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現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件セカンドシーズン?番外編その19 とある馬が超大陸世界のUMAに転生したようです その1
北海道のとある牧場。そこで新しく一頭のUMAが誕生した。
その一文だけだったら超大陸世界ではよくある事であり、何て事は無いのだが・・・・・。
そのUMAは普通のUMAではなかったのだ。そしてそのUMAは絶賛混乱中だった。
これはどういう事だ!?確か自分は、急な心臓の発作で倒れた筈。なのに、気づいたら見知らぬ馬房で見知らぬ雌の巨大馬(彼から見れば、超大陸世界のUMAは馬の範疇を超えていた)が自分を見下ろしている。
何がどうなっているのか?
そう思いながら自らの体を見ると、明らかに幼く・・・というより産まれたての体になっていた。
流石に訳が分からない。・・・・・取り敢えず立ち上がり、母親と思われるそのUMAにすり寄る彼。母親は嬉しそうに顔を舐める。
いまだ頭の中の混乱は収まっていないが、急激な疲れと眠気が襲ってきたので、その日はそのまま眠る事とした。
その後数か月を過ごし、事態も少しずつ飲み込めてきた。どうやら自分は一度死に、その後新しく生まれ変わったらしい。生まれた場所も日本の北海道みたいだった。
今一つ確証が持ち切れていないのは、周りの馬の異様な大きさだ。どう考えても日本の馬、いや馬の概念を超えたガタイをしているのだ。自分自身も含めて。
自分が再び競走馬になれるかどうかは定かではないが、可能な限り食べるようにしよう。というより体格が大きくなったから、その分前世よりも食欲が増しているし。
その後2歳時に育成調教を積んだ後、3歳を迎えたこの年、本格的に競走馬としての調教を受ける事が決まった。どうやら前世同様にコースを駆け抜ける生涯となりそうだ。
そしてトレーニングを積む為の厩舎に移って来た時、見知った顔を見る。
かつて自分と共に、現役時代を駆け抜けた時の騎手・旗舘 栄一(はただて えいいち)だ。どうやら、今は調教師をしているようだ。
彼は旗舘に嬉しそうにすり寄り、ペロペロと顔を舐める。いきなりの事に、旗舘は目を白黒させながら困惑する。
旗舘「い、一体どうしたんだ?今回の馬は?人懐っこそうに舐めてくるな」
自分の事が分からないのか?
そう思い悲しそうな表情をするが、ふと思い至る。あ、そういえば自分は生まれ変わった身。見た目が変わっているから分かり様が無いではないか、と。
だが、見た目が変わっても走りっぷりとかを見せたら気づくかもしれない。
そう思い直した彼は、トレーニング中は常に全力疾走を続けた。旗舘に気づいて貰う為に。度々怒られもしたが、かまいやしない。
かつての相棒に気づいて欲しい。その一念で、全力疾走を続けた。
657: 194 :2021/03/26(金) 20:11:01 HOST:ai126248124074.9.tss.access-internet.ne.jp
その様子を訝しむ旗舘。そんな中、彼が入ってくる数日前に急病で休んでいた職員が、その馬の様子を見るなり驚愕したのだ。
職員「え・・・!?こ、これはどういう事だ・・・!?」
旗舘「ん?あの馬がどうかしたのか?」
職員「・・・すいません、旗舘さん。ちょっと、人が居ない所へ。少々話しにくい内容なので・・・」
旗舘「?・・・・・ああ、わかった」
そういって、厩舎の奥の人気の無い場所に移動する二人。
旗舘「・・・で、あの馬は何なのだ?分かり易い様に説明してくれ」
職員「はい。・・・旗舘さんは、転生者というのはご存じですか?」
旗舘「転生者?」
職員「はい。現実の例でいえば、パシフィック・オーシャンの艦娘とかですね。彼女は、二度の人生?の記憶を持ったままこの世に生まれました」
旗舘「・・・まさかと思うが、あの馬も?」
職員「・・・旗舘さんに嬉しそうにすり寄ってたと聞きましたし、何より転生した者特有のオーラみたいなのが見えましたので」
その言葉に、途端に胡散臭そうな物を見る目をする旗舘。それはそうだ。オーラ云々等、胡散臭い事この上ない。
旗舘「・・・なあ。悪い事は言わん。もう一度病院に・・・」
職員「待って下さい!私はいたって正気です!・・・何でそういうのが分かるのかというと、今まで黙ってましたが、自分自身も転生者でして・・・。そういう者達が所属する、とある組織に身を置いている身でもあるんです」
ますます胡散臭い物を見る目をする旗舘。恐らく正気を疑っているのだろう。
職員「・・・疑う気持ちはわかります。こういう身でなければ、自分も同じ様に疑ったでしょう。ですが、今回は断言できます。あのUMAは、貴方が騎乗した事がある馬の生まれ変わりです。もし違ったら、病院送りにしてくれても構いません!」
658: 194 :2021/03/26(金) 20:11:31 HOST:ai126248124074.9.tss.access-internet.ne.jp
その言葉に頭を抱える旗舘。はっきり言って信じるに足りる要素がまるで無い。だが、この職員が嘘を言う男では無い事はわかっている。表情も真剣そのものだ。
それに、彼自身も引っかかっている所はある。指示を無視しての全力疾走。それも、自分にアピールするかのようなその走り。その様子に、彼はとある馬の事を思い出していたのだ。
旗舘「・・・未だに信じれないが、取り敢えず確認するだけしてみよう。もしかしたら、それであの暴走振りも収まるかもしれんし」
そう言って、再び厩舎に戻る二人。調度そのUMAが戻って来た所だった。
調教助手「ああ、旗舘さん。ホントこの馬は、なかなか言う事を聞きませんね。指示を無視して全力疾走ばかりですし。遠からず潰れかねないですよ。・・・・・旗舘さん?」
旗舘「・・・・・なぁ。もしかしてお前・・・・・『ツインターボ』か?」
馬は一瞬キョトンとしたが、次の瞬間・・・・・嬉しそうに嘶き旗舘の顔を何度も舐めたのだ。
まさかの事実に驚愕する旗舘と調教助手の二人。一方の職員は「やっぱり・・・」と呟いている。
そう。このUMAの中身?は、玉砕型と称されるタイプの逃げ馬として、数多くの競馬ファン達に愛された馬・「ツインターボ」だったのだ。
ようやくかつての相棒に気づいて貰えた彼は、その日以降暴走振りは鳴りを潜め、以降は順調に調教メニューを精力的にこなしていく事となる。そして名前だが、何の変哲もない名前がついてたものの、
この事実を前にそんな平凡な名前は許されないとして、「トリプルターボ」へと変更される事となった
その一方、ターボ師匠のまさかの転生に競馬界隈が凄まじいまでの祭り状態となり、社会現象としてニュースにも取り上げられる事になった程だ。
なお、かの職員からの報告を聞いた
夢幻会の面々達は
「人間・艦娘と続いて、今度は馬かよ・・・」
「もうこれ訳わかんねえな」
「しかもオグリとかスズカとかを差し置いてターボ師匠とか・・・・・。神とやらもネタに走りすぎだろ」
てな感想を呟いていたらしい。
659: 194 :2021/03/26(金) 20:12:01 HOST:ai126248124074.9.tss.access-internet.ne.jp
以上です。ウマ娘2期の10話の動画を見て涙し、実際の師匠の走りっぷりに魅了された結果、気づいたらこの作品を書いていました←殴
いや、だってあんな見事な逃げ切りぶりを見せられたら、魅了されてしまうやろ(ヲイ)
そんな訳で、かの師匠を超大陸世界のUMAに転生させてみました。別に人間限定で無い以上、こういう事態が起きても不思議ではないかと。
因みにビビり体質は変わっていない為(馬ではなくUMAだから猶更)、二度目の生涯も先行大逃げで駆け抜けます。ただ、前世と違い体のスペックは大幅に増している為、前世以上に凄い事になるかと。
なお今後の予定ですが、デビュー戦や因縁のオールカマー戦・そして有馬記念の様子を書いていこうかと考えています。とはいえ、全くの素人もいい所ですから、どこまで書けるか(汗)
何より師匠らしさが出せるかという問題も有りますからね(滝汗)。・・・取り敢えず、実際の競馬及びウマ娘の実況の様子とかも参照にしていこうかと。
「まーた可笑しな方向に飛んで行ってるな」と思われること請け合いなネタですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
wiki掲載は、自由です。
660: 194 :2021/03/26(金) 20:17:20 HOST:ai126248124074.9.tss.access-internet.ne.jp
あ、書き忘れてましたが旗舘さんの元ネタは、仲舘栄一さんです。
流石に今もご健在なので、実名は避けました(汗)
672: 194 :2021/03/27(土) 07:01:09 HOST:ai126162229075.56.access-internet.ne.jp
おはようございます。>>660ですが、名前間違えてました(恥ずかしさの余り憤死)
正しくは、仲舘英二でした。謹んでお詫び申し上げますorz
最終更新:2021年03月31日 09:18