278: ひゅうが :2021/02/27(土) 23:30:00 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp


 「剣」型装甲巡洋艦


全長:256メートル
全幅:28.4メートル
喫水:9.0メートル
基準排水量:3万7500トン
満載排水量:4万2550トン

機関:艦本式ハ号缶8基 艦本式タービン4基4軸(22万1300馬力)
速力:35ノット

武装:55口径31センチ砲3連装3基
   54口径12.7センチ単装砲(GFCS付属)10基(両舷各4 前後各1)
   ボフォース40ミリ機関砲4連装12基
   20ミリ機関砲3連装12基 単装12基
装甲:舷側200ミリ(20度傾斜)+37ミリ 甲板125+37ミリ 主砲塔防盾350ミリ バーベット260ミリ 司令塔230ミリ

同型艦:「剣」「穂高」「高千穂」「六郷」「立山」「月山」「岩木」「道後」「英彦」


【解説】――日本海軍が第2次世界大戦を前に建造した装甲巡洋艦
第2次東京協定におけるエスカレーター条項を最大限に利用し、予算上はすでに退役しつつも代艦建造権を行使していなかったジェットランド沖海戦以前の主力艦であるクラスA「装甲艦」枠を埋めるためと説明された「巡洋艦殺し」である

第2次ジェットランド沖海戦における水雷突撃の失敗以来、日本海軍の巡洋艦整備は魚雷を主兵装とした主力艦殺しというよりも周囲の補助艦艇掃討を目的として設計されていた
このために中口径砲による手数を重視していたのであるが、この状況を変えたのが対米諜報による米海軍の「水雷決戦ドクトリン」の発覚である
伝説的なロング・ビーチ演習においてウィリアム・ハルゼー中佐(当時)が駆逐艦部隊を率いた強襲によって主力艦4隻を撃沈判定したという事実に加え、日本海軍が開発しつつも「主力艦を食うにはまだ足りない」と判定した酸素魚雷が積極的に米海軍の中で整備されつつある事実を知った日本海軍は頭を抱えた
当時整備されていた米海軍の巡洋艦の主砲口径は8インチ(20.3センチ)
日本側の研究では、この主砲口径で日本側の阻止火網を突破して酸素魚雷を放つにはひとつの条件が必要とされていたためである
そう。自動装填装置の実用化である

279: ひゅうが :2021/02/27(土) 23:30:39 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp
日本側が開発途上にあった完全自動装填による濃密な火網で米海軍はついに水雷決戦をものにした、と海軍当局は判断したのである
さらには超巡洋艦といわれる12インチ級の主砲を搭載した「巡洋艦殺し」が計画されているという情報が入るとともに、日本海軍は決断する
「今のままでは水雷戦隊がすりつぶされる。我らも大型装甲艦を建造すべきである」と
もちろんその他の補助艦艇群もそのままにはしていない
彼らは、さらなる大威力化長射程化を狙ったオットー燃料(過酸化水素燃利用)搭載長魚雷に加えて、魚雷の価格低減とともに近距離における超高速魚雷――すなわち肉薄雷撃に特化した大威力魚雷の開発に乗り出し、のちに両者は必殺の「ロングランス」と「サンダー・トーペード」こと93式魚雷と97式魚雷へと結実する
そして、同時に「8インチ自動装填装置付き砲塔搭載巡洋艦」を一撃で叩き潰せる艦も同時に建造することにしたのであった
それが本級、「剣」型である
完全に形骸化していたとはいえ条約における装甲艦枠という建前のために主砲は当初から装甲艦枠の最大口径である31センチ砲とされ、当初予定より長砲身化されることで米国の重防御の巡洋艦群を撃ち抜けるように設計された
その成果はソロモン・キャンペーンやカリブ海での戦いで存分に発揮されているが、機動部隊としては発射速度の速い電波信管付き対空砲弾の大量投射という形で本級を手放すのを惜しんでおり、一時大論争に発展するなど議論も生んだ
さらには、高速力であることや空母機動部隊護衛艦としての用途、そして米軍の水雷戦隊を命中率で圧倒するために「大和」型戦艦にも搭載された54口径12.7センチ単装砲を両舷に4基、主砲塔後方に1基ずつ搭載
さらには最新鋭の砲射撃指揮装置を各砲塔に1基ずつ搭載したことで対空に直衛艦なみの火力の発揮を可能としているが、最大の目的は米海軍の駆逐艦の突撃の阻止であることからこれは副次的な成果であるといえよう
主装甲帯は米海軍の同級艦を想定した対12インチ砲装甲。800キロ爆弾による急降下爆撃にも耐えられるだけの集中防御構造である
同時に、スプリンター防御も考えられたことから追加で37ミリの補助装甲が張られ、夜戦や空襲下での人的被害軽減にも配慮されている
なお、本級での均質圧延鋼の採用経験は大和型戦艦の建造に大いに役立てられた

280: ひゅうが :2021/02/27(土) 23:31:17 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp

機関も大和型戦艦に採用予定の艦本式ハ号缶(同名の補助缶ではなく新開発の別缶である)とされ、こちらは小型船体であることから1基あたり5万馬力を超える出力を1軸にあてる艦本式タービンのみとなっている
このため合計20万馬力を超えた出力をもって最大速力は35ノットを発揮
巡洋艦と同一の戦隊を組むという目標を満足させた
その代償として燃費はそれほどよくはなかったが、これは船体規模からすれば不当な批判といえよう

総じていえば、海軍当局が欲しかった「万能巡洋艦」こそが本級であった
だが皮肉なことに、日本海軍が想定したようにアメリカ海軍は8インチ砲用の自動装填装置を実用化していなかった
このため、ある程度上の仮想敵を想定して建造された本級はアメリカ海軍にとりまさに死神であった
日本海軍は積極的に本級を太平洋戦争の各海戦に投入
だが消耗も激しく、同型艦9隻のうち大戦中に5隻が戦没ないしは大破しそのまま解体された
戦後は日本海軍大西洋艦隊および本国艦隊に1隻ずつが配備され、大和型戦艦を出すまでもない場面において積極的に現場に投入され続けたことから1960年代末に早々に退役した
また、4番艦「六郷」と9番艦「道後」はそれぞれ中央共同連合海軍およびイラン帝国海軍に売却され、装甲艦「星海宿」および「キュロス2世」となった
双方とも1980年代末に退役するにおよび、両国で記念艦となっている

281: ひゅうが :2021/02/27(土) 23:32:59 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp
というわけで、ちょこっとでっち上げてみました
火力!火力こそがすべてを解決する…!という同志ヘレナの箴言に従ってみた次第です

283: ひゅうが :2021/02/27(土) 23:34:25 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp
あ。失礼。>>280の同型艦は9隻でした。

313: 名無しさん :2021/02/28(日) 22:11:01 HOST:p128.net182020058.tokai.or.jp
311
ひゅうがさま、先日投稿された「剣」型ですが、スレ120に投稿された装甲巡洋艦「剣」型はこれに差し替えでよろしいでしょうか。

314: ひゅうが :2021/02/28(日) 22:28:18 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp
313
あ。そうしといて下さい
隻数面で足りなかったようですからこっちを正規化します

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最終更新:2021年03月02日 17:38