781: 194 :2021/03/30(火) 18:40:30 HOST:ai126215025079.78.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件セカンドシーズン?番外編その21 とある馬が超大陸世界のUMAに転生したようです その3


初戦を見事な勝利で飾ったターボ。蘇った師匠の前世以上の走り振りに、競馬界隈はその話題で持ちきりとなっていた。
ターボから見て若輩もいい所な三歳UMAが相手だったとはいえ、もう一つの代名詞たる「逆噴射」をかます事なく走り抜いたのだ。しかも、他のUMA達を軒並みバテさせた上で。
そのスタミナと強心臓に、俄然他のライバル達からも注目される様になっていく。
まぁ一部で

「逆噴射しない師匠は師匠じゃない」

「実はターボ師匠じゃなくて、カブラヤオーじゃね?」

みたいな声も聞こえていたが。
それはさておき、その後も幾つかの地方レースで勝利を重ねるターボ。その後、長距離適性を測る為にダイヤモンドステークスにも参戦。
超大陸化の影響で6800mというとんでもない長距離と化した同レースだが、終盤残り200辺りで流石に多少バテながらも逃げ切り、彼のスタミナと強心臓が本物である事を印象付けた。
これなら、天皇賞や菊花賞も戦える。スタッフや武勇騎手は、はっきりと手応えを感じたという。

その後、7月の七夕賞にも出走。駆け付けた福島のファン達の声援を受けながら疾走。そこでも勝利し、二度目の生涯初のGⅢ制覇を果たす。そして9月・・・。
現在ではGⅡへと格上げされた「産経賞オールカマー」に出走する事が決まった。


~中山競馬場・産業賞オールカマー・芝4400m~


実況「中山競馬場でこれから行われようとしているオールカマー。秋の天皇賞の優先出走権を賭けたこの戦い。果たしてどの様なレースが展開されるのか」

実況「出走するのは全部で15頭。かつて93年のオールカマーを制したツインターボ・現トリプルターボも出走しております」

実況「注目はやはり、トリプルターボでしょうか。前世で果たせなかったGⅡ以上のレースの制覇。果たして、その悲願を果たす事が出来るのか。今回のレースは、どうなると思われますか?」

解説「有力なUMA達も多数出走していますからね。今までの様な横綱相撲は難しいかもしれませんね。他に目を向けますと、『カジロマッケンジー』を下し今一番強いUMAとの評価もある『フウィートスコール』が出走しています」

解説「他にも桜花賞を制したUMA『ブラザートウコン』。AJCCでの勝利で復活した『ブラックロック』。GⅠ連続二着の実績を持つ『イクゾディグダグ』。大井競馬場からの刺客・『ゼネラルラン』といった強豪UMA達が目白押しです」

解説「それらの強豪達のマークをいかに躱して、自らの走りに持っていくか。そこが勝敗を左右する事になるかと」

実況「有難うございます。さぁ、各馬ゲートイン完了。係員が離れました。・・・・・・・・スタートしました!!」

782: 194 :2021/03/30(火) 18:41:00 HOST:ai126215025079.78.access-internet.ne.jp
BGM・ウマ娘(ゲーム)より・G2レース戦 + ラストスパート


各馬一斉にスタート。強豪達が集まるレース故か、お互いにけん制しながら脚を進めている。
そんな流れを他所に、ターボはいつも通りに先頭に立ち、馬群を引っ張っていく。此処まではいつも通りの展開だが・・・。


実況「さぁ、正面スタンド前を通っての先行争い。トップに立ったのはやはりこのUMA、トリプルターボ。どんどん加速しながら先頭をひた走る。そしてゼネラルランが二番手。大外を通ってブラックロック・ミクマトウカと続いています」

実況「その後ろ、六番手辺りに8番・フウィートスコールが続きます。第一コーナーを曲がってトリプルターボが大きな逃げを打ちます。」

解説「まずは先手を打つ事に成功しましたね。とはいえ、簡単に大逃げは決めさせてはくれないでしょう。この後の展開に注目です」

実況「さぁ第二コーナーを曲がって直線の中間地点に差し掛かろうとしています。トップは依然としてトリプルターボ。五馬身程離れてブラックロックが追っています。おっと・・・!?フウィートスコールとゼネラルランがペースを上げています!」

実況「これはどうした事でしょう?」

解説「・・・どうやら、武勇騎手とトリプルターボの策略に気付いた様ですね」

実況「策略!?どういう事ですか?」

解説「2000mでの通過タイムを見て下さい。59秒8とやや遅めのペースとなっています」

実況「まさか!?」


遅めのペースでありながら、この大差。
そう、ターボの陣営は93年オールカマーの、伝説の大逃げの再現を狙ったのだ。
実際レース前、旗舘は周りには「今日もいつも通りに、大逃げするぞ」と吹いていたが、武勇騎手には小声で「いつも通りに逃げる様に。ただし、ペースは抑え気味で」と指示していたのだ。
その後の返しUMAでは、いつも通りの全力疾走。他のUMA達の警戒心を最大限に高めた状態で、レースに望んだのだ。


解説「今までの走りの幻影を利用して、他のUMA達を惑わしたのでしょう。このペースで現在の差なら、今のペースで楽逃げ出来ますね。フウィートスコールとゼネラルランがそれに気づき、急いで差を縮めようとしているのでしょう」

実況「まさかの93年のオールカマーの再現を狙った頭脳プレイ。他のUMA達は完全に武勇騎手とトリプルターボの掌で踊っていた状態。しかし、それを素早く察知した二頭。そうはさせじと追い縋ります!!」

783: 194 :2021/03/30(火) 18:41:33 HOST:ai126215025079.78.access-internet.ne.jp
途中までは旗舘達の思惑通りだったが、依然やった事でもあった為、流石に何頭かには気づかれた。
だが、この時点でブラックロックからは十馬身。フウィートスコールとゼネラルラン辺りは、もう実況席からは分からない位の差が開いていた。
余りの差に、中継のカメラも全体を映すのにかなり苦労している程だ。


実況「さぁ会場からは大きなどよめきが起きています。依然トップはトリプルターボ!ブラックロックと続いてフウィートスコールとゼネラルランが猛然と追い上げています!」

実況「少しづつながら差は縮まりつつある物の、トリプルターボは最終四コーナーへと入りました!」

実況「フウィートスコールは四番手!ブラックロックとゼネラルランがそれぞれ二番手と三番手に付けています!」

実況「さぁトリプルターボが最後の直線に入りました!鞭が入る!な!?・・・・・何と、ここから再加速していきます!!トリプルターボ後方を突き放す!!」

解説「驚きました。これは、かのサイレンススズカに匹敵する程の差し脚ですよ」


この逃げて差す走りは、サイレンススズカで戦った経験のある武勇騎手が伝授した走りだった。
確かに、先行大逃げが基本スタイルであるターボの場合、使える場面は限られている。最後の差しの場面で有る程度の余力が必要となるからだ。
だが、今回のレースは序盤から中盤を余力たっぷりで走れた為、武勇はここで炸裂させる事にしたのだ。
既にここまで追い上げる為に余力をつぎ込んでいた他のUMA達に、最早追撃する力は残されていなかった。


実況「さぁ差がどんどん開いていく!六馬身!七馬身!もはや挽回は不可能か!?フウィートスコール追い縋るが追いつけないか!?フウィートスコールこれはもう無理!!」

実況「見事に逃げ切りました!蘇った逃亡者トリプルターボ!!土壇場からの見事な差し脚!!夏のGⅢに続き、前世も含めて初となるGⅡを制しました!!二着はゼネラルラン。フウィートスコールは三着に終わりました!」


こうして、自身初となるGⅡを制したターボ。このまま秋の天皇賞へ・・・と思われたが、まさかのトラブル発生。鼻出血を起こしていたのだ。
幸い、前世の様に丸一年近くを棒に振る様な重い症状では無かったものの、大事を取って10月・11月は療養に努める事とし、秋の天皇賞は見送りする事が決定した。
無念の涙を流す旗舘達と武勇騎手。だが、望みが断たれた訳ではない。幸い12月の中頃には再調整も終わる。かくして、次の目標は決まった。

12月の暮れ・有馬記念である。

784: 194 :2021/03/30(火) 18:42:03 HOST:ai126215025079.78.access-internet.ne.jp
以上です。今回はオールカマーでの戦いを描いてみました。元ネタは勿論、93年の同名レースです。
とはいえ全く同じなのはアレだったので、史実のレースよりも早めに、普段よりペースを落としている事に気づいて貰いました。その結果、二位以下のUMA達は急いで差を詰めて来ましたが、余力をたっぷり残した
師匠による無慈悲な差し脚で見事に振り切られ、あっさり逃げ切られました。師匠らしからぬ戦いとか言われるかもしれませんが、差し足じみた事は史実でも現役最後の勝利でやっているので(一度抜かれたが、抜き返して一着)
出来なくはないかなと。
とはいえ、あっさりG1には進めず鼻出血で休養する羽目に。その結果、悲願のG1制覇は有馬記念に持ち越しです。
そして今回のUMA達の元ネタは、以下の通り↓

  • フウィートスコール→ライスシャワー
  • カジロマッケンジー→メジロマックイーン
  • ブラザートウコン→シスタートウショウ
  • ブラックロック→ホワイトストーン
  • イクゾディグダグ→イクノディクタス
  • ゼネラルラン→ハシルショウグン

となっています。オールカマー出走馬が元ネタです(ヲイ)
あ、一応言いますがあくまで「名前がよく似ている別UMA」であって、元ネタの馬とは全く関係ありません。転生?ありませんy←殴
次回は宣言していた通り、有馬記念の戦いとなります。で、登場するUMA達ですが今回以上に強力なメンツが出てきます。G1らしい激戦を描ける様に、頑張ります。
wiki掲載は、自由です。

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最終更新:2021年03月31日 09:20