306: ナイ神父Mk-2 :2021/01/31(日) 01:01:50 HOST:p489163-ipngn2801akita.akita.ocn.ne.jp
憂鬱大陸スパロボ 

融合惑星ネタ短編

大西洋戦争とある戦線での話


大西洋戦争に於けるアフリカ東部戦線は第二線とされており比較的旧式中心のブリタニア軍と現地軍との戦闘が中心であった。しかし、全く高性能機が配備されていないという事は無く
旧式から再改造を施されて戦線へと投入されたサザーランドⅢやごく少数ではあるが最新機種のぺリノアも複数が配備されており通常兵器主体のモロッコの現地軍等に対しては大きな脅威と
成って居た。ブリタニア軍所属のコンラッド中佐が率いるコンラッド中隊もそんな高級機部隊の一つであり、ぺリノアを隊長機に近代化改修を受けたガレスを中心とした部隊で構成された
高級機部隊であった。

彼等を含めた陸上艦隊は現在国境近くに置かれたウジュダ近郊に展開するユージア群を排除するべく部隊を進めていたが、先行していたKMF部隊との通信が妨害によって途絶しており繋がらない
通信に対して部隊内ではいら立ちが募っていた。

「先行部隊との連絡はまだ取れないのか?」

「はっ…ジャミングが酷く如何にも…」

「待ち伏せに有ったのでしょうか?」

「幾ら指揮能力の低いジェイムズ卿の指揮と言っても一個旅団だぞ…あり得るのか?」

「静かにしろ、憶測を通信に流すな」

「申し訳ありません」

通信で憶測を流す部下に釘を刺しつつもこれまでは考えられない状況に対して自身も不安を感じつつも既に始まったホーン作戦などに連動して二線級である当戦線も前線の押し上げが
求められており進軍を止める事は出来ずに前進していた。そして、先行した旅団が通信を途絶したエリアに進軍したコンラッド隊が見た物は既に全滅したKMF部隊と敵機残骸が全く
存在しない異様とも言える戦場で有った。

「これは…既に全滅している…」

「生存者は…誰かいないのか!?」

広域到着した部隊は残骸が落ちている周囲に対して外部スピーカーを使って呼びかける物の帰ってくるのは沈黙ばかりであったこの状況に際していよいよ広まってきた部隊への状況を
変えたのは突如として行われた敵からの攻撃で有った牽制と思われるその攻撃は先行していた部隊の旗艦であったログレス級の残骸へと着弾ソレを一瞬で炎上させた。それによって
困惑していた部隊も俄かに攻撃が飛んできた方へと注目し一部の部隊は牽制の為に手持ちの武器を攻撃が北方向へと向けていた。すると、それに呼応する様に砂漠地帯の景色の一部が
陽炎の様に歪みそれが徐々に消えていくと同時に巨大な恐竜の様な機体が出現した。

未知の敵…少なくとも先行していた一個旅団を壊滅させた部隊の一部と思われるそれは数では圧倒的に不利な状況下に有ってもそれが眼中に無いかの様に周辺を囲んだKMF部隊を眺めていた
一種のにらみ合いともとれる状況の均衡を崩したのはコンラッドが行った広域通信による相手へとコンタクトだった。

『貴様が先行していたジェイムズ公爵の艦隊を撃破したのか?』

『そうだと言ったら?』

『所属は違うが同じブリタニアの同胞だ此処でその仇を取る。』

コンラッドの質問に対して恐竜型の機体から若い男の声でそう返事が返されると共に、コンラッドは機体の装備するシュタルクハドロン砲を出現した敵機へと向ける。それと同時に周辺から
砂煙が舞うと部隊を展開していた周囲からも敵機が出現小型恐竜であるラプトルに類似したそれはそれぞれ爪や牙、或いは背部に装備した爪で次々とKMFを切り刻み始めたのである。
レーダーで察知できなかった突然の奇襲の隙を付いて正面に居た敵も背部に付けた砲塔をコンラッドの乗るぺリノアへと向けビームを発射する。とっさに避けたコンラッドでは有ったが
部下にまでは指示を飛ばすことは出来ずそのビームは後方で飛行していたジークフリートを一撃のもとに貫通するとパイロットを失った機体はその揚力を失い地上へと墜落した。

KGFと言う機動兵器ではKMFを超える機体が一撃で致命打を与えられた事は想像の埒外であった。更に深まる混乱を尻目に最初に出現した大型の恐竜型…ジェノザウラーはホバー
移動による突貫を持って一気に敵陣の中央へと突入すると近くに居たサザーランドパピルサグをキラーバイトファングによって持ちあげてかみ砕き、慌てて迎撃態勢を取ろうとした
バタララン・ドゥにハイパーキラークローを射出すると機体胴体を貫いてそのまま機体を貫いた腕をバタララン・ドゥごと振るうと巨体をそのまま質量兵器としてG-1ベースへと叩き付け
追撃のレーザーを叩き込んでまだ半壊状態のG-1ベースとまとめて吹き飛ばすなどパニック映画の恐竜の如き動きをして見せている。

307: ナイ神父Mk-2 :2021/01/31(日) 01:03:14 HOST:p489163-ipngn2801akita.akita.ocn.ne.jp
「各機単独で相手にするな!数では向こうが劣っている確実に一機づつ…」

「さらに熱源直上より接近、敵の援軍です!」

「なに!?」

無人機を動かす為に展開していたサザーランドレギオンからの通信を受けて思わず上へと機体のファクトスフィアを動かすとその通信の通り複数の機影が上空から迫っていた。それは異形と
も言える部隊であった。あくまでも地上に展開している部隊が既存の生物の姿をベースにしている物なら上空に展開するそれは幾つもの生物を歪にくっ付けた様な姿であった。歪な龍の
様な姿を持った機体と獣を無理に人型に押し込めた様な機体群による強襲。それは何も知らないブリタニアからすれば悪夢染みた光景で有ったと言えるが先に戦闘を開始したジェノザウラー
が率いる部隊からすると又違った意味合いを持っていた。

ソレを示すかの様にジェノザウラーのパイロットであるブラッドは若干苛立ちながらも機体のモニターに映し出された元同僚のオーピスを睨みつけていた。それとは対照的に睨まれている
オーピスは薄笑いを浮かべており対照的な様子と成って居る。その苛立ちに呼応するかの様に操作している機体による攻撃も激しさを増しており、砲撃を行おうとしていたブリタニアの
サンダーボルト部隊に対して荷電粒子砲を打ち込むと返す刀で後ろから迫ってきていたサザーランドⅡの中隊を振り向き様に頭部のレーザーでハチの巣にしていくが内部に居るブラッドの
苛立ちは収まらずにいた。

「余計な事をしてくれたな…」

「ヒヒヒなぁに、ちょっとしたサービスだ、そう怒るな」

「ふん、どうせ再生したキメラ共のデータ取りだろう?あの二個旅団程度此方の部隊だけで十分だ」

「その通りでは有るがね?お前が思ったよりも活躍したせいで私の実験体の出番が無くなる所だったのだよ」

「俺を見縊るからそうなる」

ブラッドの言葉に聞いて今度は若干オーピスが顔を顰めるが其れで少し留飲を下げたブラットは通信しながら行っていた戦闘に再度意識を集中させようとしたその時、周辺の来たのソレを
超える大型のビームがブラッドの駆るジェノザウラーに向けて発射された。それを機体の軸をずらして回避して機体を向けると其処には先ほどスピーカーでコンタクトを取ってきた
コンラッドのぺリノアの姿が有った手には攻撃に使ったであろうシュタルクハドロン砲が握られている。

『漸く捕らえたぞ!』

『さっきの奴か…こちらを捕らえたのは褒めてやるがこのジェノザウラーに正面から砲を向けるという事が如何いう事なのか理解して居るんだろうな?』

『このぺリノアを甘く見るな例え戦艦の主砲だろうと撃ち負けはしない!』

『試してみるか?』

ブラッドの挑発に応じる様にシュタルクハドロン砲を握りなおしたぺリノアは照準をジェノザウラーに対して向けてチャージを開始する。そして、一瞬の間の後発射された
シュタルクハドロン砲と荷電粒子砲は空中で衝突一瞬の拮抗状態を生み出すも次の瞬間には荷電粒子の奔流に機体諸共飲み込まれ空中で大きな爆発を起こしている。
そして、その空中で咲いた爆炎の華と空を切り裂くように伸びた荷電粒子砲の光の軌道は戦場より少し離れたオーピスの乗るデススティンガーからも良く見える光景と成って居た。

「派手にやるな…」

「博士、オペレーションパターンⅡによる実戦は順調に推移してます戦闘を続けますか?」

「必要は無いだろう我々はそろそろ引き上げるぞ、ユージアとの約束も果たした事だからな」

自身の乗る専用デススティンガーの内部で通信を受けたオーピスはそう返すと近くにて電波妨害を行っていたダークスパイナーのパイロットに指示を飛ばして撤退準備を開始しようと
するが、それと同時にレーダーに敵機の影が映った事に気が付く反応が有る方向へと機首を向けると其処にはサザーランドⅢを中心とした小隊が向かってきている事を確認する。

「ふむ、敵にも多少頭の回る奴がいたようだな…だが…」

そう言いながらオーピスは機体を操作するとデススティンガーの背に乗せられていた930㎜連装衝撃砲を近づいてくるサザーランド部隊へと発射、反応の無い不可視のそれは一瞬で4機の
サザーランドを圧壊させると今度こそオーピスの率いる部隊は撤退の準備へと入った。その数分後にはブリタニアの地上部隊は完全に壊滅、更に金属資源がキメラゾイドたちに捕食された
事によってその地域で戦闘が有った事を示す証拠は消滅。ブリタニア側に置いては戦争終結まで謎の行方不明として語られる事となる。

308: ナイ神父Mk-2 :2021/01/31(日) 01:04:22 HOST:p489163-ipngn2801akita.akita.ocn.ne.jp
以上ですWIKIへの転載は自由です。取り敢えずは大西洋戦争中に派遣された上海条約機構のゾイド組の話をば…
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最終更新:2024年06月08日 20:22