773: 635 :2021/03/30(火) 18:21:03 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようです三十二前編
世界の人々はその日神話を見た。
ありとあらゆる者達がその目に焼き付けろと言わんとばかりに人々の瞳に幻像を映し出す。
『Aah――――――。』
竜の如きその姿、
始まりにして全てを飲み込まんとする太母、古きオリエントの創世神ティアマトは再び歌い幾つもの、いや数百もの重力子の嵐が生まれる。
本来であればティアマトが持ち得ない異星の技術を取り込んだそれは大陸を沈め、地殻すら破壊しかねない全てを消し去る圧倒的な暴力。
元来の自らが大地となった神格から大地の属性に属するそれは元のトーラル技術に比べても格段に強化されている。
対するは神の舟、戦艦大和の姿を取る極東神州の死と生を司る始まりの太母にして始まりの神母、伊耶那美命。
片や竜、片や舟、共に二百メートルを優に超える巨躯を持つ巨神。
メソポタミアと記紀、中東と極東、時代も場所も作り上げた世界すら違う創世神同士の戦い。
超重力砲、漆黒の光としか言う他ないそれが一つ、二つ、三つ、十、百、二百。
海が、空が割れ、圧倒的な重力で空間が軋み幾百条もの黒き閃光として戦艦大和、伊耶那美命に向け放たれる。
神代という異界と化し創世神同士の戦いにも耐えうる対馬の海域から指先一つ溢れ出ればヒトの文明を滅びしかねないソレ。
伊耶那美命により再び次元に穴が穿たれる。
こちらも元来は持ち得ない権能、
異界の蒼き鋼により齎された技術、
それは霧の超重力砲であろうがティ連のディルフィルドゲート砲であろうとも無効化する化け物。
次元の壁を穿ち、別次元へ転移させることで無効化する次元空間曲率変異システム、その強化版。
超重力砲は全て次元の穴へと吸い込まれていく。
「センサー員!現状はどうなっている!」
ニヨッタの怒号がふそうのブリッジに響く。
「ボギー1(ティアマト)と戦艦大和を中心に急激な重力変動、時空変動、次元の穴が発生中!」
「ああ!!もう!!データの曲線がこれだけ急激に変動するなんてありえないぞ!!」
「こっちへデータ回して下さい!!」
ニーラの自前のネコさんノートパソコンにふそうのセンサーが捉えたデータが転送される。
「この変動値……ウソでしょ!?」
「ニーラ教授?」
藤堂はニーラの驚愕の声に困惑の声を上げる。
ニーラは驚愕の表情のままブリッジのモニターに映る竜と戦艦へ目を向ける。
「このままじゃ地球環境を破壊するどころか…地殻構造が破壊される!!」
「何だって!?」
「下手すればスーパープルームが露出します!!」
藤堂も大声を上げ、ブリッジの人員も驚愕の表情のままモニターを見る。
いち早く意識を戻したニヨッタは通信員に日本とヤルバーンに現状を伝えるよう指示を出した。
そして通信を行った通信員は困惑の表情を浮かべてた。
日本、正確に言えば対馬の外にこの現状の影響は出ていないと。
声が出ず唖然とする全員、その時超重力砲を流し切り次元に穿たれた穴が急速に閉じる。
774: 635 :2021/03/30(火) 18:22:01 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
「空間衝撃波来ます!!」
センサー員の報告が環境に響き、同時に衝撃がシールド越しにふそうを襲う。
それは数十秒にも渡る音速を遥かに超えた空間の歪みの波。
【警告。事象可変シールドのダメージ量が急速に増加。】
「クッ!?」
「うわわわわ!?」
ふそうのシステムの警告が艦内に響く。
一部瞬間的にシールドが突破され、
重力制御されている筈の艦内が衝突された自動車の内部の様な有様となる。
シールドをしていてこの有様だ。
艦長席の肘掛けを掴みニヨッタは叫ぶ。
「被害報告!!」
『機関室問題ありません!』
『兵装制御区画問題無し!』
『こちらシールド制御区画、今ので一部のシールド発生機構がショート。修復に時間が掛かる!』
流石のシールドも防ぎ切れず一部がオーバーフローによって破損してしまった。
「ちぃ!ゼルクォートで応急処置、平行してハイクァーンでの修理を!」
『おい、ゼルリアクター起動。修理完了までシールド機構をゼル造成しとけ!』
『了解!』
それも束の間、ニーラはノートパソコンを覗きながら難しい顔をしている。
「どうしました?」
「どうもこうもありません!神サマってのはどうしてこう、科学的常識や物理法則ってのを簡単に無視するんですか!?」
「どうどう、ニーラ教授落ち着いて!」
難しい顔をするニーラに副長の香坂が問えばウガーという顔をしている。
そんなニーラを諌める香坂、しばしして落ち着くと溜息をつき説明を始める。
「で、神様達の何がそんなに?」
「現在、ヤマトさんとティアマトさんを中心に変異空間障壁が発生しています。」
「変異空間障壁?」
「空間が二次元や十次元やら異なる次元が絵の具を混ぜた様に混在している状態です。まあ場所により次元が違ってるような状態です。
通常なら惑星上に現れる訳ないのですが…。」
「はぁ…。」
「ついでに超重力砲やらミラーリングシステムシステムやらの惑星上で使用すれば重力的、空間的に惑星環境を破壊する兵器!!」
何やら分かったような分からないような顔をする香坂、だがニーラ大先生は熱弁を続ける。
「それらの時空間的、次元的、重力的な影響が対馬の外には出てないのですよ!!分かります!?この異常さが!!」
香坂の襟を掴みグワングワンと揺らすニーラ。
「ついでに夜海って何なんですか!?
謎な仕組みで生命活動止めさせたり人を怨霊とかいう生物でもない謎な存在に変えたり物質を急速に崩壊させるとか!?
神崎島の時間の加速による劣化とも全く違うんですよ!!」
「ニーラ教授!キマってる!キマってるよ!?」
香坂が青い顔をになり始め慌ててニーラから引き離す藤堂。
775: 635 :2021/03/30(火) 18:22:37 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
【警告、ボギー1より高重力子反応を確認。】
その瞬間警告が流れる。
慌ててニーラは自分のパソコンを叩き出す。
「ちょっ!ちょっとまってこれじゃ超重力砲どころか…これは歪曲し圧縮された空間の塊!!
これじゃあ超々圧縮された厚さほぼゼロ、質量密度測定不能な空間の壁の津波ですよ!?」
「「「ハァッ!?」」」
「このままだと密度無限大まで圧縮された空間の壁でみんな粉砕されます!
ふそうやカグヤは耐え切れるかもしれませんが、通常艦艇や艦娘さんたちが耐えきれません…、
あ、いえ艦娘さんや深海棲艦さん達はどうにかなるかもしれませんが…。」
センサー員の悲鳴がブリッジに木霊し、ニーラは叫ぶ。
「ティアマトより歪曲圧縮空間の発振を確認!!」
「なっ!!周辺の艦艇への退避勧告を急いで!!」
しかし、ふそうが退避を発するよりも早く動き出した存在があった。
戦艦大和、伊耶那美命だ。
青い空間振動波機関の軌跡を残しティアマトの放った圧縮された空間の漆黒の津波へと突撃する。
「戦艦大和、歪曲圧縮空間へ突撃を開始!」
「ほ、本当に大丈夫なのかこれ!?」
いくら覚悟を決めようとも怖いものは怖い、戦艦大和の甲板上で柏木は顔を引きつらせる。
眼前に迫る圧縮された空間の壁を前に津波に飲まれた者もこんな気分だったのかと思う。
「ここまで来たら一蓮托生デス!言うなれば運命共同体デスヨ!
互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合うウ!
一人が全員の為に、全員がが一人の為にだからこそ戦場で生きられるのデス!」
そんな柏木を一喝するフェルさんに柏木の暗い瞳がせせら嗤いそうである。
そして大和の艦首が空間の壁と接触する。
776: 635 :2021/03/30(火) 18:23:28 HOST:119-171-231-231.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
しかし決戦だけで何話使ってるのか…。
最終更新:2021年03月31日 09:24