967: ひゅうが :2021/01/17(日) 23:16:04 HOST:p279123-ipngn200204kouchi.kochi.ocn.ne.jp
RNAF・中島 艦上攻撃機「サイサリス(天山改)」
全長:10.9メートル
全幅:14.9メートル(主翼折り畳み時7.22メートル)
全高:3.82メートル
重量:5.32トン(全備重量5.75トン)
発動機:三菱 Mars Mk.3mod6(火星36型) 18気筒
出力:公称1800馬力 離翔2050馬力(水メタノール噴射付)
最大速度:毎時501.8キロメートル(高度4000メートル)
航続距離:正規1700キロメートル 過重量時2800キロメートル
武装:ブ式12.7ミリ旋回機銃1
搭載:航空魚雷×1 Mk.82 2500ポンド爆弾×1
【解説】――英国海軍が採用した日本製艦載機、その攻撃機verである
ABC級の項でも記したように、英国海軍は1930年代後半から40年代にかけてことごとき艦載機の開発に失敗し続けていた
そのため、1940年時には艦載機は少数のシーファイア(スピットファイア艦載型)のほかはフェアリー ファイアフライ(速度が500キロ程度)、そして攻撃機は帆布張り複葉機のソードフィッシュという有様であった
そこへきて艦隊の大拡張計画である
彼らとて新型艦載機(のちのシーフューリーやアルバコア)開発は進めていたものの、エンジンに独特のスリーブバルブなどを採用する凝り性が祟って開発は難航を極めてしまったのだった
それに引き換え、再び同盟強化に乗り出した日本は1937年には全金属単葉機で艦載機を統一しており、その情報は英国大使館によって海軍当局にも知らされていた
大戦の暗雲が迫る中、英海軍は発注をかけたタイプG17型航空母艦に引き続き、艦上戦闘機や艦上攻撃機、艦上爆撃機も日本に発注をかけることにしたのであった
こうして導入が決まった攻撃機であったが、当時完成していた零式艦上戦闘機の改良型(航続距離を短めにとるかわりに頑丈で大馬力に設計しなおした)ですんなり決まった戦闘機と違い、英海軍を大きく悩ませることになる
というのも、当時の主力機であった97式艦上攻撃機は早々に退役が決まっており、その後の「つなぎ」として投入された試製「天山」と、雷撃機と爆撃機の双方を統合したうえに限定的ながら戦闘機としても使用できる強力な試製「流星」という魅力的な2機種が存在したからである。
とここで横やりを入れてきたのが、英国の航空メーカーブラックバーン社であった
彼らが開発中であったブラックバーン ファイアブランドは完成すれば性能において「天山」を上回り「流星」すらもカタログスペックでは負けないというのである
彼らは、愛知航空機に生産を任せるとして「流星」潰しとあわゆくばの日本進出を目論んだのだ
(実際のところ、開発が難航していたことから「流星」の技術情報を反映しての再設計を目論んでいたといわれるが、営業職と技術職の認識の違いによりそう受け止められたとしてもしょうがないだろう)
だが、スリーブバルブ式に懲りていた英海軍当局はこの提案を一蹴
愛知航空機側も難色を示したことから、「流星」の英海軍向け再設計という案はほぼとん挫してしまう
そのためにピンチヒッターとして登場したのが、中島飛行機が日本海軍向けに提案しつつも「流星」の存在からお流れになっていた改良型である
968: ひゅうが :2021/01/17(日) 23:16:49 HOST:p279123-ipngn200204kouchi.kochi.ocn.ne.jp
エンジンを当初の火星25型から、この頃進み始めた日英共同開発によって誕生したばかりの火星36型に換装し、出力2000馬力を叩き出す
そのうえで阿蘇型巡洋戦艦や紀伊型戦艦用の旧式主砲弾を改造した1トン爆弾を搭載可能という強力な案は、英海軍にとって魅力的であった
もともとがカタパルト射出を前提として設計されていたことから発動機の換装と役立たずに近い後下部機銃廃止のみで再設計はほとんどされずに済み、さらにライン転換もうまくいっていたことから開発と生産は順調に進んだ
さらにはやや大型でありながらも低オクタン燃料でも1800馬力以上を発揮可能な発動機として本機のエンジンは「マーズ Mk.Ⅱ」として英軍でも採用され、空軍機でもいくつかの搭載型を出している
閑話休題
そして、第1次ニューファンドランド沖海戦以降に生産された機体はエクソダス(出エジプト)作戦において英国に向かう「アルビオン」級空母20隻に満載されて大航海に途についた
本機が当初から搭載していた機載レーダーH6を利用して英海軍は夜間の航空攻撃と対潜哨戒に活用
インド洋や大西洋で廻航艦隊を狙う米潜水艦複数を見事に撃沈してのけ、英海軍を驚喜させた
加えて、夜間雷撃を特に気に入ったらしい英海軍は、本機をライセンス生産する傍らで英本土近海やビスケー湾、そして空母機動部隊による対仏援助船団攻撃に積極的に投入した
同じく輸出された「彩雲」こと「ブロッサム(リーダー)」による索敵のあとに本機が投入されるというパターンで船団を丸ごと包み込むようにする攻撃は「船団殲滅攻撃(フリート・デストロイヤー)」として米仏海軍の船乗りに恐れられた
また、のちの「流星」こと「ブラスト(『爆風』の意)」が投入されるまでは英海軍最強の徹甲爆弾Mk.82 1トン(英軍は2500ポンドと呼称)爆弾を搭載できる唯一の機体が本機でありその成果はグァンタナモ攻撃やレイキャビク沖海戦でいかんなく発揮された
赤外線誘導機構を備えた弾頭を搭載できることもあって、「ブラスト」の投入後は主として夜間攻撃用航空隊や対潜攻撃隊に所属
終戦まで英機動部隊(ABCフリート)の強力な矛であり続けた
機体はそれほど外見的に洗練されてはおらず後世の人気はいまひとつではあるものの、その大きな機首を英艦隊の兵士たちは大いに頼りにしており、多くの写真が残っている
現在は英本土に2機が動態保存され、飛行クラブの顔として地元民に親しまれているという
969: ひゅうが :2021/01/17(日) 23:19:13 HOST:p279123-ipngn200204kouchi.kochi.ocn.ne.jp
というわけで、攻撃機投入です
yukikaze氏の指摘もありまして、装甲化された甲板や戦艦の水平装甲を貫くべく1トン爆弾を投入
さらにヤバいもの(大和弾)投入を予定して、やべーものを考えている途中であります
971: ひゅうが :2021/01/17(日) 23:36:49 HOST:p279123-ipngn200204kouchi.kochi.ocn.ne.jp
ちなみに2500ポンド扱いしてるのは、1トンというより1.09トンに近い重量であるからであります
最終更新:2021年01月19日 20:39