506: 194 :2020/12/26(土) 18:30:43 HOST:ai126188039152.59.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件セカンドシーズン?その16 ゲート世界の自衛隊の現状と米政府への接触
ゲートが開く前のゲート日本の自衛隊の戦力だが、精鋭と謳われる一方で大変逼迫していた。
まずは慢性的な人材不足。かつてのバブル頃程では無いとはいえ、出生率の低下等も有り相変わらず人員が充足した事が無い。長引く不況による予算不足や
高騰する一方の人件費等も、その傾向に拍車をかけている。
次に、余りにも高い稼働率。一見「稼働率が高いのは良い事じゃないか?」と思う人も居るだろう。確かに、冷戦期の東側の様な極端に低い稼働率も問題だが、
高過ぎるのも問題だ。何せ稼働率が高いという事は、言い換えれば「余裕が殆ど無い」という事でも有るのだ。万が一複数の戦争・紛争が発生した場合、
対応しきれないという可能性すら指摘されている。
勿論、自衛隊側も手をこまねいているだけでは無く、質や技術の更なる上昇を中心として事態に対応しようとしていた。
しかしながら、あの黒人女性大統領が就任してからという物、その方針に大きな狂いが生じる事となった。
具体的には、F-35の輸出停止措置だ。自分達の国の立て直しと共産支那への民主主義工作の時間稼ぎも兼ねて、一方的に供給を停止したのだ。
当然ながら日本側は抗議の声を上げたが全く取り付く島もない状態で有り、逆に「無用な軍備を整備して極東にいらぬ争いを起こす気か」と屁理屈を返される始末。
かくして、次期主力として大量導入予定だったF-35の調達が打ち切られる事に。それに連動して「いずも」型の軽空母化の計画も流れてしまい、防衛計画を根本から
見直しするという最悪の事態となってしまった。
止む無く政府は、F-3の開発・建造を急ぐべく臨時予算(F-35の調達費用を転用)を投じる一方、既存のF-15JのJ-MSIP機への改修を決定したが、いずれにせよ形を成すまでに
時間がかかるのは確実であり、日本の軍事力の弱体化が叫ばれるも打てる手は限られており、このままでは肥大化する中国軍への対応も不可能になる。
その先に見えるのは、日本の共産支那への併合。その事を世界は勿論の事、日本自身もそうなるだろうと悲観的に考えていた。
ところが、其処に一筋の光が差す事に。そう、ゲートの開通と超大陸世界との交流だ。
507: 194 :2020/12/26(土) 18:31:15 HOST:ai126188039152.59.access-internet.ne.jp
ゲートを挟んで二つの共産支那との対立という、最悪の事態を酷く嫌った超大陸世界の日本の方針により、大々的に援助が行われる事に。
既に福島原発の解体と新型コロナの抜本的な対策としてのナノマシンの配布、各種資源の輸出等様々な形で既に行われているが、ここでは軍事面を見ていきたい。
まず、次期主力戦闘機として大量導入が決まったF-3及びF-3改が、空海併せて250機もの導入が決定。超大陸世界からの輸入と生産ラインを君島から譲渡の上でのライセンス生産が
早々と開始され、未改修のF-15Jとの入れ替えが行われている。既に対中国の最前線となる沖縄・那覇基地に展開する第204飛行隊及び第304飛行隊への導入が完了。
現在慣熟訓練が行われている。また、ゲート世界の米国からF-35の供給が行われており、部品不足で飛行不可能となっていた三沢の第301及び第302両飛行隊も活動を再開している。
また、空海両自衛隊共同で統合任務飛行隊を編成。人員の確保に苦労しながら、ほうしょう型の艦載機パイロットとしての訓練に勤しんでいる。
そしてこれとは別に、日本側の技術者達を超大陸世界へと招待して技術習得の為の援助も併せて行う事となった。
その一方で、ゲート日本側の技術者達は超大陸世界とは違うF-4の自力開発を決意。その為の研究に取り組んでいる。
次に陸だが、当初はこれといった変化が無い様に思われたが、例の総合火力演習の結果、可変機動戦車の導入を決定。ダウングレード版とはいえ、その性能は従来の主力戦車を上回っており、
懸念していた導入価格も、ハイクァーンによる製造という裏技で殆どタダ同然だった事から、急速に74式及び90式の初期ロットとの入れ替えが進行。また、87式自走高射機関砲の後継にも
指定され、そちら側でも導入が進んでいる。
独自の兵装の開発(地対艦誘導弾・長砲身155㎜榴弾砲他)も決定しており、以後様々なバリエーションを生む事となる。
最後に海だが、高性能な重打撃護衛艦及び航空機搭載護衛艦の導入と、こんごう型の代替となる打撃護衛艦の導入が決定していたが、人員の捻出に悩まされていた。
自動化の恩恵もあって、艦の規模の割に少ない人員で運用可能とはいえ、中々に重い負担なのは変わりない。
その為、こんごう型やひゅうが型及びいずも型の予備艦化と、一部のむらさめ型の早期退役を行う事で、何とか人員の捻出に成功している。
なお、関係の深化が進み正式にティ連加盟みなし国となればティ連技術が解禁される事も決定しており、その場合は更なる国力・軍事力の強化が見込まれている。
実際それを期待してか株価が軒並み上昇しており、コロナ不況ばかりかバブル以降の不景気からも脱出する事に成功。日本国民の多くも、見えてきた明るい未来に、希望を抱く様になっていた。
508: 194 :2020/12/26(土) 18:31:45 HOST:ai126188039152.59.access-internet.ne.jp
その一方、それ等を羨み妬む連中も確かに存在している。共産支那と米国(おまけで南キムチ)だ。
両国とも、未だ新型コロナを抑え込む事が出来ずに多くの犠牲者を出しており(共産支那は情報を統制している為、正確な数は不明)、両国の国民の不満が高まっていたのだ。
国民ばかりでなく、ロッキードマーティン社も勝手にF-35の販売を打ち切られただけでなく、彼方の世界の自国が代わりに販売しているという事実に怒り狂っていた。
その為、政府に必死に訴えかけるも芳しい答えは得られておらず、唯々怒りを募らせている状態だ。
しかも超大陸世界の日本やティ連は、ゲート日本と敵対している国々へのナノマシンや特効薬の輸出を認めていない為、猶更両国首脳の怒りを買っていた。
両国は民間団体()を前面に立てて激しい抗議を行うも、超大陸世界側の世界は冷淡で有り、逆にこれ見よがしにゲート日本との友好国(例・トルコ・台湾等)への医療援助に力を入れる始末。
共産支那政府が激しい抗議の声を上げるも、台湾近海にフリンゼ・サーミッサとしょうかくにやまとといった巨大艦艇群を遊弋されられては、実質的には何も出来ない状態に等しかった。
バロス「何なの!?別世界の日本とやらは!!落ち目な此方の日本に大々的なテコ入れをして、我々の邪魔をするなんて!!」
ウッド「・・・何でも、向こうの世界でもチャイナと対立しているとか。彼方としても、二つの共産支那との対立を避けたいのでしょうな」
バロス「フン!!20年後に国際地球連合を設立して平和裏に統一しようというのに!!奴等はそれを邪魔して、美味しい所だけを掠め取るに決まってるわ!!」
ウッド「・・・その様に決めつけるのは早計かと。人類の統一云々は一旦脇に置いて、国際関係の見直しを・・・」
バロス「・・・もしかして、私の理想を否定する気?あのランプの野郎と同じ、黒人を虐げる差別主義者な訳!?」
ウッド「・・・そういう訳では有りません。ただ、今は時期が悪過ぎるという事です」
バロス「我が国は独裁国家とは違って、任期には限りが有るのよ!特別法案を通したとはいえ、それでも最長20年。その間に私の理想を実現出来ねば、意味が無いのよ!!」
ウッド「・・・・・」
バロス「それと、今思い出したけどランプの野郎はまだ見つからないの!?これだけ探して見つからないなんて、明らかにおかしいでしょう!!」
ウッド「・・・恐らくですが、誰かが匿っているとしか思えませんな」
バロス「何としても見つけ出しなさい!!匿ってる奴も同罪として、極刑にしてやるわ!!いい?これは大統領命令よ!!」
ウッド「・・・ハッ」
バロス「ああ、それともう一つ。貴方には後日、チャイナへ向かってもらうわ」
ウッド「チャイナに?」
バロス「そうよ。米中安全保障条約の締結の為にね」
ウッド「何ですと!?では、日米安保は?」
バロス「そんな物、破棄するに決まっているわ。そんな条約、もう用済みよ」
ウッド「待って下さい!!明らかに我が国の信頼を落とす行為ですぞ!!そんな事をしたら、世界中から非難を浴びますよ!!」
バロス「前にも言ったでしょう?連中はコチラに一方的に頼るだけで、自力で国を守ろうともしない。そんな国の為に我が軍が血を流す必要がどこに有るの?」
ウッド「そんな事は有りません。私は実際にあの国へ行き、様々な事を見聞きしましたが、その様な国では有りません。そればかりか、多くの貢献すらしているのですよ!?」
バロス「何度も言うけど、平和憲法()を盾にしてまともに戦おうとしない連中なんて、戦友の名に値しないわ。それよりも、チャイナを取り込む為の様々な工作の方が、遥かに意義が有るわ」
ウッド「ですが!!」
バロス「・・・そこまでして、私の理想を邪魔したいの?グアンタナモに作った思想矯正キャンプに入りたいのかしら?」
ウッド「・・・・・」
509: 194 :2020/12/26(土) 18:32:36 HOST:ai126188039152.59.access-internet.ne.jp
思想矯正キャンプ。
キューバのグアンタナモに新たに作られたこの施設では、日々「リベラルでない」人間達が送られ、「真人間」とするべく「教育」が施されているという。
どの様な行いが行われているかは定かでは無いが、帰って来た人間が皆無という事実が、この施設の闇の深さを物語っている。
バロス「わかってくれた様ね。では、仕事に戻りなさい。ああ、チャイナに行く前に日本へと赴いて、日米安保の破棄を通達する事もお願いね。我々に逆らった報いを、キッチリと受けて貰うわ」
ウッド「・・・・・・・・・・ハッ」
そう言って、大統領執務室を退室するウッド。いうまでも無く、その表情は暗い。
ウッド(・・・このままでは、ステイツが日本諸共チャイナに飲み込まれてしまいかねない。何とか向こうの世界の日米やティ連とかいう異星人達と接触したいが、今の状況では・・・)
彼が憂いる通り、現状で向こうの世界の日米やティ連と接触する術がない。此方の世界の日本と敵対的という理由で、取り付く島もないのだ。
その事実に沈痛な思いを抱きながら、自身の執務室へと戻る。だが、席に着いた所で違和感を感じた。誰かがこの部屋にいる様な気配がするのだ。
その答えは、その直後に齎された。自分以外誰もいない部屋の一角がぐにゃりと歪み、そこから一人に人間が出現したからだ。
ウッド「・・・な!?」
村中「お初にお目にかかります。ウッド国務長官。私は、日本国防陸軍・情報部に所属している者です。取り敢えず、M大佐とでも呼んで下さい」
敬礼しながら、不敵な顔でそう告げる村中。それを見て、反射的に警備を呼ぶボタンを押すウッド。
だが、全く作動しない。
村中「無駄ですよ」
ウッド「!?」
村中「私が腕に取り付けていますこのPVMCGで、この部屋に有る機器は全て作動しません。音も外に漏れませんし、盗聴器の類も無効化されています」
ウッド「・・・・・本当に彼方の世界の日本軍人、と言う訳か。で、私に一体何の用だね?」
510: 194 :2020/12/26(土) 18:33:06 HOST:ai126188039152.59.access-internet.ne.jp
内心驚きながらも、努めて平静を装うウッド。
そんなウッドに、村中は交渉を持ちかける。
村中「我々の目的ですが、一言で言えばこの国の正常化ですね」
ウッド「正常化?」
村中「今のこの国は、明らかに間違った方向に向かっています。それも、最悪の方向に」
ウッド「・・・・・」
着席し、ゲンドウスタイルで続きを促すウッド。
村中「支那に民主主義を植え付けようという野望ですが、間違い無く成功しませんね。逆にかの国の権力者達に、利用されるだけされて終わりでしょう」
村中「民間人だけでなく、此方の世界の日米両国すらね。その事が分からない程、貴方は愚かでは無い筈です」
ウッド「・・・・・」
村中「閣下の事も調べさせて貰いました。現政権内きっての極東の専門家にして、日本と支那の違いを熟知した政治家。その辺りの知見を買われて、前バイゲン政権の閣僚の一人として
参加を請われている」
ウッド「・・・・・」
村中「先程の女大統領とのやり取りも聞かせて貰いましたよ。日米安保の破棄にかなり反対しておりましたね」
ウッド「・・・そこまで知っているとはな。あちらの世界の技術力は本当に恐ろしいな。で、私に何をやれと?」
村中「閣下には、此方の世界の米国を救う為に行動してもらいます。我々の世界の米国も承認済みです」
ウッド「・・・私はあくまで、現政権の閣僚の一人にすぎんよ。それに、私に祖国を売り渡せと?」
村中「それはあくまで現政権の連中の見解でしょう?米国の理念が踏み躙られるのを黙って見ている方が、余程売国的では?」
ウッド「・・・・・」
村中「こちらの世界の米国の不安定化は、巡り巡って我々の世界の日米両国の安全保障にも繋がって来るのです。よって、我々の世界の日米両国も、介入する事を是としたのです」
村中「閣下が取れる選択肢は二つ。このまま現政権に肩入れして米国共々滅びるか、現政権に弓引いてこの国を救うか。それ以外の選択肢は有りません」
ウッド「・・・君をここで捕らえて、大統領達に突き出すという選択肢は?」
村中「・・・我々を舐めないで貰いたいですね。一般部隊より遥かに訓練を受けている自分を、民間人に過ぎない閣下がどうやって捕らえると?」
ウッド「・・・冗談だよ。どうやら、君達は本気でこの国をどうにかしようとしている訳だな」
村中「先程も言いましたが、この世界の米国の安定は我々の世界の日米の安定にも繋がりますからね」
ウッド「君達になら、話してもよさそうだな。ランプ前大統領の居場所を。探しているんだろう?彼の事を」
村中「・・・やはり、ご存じでしたか。今まで捕まらなかったのを見ると、閣下が保護を?」
ウッド「そうだ。それこそ、前バイゲン政権の誕生直後からね」
その一言に、少しだけ驚く村中大佐。匿っているとは予想がついたが、まさか前政権誕生の直後からだとは。
そんな村中の様子に初めて一本とれたと内心で満足しつつ、ランプ前大統領の隠れ家を教えると共に、協力関係の確約を取り付けるウッドだった。
511: 194 :2020/12/26(土) 18:33:36 HOST:ai126188039152.59.access-internet.ne.jp
以上です。と言う訳で、ゲート世界の自衛隊全体の事情及び超大陸世界の日本とゲート世界の米国(ウッド国務長官)の接触です。
相変わらず人員の確保に苦心しながらも、懸命に軍備を整えているゲート世界の自衛隊の皆さん。現実世界の自衛隊の皆さんもそうですが、隊員の皆さんの日々の努力には、一国民として
本当に頭が上がらない状態です。
その一方で、それ等の交流の恩恵を受けられない米中の国民は不満で一杯です。しかも、ゲート日本が不況を脱して再び発展し始めているのを見ているから猶更です。
それと、ロッキードマーティン社も激おこ状態です。勝手に契約を切られた上に、ゲート先の自国の同位体の会社が改めて売却をしているから尚の事です。最も、事実上の恐怖政治のせいで
表立って訴訟等を起こす事が出来ないという有様ですが。
そんな黒人大統領ですが、とうとう日米安保の破棄と米中安保の締結へと動こうとしています。
その決定に憂いるウッド国務長官に、村中大佐が接触。協力関係の構築と共に、ランプ前大統領の居場所が明らかになりました。
予想していた人も多いと思いますが、案の定ウッド国務長官が匿ってました。ただ、前政権誕生直後からというのは予想外だったのではと思います。
それだけ、この政権に強い不信感を抱いていた証拠という事で。
次回の投下ですが、此方の作品の投稿の前に笑ってはいけないの製作舞台裏を進めたいと思っています。前の投稿から結構な月日が経っているので(汗)
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
wiki掲載は、自由です。
最終更新:2020年12月31日 13:38