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銀河連合日本×神崎島 ネタ 神崎浅間八幡神社縁起・先祖は平安機動戦士



フェルさんは旦那を引き連れ神崎島でできた旦那の友人樹林の案内で神崎富士の麓、浅間八幡神社を訪れていた。
神崎浅間八幡の御朱印を頂くためだ。

この浅間八幡神社のある神崎富士は周辺を外輪山に囲まれた阿蘇の様な二重カルデラの火山であり、
その神崎富士カルデラは現在日本最大のカルデラとなっている。
島の有史以前の大規模な噴火により形成されたと考えられる。
またカルデラ内部には神崎島主要都市の岩麗市と降井市が存在している。

外輪山は神崎島最高峰の天叡山を始め3つの主だった峰が存在し天叡三山と呼ばれ、
それぞれ大日如来・薬師如来・阿弥陀如来の化身とされている。
天叡三山、神崎富士そしてもう一つの山と合わせて神崎五大宝蔵とも呼称される。

外輪山はカルデラ内部の平野部より急激に切り立っており外輪山の外側、海側の山々との間に深い谷間を形成している。
この地に来た熊野の僧により「此の地こそがもう一つの熊野である」として霊地と見出され両熊野を始め熊野信仰が盛んである。


最近カレー神とか色んな影響で最近寺社仏閣に興味が芽生え寺社仏閣巡りなぞしているフェルさん、
神社に到着すると御朱印帳に御朱印を頂くため授与所へと向かった。
そのうちやはり神崎島にもあった何十何ヶ所霊場巡りなんぞしてみようかとも企んでいる。
ちなみに柏木と樹林が仲良くなった経緯は大体旦那の偏った知識と樹林の飛躍的だが意外と外れてなさそうな理論のせいである。


事例抜粋

樹林「つまりXF5UフライングパンケーキはUFOを模して作られたんだよっ!!」

柏木「な、なんだってー!!」


この浅間八幡神社、常世神宮の開祖豊鍬入姫命を垂仁帝より遠ざけた木花咲耶姫命を主神として祀った神社である。
そのために神崎島内でも社格の高い神社の一つである。

元々歴史を辿ると神崎島が神話の時代を抜けて歴史の時代、
日本本土より大量の人間が島へと漂着するようになると木花咲耶姫を祀る氏族が漂着した。

その氏族がそれまで島にあった木花咲耶姫への信仰を神社としての形で整えたのが始まりとされている。
そして九世紀の貞観大噴火後に本土にて浅間信仰が成立、島へと伝わり浅間社として成立することとなる。
ちなみにこの浅間八幡社の神職の浅間家、重要な神社であることから代々の提督を排出している神崎家とも関係が深い。

そして特徴的なのがその社殿の造りである。
入母屋造の2つ建物が連結し一つの社殿を成し、更にその社殿上に三間社流造の本殿があるというかなり特異な造りである。
これは本土でいう浅間造と八幡造の複合型であり日本本土の研究者達も注目している。
また明治の廃仏毀釈も伝わらなかった為に神宮寺も未だに存在している。


そんな浅間八幡神社の神域は広いが本土の明治神宮や伊勢の神宮などに比べれば人はまばらだ。
そんなこんなで御朱印を頂いている間人少ないなあと周囲を見回すとあるものが目に入る。

石で出来ているオブジェのようなもの。
上から三角、丸、四角の形どこかで見覚えのある形。


「ア!チビ太サンのおでんデスネ!!」

「フェルさん!?違いますよ!?」

「フェル違うぞ!?」


フェルさんの知識、メロンちゃんとオータムクラウド先生との発達過程文明研究の成果に柏木と友人からツッコミが飛ぶ。


「エー、どう見てもチビ太サンのおでんのカタチなんデスガ…。」

「それは石卒塔婆、五輪塔ともいうがお墓だ、お墓。」

「卒塔婆って木製デスヨネ?後、ブッキョーのヤツじゃなかったデスカ?」

「昔、明治時代に神仏分離令が出るまでは一緒だったですよ。神崎島じゃ分離してませんが。」

「ヘエーそうなんデスカ。誰のお墓デショウネ。」

「さあ?しかし神崎島の氏族は源平の合戦で落ち延びた平氏が多いというがなんで重要な神社である浅間が八幡なんだ?」

「マサトサンどういうコトデスカ?」

「八幡神は源平の合戦で平氏の敵だった源氏の氏神なんだよ。」

「ああ、それは…。」


三人がそんな話をしていると三人に近づく影が、


「お二人ともこの神社の由来が気になりますか?」


浅間八幡神社の娘、浅間の姓を持つ巫女さん、浅間智であった。
若く奥ゆかしい美しさを持つ黒髪の娘。その胸は豊満である。またヒップも豊満であるようだ。
詰まる所清楚で大和撫子な容姿、そしてスタイルは抜群である。
ちなみに声のよく似た修道女が同じ島にいるがどうでもいいことである。

876: 635 :2021/03/11(木) 20:37:29 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp


「アサマサンどうもデス。」

「あーどうも。」

「クスクス、まあ落ち延びた平氏が多かったこの島で源氏の氏神を祀る神社というのは気になりますよね?」

「ええ、どうもその辺が腑に落ちなくて…。」

「そちらのお墓に眠る方の御父上がそもそもの始まりですね。」

「この五輪塔の?」

「はい。」

「ダレがデスカ?」

「本土でいう元寇、それが神崎島にも押し寄せた際に活躍をした方です。」

「もったいぶらず教えて下さいよー。」

「武人鎮西八郎為朝、源為朝です。」

「「な、なんだってー!」」

「ドウシタのデスカ、マサトサン?キバヤシサンも?」

「為朝は1170年に伊豆大島で死んでる筈だろ!?元寇はそれから100年以上も後、1274年の文永の役が最初だぞ!?」

「まあ色々とありましてね…。というか樹林さんは神崎島の住民だからご存知ですよね(汗)。」

「いやあ、やらなければという使命感が…。」

「まあ、良いですけど…。」


智は伝説を語る。



源平の合戦に敗れた平氏が島に落ち着いたころ一艘の舟が流れ着いた。
その舟を最初に見つけたのは当時の浅間神社の娘で舟には一人の男が乗っていた。
その男は体中に傷を負い死んだように眠っていた。
身の丈身長七尺余り、目の隅が切れあがった容貌魁偉の偉丈夫であった。

これに驚いた浅間の娘は直ぐ様に宮司を務めていた父を呼び男は浅間神社へと運び込まれた。
その男を浅間の娘は良く看病し、そのおかげかみるみる傷は塞がって行ったが男が目覚めることはなかった。
そして一月余りたった頃男は目を覚ました。しかし男は全てを失っていた。

父母の名も出自も己の名前の記憶さえも失っていたのだ。
そのことに狂乱し暴れる男、しかし浅間の娘が暴れる男を抱きしめた。
その暖かさに男は落ち着きを取り戻す。

機を見ていた浅間の父が部屋に入ると二人は初心な若者の様に頬を染めて離れた。
にやにやとしながら二人を見る父は男に語りかけた。

男が舟に乗りこの島へ流れ着いたこと、傷だらけだった体を娘が看病したこと分かる限りの全てを男へと伝えた。
男は静かに黙って聞いていた。
父が語り終えると男はどこの誰とも知れぬ自分を看病し見捨てなかったことに浅間の父と娘に礼を言った。

父は男にこれからどうするのかと尋ねると、男はどうしたら良いか分からないと答えた。
男に父は神社には男手が必要だからここで暫く暮らして働くと良いと男に言い、男に名前を与えた。
『八郎』、男が唯一持っていた物にあった名前であった。

877: 635 :2021/03/11(木) 20:38:45 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp


男、八郎が神社で暮らし始めて暫くたった頃神社に参拝者がやって来た。
そして八郎の顔を見ると狼狽した様子で浅間の父にこいつはどこから来たと詰め寄った。
驚いた父が参拝者にことのあらましを伝えると神妙な面持ちで参拝者は八郎を追い出した方が良いと伝えた。
参拝者は平家の縁者、八郎をかつて見たことのある者であった。
八郎のかつての名、それは「鎮西八郎為朝」。
かつて九州や保元の乱で暴れまわった源為朝その人であった。

それを聞いた浅間の父娘は驚きはすれども八郎を追い出すつもりは毛頭なかった。
だが八郎は違った、世話になった浅間神社に迷惑を掛けるの気が引けたのだ。
出ていこうとする八郎、だが浅間の娘がそれを止めた。

それから数年後の浅間神社。
そこには幼い少女を連れた八郎と浅間の娘の姿があった。


「…とまあ源為朝は浅間神社の娘と結ばれて私の先祖になったのですよ。」


いつの間にか神社の社務所に移動し説明を聞いていたフェルさん御一行、
神社関係者が用意した茶菓子や緑茶まで全員分ある。
しかし柏木は一つ疑問が浮かんだ。


「質問いいかな?」

「はいなんでしょう?」

「為朝はどうやって神崎島に着いたんだ?最期は伊豆大島の筈だろう?」

「ああそれは…。」

「それは俺が説明しよう。」


説明に樹林が名乗りを上げた。


「キバヤシサン?」

「まあ、樹林さんは島内でもアマチュアですが考古学を含め多方面の学問で様々な説を発表されて有名ですからね…。」

「そうだったの!?ただの趣味人じゃなかったのか!!」

「柏木、否定はしないが非道いぞ。」


樹林は柏木をジト目で見たがコホンと咳払いをすると説明を始める。


「柏木、沖縄がまだ琉球と呼ばれてた頃の王族を知ってるか?」

「尚氏のことか?」

「そうだ、その尚氏の時代に編纂された正史、歴史書に中山世鑑というのがあるんだが…。」

「 ? 」

「中山世鑑では源為朝が琉球へと渡り尚氏の祖先となったとされてるんだ。」

「はあっ!?」

「本土の方じゃ伝説や権威づけの類だと思われてるようだが本当なんだなこれが…。」


「おーい智ー、持ってきたでおじゃるよ。」


そこへ浅間父がやって来た。
柏木が「画像も貼らずにスレ立てとな!?」と反応した御人である。
なんかもう色々違うとは知り合いのカワミン成分保持者の弁。
漆塗りの箱を抱えている。

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「お父様すいません。」

「それは?」

「ああ、鎮西記ですか…。」

「鎮西記デスカ?」


樹林は納得し、フェルと柏木はハテナ顔だ。


「通称でおじゃるな。鎮西八郎がこの島で書いた随想文であり日記でもある書、故に鎮西記でおじゃるよ。」

「へえー。」


浅間父が箱を開けるとえらく古びた和装本が姿を現した。
樹林はそれを見るとつばを飲み込んだ。


「これが鎮西記…、俺も現物を見るのは初めてだ…。」

「そんなに貴重なものなのか?」

「貴重も何も当時の島について書かれてるだけじゃなく保元の乱での崇徳院側の情報や、沖縄の古い生活まで書いてあって貴重じゃないわけないだろ!?」

「樹林ぃ!近い!近い!」

「ハハハ、樹林殿落ち着くでおじゃるよ。柏木殿この項からを翻訳して読んでみて下され。」


浅間父は本のある部分を示した古い字体でしかも筆で書かれたそれは現代人である柏木には読めない、
柏木がPVMCGの翻訳機能を起動させページにサッと手を翳した。
するとモーフィングするように文字が現代の文章へと変化する、これもティ連からもたらされた技術の一つだ。
そのページを柏木は読んだ。


「えーと、『阿児奈波(あこなは)に残してきた妻や息子尊敦はどうしているだろうか。』?」

「阿児奈波ってなんデスカ?」

「阿児奈波とは琉球、沖縄の古い呼び名だな。宝亀10年に成立した唐大和上東征伝、鑑真の伝記にも書かれている。」

「補足すると尊敦は初代琉球国王舜天の事ですね。」

「うむ、為朝公は最初は妻子を連れて沖縄から出ようとしたのだが、龍神の怒りによって叶わず一人で本土を目指したでおじゃるよ。」

「為朝は一人で沖縄を出たのか…。」

「家族と引き離されるなんて可哀想デス…。」


読み進めて行くと、大暴れをした伊豆大島を出て沖縄へと渡ったこと、沖縄脱出後に島へと流れ浅間の娘との出会ったこと、
浅間社を出ていこうとした時のこと、浅間の娘と子を成した時のこと、そしてふとした時に記憶を取り戻した時のことが書かれている。



そして、元寇

為朝は当時少数ながら現れ始めた艦娘らと共に自ら弓を取り、元軍の軍船を何隻も水底へと沈めた。


「弓で船を!?」

「まあ、伊豆での戦いじゃ兵300人乗せた船沈めたという話だからな。」

「平安のモビルスーツの異名は伊達ではないのでおじゃるよ。」

「ツマリ、タメトモサンは3分未満で船を12隻沈めラレル白いアクマサンダッタ?エースオブエース?」

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色々ネタが混ざったフェルさんはさて置き、
矢が尽きると為朝は元軍の船へと飛び移り暴れまわった。
そして抵抗が無くなると次の船へとまるで甥の如く飛び回る。


「見ていた平氏の者はまるで源九郎のようだと言っていたそうです。」

「八艘跳びする平安のモビルスーツとか悪夢じゃねえか…。」

「ヨシツネサンより三倍速くで動きそうデス。」


しかし流石の為朝も疲労には勝てず遂には船の上で気を失ってしまう。
為朝が意識を取り戻すと船は島を離れ海上を漂っていた、かつて自分が出た伊豆大島の近くの海を。
そして大島へと上陸し為朝は驚愕することとなる、自分が大島を出た時に残した子為頼は未だ元服前だったのだ。
鎌倉幕府は成立せず、平家は未だ健在、為朝は如何なる神意かと混乱に陥った。
そしてその後為朝は史実通り為朝討伐に送り込まれた軍船を一矢にて沈め最終的に自害した。


「ナカナカ壮絶な人生デスネ…。シカシ、時系列が良く分かりマセンネ。」

「そうだな、島へ来て百年後の元寇と戦っと思ったら大島へ戻れば何年も経っていない。」

「それは神崎島だからしょうがないというしかありませんね。時空が歪んでいますし。」

「時空が歪んだ結果か…。」


自害した後の為朝の書いた書が何故神崎島に存在するのか、
柏木は続いて出そうとしたその言葉を既の所で飲み込んだ。

妖精になってしまったのか、それとも…。
それに神崎島だと話してしまえば本当になってそうな気もしてきた。


「ソウいえばタメトモサンの奥サンどんな人だったデスカ?」

「それはですね…。」


柏木はフェルと智の話を聞きながら冷や汗を流していた。

880: 635 :2021/03/11(木) 20:41:54 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2021年03月15日 21:10