793: 加賀 :2021/07/24(土) 11:55:04 HOST:softbank126243101222.bbtec.net
「拡散波動砲発射用意!!」
「チャージは既に完了しています!!」
「拡散波動砲発射ァ!!」

 戦端を開いたのは同盟軍艦隊の中央に展開していたハシモト中将の第二艦隊だった。ハシモトは旗艦『イセ』に搭載されている艦首200サンチ中性子ビーム砲で先制攻撃をしたのだ。

「何!?」
「左舷損傷!!」

 双頭の蛇の中央部分で展開していたミッターマイヤー艦隊はもろに拡散波動砲の攻撃を受けた。瞬く間に2000隻近くの艦艇が撃沈、もしくは損傷したからだ。しかも旗艦『ベイオウルフ』も左舷に損傷し黒煙を一時吹かせたのだ。

「同盟め……楽しませてくれるではないか」

 報告を受けたラインハルトはニヤリと笑うだけだった。だがラインハルトの余裕も直ぐに露消えたのである。

「そろそろ頃合いかの?」
「えぇ。頃合いです」
「うむ、アップルトン中将の第一自動艦隊に電文。『艦隊ヲ二分シ突撃セヨ』」
「待ってたぞ!!」

 アップルトン中将は旗艦『クリシュナ』の艦橋で吠える。

「第一自動艦隊は二分に分かれ双頭の蛇の頭を食い破れ!!」

 命令を受けた第一自動艦隊は二分に分かれ直ちに帝国艦隊の双頭の蛇の頭の部分に向かって最大速度で突撃を開始した。

「同盟軍艦隊が突撃してきます!!」
「迎撃!!」

 左側の頭の部分に展開していたシュタインメッツ大将の艦隊は第一自動艦隊の左分艦隊に砲撃をするが自動艦隊の艦艇は中和磁場を最大出力に上げて全速力でシュタインメッツ艦隊に突撃する。

「反撃しないだと!? 奴等、何を企んでーー」
「高エネルギー反応!? これはーー奴等の艦艇からです!!」
「まさかーーッ!?」

 そのまさかだった。自動艦隊はシュタインメッツ艦隊と交差すると自動で停止し次々と爆発していった。しかし、その爆発の威力は誰もが予想していた以上の爆発だった。

「この爆発の威力……ゼッフル粒子を搭載しているのか!?」
「爆発来ます!!」

 突撃してきた全ての艦艇の艦内にはゼッフル粒子が充満しておりその爆発の威力は花火を連想させるがそれ以上の光景だった。そして爆発の威力はシュタインメッツの旗艦『フォンケル』にも及んだ。シュタインメッツら艦橋にいた者は吹き飛ばされた。

「か、閣下ァ……閣下の左足は完全に折れてますぞぉ……」

 自らも致命傷を負った参謀長ボーレン中将はシュタインメッツにそう告げる。

「そうか……貴様の報告はいつも正確だ……ボーレン」

 だがシュタインメッツの言葉を聞く前にボーレンは息絶えた。そしてシュタインメッツも最期を迎えたのである。

「……グレーチェン……」

 シュタインメッツらを乗せたまま『フォンケル』は爆発四散するのである。

「『フォンケル』撃沈!! シュタインメッツ大将戦死!! 更にシュタインメッツ艦隊は壊滅状態です!!」
「シュタインメッツが……」

 報告を受けたラインハルトは驚愕する。

「閣下、同盟軍はもしや自爆攻撃を……」

 傍に控えていたシュトライト准将はそう具申する。

「全艦、突撃してくる同盟軍艦艇は何としても撃沈せよ!!」

 ラインハルトはそう厳命するがそれは叶わなかった。第一自動艦隊残りの右分艦隊が双頭の蛇の右側ーーワーレン艦隊に突撃してきたのだ。

「敵艦艇突撃してきます!!」
「迎撃しつつ後退だ!! 急げ!!」

 ワーレンは後退しながらも迎撃するがそれでも迎撃出来ずにワーレン艦隊に花火が盛大に撃ち上げられたのである。

「ワーレン艦隊、壊滅!! ワーレン提督重傷!!」

 ラインハルトは追い詰められていくのである。

794: 加賀 :2021/07/24(土) 12:03:28 HOST:softbank126243101222.bbtec.net
中身の『アレ』はゼッフル粒子でした(ゼッフルゼッフル)
カミカゼ・アタックと命名されるがこの突撃は一人の戦死者も出していない(無人艦艇が突撃したので)

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最終更新:2021年07月28日 19:33