458: ひゅうが :2021/03/06(土) 23:01:32 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp


 大型直衛艦「鈴鹿」型


全長:191.4メートル
全幅:18.3メートル
喫水:5.8メートル
基準排水量:1万300トン
満載排水量:1万2400トン
機関:艦本式ハ号缶5基 艦本式タービン4基4軸 13万9200馬力
速力:35ノット

武装:54口径12.7センチ砲連装7基14門(前部3基 後部4基 91式GFCS4基)
   ボフォース40ミリ機関砲4連装8基32門(両舷各4 94式GFCS4基)
   20ミリ機関銃3連装8基(94式GFCS4基) 単装12基

同型艦:16隻


【解説】――日本海軍が大戦前から建造を開始した防空艦
1930年代の急速な航空技術の発達を見込み、日本海軍では旧式の5500トン級巡洋艦の改造による防空艦大量整備を検討した
しかし、結果は満足な対空戦闘能力を得られないうえに、新開発された91式射撃指揮装置(史実Mk.56相当のGFCS)の搭載が不可能という結論だった
このため日本海軍では、さらなる改良小型化版である94式射撃指揮装置(史実Mk.63相当のGFCS)の開発を東京電気通信に命じる一方で折からの造船景気にのっとり「新型艦船による防空能力の強化」を決断する
1920年代の日本列島改造計画が一段落していたこともあり、この頃の日本列島では同時に百隻以上の軍艦建造が可能となる大小ドック群が完成していたのであった
日本海軍は、艦艇の目的を明確化するために汎用性の高い巡洋艦の名称使用を避け、当初は海防艦の名称活用を検討した
そして駆逐艦を大型化させた船体に新開発されたばかりの12.7センチ両用砲を搭載することとした。これがのちの「秋月」型直衛艦である
ところが、計画段階から船体の大型化が進んでいったことに加えて、演習の結果砲射撃指揮装置の能力だけでなく数の搭載による同時対処能力が用兵側からの要求として噴出
これを満足させることとなるともはや駆逐艦の船体規模を超過するうえに、予想されたよりもはるかに多くの数の建造を余儀なくされることになる
早い話が、従来定義において海防艦では艦長たる中佐ポストが激増してしまうのである
そこで海軍は対潜護衛艦艇との混同を避けるために新たに「直衛艦」の名称を採用
さらには、砲射撃指揮装置多数とともに、新型戦艦や装甲艦用の新型砲塔搭載54口径12.7センチ砲を採用した新型防空艦の検討に入る
これが「鈴鹿」型である
日本海軍は、「秋月」型とともに「鈴鹿」型を建造することで防空能力の向上を図ることとして1936年度海軍拡張計画において8隻の建造を決定した
と同時に、完成したばかりの小型の94式射撃指揮装置を中距離用のボフォース40ミリ機関砲に搭載して中近距離でのストッピングパワーとする腹であった
ところが、アメリカにおいてロング政権が成立し、巨大戦艦を主体とする軍拡を開始したことを受けて計画は順次拡大
1938年度計画では実に28隻が建造計画上にならぶ事態にまで発展する
だが、ここで思わぬ事態が発生した
秋月型の拡大型問題である
駆逐艦の大型化がこの数年の間に急速に進行した結果、「鈴鹿」型が5隻進水した時点において「超秋月」型と称されるのちの「夏月」型は基準排水量が6000トンにまで達し、しかもトランジスタ実用化に伴う94式射撃指揮装置の小型化から当初計画された「鈴鹿」型の性能を満足させることになってしまったのであった
もはや当初から考えれば本末転倒であった
この「鈴鹿」型量産か「夏月」型量産かという問題は尾を引き、結局は山本五十六海軍大臣の裁定によって94式射撃指揮装置の増加搭載を図る改装を施した「鈴鹿」型を1938年度計画から大幅減とし16隻、残る12隻枠を利用して「夏月」型24隻を建造するという玉虫色の決着となった
しかし、実戦においては艦隊型の水上戦闘艦としても働くことが多かった「夏月」型に対して一貫して空母直衛艦をつとめた本級はその強力な防空能力を存分に発揮
山岳名をつけられていた本級は「ヴォルゲイノ」と呼ばれ米艦隊航空隊から非常に恐れられることになったのであった

総じていえば堅実かつ有力な設計が幸いし、価格高騰の憂き目にあったために後継艦こそ作られなかったものの、太平洋戦争においては極めて有力な防空艦であったといえよう

459: ひゅうが :2021/03/06(土) 23:08:15 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp
というわけで作ってみました
本当は和製ウースター級巡洋艦っぽいの作りたかったんですが、私の中で悪魔がささやきまして
この世界、S〇NYはじめ転生者多数だからGFCS開発が比較的楽だよね?ならアトランタ級をもっと凶悪化させても…と
なのでこんなのができました
ご笑納くだされば幸いです

463: ひゅうが :2021/03/06(土) 23:24:48 HOST:p185191-ipngn200303kouchi.kochi.ocn.ne.jp
そしてこいつが艦隊側に人気なかった理由として、
「剣型装甲巡洋艦とか夕張型巡洋艦みたいな重防御じゃない」ってところがあります
それなら5500トン級に毛の生えたようなのを量産した方がマシだろって思うヤツ、そりゃ居ますわな
数は力ですしほぼ同じような性能に達してるのですから、機動部隊側としてもその方がいい――はずでした
ところが、単位時間あたりの投射量が異常に高いうえに一応両用砲としても使えるんで、秋月型連れて夜戦で米駆逐艦乱打したがるバカが続出
またしても海軍内部で大問題化しました

「直衛艦なら剣型を直衛すればいいじゃないか」
「違う。そういう意味じゃないんだ」

的な感じで

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最終更新:2021年03月10日 20:54