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短編ネタ 現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件 番外編その38 竹島沖にて生まれし者 その2


※グロテスクな表現等が含まれます。苦手な人は、ご注意下さい。


真奈美が深海棲艦・深海竹島棲姫へと生まれ変わってから二日後の、釜山のとある公民館。
そこでは皆大嫌いなあの少佐の父親が、国からの要請を受けて市民達に戦意高揚の講演会を行っていた。


少佐父「私の息子は、卑劣極まりない日帝と裏切り者共の毒牙に掛かり、東海にて名誉の戦死をする悲劇に見舞われました。奴等の行った蛮行は、まさしく許されざる行いでありました!!」

少佐父「しかし!この度、海軍の潜水艦がその仇を討ってくれました!しかもその潜水艦の名は、安重根!祖国を護ろうとした悲劇の義士が、息子達の仇を討ったのです!!」


涙を流しながら、熱く語る少佐父。政府に強制されてでは無く、心の底から信じて疑おうとしない辺りに「この親にしてこの子有りか」と言わざるをえないであろう。
その少佐父は、尚も続ける。


少佐父「民間船を詐称して、我が国の民を害する武器を運ぼうとした日帝の愚かな愚行は、正義の名の元に叩き潰されたのです!!息子達の魂も、これで少しは救われたと言えましょう!!」

少佐父「未確認情報によると、民間人も多数乗船していたという情報も有るようですが、そんなのは日帝の卑劣な謀略放送で有り、民間人、ましてや子供達が犠牲になった事実等、全くのでっち上げに決まっています!!」

少佐父「死んでいった息子達の魂に報いる為にも、祖国に輝かしい未来を齎す為にも、我々は一丸となって、悪しき日帝を征伐しなければならないのです!!ウリナラ、マン・・・ゼ・・・・・!??!?!?!?!」

観客達「!?!?!?」


感極まった少佐父がお決まりの掛け声を上げようとした瞬間、異変が起こった。
何と少佐父が宙に浮くと共に、頭と腰が強烈な力をした何かに上下に引っ張られているのだ。そして・・・・・トラウマ物の音と共に少佐父の頭と腰が千切れ、その遺骸が観客席へと投げ込まれた。
下手なスプラッター映画顔負けの異常事態に、観客席は阿鼻叫喚の地獄絵図に。その場で気絶する者やちびりながら逃げ出したりする者等、手が付けられない状態に。
通報を受けて駆け付けた警察が付近を閉鎖して調べた物の、犯行を示唆する証拠は全く見つからず。そもそも被害者は突如として宙に浮いたのだ。
余りにも常軌を逸する異常事態に、言葉に出来ない恐怖を感じる警官達。だが・・・。
それはこれから頻発する怪現象の、始まりに過ぎなかったのだ。

37: 194 :2021/01/06(水) 19:41:02 HOST:ai126215166020.78.access-internet.ne.jp
次の事件はそれから三日後、蔚山の公民館での事であった。
今度は「第一竹島丸」へのハープーン攻撃を主張した大尉の父が、似た様なイベントを行っていた。
そして彼が、「子供達が犠牲になったと言うが、それは子供達を騙して盾にした日帝の陰謀で有り、我々が非難される謂れは何処にもないのです!!」と絶叫した直後、彼の体が再び宙に浮き、
九十度横になった直後に、まるで雑巾を絞るかの様に体が捻じれて行き、やがて曲げられる限界を超えた体から血や髄液・内臓だった物が派手に観客席にぶちまけられ、また観客席に死体が放り込まれたのだ。
またもパニック状態に陥る観客達。駆け付けた警察が調べた物の、やはり犯行を示唆する証拠は無し。不気味さだけが増していく。

その後も「独島に住み着いている自然物を除去して、聖地である独島を取り戻すのだ!!」と主張した活動家や、「子供が殺されたと言うが、彼等は地球人類に害をなす汚物で有り、それ等の除去は人類の普遍の権利である!!」
と主張したある海軍中佐、更には戦略艦砲射撃で焼け野原になった釜山を視察に来た陸海空海兵隊の大佐達が次々と、ここで書く事の出来ない様な凄惨な最期を遂げるに至り、人々は秘かにこう噂する様になった。


「独島の呪い」と。


さて、この怪奇現象の原因だが・・・・・読者の皆様には言うまでもないだろう。深海竹島棲姫の仕業だった。
彼女が、あの攻撃の関係者やそれに同調する意見を述べる連中、あるいは竹島の住民を排除せよと叫ぶ馬鹿共に制裁を加えていたのだ。
具体的には、戦艦棲姫と同じタイプの艤装の化け物が彼女のうなじとケーブルで直結しており、その艤装の怪力をもって惨たらしく殺害している。
その時の彼女は、自分達の犠牲を「でっちあげ」「卑劣な陰謀」と糊塗して全く反省すらしようとしない様子に静かな怒りを抱いており、行動をもって報復していたのである。


無論、彼女も分かってはいた。この様な事をしても、あの時死んだ皆は帰ってこない。適性があった自分とは異なり、生き返る事なんて無いのだ。
だが、それでも彼女はこの手の輩に対する報復を望み、自らの手を血で汚し続けた。あの時に感じた理不尽に対する怒り、この様な非道を行った連中への恨み、何より夢を、命を、強制的に奪われて死んでいった
皆の無念を晴らす為に、彼女は「活動」を続けた。この様な狂った連中がのうのうと生きている事実に怒りと恨みを燃やしながら。そして・・・自らの良心があげる悲鳴に、耳を塞ぎながら。

南のキムチ達を震撼させた怪事件だが、やがて彼等はそれに構っている暇はなくなっていく。
戦況の急激な悪化による国家体制の事実上の崩壊、その後の本土決戦の末に国土は焼けて国家が滅亡。その後の人格改造刑という悲劇が次々と齎されたからだ。
ただ不思議な事に、それ等の出来事と反比例して怪事件の発生件数が急速に減少していき、人格改造刑の終了と共にピタリとやんだのだ。

その後、進駐してきた連合各国にそれ等の事件の存在が明かされるも、証拠が無い事も有り怪事件以上の関心を持つ事は無かった。
ただ・・・・・北が「とばっちりとか受けたくない」と、以前から主張していた「日本海」の「朝鮮海」への変更という主張をコッソリ取り下げ、以後二度とそういう主張をする事が無くなったのを追記しておく。
まぁ、結果論だがその懸念は無用だった。彼女はかの者と交わした誓い・「無関係の者を殺めない」という誓いをきちんと守ったのだから・・・。

38: 194 :2021/01/06(水) 19:41:32 HOST:ai126215166020.78.access-internet.ne.jp
以上です。何とも酷いスプラッター映画な展開となってしまった(滝汗)
そういうのが苦手な方々、大変申し訳有りませんでした。ただ、彼女の怒りと恨み・憎しみが余りにも大きい為、どうしてもこうなってしまいました。
因みに、彼女の姿は他の者達からは見えていません。その為、急に宙に浮いたと思った所でミンチより酷い末路に。
なお、元が人間という事も有り彼女自身が完全に染まり切ってはおらず、自身の良心が悲鳴を上げ続けてもいます。それが、尚の事彼女の悲劇を増してしまっているのが(汗)
そんな彼女に、果たして救いは訪れるのか。まぁバッドエンドは嫌いな口なので、なるべく良いエンドを迎えれる様に努力していきます。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2021年01月09日 18:46