451: 弥次郎 :2021/07/02(金) 22:37:01 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

憂鬱SRW 融合惑星 パトレイパー世界編SS「N-β細胞およびそれを用いたN-β型B.O.W.についての報告書より抜粋・要約」2





〇N-β怪獣S型

 N-β細胞により生み出されたB.O.W.の中でも基本形と呼べる最小単位の怪獣。
 N-β細胞は以前から述べているように、β世界において確認された異星侵略生命体であるBETAの細胞が融合されている。
本来、同じ炭素をその主要骨格とする炭素生命体であるとはいえ、違う動物同士の細胞は簡単には融合することはない。
しかし、N-β細胞はこれをニシワキセル--他の生物・細胞への自己細胞の浸食・融合能力---により解決している。
即ち、異なる生命体同士の結合と癒着と融合を担うハブとして働いているのである。これは他のN-β怪獣に共通することである。

 ニシワキセルの土台となった生物がどのような形質を持っていたかに関しては不明点が多い。元々のサンプル自体が極めて微量。
しかも、南極という環境で欠落しているところもあるため、完全な同定や分析には今しばらくの時間を要する。
しかし、その細胞の特性上、ある種の寄生もしくは浸食を行う能力を持った生命体ではと推測される。
 即ち、元々は別個の細胞であったミトコンドリアや葉緑体といったものが、細胞内器官として取り込まれるようにして生存したのと同じではと考えられる。

 話を戻す。
 このN-β怪獣においては、いわゆる兵士級BETAの形質を主軸に発現させていることが確認されている。
体の大きさ、行動原理も類似しており、人に近いものを積極的に追跡し、襲い掛かるという行動が多く見られた。
人間以上の筋肉や各種器官に由来する運動能力の高さは生身の歩兵を軽々超えており、俊敏性も兵士級のそれに準じている。
確認されているだけでも、腕力は人体を容易く引きちぎるほどにあり、その捕食器官はカバなどの大型動物のそれに匹敵するほど広がる。
それらを支える骨格や呼吸器系なども標準的な人体を軽く超えるため、最小ユニットと言えど、生身の歩兵では危険すぎると評価されている。

 一方で、このS型においては人間の女性を思わせる造形を持っている。
 すなわち、人間に近い器官と造形を頭部、乳房にも似た胸部の器官、さらには単為発生を行うための臓器を下腹部に備えるなどである。
これに関しては、岬冴子の証言などから推測するに、彼女の娘の癌細胞を用いたことで未成熟の少女の細胞が融合し、これが成長することで発現したと考えられている。

 押収された研究資料や研究員の証言によれば、極めて人体に近く、尚且つ最小ユニットということもあり、量産や培養は容易かったとある。
実際、γ世界において初めて確認された通称「廃棄物13号事件」の後に発生したいくつかのバイオテロにおいては、多数の個体が投入されている。
 いわゆるパワードスーツや強化外骨格装備の発達していない世界においては、対処のためには最低でも対人以上の銃火器および装甲車が必要となる。
それさえも生半可なものでは回避される、あるいは破壊されうることを考慮すると、やはり生身では対処してはならないといえる。
 所詮は最小ユニット。しかして、立派なB.O.W.であることに変わりはなく、現地勢力での駆除は被害を多く出している。

452: 弥次郎 :2021/07/02(金) 22:37:41 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

付帯資料:ニシワキトロフィン

 γ世界関東日本政府領内にあった○○大学および東都生物医学研究所において押収された薬品。
 元々は南極において回収された隕石および有機物からニシワキセルの復元を行う中で生み出された副産物である。
ニシワキセルおよびN-β細胞に親和性が極めて高く、研究過程においては一定濃度で与えるたり培養液に混ぜて安定成長させるために使われたという。
もとより地球外生命体ということは、地球の環境に適していないということでもあり、それより生じるズレを緩和ないし補う作用を持つ。
このニシワキトロフィンを地球の生物に投与したところ、多くの生物において拒絶する傾向がみられたため、これはほぼ確実と推測される。
 この特性上、それを用いたB.O.W.の培養には必須であり、尚且つ自然環境中においてはN-β型B.O.W.を誘因する作用を持っている。

 特に、貨物飛行機の墜落により自然環境中に逃げ出した「廃棄物13号」は本来ならばこれが枯渇するかと思われていた。
しかし、重要参考人の岬冴子の証言から、定期的に東京湾にこのニシワキトロフィンをばらまいていたことが確認され、巨体まで成長した理由が発覚している。
また、この廃棄物13号は東京湾内で積極的に捕食活動を繰り返していたようで、N-β細胞による変異体を捕食して補っていたと推測されている。

 この薬品のサンプルと調合法は廃棄物13号事件の際に流出したと推測されており、事実、いくつかのバイオテロリストが用いていた。
制御を利かせ、安定して培養し成長させるためにはこの薬品が必須であるということから、N-β細胞とセットで出回っているようである。

 事件後の東京湾におけるN-β怪獣およびN-β変異体の駆除及びろ過作業においては、これを意図的に使用することで誘因するという使い方をしている。
 また、N-β怪獣を用いたテロにおいてはこれを用いた対N-β怪獣デコイを対処用に用いるケースもみられている。





付帯資料2:N-β変異体

 N-β細胞に寄生・融合能力があることは前述の通りである。
 そして、これが生物に対して一定以上の濃度で曝露乃至吸収されて融合することにより、変異体を生み出すことが確認されている。
 廃棄物13号事件の以前から研究所から洩れていた廃液および廃棄物13号から分離したN-β細胞に含まれたN-β細胞は、東京湾内で生物濃縮がされたと考えられている。
その結果として、N-β細胞の影響を受けて変異を起こした個体が発生する。これを、N-β変異体と呼称する。

 このN-β変異体は、通常の生物として肉体を構成する細胞にN-β細胞が混じり合うことで誕生する。
N-β細胞の生存能力の高さは尋常ではなく、通常の接触による曝露だけでなく、捕食と消化にも耐えうるようである。
 そして、主にみられる変異としては個体の身体能力の向上、個体としてのサイズの大型化、本能の刺激による凶暴性の向上などである。
特に肉食の魚類や哺乳類においてはその細胞の影響を強く受けるらしく、生態系の上位種においてはかなりの変異体が発生した。
その為、東京湾内においては生態系下位の種が大きく数を減らしてしまい、生態系バランスに大きな影響を及ぼしたことが推測される。

 通常ならば変異程度で済むのであるが、N-β細胞が活性化あるいはその割合が増大することにより、変異体は変異体で済むレベルを超えてくる。
 即ち、N-β細胞が体組織の大部分を占めるようになり、その行動様式や生物としての性質を塗りつぶしてしまうのである。
 これによって誕生するのが、N-β細胞由来のイレギュラーミュータントであり、自然発生するB.O.W.である。
 なお、廃棄物13号事件の後には前述の通り、地球連合や企業連合、γ世界日本政府による東京湾浄化作戦が実施され、かなりの数のB.O.W.が処理されたのをここに記す。

453: 弥次郎 :2021/07/02(金) 22:38:29 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
以上、wiki転載はご自由に。

作中ではスムーズな展開のためにカットしているのを放出できるのでいいですねぇ…
まあ、作中の描写にはこういう理由があったんだなと思っていただければ。
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最終更新:2023年06月22日 22:38