798: yukikaze :2021/01/11(月) 20:15:43 HOST:p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp
とりあえず阿賀野型もできたぞ。何のひねりも何もない艦だけどさ。
阿賀野型巡洋艦
全長:212.4メートル
全幅:24.6メートル
喫水:6.5メートル
基準排水量:1万3200トン(公称:実際は14,500t)
満載排水量:1万6800トン
機関:艦本式ロ号缶8基 艦本式タービン4基4軸 15万馬力
速力:32ノット
航続距離:18ノットで10,000カイリ
武装:40口径12.7センチ砲連装14基(中心線上8基 片舷3基づつ)
ボフォース40ミリ機関砲連装10基
20ミリ機関砲 単装20基
装甲:舷側 76ミリ(傾斜角なし)
水平 89ミリ(主要部のみ)
同型艦:「阿賀野」「能代」「矢矧」「酒匂」「淀」「揖斐」
(解説)
日本海軍が建造した巡洋艦。世界で初めて最初から設計された防空巡洋艦であり、より量産性を高めた球磨型防空巡洋艦とともに、艦隊防空を担うことになる。
同型が建造された経緯は、日本海軍のドクトリンの変化にある。
1920年代後半からの軍用機の発展は、これまで精々偵察か嫌がらせの爆撃にしか使えないと思っていた航空機が、主力艦は無理でも巡洋艦クラスにならば打撃が与えられるのではないかという期待を抱かせるところにまできていた。
また、艦隊決戦が起きた際に、こちらが制空権を握ってさえいれば、相手方に弾着観測をさせず、逆にこちらが一方的に正確な砲撃を撃てるという思惑もあった。
こうしたことから、日本海軍においては、これまでオマケ扱いであった航空機が、戦力として計算されることになるのだが、航空機の進化は、日本海軍が予想しない速さで進むことになる。
32年式艦上戦闘機及び32年式艦上攻撃機。
史実ではそれぞれ「96式艦上戦闘機」及び「97式艦上攻撃機」と呼ばれるそれは、史実の原型機と比べると洗練されていたとは言えないが、史実よりも工業力があった分、史実で失敗に終わった7試の段階で誕生することができた機体である。
「原石であるが、磨けば優秀な機体になる」と、海軍空技廠で評価されたように、この二つの機体は、3年の熟成の末、1935年時には史実レベルの性能を発揮することに成功するのだが、これにより海軍では「巡洋艦クラスでも航空機で撃沈は可能」という確信を覚えることになる。
しかしそうなると困るのが、「相手方もこちらの巡洋艦を潰すことが可能」という事実である。
特に
アメリカ側は、新型航空母艦として、25,000t級装甲空母の『ヨークタウン』級空母などと言うものを建造しているからなおさらであった。
余談であるが、日本側が、艦上攻撃機の開発には熱心であったが、急降下爆撃機の開発に消極的だったのがこの『ヨークタウン』級の存在であり、どれだけ命中率が高くても、威力的に微妙な急降下爆撃に対して消極的になったと言われている。
こうした事実から、日本海軍は旧式化した5,500t型で程度の良かった艦を防空巡洋艦として改装したものの後付けでの改装であったため、その実力は限定的であった。(これが5,500t型が、全て対潜巡洋艦に改装される要因となる。)
その為、日本海軍は、5,500t型巡洋艦の代替として、一から防空巡洋艦を作ることになる。
これが『阿賀野』型巡洋艦となる。
阿賀野型のコンセプトは、徹頭徹尾『防空』である。
すなわち、艦隊に追随出来るだけの速度と航続距離を持ち合わせ、強力な防空火力を正確に、いつでもどの海域でも安定して発揮できる艦としての役割が求められ、それ以外は切り捨てられていた。
一部には、水雷艦隊旗艦として使う構想もあったが、それについては「防空艦に余計な任務をつけさせるな」という海軍軍令部の一喝によって消滅している。
こうしたことから、海軍としては、主に高角砲3~4基を1つのグループとし、射撃指揮装置で制御。
それを複数搭載し、艦隊中核部で敵航空部隊に対して弾幕を張るということを決定している。
この時、基準排水量を8,000tレベルにする代わりに、連装高角砲6基12門とし、10隻の防空巡洋艦を作る派と排水量を13,000tレベルに拡大する代わりに、連装砲塔を14基(4基グループを2つ、3基グループを2つ)として6隻の艦を作るという派に分かれることになるのだが、海軍としては「巡洋艦の本道は最上型の系譜であって、阿賀野型はそんなに建造しないだろう」という見込みと、8,000tだとプラットフォームとして幾分不安定という点を嫌って、最終的に13,000tのプランを採用することになる。
799: yukikaze :2021/01/11(月) 20:16:20 HOST:p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp
この時阿賀野型で採用された、37年式砲射撃指揮装置(GFCS)であるが、同装置の特徴は、射撃計算機として従来の機械式計算機を用いた射撃盤から、アナログコンピューターによる射撃指揮コンピューターが採用され、方位盤に射撃用レーダーが組み込めるように設計されていたことであろう。
これにより、精度の高い射撃が見込まれることになったのだが、阿賀野型では、これが都合4基装備され、それぞれ『艦首部』『右舷部』『左舷部』『艦尾部』の高角砲郡を制御することになっている。
もっとも、トップヘビーを嫌って、同装置のうち2つは、右舷側及び左舷側に割り振られており、仮に艦首部及び艦尾部の装置が使えなくなった場合、狙える目標が一気に激減する危険性を有している。
こうしたことから、砲側にも射撃用レーダーを組み込んだ簡易射撃指揮装置を搭載する予定であったが、こちらは射撃用の小型レーダーの開発に手間取ってしまい、従来の照準射撃の機構しか組み込まれていない。
砲の配置については、艦首部から第一~第四砲塔。その後、艦橋―煙突―後部艦橋ときて、第五~第八砲塔。
右舷側に第九~第十一砲塔、左舷側に第十二~第十四砲塔と割り振られている。
第三と第四、第五と第六については、各砲塔よりも1段高い甲板に備えられており、対照的な配置となっている。
なお、上部構造物が多い分、トップヘビーには非常に気を付けており、速度が遅くなること覚悟のうえで、幅広な艦型を採用しており、荒天時でも安定性は高く、運動性能も舵の利きが多少悪かったものの、利き始めてからは最上型よりも良かったなどと、コンセプトに適した艦となっている。
それ以外の砲については、40ミリ連装砲を10基、20ミリ機銃を20基備えており、「まるでハリネズミのようだ」と、イギリスの駐在武官から評されるほどの兵装を備えていた。
演習においても、その防空能力のすさまじさは「まるで火山が噴火したようだ」と、形容されることになる。
防御力については、敵艦と打ち合うことなどないということから、当初は舷側を無防御とする案も出ていたが、流石にこれは極端すぎるとして、76mmとしている。
これは最上型と比べると大幅に削減しているのだが、傾斜装甲を取り入れた分、量産しにくかった最上型と比べると生産がしやすく、最上型の廉価版である水無瀬型においても、傾斜装甲を廃することになる。
もっとも、垂直防御は激減したものの、水平防御についてはそう変わらず、更には最上型と同様、船体構造の強化に努めていたことで、船自体は頑丈にできており、被弾に強い艦となっている。
また、量産効果を見込んで、機関は夕張型以降同じ機関を利用しており、シフト配置を採用することによって被弾後も機関が動けるようにしている。
同型は1937年以降順次建造され、第二次大戦開始時には全艦竣工している。
艦隊に配備以降は、期待通りの性能を示し、『艦隊防空の守護神』と頼りにされ、アメリカ軍からは『絶対にこいつに近づくな』と、申し渡されるなどの活躍をしている。
一方で、取得コストが高いこと、また主砲である40口径12.7センチ砲がやや旧式化していたこともあって、開戦直前の1942年には、同型の主砲を54口径12.7センチ自動砲に換装する反面、砲塔を8基に削減し、舷側に76ミリ連装自動砲をそれぞれ4基づつ備えた球磨型防空巡洋艦が生産の主軸になっている。
同型は、日本海軍の巡洋艦戦力が一時的に減少していたソロモン海戦において、水上砲戦部隊に組み込まれ、『能代』『淀』を失うという被害を受けたものの、それ以外の船は終戦まで健在であった。
もっとも、主砲の陳腐化と維持コストの問題から、第二次大戦終結後は全艦予備役となっており、程度の良かった『酒匂』が、中央共同連合政府に払い下げられ『鄭成功』として、長く同国海軍の旗艦を務めることになる。
801: yukikaze :2021/01/11(月) 20:27:59 HOST:p574198-ipngn200409kamokounan.kagoshima.ocn.ne.jp
更新終了。本当に何のひねりもない防空巡洋艦でお茶濁すことに。
まあ水雷戦術封じられたら、これしかネタないんですよねえ。
とりあえずプロトタイプとして最上型と阿賀野型を作って、戦時急造タイプとしてリファインされた水無瀬型と球磨型が量産されると。
多少の性能差なんて数で押しつぶせますし。
一番の肝はGFCSですけど、これはまあアメちゃんのマーク37GFCSのパクリ。
この世界のアメちゃんも行き着くんでしょうけど、問題は電探の小型化に失敗して、戦争末期でもセンチ波のレーダー出来たら御の字じゃないでしょうか。
なお阿賀野に搭載したの大きさが大きさですんで、4基が限界。まあ似たようなウースターもそんなもんだったし。
駆逐艦でGFCS1基、通常の巡洋艦で2基、防空巡洋艦で4基といったとこかねえ。
(予備用のGFCSは除く)
最終更新:2021年01月14日 22:39