295: トゥ!ヘァ! :2021/06/21(月) 20:47:43 HOST:FL1-125-194-25-248.kng.mesh.ad.jp
スパロボクロス 未来編 翠の星 ボ卿の一幕
ここはフィラデルフィア船団旗艦。
ボンドルド卿ことルルPが椅子に座りながらものんびりとレディCことCC(連合)からの報告を聞いている一幕である。
「中東連合が落ちましたか」
「ああ。意外なことにな…」
欧州から連絡を寄越しているレディCからの報告にルルボ卿は眉をひそめる(外からは仮面でわからないが)
中東。原作では大型兵器バミデスを擁していたがコーネリア率いる軍団に陥落させられた国である。
最もこの星ではルルPやレディCの知っているかつての国と同じではない。
「確かこの星の中東連合にはバミデス以外にもKMFを配備していたはず… そしてWTOから提供されたカタフラクトも」
そう。この星の中東国家こと中東連合はWTOがばら撒いた無頼の他に同じくWTOから提供された型落ちの旧式カタフラクトを配備していたはずなのだ。
ルルPは仮面の中で考えを巡らす。旧式とは言えカット(カタフラクトの略称)を配備していた国が負けた。
となれば相手は…
「コーネリアですか…」
「そうだ。あのブリタニアの魔女殿はこの世界ではすこぶる元気らしいな」
「さてはて。ここでもそれだけの腕前とは。困ったものでねぇ」
ボンドルドの仮面を被ったルルPとレディCは互いに苦笑いをする。
ブリタニアが対カタフラクト対策を見越した新型KMFを開発したという情報も、それがルルP達が知るグロースターであることも、中東連合との戦争にそれが投入されたことも知っていた。
しかし幾ら強化を施そうともグロースターは第五世代KMF。対して中東連合が扱うカットはスレイプニール以前の旧式とは言え、一時はWTOの主力機として運用されていたバリバリの実戦運用機。
事前情報通りなら中東連合はWTOやEUの教導官を呼び寄せ訓練を行っていたためか、練度もそこまで悪くなかったはず。
それなのに負けた。
「これは… ブリタニアの魔女殿は想定以上の使い手なのでしょうかね?」
「奴とその部下が凄腕なのは間違いないな。これを見ろ。連中の使う大型ランスだ」
「どれどれ… 槍の部分が出射される機構ですか。こちらは…なんと!大型のパイルバンカー!」
「それ以外にも接触した相手に高圧電流を流す電撃ワイヤー、KMF二機がかりで運用する大型荷電粒子砲。電磁放射機能のある槍…は私たちのいた世界にあったか」
レディCの報告書には様々な兵器が記載されていた。どれもブリタニアがどうにかカタフラクトに対抗しようともがいた結果である。
半分以上はガラクタの類であったが、逆に言えば残りの半分は有効打になりえるものであった。
出射機能を持つ槍ことショットランス。近距離から杭を打ち込み、打ち込まれた杭は数秒後に爆発する爆破杭入りパイルバンカー。絡めた対象に直接高圧電流を流す電撃ワイヤー。
何よりも目を引いたのが二機がかりで運用する大型ハドロン砲と追加の外部搭載エナジータンクを搭載しながら運用される試作ヴァリス。
前者はガウェインのハドロン砲で、後者はランスロットのヴァリスそのものである。
最もどちらも試作品であるため大型で取り回しが悪く、更には第五世代で運用させるには燃費が悪い。
更に言えば試作品故か大型な割にはルルPやレディが見た記憶のあるものより威力が低い。
しかし中東連合の機体を相手にするなら十分と言えよう。
「奇想兵器の類と馬鹿にはできませんね。今になって英国面でも出てきたのか」
「この星のブリタニアは氷河期から復興した後に建国された国だ。イギリスの直系ではないぞ」
296: トゥ!ヘァ! :2021/06/21(月) 20:48:36 HOST:FL1-125-194-25-248.kng.mesh.ad.jp
かつての祖国に似た国が奇想兵器の類を出してきたことに天を仰ぐルルPとそれにツッコミを入れるレディC。
しかしながらこれらの兵器が中東連合攻略の際に活躍したのも事実であった。
「カットやバミデス相手にはグロースターを操る精鋭が接近し、近距離から槍や杭を打ち込み破壊。通常戦力やKMF相手には大型ハドロン砲と試作ヴァリスで撃破ですか。中々どうしてうまくやる」
「しかしな。ハドロン砲とヴァリスは試作だから大柄で使い勝手が悪い。ショットランスやパイルバンカーも射程が短いから余程近づかないと意味がないぞ。普通のパイロットでは近づく前にカットの弾幕に絡まれてお終いだ」
「まさに腕頼り。精鋭の戦い方と言うべきですね。ブリタニアの理想とする戦い方なのは理解しますが、これでは一般兵は真似できないでしょう」
精鋭ならば実現できる戦法。それは一般兵では土台無理という話であった。
逆に言えばそれを実現できるコーネリア軍団だからこそ、中東連合攻略に成功したと言え用。
ブリタニアの魔女と呼ばれる皇女が率いる軍団はマシンの性能差を腕で覆せる集団であると。
「取りあえずWTOにこのデータを送っておきますか。グロースターでも精鋭が乗れば半端な動きのカットを打倒できると理解できるでしょう」
「そうすればWTOは日本に更なる援軍を送る…という感じか?」
「さて。この星は私たちが知っている物とは別物ですからね。コーネリアが次に日本へ行くとは言い切れませんよ」
そういいながらもボンドルド卿…ルルPは確信していた。ブリタニアは次にはコーネリアを日本に送り込むと。
既にWTOとブリタニアの戦力比はカタフラクトのせいで逆転している。
このままいけばブリタニアの生命線である日本の富士サクラダイト鉱山が奪還されるのも時間の問題。
となれば…精鋭を送り込み、戦力差がこれ以上開く前に残った東日本からWTOを叩き出し、西日本ことエリア11の防衛体制を盤石なものとする。
ルルPが知っている祖国よりも大分余力のないブリタニア。余力がないせいか彼らが取りえる動きは限られていた。
かの国が動く時は近い。
「ところでルルーシュ。その喋り方どうにかならないのか?気持ち悪いぞ」
「悪かったなCC。こっちも素が出ないように気を使っているんだ。こっちの俺といい、シュナイゼルといい、イナホの同位体といい…勘の鋭い奴や観察力の高い奴が多いんだ。日頃からバレないために練習しておかないと」
「お前はいざという時の特大のガバを晒すからなぁ」
『全く酷い言われざまですね。マスター(ルルP)が可哀想ではないですか』
「いやお前の口調が原因だと思うぞ。ボンドルド卿」
『私はかの方の魂の形を真似た電子傀儡なれば…口調も似るという物です。あとマスターがガバいのは確かですし』
「このAI何か反抗的なんだが…」
「きっとマスターに似たんだろうな」
二人と一体?はこの後もやんやんやと取り留めない話を続けたとさ。
297: トゥ!ヘァ! :2021/06/21(月) 20:49:21 HOST:FL1-125-194-25-248.kng.mesh.ad.jp
〇
登場人物!
連合のルルーシュ。翠の星ではパワードスーツとヘルメットを被りながらボンドルド卿を名乗っている。
勘が鋭かったり、観察力や洞察力が高かったりする現地人を相手に正体がバレないよう色々努力している。
昔と違って歳重ねたためか余裕でており、定期的にその場のノリと面白思考に支配される。
CV福山なのが悪い。
連合のCC。未だ劇中の呼び方に迷っているのは内緒。
ルルPの支持で翠の星の欧州に潜り込んで色々情報を探っている。
中東連合戦における情報は支援しているピースマークからの提供。
100年立って心に余裕ができたが、相変わらずズバズバ物事を言う毒舌口である。
連合領のどっかに生息しているボンドルド卿(オリジナル)のアストラルパターンを基に製作された半自立AI。
半自立なんて言っているが最近大分個性を獲得してきた。
ルルPの愉快な仲間たちに影響されたせいか、オリジナルと比べて幾らか愉快で陽気な性格。
マスターであるはずのルルPにもズバズバ物事を言う正確に育っている。
唯一プルシュカには優しい。
ルルPと思考を同調させて初めてオリジナルっぽい喋り方になる。
原作におけるエリア18となった地域。
翠の星では原作で運用していたバミデスの他にそこら辺の市場から流れてきた中古の無頼やグラスゴー。
更にはWTOから提供された旧式カタフラクトすら保有していた。
兵士に関してはWTOやEUから教官を派遣してもらい、訓練を付けてもらっていたため練度は左程悪くない。
度々衝突していたアフリカのユーロブリタニア軍とも渡り合えていたのが強さの証拠である。
しかし運が悪いことに国内に遺跡があったためか、シャルル皇帝直々に制圧命令がコーネリア軍団に下され、同軍団に攻めこまれあっけなく陥落した。
対WTOを中心に日頃から訓練を積んでいるブリタニアの最精鋭軍団相手にはさしもの中東連合でも持たなかった模様。
一応補足すると原作よりはずっと善戦できたと言っておく。
ブリタニア側もグロースターと精鋭兵の組み合わせでカタフラクトに対抗できるとの自信を深めることにもなったが、それを指揮したコーネリアからすれば旧式カット如き相手にして粋がっても仕方がないとのこと。
原作と違ってブリタニアが保有している植民地(エリア)の数が減っているので、制圧後はエリア18ではなく、18以下の数字になっている模様(詳しくは決めてない)
同国がコーネリア軍団に攻めこまれた際は実はWTOやEUは戦闘に介入しようとしたのだが、予想以上の速度で陥落したため、両国の援軍が間に合わずに終わった。
298: トゥ!ヘァ! :2021/06/21(月) 20:50:21 HOST:FL1-125-194-25-248.kng.mesh.ad.jp
原作ギアスでも登場した同名KMF。
翠の星ではWTOのカタフラクトを相手取る前提で開発された新型KMF。
このためサザーランドと比べて機体出力と剛性が向上。また原作と同じく特殊な脚部機構を採用しているため、高い跳躍力を発揮できる。
武装は対カタフラクト戦を見越して設計された大型ランス。
実は槍の部分が出射できる。通称はショットランス。まんまショットランサーのあれである。
射程距離は短いため、接近して使わないとカタフラクト相手には致命打を負わせられない。
この他にも原作で使われていたアサルトライフルや通常の大型ランス、バズーカ、ケイオス爆雷、スラッシュハーケン、内蔵式対人機銃、肩部に装着する大型ミサイルポッドのザッテルヴァッファなどがある。
ブリタニアの最新鋭機ということで精鋭部隊のコーネリア軍団に大量に配備されている。
パイロット達の腕前もありスレイプニール以前の旧式カタフラクト相手なら有利に戦えるくらいの性能を発揮しているが、現在WTOの主力であるスレイプニールとアレイオン相手では既存のKMF同様いささか分の悪い戦績となっている。
このためブリタニアではこれが第五世代KMFの限界と同世代には見切りをつけ、現在第七世代KMFを鋭意開発中である。
ブリタニアが対カタフラクトのために様々な試行錯誤を凝らした一品たち。
転がっていく大型爆弾やら、ブースターのついたハンマーやら、KMFに大型対艦ミサイルを背負わせたりだとか薬にも毒にもならないものが多い。
しかし中には割かし活躍できたものもあり、グロースターで正式採用されたショットランスはその一つである。
この他にも接触した相手に高圧電流を流す電撃ワイヤー(ヒートロッドorウミヘビ)や近距離から杭を打ち込み、打ち込んだ杭が爆発する爆破杭搭載パイルバンカー、KMF二機がかりで運用する大型ハドロン砲台、外部ユグドラシルドライブを搭載して無理矢理運用する試作型ヴァリスなどが存在する。
殆ど試作兵器みたいなもののため、運用を任されたコーネリアは「我が部隊を実験体か何かと勘違いしているのではないか」と苦言を呈していた。
中東連合が運用している大型兵器。この世界では大型ユンボロイドから派生した兵器となる。
大体は原作と同じだが、KMFやらカタフラクトやらユンボロやらの小回りの利く戦力が多い世界のため割と安定して高い火力を発揮できている。
実は原作でも外伝のオズでEUからもたらされたフンメルの親戚みたいなのと組んでブリタニアのアフリカ駐留部隊を苦しめていたりした。
火力と装甲は本物のため中東連合以外でもEUや中華連邦、ジルクスタンやアフリカ南部諸国などで割と幅広く使われている。
WTOでもカタフラクトを提供した見返りとして幾つかもらったものを色々改造して小型の陸上戦艦みたいなノリで運用していたりする。
WTOが中東連合に提供した旧式カタフラクト。
KG-6スレイプニールの更に一世代前のカット。
実はWTOが初めて実用可能レベルで仕上げたカタフラクト。
ブリタニアの日本侵攻以降に死に物狂いで開発した実戦レベルカタフラクトだったりする。
WTOの反撃はこの機体と始まったと言ってよく、現在でもWTOの地方基地などでは訓練用や警備用として運用されている。
現在では完全に旧式化しているが、元々仮想敵国な中華連邦、在欧日本人や日系人の扱いを巡って急速に仲が悪くなったEUなどには輸出していない。
そのためこいつを提供してもらった中東連合は実は結構優遇されている証拠だったりする。
299: トゥ!ヘァ! :2021/06/21(月) 20:51:14 HOST:FL1-125-194-25-248.kng.mesh.ad.jp
投下終了
コーネリア「中東を速攻落としたぞ!」
本国「ほーん。すごいやん。カット相手にも戦えていたし。ほなら次は日本のナリタにいってみよか?」
コーネリア「え…」
最終更新:2021年06月22日 19:49