122: ひゅうが :2020/12/29(火) 20:30:50 HOST:p361175-ipngn200307kouchi.kochi.ocn.ne.jp


紀伊型戦艦


全長:275メートル
全幅:38.5メートル
喫水:10.5メートル

基準排水量:6万8800トン
満載排水量:7万8500トン
機関:艦本式ニ号缶12基 技本式タービン4基4軸 24万5000馬力
速力:30ノット

主砲:52口径46センチ砲3連装3基
武装:60口径12.7センチ両用砲連装14基
   ボ式40ミリ機関砲4連装18基72門
   20ミリ3連装機銃15基45門
   20ミリ単装機銃10基10門

同型艦:「紀伊」「尾張」「大和(建造中止)」「武蔵(建造中止)」


【解説】――八八艦隊計画第2陣の基本設計艦として建造された大型戦艦
主砲はアメリカの16インチ砲12門艦サウスダコタ級に対抗すべく開発中だった48センチ砲を46センチ化したうえで砲身を延長した新型46センチ砲に
新造時には砲塔化した15.5センチ3連装砲4基を搭載したまさに新世代にふさわしい大型戦艦である
艦橋は塔型を採用し、日本的デザインの極致ともいわれた天守型の艦橋を採用
艦首には当初からバルバス・バウを採用しており航続距離の延伸に一役買っている
また、機関は新設計の高温高圧缶を採用し、当初は14基、のちに12基を搭載することで当初の速力でさえ28ノットを確保している
装甲板は、アメリカより技術導入したとされる均質圧延装甲版と従来の浸炭装甲版を併用
加えて補助装甲を採用し多重装甲とすることで船体の本体に被害が及ぶことを防いでいる
また、予備浮力とともに艦側面設計の合理化に伴って副武装の搭載余地が極めて大きくなっている
特筆すべきことに、本艦は命中弾による浸水をも想定してあらかじめUボート搭載の中排水機構を内蔵して即座にバランスをとれるような応急中排水機構を備えている

列挙してもわかるとおり、本級は新技術の塊である
というのも、体調を崩した当時の平賀譲技術中将にかわって新進気鋭の藤本喜久雄技術少将の手により新技術のテストベット的な扱いを受けて建造が進められていたからである
ワシントン海軍軍縮会議は流れたとはいえ次なる軍縮会議は必須であり、それならば当初から新技術を含んだ方がいいとする海軍当局の判断からであったが、当初計画の46センチ4連装主砲3基を艦橋前方集中配備という野心的すぎる案は流れ、かつ将来的な技術発展の余地と予備浮力の確保を目指したことから基準6万5000トンでおさまるはずが本級は基準6万8000トンに達している
ただしこのために設計の承認と建造決定が数か月遅れたことから3番艦と4番艦は進水が1年あまりずれ込み、東京海軍軍縮条約締結時に日本側に不利をもたらしたと示唆されることもある
しかしながら、病気から復帰した平賀中将は本艦を絶賛しており、また3番艦と4番艦は当初から超大型航空母艦へと改装できたという事実をもって成功作であるとの擁護もあることは公平のために付け加えられるべきであろう

「まだ技術が追い付いていないために大和型はこの程度になってしまったが、本艦は不沈だ」

という藤本少将の自負は、のちの太平洋戦争において証明されることになる
なお藤本少将のいう「大和型」というものがのちの大和型戦艦のラフプランであるとされるが矛盾が多く…

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最終更新:2020年12月31日 14:47