリューの中間位。
ターニングポイントは『日蘭本編よりPOWが武勲上げて国民からの人気や認知度も上がってること』『長年リシュリューと張り合い続けて対抗意識が両国民に芽生えてること』『それにより日蘭特有の戦艦への魔力も合いまりイギリス側も引けない事態になったこと』が主に上げられる。
無論、日蘭本編と異なり大戦艦を維持する羽目となったしわ寄せをBC海軍が受けないわけではなく、どこまで影響が広がるかはわからない。
とりあえず装甲巡洋艦の就役数は減りそうである。
こちらなら堂々とリシュリューと対抗可能なうえに2020年代になればこちらもレールガン搭載可能な拡張性もあるので、その後の戦力運用も込みではトータルバランスはそこまで悪いとも言えないだろう。
ライオンⅡではレールガン搭載以後のリシュリュー相手では足止めも厳しくなるのに、排水量の問題で拡張の余地もないので。
ただ、いつまでPOWは張り合い続けるのかという問題もある。あちらは宇宙戦艦の時代になってもリシュリューを続投させる気のようだし。
また、POWは戦艦としての本分は続行できるというかイギリス王室と権威は分散してるので、リシュリューが轟沈したら亡国コースになり兼ねないFFRと異なり、いざという時は盾として使い潰されても、こちらは余りにも高過ぎる報復感情や殉死感情は芽生えない利点もある。
402: 霧の咆哮 :2020/12/24(木) 22:37:47 HOST:KD106181169095.au-net.ne.jp
映画とかの出演においては、イギリス海軍や政府から絶対に沈めさせないようにしろとの制限はないが、沈むとしても何かしらの重要なキーや活躍をさせるようにとは言われている。
おまけで艦娘としてのこのIF世界のPOWイメージ。
- 容姿は金髪翠目ショートヘアーで近代軍服と金属鎧を組み合わせた所謂宝塚系イケメン女性。口癖で事はエレガントに、みたいなことを言っても違和感皆無なタイプ。
- リシュリューがフランスの武威として剣か長物を構えてるそうなので、こちらはイギリスを守りし盾のイメージからか、手持ち武装としてでかいシールドを構えている。
多分シールドの裏側に手持ちの射撃武装か近接武器も仕舞っている。
- 現在進行形で対峙し続けている影響から、紳士的な口調やセリフながらもリシュリューへの対抗意識を伺わせる言葉が所々零れている。
リシュリューのイメージがフランスの剣とするなら、こちらはイギリスの盾的なイメージにされて対照的にもなっている。
- 不死鳥の異名繋がりで日本の響にも興味を示している(日蘭世界ではロシアに譲渡済みだっけ・・・?)
- 詳細なおっぱいサイズはあえて秘匿。大破しても盾で隠したりで見えないし、水着グラでは・・・どうしよ。
他の衣装グラは出るけど水着グラが全然出ないせいで、実は肌を晒すのに抵抗感あるというか羞恥心が強い解釈もされかねない。
それでも普段の衣装や鎧越し的にはそこそこはあるので、そのままのサイズか着痩せするタイプで実はもっとでかいかは二次での解釈次第かな。
- ウォースパイトやアークロイヤルと並んだら絵面が若き女王と男装王女と姫騎士のトリオとなる。
- 女子力も高い完璧超人系に見えるので、二次ではあえてポンコツっぽい要素が足されて親しみ易くもされかねない(鹿島とかみたいに)
- 実装時期でもリシュリューとは別イベントでの目玉艦扱い。仮にライバル艦として同時に実装された場合は、何とか2隻を揃えようとファンは熱狂するだろう。
英仏それぞれのサーバーも同時にイベントアクセス殺到して大変なことになるだろうが。
403: 霧の咆哮 :2020/12/24(木) 22:39:47 HOST:KD106181169095.au-net.ne.jp
というわけで、初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。
3、4年ぶりに恥ずかしながら帰って参りました。
データ吹き飛んだり身内の不幸が重なったり色々あって長期に渡ってこちらに顔出しできなくなってましたが、リアル事情ですので詳細は省きます。
ふらっと懐かしくなって久々に掲示板を覗き、丁度モントゴメリー氏の魔改造リシュリュー案が出てた頃から名無しの一人として参加しておりました。
そのまま自分がいなかった間のウィキの作品組も覗きながら匿名のままで過ごそうと思ってましたが、感想や議論に参加してる内に自分の内の熱量も戻っていき、ここがやはり楽しくて。
そろそろコテハンを付けられた方が良いと勧められたのが、またここの一員として受け入れられたようで嬉しかったのと。
自分の作品や強化型POW成立という新たな我が子を生み出すに辺り、ここにいた頃の思い入れのある自分の名を隠したままというのも抵抗感を抱いたので、復帰いたしました。
我ながらムラッケが酷くて新たな作品をいつ頃作れるのかもわかりませんが、皆さんが宜しければ以後、宜しくお願いいたします。
最終更新:2020年12月25日 13:36