15: 635 :2021/07/28(水) 19:17:31 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその五十



総理官邸の一室、そこは異様な空気に包まれていた…いや瘴気の類と言った方が良いかも知れない。
その源は一人の童女、その名を対州要塞姫という。
対州要塞姫を中心に空間自体も歪み、夜の底よりもなお仄暗い闇がちらほらと顔を覗かせる。
その姿に当てられダラダラと大量の冷や汗を流す白木らこちら側の人間ら向こう側で創造主やってる柏木はまあそうなるなという平気な顔をしいる。


「(柏木!!どうにかならねえのか!?)」

「(どうしようもねえよ。あいつら姫さんの尻尾踏んづけた上にすり潰してんだから。)」


柏木がくいと親指を向ければ対州要塞姫がガン見している一つのゼルモニターがあり、
その中では報道特番で好き勝手言ってる議員やコメンテーターやら芸能人やらがいる。


「日本は攻撃を受けても憲法の精神でどれだけの死者が出ようとも非戦を選択すべきだった。」

「韓国と戦争するなど許されることではない対馬も韓国に喜んで譲るべきだった。」

「例え日本という国家がなくなり、全員殺されても平和憲法の尊さと日本の気高さを世界に示すべきであった。」


冷や汗を流す白木らも何言ってんだこいつら通り越して人として善悪つかねえのか!?というレベルで嫌悪感を覚えている。
彼らの中では戦争始めたのは韓国ではなく日本が始めた扱いになっている。
向こう側から政府通して正式な抗議と裁判起こされても仕方がないというかこの局もうオワタである。
そもそも報道機関としと今後注目の的となる向こう側の情報に一切関われないの決定であり渡航も拒否されるだろう。
ついでにこちら側の日本としても銀河連合日本と共に接触決定したこちら側のティ連もアウトだろうし。

報道特番のやからが熱を帯び対馬の民の死を汚す言葉を放つ毎に対州要塞姫の纏う瘴気は濃くなっていく。
そんな中、青い顔した大臣の一人が柏木にが話かける。


「(しかし柏木長官この瘴気の中よく大丈夫ですね…。)」

「(伊邪那美様や天照様が結界張ってくれてますからね…。)」


無かったら自分もヤバイという柏木に戦慄する一同、結界張ってコレって…。
というか自分らより耐性あり過ぎやしないか?


「(彼女は伊邪那岐命すら逃げるしかなかった伊邪那美命と多くの神々を畏怖のみ戦意を無くさせたティアマト神の直系の祟り神ですよ?)」

「(どんだけだよ!?あの姫さん!!)」

「(しかも強い、スゴク強い。)」

「(アイエエエエ!タイシュウヨウサイヒメ!?タイシュウヨウサイヒメナンデ!?)」

「(あからさまにタタリガミなのだ!)」

「(サツバツ!)」


「こっちの子達も意外と余裕ありますね…。結界弱めても大丈夫でしょうか?」

「伊邪那美様やめてください。死んでしまいます!!」

16: 635 :2021/07/28(水) 19:19:08 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp




「こっちのネットも現実も大混乱みたいだねえ。」


何処か戦艦の艦橋の様な場所の艦長席の様な席で煎餅片手に造成した複数のゼルモニターを見る軍服を着た一人の男。
見ているのは日本の総理官邸でのビックリドッキリ記者会見の生放送に加え、掲示板にこの世界のワクワク動画や日本や各国の報道特番、実況掲示板等wp見ている。
そしてこの人物、誰かと言えば平行宇宙ではMI6バリな日本の諜報機関でメタルヒーローやってる月丘和樹その人である。

そんな彼が現在いるのは銀河連合日本世界ではなくゲートの向こう側の冥王星とカロンの重力均衡宙域に造成された冥王星ゲート基地艦艇用泊地に停泊するとある艦艇の艦橋だ。
停泊するご近所さんには平行世界では別の名付けれら、この世界では大鳳の名を継いだイゼイラの水上艦艇型大型機動兵器母艦。
そしてどっこいなクラスの大きさと化した神崎島の空母の姿もある。
なおこの世界線で水上艦艇型航宙艦が建造されてるのはふそう以上に対馬決戦時の決戦ヤマトサン・イザナミマルマモード(命名フェルさん)の影響が大きかったりする。
色々とティ連にとっても衝撃的だったのだ、あの姿は。


そして遠くに浮かぶ冥王星ディルフィルド軌道ゲートからは新たに複数の艦艇に姿を現している。
イゼイラのアルテミス級機動砲艦三番艦『フリシア・ナヨタケノ・カグヤ』。
そして重航宙護衛艦ふそうと決戦形態の大和の姿に影響を受けて建造されたヤルバーン州軍の機動巡洋艦、伊豆大島の最高峰三原山からその名が取られた『ミハラ』。
しかし『ミハラ』の方は亜空間次元反転縮退砲、所謂ディルフィルドゲート砲専用のディルフィルド機関を対馬決戦時の大和の如く艦首にそれも二門備えている。
巷ではこのクラスは春の嵐とかM31銀河の名前でとか呼ばれてるとかなんとか。後一緒にゼスタールの運用するミハラの同型艦がこの場にいるがデザインが敵っぽい。

そんな中、艦橋のドアが開いた。


「カズキサン、トモヅルの点検終わりましたよ。」

「プリちゃん?早いねえ。」


艦橋に入ってきたのはこの世界でも月丘の相棒なプリル・リズ・シャーである。


「イエ、私だけじゃこんなに早く終わりませんよ?」

「私達も手伝ったしね?」

「肯定である。」


ね?とプリルが顔を向けたのはプリルに続き艦橋に入ってきた艦娘の神崎夕張とゼスタールのネメア・ハモル合議体であった。
入ってきたプリルらは艦橋コンソールの椅子にそれぞれ座る。
しかしネメアは立ったままだ。


「え?ネメアさんは分かりますが夕張大佐自ら!?」

「まあこの子達、千鳥型は私が手塩にかけた艦だからね…。暇だったし。」


月丘の疑問に答える夕張『大佐』、日本と神崎島のティ連加盟から数年が過ぎ神崎島の軍も拡大した結果夕張も昇進していた。
現在では隷下に複数の艦艇を有する技術試験部隊まで存在する。
その内の一隻が月丘が艇長を務めるこの日本向けに建造された千鳥型人型可変機動艇三番艦『ともづる』だ。
そう月丘の現在の仕事とはヤル研のおもち…もとい試験兵器の運用である。

そしてこの千鳥型、航宙艦自体の数が少ない日本と小規模な作戦にこのクラスの艦艇を投入したいティ連の思惑が合致し生まれた艦艇である。
艦後方に艦橋が存在し艦中央に連装四基の重粒子ビーム砲兼用の斥力砲を艦首方向に向け配置、
機体各部にエネルギー兵装スリット及びディルフィルド魚雷運用可能なミサイル発射管を装備している。
しかしながら千鳥型は規模からふそうやカグヤの様な艦ではなくデロニカ・グラージェの様な艇に分類される艦艇でありそれ程多くのゼル造成台座は装備されていない。

その特徴の一つが最低一人でも運用可能という乗員の少なさにある。
これには人員不足に悩む日本もニッコリである。まあ、実際の運用では最低十人程度が欲しいとされているが。
また小型艦ながらディルフィルド魚雷も多数発射可能かつ広域次元センサープロープも搭載しゼスタールの様な次元溝に潜む敵にも対処可能だ。
つまるところ地球における魚雷艇と駆潜艇の機能を持つのがこの千鳥型である。
なお、現在まで31隻が日本含めティ連各国で建造完了、二番艦はヤルバーン州軍向けに建造されデロニカと名付けれている。

17: 635 :2021/07/28(水) 19:19:53 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
そしてこの艦の最大の特徴が可変の名の通り人型及び航宙艦形態に変形可能なことである。
この世界での人型艦艇は人型機動攻撃戦艦ローマ、より正確に言えば神崎島で建造予定だったアレスと機神アレスからの系譜となる。
ローマをダウンサイジングし開発されたのがフリンゼ・サーミッサ級であるが汎用性が高く、向こう側でのヂラールとの小競り合いでも活躍している。
しかしティ連で駆逐艦相当という艦種であるためにヴァズラー、旭龍等機動兵器に比べおいそれと気軽に投入出来る兵器ではない。
無論大型機動母艦や機動戦艦に比べれば投入は容易いが。

それらの理由から開発されたのがこの千鳥型という訳である。
フリンゼ・サーミッサより小さく機動兵器より大きく人員は駆逐艦以下、機動兵器以上と実にニッチに合致した兵器である。
なお一番艦『千鳥』が完成した際にはその絶妙なサイズから種別を可変人型機動攻撃艦(某超時空要塞派)と特大型可変機動兵器(スパロボ派)、
どちらで呼ぶかで大論争となったとか。



「そういえばナヨさんは?」

「ああ、ナヨさんなら憂さ晴らしに千鳥の彼と模擬戦してるわよ。」

「えっとファーダナヨってことはアレで…チドリの艦長ってことは相手はこの艦の同型艦のチドリですよね?」

「そうよプリちゃん。」


夕張は月丘とプリルの疑問に答えつつ艦橋のメインモニターに映像を映す。
そこには一機と一隻、白い巨体を持つ人型形態の千鳥型一番艦千鳥と半分以下のサイズの機動兵器が模擬戦をしていた。
千鳥と相対する機体、ナヨが操る獣神の如き相貌の二足歩行型機動兵器。
それは摂津式大具足と機神の模造品。
ティアマトの生み出した十一の怪物の内、七体を宿し、六機の機動兵器が合体したものだ。

巨獅子ウガルルムを宿すライオン型機動兵器を中心に魚人クルールがが右肩および右腕部、
海魔ラハムが左肩および左腕部を構成し、蠍尾竜ムシュフシュと毒蛇バシュムがそれぞれ左右の脚部を構成。
そして背部には鳥の姿をした嵐の魔物ウム・ダブルチュが合体し翼となる。 
その姿にネメアも関心を示す。


「しかし我々もこの大型機動兵器『ナヨガイガー』の実物を見るのは初めてだ。実に興味深い。」

「ネメアさん!『ナヨガイガー』じゃないわ。『ムシュマッヘ』よ!後、大型機動兵器じゃなく特機、スーパーロボット『ムシュマッヘ』と呼んで超大!!」

「でもネタ元勇者ある者の王ですよね?」

「…否定しないわ。」


このナヨガイガーとか呼ばれるナヨさん専用機動兵器『ムシュマッヘ』。
見た目がジェネシックとか名前の頭に着きそうな某勇者シリーズのに凄く良く似てる。
しかもナヨさん、メカライオンなウガルルムと融合するし。


「しかしまあ、千鳥型も千鳥型で同じ作品の超弩級戦艦ぽいですからね。」

「どう見てもアニメ実写化にしかみえないわね…。」


艦橋のメインモニターに模擬戦が映る。
ムシュマッヘは千鳥の片手五門、両手で計十門の重粒子ブラスターを回避すると反撃とばかりに回転させた右腕を文字通り飛ばす。
プリルがロケットパンチと目を輝かせ、ネメアが破砕なマグナムだと訂正する。
逆に千鳥は飛んでくる拳をその巨体からは想像も出来ない機動力で回避すると掌より多数の粒子反応ポッドをばら撒く。

18: 635 :2021/07/28(水) 19:20:36 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


『ホーミングレエェェーザアァァァー!!』


ともづるの艦橋に妙に力の籠もった千鳥艇長の声が響く。
その声を聞き夕張の頭に汗が流れる。
千鳥艇長と副長、まあ二人しか乗ってないのだがその二人の会話が始まった。


『ちょっとまてぇぇい!?レーザーじゃなくて粒子反応ポッドだぞ!!キリ『違う!』、!?』

『マカリオス、その名は棄てた。今の私は失われし大西洋異聞帯、その後悔を胸に刻み勇気ある者になろうとする者…ゾルダート、ゾルダートKだ!!』

『勇気ある者とかゾルダートKって何言ってるんだお前!?』


副長のマカリオスとゾルダートKなる人物の中々愉快な怒鳴り合い、会話に頭を抱え夕張に月丘は問う。


「夕張大佐、入院中の彼から話を聞くために勇気ある者の王とか妙な冒険とかを差し入れたと聞きましたが…?」

「いえ!絶対悪影響与えたのは秋雲が差し入れたトップを狙うのとかよ!!」

「(夕張大佐のも十分影響あるんじゃね?)」 


どう見てもこんにゃく駄目なサイボーグと空はいいぞ!な赤い星の人が混じってる。
多分現状を大西洋異聞帯完遂した人物なら顎を…落とさないな…。
寧ろ生き生きしているマカリオス他一名に感涙するだろう。この世界のヤルバーンに乗ってる某とか。
ちなみにゾルダートK、上半身しか無かったが運良く蘇生制限時間内だったので怒る鋼のサイボーグとして復活したとか。
なお腕に緑や赤い石はなかったり。

ムシュマッヘは左手より広域事象可変シールドを作り出すと粒子反応ポッドを防ぎ切りシールドを解除。
そしてその瞬間を狙い千鳥は右腕部にに装備された巨大な錨を射出する。
リアルに錨である。無論、某暁型三番艦の如く近接武器にもなる。
ゾルダートKは叫ぶ。


『飛翔せよ!ケイクォース!!』


なんか独自の名前付けちゃった錨はエネルギー放出しながら金色の鳥のごとくムシュマッヘへと向かう。


『システム!雷霆戦鎚用意!』

『―了解、雷霆戦鎚装着―』


ナヨの声と共にムシュマッヘの腕にバカでかい拳と黄金な金槌が装着時されると紫電を纏うそれで錨を粉砕する。
それを見て月岡は驚く。


「あれ?光になーれ!実装済みだったんですか!」

「?違うわよ?」

「じゃあアレは?」

「オリュンポスで回収された主神のアレを私達が解析、コピーしたものよ。」

「ちょっと待って下さい!!アレって私達には扱えず危険過ぎるってことでヘスティア様が管理、同じく雷霆神としての属性持ちの伊耶那美様が封印施してるんじゃ!?」

「無論フルスペックじゃないわ。両神の許可の下で私達の扱えるレベルまで落としたデッドコピー。それがあの雷霆戦鎚(ケラウノス・デッドコピー)よ。」

19: 635 :2021/07/28(水) 19:21:29 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


とはいえ最大出力ならば擬似的に次元断層を局地的に生み出せるくらいの能力はあると夕張は言う。
何故に黄金金槌型かといえばデッドコピーといえどそこまで小型化出来ず、機体側が出力に耐えきれない危険性もあったそうな。
そして金槌で錨が粉砕されようともゾルダートKは叫ぶ。


『異星の神の一柱よ!この人叡智の産み出した仮初の機神を以て貴女に抗って見せる!』

「いや、ナヨさん確かに異星の神様ですが貴方が言うと意味合いちゃうやん…。」


月丘はツッコミを入れる。


『で、どうする?最大兵装破壊されたぞ。』

『アレを使う。』

『はあっ!?アレはネタ技だろ!』

『マカリオス、人間一人一人は小さな火だが勇気を持った人間が二人、三人と揃えば炎となる。勇気の炎となった人間は無敵だ。勇気とは人間讃歌、人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさ…だ。令和版古事記(伊耶那美命公認済)の対馬での決戦の場面でもそう描かれている。後、そこは「ええ、良くってよ」と言うべき所だ。』

『現実にあったから否定出来ない…あいつらもそうだったし…ああ、もうっ!やってやるよ!アレやるぞ!!』

『ええ、良くってよ!!』

「あんたが言うんかい!?というか不死鳥じゃなくてそっち!?」


月丘のツッコミが冴え渡る。
夕張はあれがオイシイと言うことだとネメアに説明しとるしプリ子は目をキラキラさせている。

人型可変機動艇千鳥が背部の空間振動波機関を輝かせ飛び上がと頂点で蹴りの体勢を取る。
ナヨさんは空気を読んで終わるの待ってたりする。


『『究極!千鳥キィィィィィック!!』』


二人して叫んで蹴りの体勢の千鳥が突っ込んで来る。
超電ちゃんキックじゃないの?と後に聞けば諸般の事情(権利のアレコレ)に色々と配慮したとのこと。
月丘からはお前らの存在そのものが諸般の事情と再度ツッコミが入ったが。

ムシュマッヘに迫る千鳥、それを見てムシュマッヘの中でフッと笑うナヨ。
人間の価値を示すという理想を追い求め過ぎ人の理を滅ぼした子供と明日を夢見て世界全てを棄てた子が良くぞここまで変わったと、ちょっと方向がおかしい気もするが。


「妾も全力応えなければなりませんね…システム、雷霆戦鎚解除し手甲装着。」

『――了解、雷霆戦鎚解除。手甲装着――。』


金槌とバカでかい拳が消えると背中の嵐の魔物ウム・ダブルチュの尾が分離し手に装着される。
因みに分離した尾が装着されたのは片手のみである。


「妾のこの手が真っ赤に燃える勝利を掴めと轟き叫ぶっ!!ムシュマッヘフィンガー!!」


激突する千鳥の脚とムシュマッヘの手、というかナヨさん…まあムシュマッヘはゴッズなロボットとも言えますが…。
そして冥王星宙域が光に包まれ月丘が叫ぶ。


「やり過ぎだ、ボケェェェ―――!!」

20: 635 :2021/07/28(水) 19:24:50 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp





同じ頃の東京八王子のどっか、夜の帳の下でランタンを灯しながら一軒の住宅を監視する集団がいた。


「ハムハム、ズズー。カシュワグサンチノヨウフハドウデフカ?」

「浜風さん…まずは口の中のもの飲み込んでから話して下さいまし…。」

「モキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュゴクン、すみません。」


一軒家を監視中の装置を操作するイゼイラ人スタッフ二名、どんな事でも対処出来ると金剛とリシュリューに太鼓判押された金剛乗員なのと平行人類文学者でもあるリシュリュー副官扱いなの。
その二人に声を掛けるのはシーフードヴァズラー味なる国民的即席カップ麺を啜る駆逐艦の浜風。
その姿を隣で紅茶を飲んでいた天斑駒のメジロマックイーンが眉間を抑えながら諌める。
そんな様子の二人を見てニコニコと笑う少女が一人。
その少女、アデーレに声を掛けるマックイーン。


「どうかしましたの?」

「時代が流れ、今日ではない明日が続いているのを実感し数年経ちますが…やはりいいものだと…。」


あの時の止まった世界と何もかもが違う。
仕事に就いて仲間と異世界まで旅するなんて考えられなかった。
弟も成長し独り立ち、現在は軍用艦艇の副長としてこの世界の冥王星で頑張っている、それが何よりも嬉しいと言う。
マックイーンとアデーレの会話に浜風が加わる。


「まああの時の対馬の状況とか我々の世界は観測された並行宇宙や汎人類史、その亜流と比べても色々と異質ですしね。
スタッフ集めてイゼイラの公共事業で公園にピラミッド作った日本人がいますし。」

「アレって確か全部人力でしたわよね…?」

「発達過程文明検証の一環だった筈ですよ?


何故にわざわざ人力でアデーレが問えば、向こうの人々にとって働くということは喜ばしいという返答。
そこもやはり自分がいたオリュンポスとは違うなあと感じたり。


「その後イゼイラに今度はチェイテピラミッド姫路城作ってましたが。」

「アレをですの…。」

「チェイテピラミッド姫路城ってあの人達が戦った特異点の…ですよね(汗)。」


話が色々アレな建造物の話に移りアデーレは後頭部に汗をかく。
アデーレとマカリオスは星見の天文台のこれまでを追体験(FGO)したがどうしてこうなったという話もあって頭が痛かったという。
そんなことをしていると空がエラく輝き出した。


「何ですの!?」

「星が光ってる…?」

「何があった!?」


輝いたのは一瞬、誰かがポツリと呟く。


「あの方角は…冥王星…?」


その言葉を聞きアデーレは空を心配そうに見上げ言葉を漏らす。


「マカリオス…。」

21: 635 :2021/07/28(水) 19:25:26 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2021年07月28日 19:58