978: ひゅうが :2020/12/26(土) 15:59:20 HOST:p361175-ipngn200307kouchi.kochi.ocn.ne.jp
巡洋戦艦「天城」型(昭和8年~10年大改装後)
全長:252.6メートル
全幅:35メートル
喫水:9.5メートル
基準排水量:4万8800トン
満載排水量:5万5220トン
機関:艦本式ロ号缶14基 技本式タービン4基4軸22万3000馬力
速力:32ノット(過負荷全力34.5ノット)
主砲:1年式45口径41センチ砲3連装4基
武装:60 口径12.7センチ両用砲連装12基24門
ボフォース40ミリ機関砲4連装19基68門
20ミリ機関砲連装22基 単装備12基
同型艦:「天城」「赤城」「高雄」「愛宕」
【解説】――八八艦隊計画第1陣として建造された巡洋戦艦
巡洋戦艦といっても日本海軍のそれは戦艦なみの装甲を張りつつ巨大な船体に大出力機関を搭載しようというものであったことから、諸外国の高速戦艦に等しいといえる
船体は同時期に設計が進められていた加賀型戦艦のそれを延長したうえで装甲配置を合理化
装甲の傾斜を20度に再び改め、加賀型の350ミリから320ミリに加減したかわりに主砲塔1基が追加されている
また、機関部は居住性能をやや犠牲にすることで増大されており、ここに当時の日本海軍が巡洋戦艦にいかなる役割を期待していたかがみてとれよう
ドッカーバンク沖海戦および建造中に発生した第1次ジェットランド沖海戦の戦訓から装甲防御が増大されているもののそれでも新造時32ノットの高速を発揮できる本級は、いわばあらゆる場面で使われるワークホースなのである
そのため整備の優先度は当時の戦艦よりも高かった
また、1911年の中国革命以来増産が続く造船状況に対応して拡大され続けていた民間造船所の恩恵を受けたはじめての艦も本級である
1番艦「天城」が横須賀海軍工廠で建造されたのは変わらないが、2番艦「赤城」は三菱長崎造船所、3番艦「高雄」は神戸川崎造船所、4番艦「愛宕」は三井横浜工場でほぼ同時期に起工され建造が行われた
このため、進水はほぼ同時期であり就役はややずれが生じたもののいずれも1921年はじめまでに相次いで行われている
本級の存在を脅威と感じた
アメリカ側がワシントン海軍軍縮会議で未完成を主張したものの当の日本側代表の失笑を買い、流会に至ったエピソードはあまりに有名であろう
本級は居住性にやや問題がありとされたものの昭和8年にはじまる大改装で機関部を入れ替えバルジならびに居住区画が増設された結果そうした悪評は消えている
太平洋戦争開戦時には第1艦隊の主力をつとめ、その快速をいかして主力艦としても空母機動部隊や輸送船団の護衛としても大活躍
ともすれば温存されがちな主力艦ではなく、計画通りのワークホースとして太平洋を縦横無尽に駆け回った
また、その優美な外観から海外にもファンが多い
最終更新:2020年12月31日 14:44