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銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです二十六
扶桑がその全身全霊を賭して切り開いた対馬への航路。
聯合艦隊はその航路を神風が元軍を退けた逸話から駆逐艦神風を先頭に対馬近海へと突入する。
だがその前に大量の深海棲艦が立ちはだかる。
それら全てが思考などない生きとし生けるものへの呪詛のみで動く唯の人形達だ。
「大鳳行け!!成すべきことをすっど!!」
『了解、東郷元帥…御武運を!全艦機関全速!この場を離脱します!!』
東郷の叫びと共に大鳳の指示で儀式を行う神崎島の艦隊は離脱する。
それを東郷は副官を務めるチェスター・ウィリアム・ニミッツ・シニアと共に艦橋より見送る。
「大丈夫でしょうか…。」
「あん子達なら大丈夫…こちらもやっど。全艦第一種戦闘配置!!」
「全艦、対艦ラケータ一斉発っ射ぁぁ!!」
ロシア艦隊の指揮官の叫びと共にロシア艦艇からP-1000とP-270等が発射される。
日米英の艦からもハープーンや対艦誘導弾が放ち、
上空の戦闘機や爆撃機も対艦ミサイルを放つ。
それはかつてのオケアン70演習すら上回る鉄の暴風。
多数の艦艇が鉄の雨の前に沈んでいくが撃沈した以上の数が未だ健在だ。
聯合艦隊と義勇軍の水上打撃部隊が敵艦隊にへ突入を開始する。
「敵をこちらに惹きつけっ!アイオワ、敵ん懐に突っ込め!!」
「オーケー、Admiralトーゴー!Charge!!GO!GO!」
東郷平八郎の声とともに戦艦アイオワ、いや三笠の機関が唸りを上げ敵艦隊に向け増速を開始し、他の艦艇も続く。
東郷が敵を撹乱、こちらに目を向けさせる為に選んだのは突撃。
戦艦復活以前であれば艦隊陣形は輪形陣一択であったが選んだのは旗艦三笠(アイオワ)を先頭とする警戒陣、いや鋒矢の陣と言ったほうが良いだろう。
「砲戦用意!」
「主砲、副砲、全砲門射撃準備完了!!」
東郷の指示と共に主砲始め全砲門が敵に指向される。
「撃ち方、始めェ!!」
東郷の号令と共に三笠(アイオワ)の主砲が火を吹き超大重量砲弾かつ電子励起爆薬を内包する一式徹甲弾が一隻のル級の装甲を貫通し炸裂。
ル級は竜骨ごと粉砕され轟沈する。
続き、『戦艦敷島(サウスダコタ)』と『朝日(コロラド)』も砲撃を開始し、それに負けじと同戦隊を組む『富士(護衛艦ふじ)』と『初瀬(試験艦はつせ)』も砲撃する。
「もっと深く食い込め!増速!」
「はい!増速!!」
東郷率いる聯合艦隊はその突撃力を以って敵艦隊の陣に穴を穿ち、
その穴を続エイブラハム・リンカーン、クィーン・ビクトリア、ボロジノ級打撃巡洋艦、
そしてく阿蘇(護衛艦あそ)を始めとする富士型戦艦、戦艦八島(試験艦やしま)が広げていく。
しかし、
「敵艦隊、転舵。本艦隊を追撃する模様!」
当初は動揺した様子の深海棲艦達は聯合艦隊を追い始めた。
そして艦艇の数も膨大な数が未だ残っている。
モニターの中で誘蛾灯に集まる虫の様に聯合艦隊を追って集まりつつある深海棲艦艦隊のアイコンを見て東郷はニヤリと笑う。
「やはり、機械みたく教本(マニュアル)通りしか出来んようじゃな。これなら島の子ら(深海棲艦)の方が余程手強い。」
「敵艦全艦着いてきています。今の所、作戦通りですな…。」
東郷の呟きにニミッツは答える。
「全艦推進機関最大!奴らを引きつけっど!」
10: 635 :2021/02/14(日) 11:23:12 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
東郷の指示で艦隊は更に速度を上げ深海棲艦を誘引する。
三笠(アイオワ)は電磁推進と斥力推進まで使いさらに増速する。
英米露の艦艇の腹に増設されたバルジ、ヤルバーンより提供された電磁・斥力推進パッケージを装備し三笠(アイオワ)に十分追従可能だ。
聯合艦隊は深海棲艦との距離を十分に取ると更なる動きを見せる。
「左舷重力錨起動!!左舷推進機全力後進、右舷全力前進!取舵回頭180度!!『艦首』展開用意!!」
「了解!左舷重力錨起動、左舷推進機全力後進、右舷全力前進!取舵回頭180度!!『艦首』展開用意!!」
艦隊の先頭を航行していた敷島(サウスダコタ)、朝日(コロラド)そして三笠(アイオワ)は重力錨と推進機を駆使してその場で急速旋回、
戦艦ドリフトを行いうと艦首を深海棲艦に向ける。
三隻の間を他の艦艇が通り過ぎる。
そして深海棲艦達に向けて海が、
"割れた"…。
深海棲艦達が見たのは艦首を『展開』し『変形』させた三笠(アイオワ)、敷島(サウスダコタ)、朝日(コロラド)の三隻。
それは数で劣る日本側の切り札。
「艦首、『超重力砲』発射用意!!」
「「「「了解!!」」」」
東郷が号令と共に三笠(アイオワ)の艦首が展開し変形を始める。
その重力の顎は本来ならば機動巡洋艦たるふそうやイゼイラの戦艦バーシェントなど航宙艦に搭載すべき代物、超兵器『超重力砲』、
霧の技術の結晶であるそれはトーラル技術により改良小型化され艦全体を砲身とする必要がなくなっている。
「縮退炉出力臨海!」
「重力子チェンバー圧力正常!」
「仮想砲身安定化完了!行けます!」
三笠(アイオワ)の艦首に縮退寸前の超重力の塊が生まれ、電流が奔る。
「超重力砲撃てぇ――――!」
「Fire――――!!」
東郷とアイオワの叫びと共に重力子の嵐が奔る。
艦娘が操る超重力砲により深海棲艦は圧壊し分子レベルまで砕かれ、呪詛が払われていく。
環境破壊兵器である霧の大戦艦級のものより出力を落としているとはいえその威力は絶大だ。
重力子の嵐が過ぎると、そこに深海棲艦は一隻も残っていなかった。
しかし、
「レーダーに感!これは…対馬の深海棲艦の空母機動部隊と基地航空隊の航空機です!!増援の水上部隊も確認!」
「流石にこれだけじゃ終わらんか…。」
東郷はボヤいた。
「だが、前の天一号と同じて思うてもろうちゃあ困っぜ…!熟練艦載機は空母と共に未だ健在じゃあ…!」
「各空母に伝達。残っている空母艦載機も全て上げさせろ!」
東郷は獰猛な笑みを浮かべ、ニミッツは通信員に各空母に艦載機を上げるよう通信を命じる。
11: 635 :2021/02/14(日) 11:23:52 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
通信を航空甲板で受け取った艦娘サラトガは流れる髪を押さえ対馬の方を見る。
航空母艦サラトガ、イントレピッド、ホーネット、ガンビア・ベイを中心にし、
重巡ヒューストン、軽巡アトランタ、ヘレナ、駆逐艦フレッチャー、ジョンストン、サミュエル・B・ロバーツからなる空母機動部隊。
そこには日向型航空母艦(ひゅうが型護衛艦)や出雲型航空母艦(いずも型護衛艦)もいる。
合衆国出身であるサラトガ達、彼女達もまた日本名を名乗る。
四隻の航空母艦はその数に因み四国の旧国名を与えられた、それは高僧空海が張った日本有数の結界の地の名。
その名の力故、当初よりこの海域の深海棲艦の出現は抑えられている。
この国において言ノ葉に宿る言霊は力となり、天地を動かし、鬼神の心を揺さぶり、男女の中も取り持ち、猛き武士の心をも慰める。
それはこの日本が神州・霊(ヒ)ノ本であるが故に。
そしてサラトガ、元ダニエルズ・プラン、レキシントン級巡洋戦艦三番艦あった彼女、
現在は八八艦隊計画加賀型戦艦二番艦『土佐』の名を継ぎここにいる。
艦首の方向より風、『神風』が吹き艦首を風上に立てる必要もない。
いやこれより起こすのだ『神風』を。
「風向き良し…『土佐』航空隊、発艦始め!!」
旭龍や旭光Ⅱ、F-2HMなどに加えF-14にも似た機体が各艦から発艦していく。
「『神風部隊』、頼んだぞ…!」
東郷が呟いた瞬間、幾つもの敵機が爆散し、一機の旭龍とF-14にも似た多くの機体が聯合艦隊の上で翼を翻す。
「今度ハ我々ガイルノダカラナ。前ノ天一号トハ違ウゾ!!」
旭龍に乗るは『神風』と書かれた戦闘機パイロット用ヘルメットを被るダストール人のリアッサ。
そして彼女が率いる同じ『神風』のヘルメットを被る妖精達、彼らはかつて一億総特攻の先駆けにその身を燃やした若者達。
今度こそは日本の空をを守る『神風』となり、その忌み名を再び背負う。
無論、第一航空戦隊所属や空母瑞鶴に最後まで搭乗していた猛者達もこの場にいる。
そして彼らの乗るその機体、元来それは君島重工で完成した試験機でデータ取りも終わり倉庫で眠りにつく筈だった。
しかし、在来戦闘機を凌駕する性能の割に地球製技術を多く使いハイクァーン量産性の高い為、存在を知っていた柏木により日の目をみることとなる。
機動兵器の心臓、君島重工製試製ターボファンエンジンを元に極限までオーバーチューンしたエンジンが唸りを上げる。
目指した『不死鳥』の心臓すら上回る推力を有する化け物、名付けられたその名はXF9-1改『誉』。
君島重工の前身が生み出した悲運の航空機発動機の名を継ぐもの。
その『誉』を搭載するのは、
「危ない!!」
『神風部隊』の乗る機動兵器の一機に深海F-15Kの放った対機ミサイルが迫り誰かが声を上げる。
機動兵器はアフターバーナーを吹かしてミサイルを振り切ろうとするが相手は対機動兵器用ミサイル、
オーバーチューンされているとはいえターボファンエンジンでは振り切ることは不可能だ。
パイロットは木の葉落としの如くF-14にも似た機体を垂直に傾け機首を上げ機体を失速させた上、
同時にエンジンブロックを前方へ脚の如く展開し推力で機体を強引に後方に移動させミサイルを躱す。
それでも追尾する対機ミサイルがまだ存在する、対機動兵器用は伊達ではない。
しかし…!
F-14にも似た機体は人型へ変形し、手に機関砲ポッドを持つと次々にミサイルを撃墜していく。
それは正しく現実に出てきた可変戦闘機、『不死鳥』VF-0フェニックス。
しかし、設計者らの願いにより旭光Ⅱの名付け親である柏木によって名付けられたのはその名ではない、
皇国の興廃の一戦たる天一号作戦に今度こそ間に合ったという思いと護国の願いを込められた戦闘機。
その名は、『烈風』
「総員、初戦ノ意趣返シダ!!全機カカレ!!」
その命令と共に烈風始め機動兵器は散開し深海棲艦の航空機、機動兵器に襲い掛かる。
12: 635 :2021/02/14(日) 11:26:10 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
最終更新:2021年02月18日 22:51