339: 加賀 :2021/07/25(日) 17:06:14 HOST:softbank126243066243.bbtec.net



「えー、臨時の会合をしたいと思います」
「うむ。まさか艦娘のガングートとニコライ二世の姉妹が日本に現れるとは……この五藤の目を以てしても見抜けなかった……」
「いや、それは誰もがです」

 神楽坂のとある料亭に集まった橋本達は視線をガングートとニコライ姉妹に向ける。なお、ガングートはウォッカでネルソンと飲み対決をしていた。

「では私から説明します」

 そう言ったのは長女のオリガだった。

「まず、皆様に最初に御伝えしたい事があります」
「……承りましょう」
「спасибо。では……実は我々四人はこの世の者ではありません」

 オリガが放った言葉は橋本らには爆弾であった。

「……幽霊という事ですか?」
「Дar。無論公式上、裏もです」
「では貴女方は何者ですか?」
「今は妖精という存在です」

 百武の問いに答えたのはらぁめんを啜るアナスタシアだった。

「妖精……?」
「如何にも。私達の命はイパチェフ館で潰えた……その筈でした」
「……詳しくお聞かせ下さい」
「……あの日……1918年7月17日、地下室で私達はチェーカーの銃弾によって倒れました。私達が致命傷を負い事切れる寸前、扉をぶち破って入ってきたのがガングートでした」
「何と……」

 オリガの言葉に橋本らは飲み対決をしているガングートに視線を向ける。

「ガングートは瞬く間にチェーカー全員の頭を捻り潰すと私達に頭を垂れました。『間に合わなくて申し訳なかった』と……」
(チェーカーの全員の頭を捻り潰すとか流石艦娘……)

 古賀はそう思う。

「続けてガングートは言いました。『此処で出会ったのも何かの縁。私の我が儘を通して貰います』ガングートはそう言ってナイフで自身の腕を傷つけ、血で何やらの魔方陣ぽいのを床に描いて……気付けば私達は生き残りました」
「黒魔術かな?」
「悪魔祓いじゃないですか……?」
「ちなみに妖精化は自分の意思で可能です。マリア」
「はい」

 オリガに促されたマリアはそう言うと徐々に身体が縮んでいき、最終的にはよく艦これで見かける妖精と変わったのである。

「これが妖精化か……」
「地球の神秘ですかね……」
「そこら辺はどうなのですかガングート? 何か契約があるのとか?」
「ボクと契約して妖精になってよ」
「QBは氏ね」
「いや、特に意味は無い」
『意味無いのかよ!?』
「雰囲気で盛り上がるかなとな」
「ウム。それは余も分かるぞ」

 何故か納得の表情をするネルソンである。

340: 加賀 :2021/07/25(日) 17:07:25 HOST:softbank126243066243.bbtec.net
「まぁそれはさておき……保護を求める……この認識で間違いありませんな?」
「Дar。間違いありません」

 宮様の問いにオリガはそう答えた。他のタチアナ達も頷いていた。

「勿論、ただで保護してもらおうとは思いません。ガングートを通じて我々の未来兵器を提供したいと思います」
「未来兵器……」

 オリガの言葉に古賀達はざわめく。ロシアーーソビエトの兵器と言えば『アレ』しかなかった。

「戦車や飛行機等を提供したいと思います」
「ムゥ。やはりミッキーマウスか」
「T-34 1942年型と言いましょうよ……」

 それでもこれ等の兵器を提供してもらえれば軍の兵器開発も刺激されるのは間違いなかった。

「分かりました。ガングートやオリガ皇女達はネルソンさんと同じく霞ヶ関離宮に住んで頂きます」
「感謝致します宮様」
「取り敢えずらぁめんお代わり」
「ちょっとーこのアナスタシア皇女、中の人に似すぎません?」
「五月蝿いぞアドミラルハシモト」

 ツッコミを入れる橋本にガングートはバッサリと言う。

「そう言えばガングートはアドミラルハシモトに大層御世話になったとか?」
「ん?」
「あぁ確かにそうだ皇女殿下。何せアドミラルハシモトは私の身体をそれはもう好き放題にしていたからな!!」
『ギルティ』
「それ第二次日本海海戦の事だよな!? てか古賀さんらも変に反応しないで下さいよ!!」
「取り敢えず一辺頭を冷やそうか橋本君?」
「嫌だー!? SRBを射たれたくないー!?」
「あ、らぁめんお代わりで」
「ほんと君はぶれないね」

 最後はドタドタする橋本達であった。

「ところでガングート、貴様アドミラルハシモトに惚の字か?」
「……何の事やら……」
(うっすらと頬が紅いのだがな……)

 ネルソンとガングートはそう話すのである。

341: 加賀 :2021/07/25(日) 17:10:50 HOST:softbank126243066243.bbtec.net
  • ニコライ四姉妹、妖精化へ
  • アナスタシア皇女、らぁめん派
  • ソ連兵器の提供へ(黒死病が来るぞ!)
  • ガングートの橋本への評価は……?
  • 橋本、モゲロ(古賀達の反応)

次回、ワシントン軍縮が締結へ。

348: 加賀 :2021/07/25(日) 18:08:36 HOST:softbank126243066243.bbtec.net
艦娘設定

『ネルソン』(余ォォォォォォォ)

 文字通りの戦艦『ネルソン』である。性格的にはいどさん、ムンムさん、コノシゲさんのネルソンの性格が入り交じっている。
なお、本人曰く「橋本といるのが楽しい」らしい。
一応、戦後世界の記憶はある。(憂鬱世界の記憶も……?)
取り敢えずラム酒を飲んでいたら幸せのようである。


『ガングート』(デェェェェェン)

戦艦『ガングート』の艦娘で性格的には『ネルソン』同様であり入り交じっているが今のところコノシゲさん六割、いどさんムンムさん二割ずつの模様である。
バストはLの疑惑(コノシゲさんの絵で同志Lサイズと記載されてたのでもしかしたら……?)
橋本には案外奥手?らしいが……(雰囲気作りがド下手くそらしいので誘いが雑との事)
ソビエトマーチは好きらしいが国家としては口を閉ざす。
ニコライ四姉妹を助けたのは「国の汚点を見逃す程出来た人間ではない」との事。
取り敢えずウォッカが無くなったら誰かをシベリア送りか銃殺刑にするらしいのでウォッカの補給は急務である。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年07月28日 21:47