547: 635 :2021/01/14(木) 00:07:56 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその十九



航空母艦葛城、潜水空母伊四〇〇と戦略爆撃機部隊を纏める高町なのは少将を引き連れ神崎博之提督は東京の総理官邸を訪れた。
通された官邸の応接間に入ってくる二藤部を見ると覇気がない、というより憔悴しきった表情をしている。
無理もないと神崎は思う。
日本では戦後初となる国家同士の戦争、しかも大量虐殺と戦後初の核の実戦使用というとんでもない置き土産まで残していった。
これで日本は三度被爆した国家となった。

あれから24時間も立っていない。
神崎は転移装置で在日本神崎島大使館を経由しこの場にいる。二藤部と緊急の会談するために。


「神崎提督、お待たせしました。」

「二藤部総理このような状況下で時間を作って頂き申し訳ありません。」

「いえ、それでこの度の会談は如何なる理由で?」

「単刀直入に申し上げましょう。」



「二藤部総理、日本国は韓国の蛮行に対し報復攻撃を行うべきです。それも可及的速やかにかつ大規模に。」



二藤部の表情が固まった。




衝撃から立ち直った二藤部は反論する。


「神崎提督、お言葉ですが韓国の蛮行と同じことを行うとは些か問題ではないかと…。」

「総理、攻撃を受けたが同じことをしては相手と同じになってしまうからしない。最早そんな甘い事を言える状況ではありません。」


神崎は二藤部の言葉を一刀のもとに切り捨てる。


「最早これは日本だけの問題ではないのです。」


神崎は今即時に反撃を行わなければ日本は国際社会で何をされようとも反撃しない国と舐められるという。
それは今後の国際社会での日本の立場に悪影響を残すだろう。
だがそんな事は些細な事と神崎は言う。


「駐イゼイラ大使からの報告ですが、現在イゼイラでは今回の虐殺と核攻撃に関して大規模なデモが行われています。」

「デモ?」

「ええ、韓国への報復攻撃を求めるデモです。それも出来るだけ凄惨に惨たらしく韓国人全員を殺せという声が多い。」

548: 635 :2021/01/14(木) 00:09:03 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp

聖地日本を穢され、兄弟、家族とも言える日本人を殺されたのだから当然だと神崎は言う。
しかも日本人同士を殺し合わせその身体や血を兵器に組み込んだという正気を疑うような行為、
火に油を注ぐどころか高感度爆薬満載かつ水素が充満した火薬庫で焼き芋を焼くようなものだ。
二藤部の顳?を冷たい汗が傳う。

そしてデモが拡大、歯止めがかからなければイゼイラだけでなくティ連全体に悪影響を与え、
最悪の場合はイゼイラのサイヴァル政権とティ連のマリヘイル政権の崩壊、過激派による政権の掌握、
そして怒りの矛先が何もしない日本政府に向きく可能性が高い。

何より過激派による韓国に対する凄惨な虐殺、いや死んだ方がまだ救いがあるという状況になりかねない。
そしてそれはティエルクマスカ連合という国家連合政体に暗い影を落とすだろう。
だからこそ日本が日本人が自ら報復を行ったのならば彼らも溜飲が下がるだろう。

そしてそれ以上に問題なのがこの国の太母の墓が暴かれ遺体が呪詛兵器に転用されたという事実、
太母の怒りで最悪千曳の巌の封が完全に解かれかねないと言う。
だからこそ報復しなければならない他ならぬ日本人の手で。


「報復手段として神崎島近海で回収された核を転用した核兵器も用意してあります。無論運用と責任は我々が負いましょう。」


既存の自衛隊にはなく、特危の装備では特危が防衛総省下で納得しない輩もティ連には居るだろうからと神崎は言う。
そして葛城達三人が歩み出る。


「葛城です。我が機動部隊は艦載機搭載の核爆弾による報復攻撃を行う準備は完了しています。」

「伊四〇〇を旗艦とする第一潜水機動部隊は全艦のVLSに核弾頭搭載型SLBMを搭載済み、いつでも出撃可能です。」

「戦略爆撃部隊は日本の領海内に入らない形で核パトロールを開始いつでも核攻撃可能です。」


全員がいつでも報復核攻撃を行えると言う。
しかし二藤部は首を横に振る、それだけは絶対に駄目だと。


「何故です二藤部総理?」

「神崎提督、私は報復攻撃そのものを否定している訳ではありません。」

「どういうことです?」

「私は、貴方方、広島や長崎で原爆の犠牲者となった方々に自らを地獄に落とした核のスイッチを押して欲しくはありません。」


それだけは譲れない、今を生きる自分がそれを神崎島の人々にさせれば自分は畜生以下に成り下がると二藤部は言う。

549: 635 :2021/01/14(木) 00:11:40 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp

青いなと神崎は思う、しかし同時に好ましい。
このような状況下でも倫理を維持しながら何かを実行しようとすることは実に難しい。
しかしそれは絶対に必要なことだ、人が人であり続けるために。
それを失えば人は二藤部の言うように畜生以下に成り下がるだろう。
正義なき力とは圧制である。

だからこそこのような状況下でも正しくあろうとする者の居るこの国を守らなくてはならない。、



「分かりました総理、では代案を出しましょう。」

「え?」

「韓国には到底撃ち落とせぬ神でも用意しましょうか。」


どこまで隠し玉があるのかと思う二藤部に神崎は意地悪くニヤリと笑う。




「古き欧州の太母(グレートマザー)の系譜の女神の写し絵、『機動砲艦アルテミス』を投入します。」

550: 635 :2021/01/14(木) 00:12:38 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年01月14日 23:41