242: ひゅうが :2021/01/27(水) 21:02:23 HOST:p279123-ipngn200204kouchi.kochi.ocn.ne.jp
RNAF・愛知 艦上戦闘爆撃機「デンドロビウム(ブラスト/流星)11型」
全長:12.4メートル
全幅:14.1メートル
全高:4.3メートル
自重:3.81トン
発動機:Mars Mk.3 mod8(火星38型)18気筒 公称2010馬力 離翔2300馬力
最高速度:602キロメートル毎時(高度4000メートル)
巡航速度:370キロメートル毎時(高度4000メートル)
武装:エ式改二20ミリ機銃2門(翼内)
ブ式12.7ミリ機銃2門(機首)
搭載最大1.6トン爆弾乃至航空魚雷×2
緊急加速用RATO 5基
【解説】――英国海軍が採用した日本製艦載機、その爆撃機verである
ABC級の項でも記したように、英国海軍は1930年代後半から40年代にかけてことごとき艦載機の開発に失敗し続けていた
しかし、これを受けて間に合わせ的に開発された「サイサリス」艦上攻撃機は満足すべき性能を示し、さらに爆撃機能も持っていたことから初期の英国機動部隊の主力をなすのに必要十分であったといってよいだろう
対して、政治的な思惑によって一時は退けられた愛知航空機の試製「流星」は、爆撃機と攻撃機との統合を目指したことから開発が難航
愛知設計陣は液冷発動機とともに空技廠の設計に見切りをつけて、一人の天才技術者を頼ることにした
倉崎重蔵
空技廠でも異端とされたエキセントリックな技師は、簡単にいってのけた
「爆弾庫なんて、いらんやろ?」と
そのとき愛知技術陣に電流走る
彼らは、さらさらと喫茶店の紙ナプキンの上に記された倉崎の設計案にくぎ付けとなったのだ
そして1か月後、海軍当局に提出された設計案は空技廠の絶句とそれ以上の絶賛で迎えられた。
開発が佳境に入っていた日英共同開発発動機「火星」の38型
大直径ゆえに当時開発中だったハ44発動機を除けば唯一の公称2000馬力越え発動機を搭載し、そのうえで大直径4枚プロペラを採用
脚部が長くなることを考えて逆ガル翼を採用したうえで、油圧技術に自信を持つ愛知の技術を活かして「主脚を90度回転させ収納する配置にすることで、ダイブブレーキとしても使用する」という逆転の発想を示したのである
そのうえで、空いたスペースには主力艦上戦闘機なみのエリコン社ライセンス生産改良型の20ミリ機関銃を搭載
機首にも12.7ミリ機関銃を(コクピットに一部突き出すのを承知で)搭載
さらに大出力発動機を搭載したおかげで実に公称1.6トンに達する搭載量を実現してのけたのである
まさしく、怪物以外の何者でもなかった
243: ひゅうが :2021/01/27(水) 21:03:05 HOST:p279123-ipngn200204kouchi.kochi.ocn.ne.jp
空技廠は発案者が誰か聞いてひきつった笑みを浮かべたものの本機を「採用すべきもの」として上申
さらには本機の計画を見せられた英国当局は「早くよこせ(ハリー!ハリー!ハリー!)」という伝説的な一言で承認を見せ、ここに1941年12月、正式に開発がスタートする
そして突貫作業の結果、1942年11月には試作第1号機が初飛行
英国の「セント・ヴィンセント」級戦艦用主砲弾の改造型である2000ポンド爆弾2発を搭載して水平爆撃し、日本の「阿蘇」型巡洋戦艦用主砲弾改造の1.6トン爆弾を抱えて急降下できる怪物がお目見えすることになった
本機は油圧カタパルトを前提として設計されてはいたが、それに加えてマルR装置こと緊急加速用ロケットブースター(RATO)を装備することで小型空母からの発艦を可能とし、さらには攻撃時の緊急加速用として使用することもできるようになっている
加えて、「サイサリス(天山改)」では射点にたどり着く前に攻撃を集中されてしまうような場面でも被撃墜率が低下することを狙ってRATOは標準装備とされた
こうしたわがままな仕様をもってマウントバッテン大佐(試験飛行を行った空母アルビオン艦長)から「デンドロビウム」と名付けられた本機は、開発中だった試製流星の開発中止を受けて「流星」の名を襲名
1943年早々に量産が開始されることになった
完成したものは、米国にとっては最悪の代物であり、そのためにコードネームは英語で凶鳥を意味する「ハーピィ」となる
まず英海軍機動部隊ことABCフリートへ、ついでトラック環礁を封鎖する日本海軍機動部隊に配備が開始された本機は、その大柄な機体をいかして幾度となく改良がくわえられ、発動機もハ44やハ50などの3000馬力級発動機へ換装され最終的には重量3トンに達する通称「大和弾」を抱えて爆撃を敢行できるだけの怪物へと進化
絶対の自信をもって送り出された米国の「
アメリカ」級戦艦をも主要防護区画をボロボロにできるだけの怪鳥として太平洋戦線はもとより大西洋戦線を縦横に駆け抜けて終戦を迎えることになる
その凶悪なフォルムから日英での人気はいまだに高く、さらに頑丈な次世代超々ジュラルミン製であったことからカナダなどでの消防機として、そして1970年代初頭まで払い下げられた同盟国空軍でも活躍したために現存機も35機とかなり多い
244: ひゅうが :2021/01/27(水) 21:06:24 HOST:p279123-ipngn200204kouchi.kochi.ocn.ne.jp
というわけで、リヴァイアサン世界における「爆風」登場であります
内田先生ごめんなさい!でもファンなんです
いろいろこなせる、ってのは「デンドロビウム」の名にふさわしいかと思いまして
こいつの登場で、「サイサリス」は夜間攻撃機に鞍替えすることになりました
ご笑納くだされば幸いです
最終更新:2021年01月29日 23:23