168: 弥次郎 :2021/06/29(火) 23:33:19 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
憂鬱SRW 融合惑星 パトレイパー世界編SS「N-β細胞およびそれを用いたN-β型B.O.W.についての報告書より抜粋・要約」
〇N-β細胞
γ世界日本において生み出されたB.O.W.を生み出す根源となる細胞。
元々は南極から回収された隕石に付着していた有機物から復元した細胞、通称ニシワキセルがそのオリジンであった。
これに対して岬冴子を主任とするチームが人間の子供の癌細胞(彼女の娘の癌細胞)、さらにβブリットの細胞を混ぜることで一種の細胞を生み出すことに成功する。
これこそが、γ世界で発生したバイオハザードの元凶と言えるN-β細胞である。
このN-β細胞を用いることにより誕生するN-β怪獣(N-β型B.O.W.)は下記のいくつかの特徴を備えている。
1.癌化された幹細胞に由来する高い増殖・再生・分裂能力。
2.βブリットに含まれていたBETAの遺伝的形質。
3.ニシワキセル由来と推測される他の生物への浸食・融合能力。
即ち、β世界において確認された地球外生命体であるBETAに似通った形質を持たせることが可能であり、多少の肉体的損傷を自力で修復する能力を持つ。
そして、細胞自体がほかの生物に寄生して増殖・浸食することにより変異体を生み出すことができるということである。
実際、N-β型B.O.W.が活動、あるいはN-β細胞が混じった廃液が流れ込んでいた東京湾においては、その細胞による変異生物が複数確認された。
東京湾という閉鎖性水域の特性もあってか、生物濃縮はかなりの速度で進行しており、変異体は相当数が発生した。
中には変異体がさらに変異してN-β細胞主体に切り替わり、イレギュラーミュータントとして活動し始めていたほどであった。
また、前述の通りB.O.W.を生み出す際の材料としても使用可能である。
極論、この細胞を一定量用意して培養、あるいは生物に対して曝露して培養することにより、手軽にB.O.W.を生産することが可能なのである。
そのため、ごく少量でも元手となる細胞のサンプル、そして生育を安定させるためのニシワキトロフィンがあればよいという手軽さはある種魅力的かもしれない。
事実、このN-β細胞を用いたB.O.W.が摘発された廃棄物13号事件後において、各地で発生したバイオテロでは拡散されたN-β型B.O.W.が用いられていた。
元々β世界において確認されていたBETAというのは、融合惑星上に存在した侵略的地球外生命体として着目されていた。
今後起こりうる外敵に備える際におけるモデルケースとして注目され、その侵略者であったBETAの研究が融合惑星各世界で行われた。
その中でγ世界においてもこのBETAに対する研究というのは実行に移され、β世界から上海条約機構を通じてサンプルがγ世界日本にもたらされた。
しかし、この本来研究用途であったBETAの細胞が、B.O.W.の開発に転用されることになった。
東都生物医学研究所に持ち込まれたこれが、同研究所において研究されていたニシワキセルと融合され、さらに癌細胞を組み込まれたのは確認されている。
事件後に地球連合により逮捕された岬冴子は自身の娘の癌細胞をニシワキセルに組み込んだと証言している。
ニシワキセルに安全機構として設けられていた遺伝的限界、すなわちテロメア限界を超えて生育したのはこれが原因と推測される。
これに関しては同研究所の所長である栗栖敏郎やほかの研究員の意図したところではないらしく、おそらく彼女の独断であると思われる。
また、BETAの細胞が混ぜ合わされたのはニシワキセル計画にスポンサーとして参画していた自衛隊の石原一佐の指示という説が濃厚である。
BETAの細胞の研究は確かに許されていたが、同時に、BETAが再現されることを恐れ、日米ユージアでは協定が結ばれていた。
そこで、その協定の穴を突くように、研究系統が別であるニシワキセルにBETAの細胞を混ぜ、大々的に培養するという手を使ったのである。
これは、BETAを再現してB.O.W.として使うということを機としたもので間違いない。
事実、BETAの情報を入手することができ、尚且つ、それを兵器として動かすという発想をしたのが彼であるという証言もあるため、ほぼ確定といえる。
目下のところ、石原一佐に対する尋問は続行されている段階であり、全容の判明は間もなくであるとされる。
169: 弥次郎 :2021/06/29(火) 23:34:15 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
〇N-β怪獣C型
N-β細胞により生み出されたB.O.W.の一種にして、成れの果てと言えるタイプ。
N-β細胞によって生み出されたN-β怪獣は癌化幹細胞による驚異的な再生能力を持つが、その再生能力にも限界というものがある。
もとより癌細胞の無作為ともいえる増殖能力は本来生物にとっては有害であり、必要のない組織の再生までもを起こすリスクを持っていた。
そして、再生能力が飽和もしくは度重なる再生と増殖を繰り返す中で元の生物が有していた性質を増えすぎた癌細胞により失う事態が発生する。
その結果誕生するのは、ただひたすらに増殖を繰り返す細胞を持ち、その為の栄養を求めて原始的な捕食行動を繰り返すC型である。
このC型は体組織の9割以上が無作為に分裂と増殖を繰り返した癌細胞の分厚い脂肪により構成されている。
残りの数%は栄養を得るための捕食器官と消化系、そしてわずかばかり残った元の生物の臓器や器官などで占められている。
このC型は半ば暴走状態にある細胞が猛烈な勢いで増殖や分裂を繰り返しているために、多くの栄養を欲する。
その為、有機物・無機物問わず捕食して取り込み、時には共食いまでもを起こして自己を生き永らえようとする、極めて危険な状態に陥る。
また、このC型はN-β細胞を用いてB.O.W.を製造する際に、いわゆる失敗作として誕生することがあることが回収された資料から発覚している。
即ち、狙った形質や形状を持たせることに失敗し、癌化細胞によって無作為に形質が塗りつぶされてしまうことによる誕生である。
これへの対処は極めて難しいのが実際の戦闘で確認されたことである。
というのも、上記の再生能力や栄養を求めて見境なく暴れるという性質のほかにも、その体組織ゆえに攻撃しても再生されるか、脂肪により防がれるためである。
上記のように体組織の9割はほとんど生命維持活動には用をなさない癌化細胞の塊であり、例えそこを攻撃したとしても生命維持には影響が及ぼしにくい。
また、分厚い脂肪により生半可な攻撃を受け止めてしまうために、体組織を丸ごと破壊しつくすような武器が必須となる。
よって、これに対処する際には生命維持活動を司る部位を見つけ出して破壊するか、あるいは大火力により破壊しつくすといった手段のみが有効とされる。
無論、ラムロッド弾やコジマあるいはGN粒子による細胞そのものの破壊を行う手段は有効であるし、餓死により自滅するまで放置するというのも手段と言える。
ただし、前述のような特性故に、一度解き放てばコントロールはほぼ不可能で、制御されて運用されるべきB.O.W.としては失格ともいえる。
とはいえ、コントロールを必要としないバイオテロを引き起こすだけならば、小さな個体でもよいのでC型を解き放てばよいので、そこは使い方によるというべきか。
170: 弥次郎 :2021/06/29(火) 23:35:15 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
以上、wiki転載はご自由に。
我慢できなくなったので、若干ネタバレ込みで…
せっかくナイ神父Mk-2氏が設定とかを語ってくれましたので、形としました。
最終更新:2023年06月22日 22:37