355: 弥次郎 :2021/07/20(火) 00:29:07 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

憂鬱SRW 融合惑星 パトレイバー世界編SS「N-β細胞およびそれを用いたN-β型B.O.W.についての報告書より抜粋・要約」4



〇N-β怪獣D型

 N-β細胞により生み出されたB.O.W.の中でも、突撃級BETAの形質を強く発現させて製造されたタイプ。

 これまでに確認されたN-β型B.O.W.は複数種存在するが、この種は異常成長個体「WXⅢ」を除けば最も大きな種である。
これは元々の素体が突撃級という戦術機に匹敵するサイズのものであったことに由来する。
体の大きさだけでなく、その多脚による踏破能力や突撃能力、あるいは生半可な砲を弾く極めて頑丈な正面外殻などその形質は随所にみられる。
 そのほか、水中や海上を極めて速い速度で航行する能力や消化液を噴射する能力なども備えており、その脅威度はオリジナルに比肩するとされる。
 これらの性質を持っていたことにより、このB.O.W.開発計画のスポンサーの石原一佐やマイケル大佐はこれを完成系として最も着目されていたという記述も見られた。

 このD型はN-β細胞を特定のニシワキトロフィン濃度と栄養の下で培養して突撃級BETAの形質を引き出した幼生体を生み出し、成長させることで製造される。
そのスペックと引き換えに成長段階において要求する栄養などは極めて多岐にわたり、培養期間も他のN-β型B.O.W.よりも長い。
研究資料によれば、特に外皮を形成する物質を十分に与えることができなければ、歪な成長をしてしまうという記述がみられている。
その為、栄養を十分に与えない個体は成長が不十分な状態で止まってしまい、それ以上の成長が望めなくなることが多くあった。
 しかし、逆に言えばその条件さえ満たし、尚且つ培養するだけのスペースか設備さえ準備できれば数を増やすのは容易いようである。
同時に、人為的に成長を抑制することもできる、というわけであり、各種実験の被検体に丁度良かったのである。
 そもそも、このD型の幼生体というのは、研究初期の段階で生み出すことに成功したタイプという記述がみられた。
むしろD型として培養して大きくなったという方が予想外であったらしい。まあ、そんな偶然の積み重ねもまた成果と言えるだろう。

356: 弥次郎 :2021/07/20(火) 00:29:49 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

〇N-β怪獣M型

 N-β細胞により生み出されたB.O.W.の一種であり、特に他の生物の細胞を組み込むことでその形質を獲得したタイプ。

 N-β細胞を用いたN-β型B.O.W.はその育成あるいは培養段階において他の生物の細胞を取り込む性質を示す。
取り込む、というよりは他の生物の細胞に寄生し、その形質を別個で発現させ、自らの肉体と合一させるといった方が正しいか。
ともあれ、他の生物に対して寄生・融合する能力の延長として、その生物の特徴や形質を取り込むといっていい。
 そして、このM型というのは、甲殻類、特に蟹などの生物の細胞と融合させることによって、似たような形質を獲得したタイプである。
製造はカニなどに多量のN-β細胞を植え付け、尚且つ多量のニシワキトロフィンを投与することによって行われる。
特に他の生物の細胞を取り込ませるという関係上、ニシワキセルの活動が活発である必要があるようである。

 このB.O.W.は要撃級のような行動様式と体の形状を持ち、尚且つ、全身を堅い外皮あるいは外殻で覆うことにより構成されている。
突撃級をベースとしているD型と比較すると弱いが、それでも西暦基準の歩兵が一般的に携行する火器を容易くはじく防御性を持つ。
特に正面の外殻は極めて頑丈であり、検証試験において西暦基準の技術による対戦車兵器も角度次第で凌げるという耐久性を発揮した。
 ほかにも、N-β型B.O.W.の多くが備えているように、このB.O.W.も体の上部に消化液を吹き出す口を備えており、極めて対人戦に優れている。
 また、その多脚による走行・踏破・旋回能力などは極めて優れており、殊更地上における脅威度は特に高い。
蟹のようなハサミも備えた固い腕部による一撃は非常に重く、装甲車でさえも破壊は免れず、戦車もその体でひっくり返してしまえると判断されている。
これらを統合すれば、地上における西暦基準の軍隊にとっては死神と言っても過言ではない性能を持っている。

 ただし、この手の他の生物との融合を人為的に発生させることで誕生させるB.O.W.は製造の安定性にかけるという資料が発見されている。
元より、N-β細胞が取り付いて融合し、そして成長するためにはニシワキトロフィンの適切な投与が必須で、その制御も難しい。
尚且つ、成長段階においてはサイズもあってのことであるようだが、大量の栄養を必要としている。
これらのことから、人為的な製造は困難を極め、多くの場合N-β細胞が活発化しすぎることによってC型へと変異したようである。
 しかして、他のN-β型B.O.W.と同様に単為生殖により個体を生み出す能力も備えていることから、放置してよいものではない。

357: 弥次郎 :2021/07/20(火) 00:31:23 HOST:softbank126066071234.bbtec.net


付帯資料3:N-β細胞汚染体カテゴリー

 N-β細胞により体の細胞に対し汚染を受けた人間を分類する区分。
 単純な接触や曝露にとどまるレベル1から、体組織の細胞の多くが置換されるレベル5までの5段階で仮の段階であるが区分されている。
一応区分はされているのであるが、現在のところ、それらの段階を明確に区分するラインは明確には定まっていない。
 というのも、N-β細胞による汚染が広くγ世界日本列島の東京湾で発生したとはいえ、その影響力については分析と解析を待っている段階であるためである。
現在のところ、具体的なボーダーラインを見定めるための検証実験などが行われている段階であり、報告を待っている状況である。

 また、このカテゴリー区分の策定を難しくしているのが、ニシワキトロフィンの存在の有無にある。
 以前も述べたように、N-β細胞の活動はこのニシワキトロフィンによる環境適応作用が必須であり、これの有る無しで汚染の影響力が大きく変わるためである。
現状のところ、ニシワキトロフィンが自然環境中に存在しないことから、人間では早々に変異が起こらないのではと推定されている。
ただし、後述の資料にあるように、ニシワキトロフィンを一定濃度で曝露を受け続けた場合ではその限りではない。

 N-β細胞の形質やこれまでに確認された変異体の分析結果などから鑑みるに、生物として単純な構造であったり、原始的な生物ほど影響されることが判明している。
また、N-β細胞がニシワキトロフィンの影響下で活発であるほど他の生物への融合や寄生能力が高くなるというのも確認されている。
以前の資料にもある通り、素体となった細胞の内、ニシワキセルの元となった生物がこういった形質を元々持っていた、という可能性も十分に考えられる。
現在のところ、このニシワキセルについても、発見者であり再現者である西脇教授の協力の元で解析と形質の特定が急がれている。



付帯資料4:N-β細胞重度汚染体

 N-β細胞の誕生に大きくかかわったと考えられている岬冴子は、現在のところ、身体の組成の10%以上がN-β細胞に置換されている状態にある。
これだけの汚染を受けていながらも変異が殆ど発生していない、というのはいかに人間の身体構造が複雑であるとはいっても異常と考えられていた。

 現段階での仮説ではあるが、これについてはある程度の説明がついている。
 岬冴子の証言によれば、彼女はN-β細胞に細胞分裂の限界、すなわちテロメア限界を定めるという指示を無視し、人間の癌細胞を取り込ませた。
この癌細胞は、小児がんにより死去した彼女の娘からとられたものであり、癌化しているとはいえ、彼女の遺伝子を引き継いでいるモノである。
よって、N-β細胞はその遺伝的な組成が彼女自身の細胞と近しいもので、N-β細胞の特性もあって、彼女に高い親和性を以て融合したと推測される。

 無論、何も変異が起こらない、というわけではなかったようである。
 彼女の身柄が連合によって確保された際、彼女は多量の出血を起こしていた。
 この出血は外傷というよりは内部からの出血、あるいはアポトーシスともいえる損傷による出血であった。
これが発生したのは、時間的に見てWXⅢに対して攻撃が加えられた時刻とほぼ同じであったことから、何らかの因果関係が推測された。
例えば、このWXⅢと岬冴子を結ぶ何らかの因子、例えば同じタイミングで一斉に生殖活動を行うサンゴのような遺伝的な共鳴や活動が起こったというものだ。
即ち、WXⅢがダメージを負ったときに、N-β細胞を介して共鳴が起こり、彼女の体も連鎖的にダメージを負ったのではということ。
 前述のような特性やニシワキセル自体がまだ未解明なところが大きいために断定はできないが、そうでなければ説明がつかないのも事実である。
 現在のところ、彼女の細胞汚染の除去方法と合わせて、原因の模索を進めている段階であることをここに記す。

358: 弥次郎 :2021/07/20(火) 00:32:19 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
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360: 弥次郎 :2021/07/20(火) 00:40:46 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
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×これを慣性系として最も着目されていたという記述も見られた。

〇これを完成系として最も着目されていたという記述も見られた。
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最終更新:2023年07月09日 21:38