745: 陣龍 :2021/01/15(金) 15:01:20 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
『シャルンホルスト』『グナイゼナウ』
【概要】
後述するフランスの極度の対独敵視政策に端を発したドイツの海軍軍備増強計画に置いて、先の戦争から親密な関係を築いていた日本に対してドイツ海軍が発注し、そして日本史上初の戦艦輸出第一号となった巡洋戦艦。巡洋戦艦と言う事も有って、その主砲は日本海軍が運用していた41㎝砲に対して費用削減の為に対38.1㎝集中防御方式と言う日本海軍としては不満の残るスペックであったが、受領したドイツ海軍は30ノット超過の高速巡洋戦艦に歓喜しており、実戦の運用に置いても殆ど支障は生まれなかった。
30ノット超過の高速と41㎝砲と言う強烈な攻撃力は敵対した海軍全てに共通する脅威であり、尚且つ度々偶然の悪天候や闇夜を味方に付けて輸送船団や敵艦隊、更には一度だけだが空母機動艦隊にすら吶喊に成功して敵艦隊に大打撃を与えると言う姉妹艦揃っての強運の持ち主で、日独からは『軍神の寵姫』と讃えられ、フランス人からは『ジャガイモ野郎の女騎士』等と憎まれたと言う。
【経歴】
第一次世界大戦によってドイツに勝利したハズが戦災の爪痕による疲弊と借金返済に汲々としている自国を他所に、工業化推進の為に戦後から急接近した日本からの大量の発注や投資で息を吹き返して復興に突き進んでいるドイツに向けるフランス人の視線は、年々冷たくまた戦時中以上に憎しみの籠った物となっていた。常々四五分裂離散集合を繰り返すフランス政界でも、対独政策では無条件に団結していた程に。その為に、英独海軍協定でドイツが海軍再建を始めようとした時には英独が予想だにしなかったほどに激烈に反抗し、そして
アメリカから支援を受けつつ対抗した大艦隊建造計画をフランスがぶち上げていた。軍縮条約など勿論単独脱退した上で。
余りにも想定外の事態にドイツも対抗上一定規模の艦隊建造を余儀なくされ、フランスの暴走でイギリス人の外交関係者が複数病院送りになる中、ドイツでは久方ぶりの戦艦建造で不安を覚えた事から日本に戦艦建造を依頼する事となった。本来は自力建造の予定であったが、政軍上層の視察中にドイツの新鋭駆逐艦が設計ミスでボイラーが爆発を起こしてしまったのを目の当たりにしており、信頼性が墜ちていたのが大きい。
そして依頼を受けた日本では想定外の事態に驚くも、ある意味これは名誉な事で有るとして後の振り返りで『ちょっとやり過ぎたかも知れん』と述懐する程にドイツ向け戦艦の対応にのめり込み、最終的にドイツとの打ち合わせの末『41㎝砲の改金剛型』をコンセプトに建造する事が決定された。
建造は特に支障もなく順調に進み、日本からドイツへ回航する際には近隣住民や日本海軍艦艇の盛大な見送りつきであった事からも、当時の日本の親独感情の強さが伺える。
最終更新:2021年01月19日 19:57