208: 635 :2021/08/01(日) 01:09:33 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその五十二


八王子の柏木家、対馬への突入を図る空母大鳳と護衛の航空機部隊の姿がテレビ画面に映る。
何機もの機体が撃墜され、時には敵機に体当たりをして或いは翼のもげたまま敵艦へと突入し大鳳を守り抜く。
そして何処かのコクピットであろうかパイロット、コパイ含め数名が席についている。


『戦闘機隊残存数、三割を切りました!!』

『陸攻隊約半数が撃墜!!』』


大鳳からの悲鳴の様な通信が機内に木霊する。
それを見ながら持ち直した大見の娘の美加は父に問う。


「何であの人達あんなこと出来るのかな…。」


何故そんなことが出来るのか、大見はうーんと腕を組む。
その姿を大見の妻も見守る。なお柏木は妻や復活した両親と共に掛かってくる電話とメール、SNS攻勢にてんてこ舞いだったりする。


「そもそもだがあの戦闘機や爆撃機の人たちは人じゃない妖精だ。」


死んでも戻ってこれると父は娘に言う。それでも死の痛みは感じるし、恐怖だって覚える。
それでもだ。


「あの人達は今を生きる人達を、後を託す人達を信じてるからあんなことが出来るんだ。」


それは自棄ではない、彼らならばやってくれる彼らならば成し遂げてくれる。
その為に彼らは航路を繋ぎ一握の希望を対馬に送り届ける為、その生命を燃やしたのだ。


「あっちの柏木が映像で出撃の際に言ってたよ。」


電話が一段落したのか部屋に入って来たこの世界の柏木の方をちらりと見ると驚いたように自分かと指差す。


「この作戦は特攻で非ずってな。」


彼らの行動は誰かに強制されたでもない自発的な行動だと大見は言う。
それはカミカゼと辱められた行動ではない献身や挺身と呼ぶべき行動。

そんな話をする中、画面に映っていたコックピットの風防ガラスそのものがなんらかに衝突したのか粉砕されその破片がパイロットの頭部を襲う。
パイロットのヘルメットが吹き飛びヘルメットに収まっていた長い栗色の髪が風に舞う。
それでもパイロットでもある彼女、機長は操縦桿は離さない。


『なのは!!』

『高町少将!!』

『だ、大…丈夫、フェイトちゃん。私は、私は柏木さん達を、送り届けるまで!!落ちる訳にはいかないの!!』


額より血を流しながらキッと前を睨みつける機長の女性、高町なのは。
何処かで魔法少女やってそうな声と姿ににブフォっと吹き出す柏木に場の空気が砕け散る。

209: 635 :2021/08/01(日) 01:10:03 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


「ああ、似てるキャラ知ってると驚くよな。」

「オーちゃんまさか…高町でなのはってまさかあの…?」

「ミッドチルダも次元世界もないが名前は高町なのは少将、神崎島空軍戦略爆撃機部隊の司令だ…。」

「元ネタより階級高すぎやしねえか!?というかそれじゃさっきの501の可変戦闘機も…。」

「ロッテ組んでた機体のパイロットは坂本美緒、宮藤芳佳、アレクサンドラ・ウラジミーロヴナ・リトヴャク、エイラ・イルマタル・ユーティライネンだ…。」

「うそーん…。」



ゲートの向こう側の柏木達を乗せた空母大鳳は海域最深部へと辿りつく。
立ち昇る黒い光の柱、血より紅く夜の闇よりも深い死が空と海を覆う。


『現世へ溢れ出た夜海ノ海の最奥…最も夜海に近い夜海の門…!!』


映像、そして大鳳の声が全世界へと流れる。


『皆さん、機体から出るとか艦から身を乗り出すとかやめて下さいね。夜海濡れ生きたまま夜海に堕ちますよ。』


文字通りこの世ものでない光景、記録映像ですら寒気を感じる。


【どう見ても生者が居ていい世界じゃありません。ありがとうございました。】
【なんか見ているだけで寒気してくるんだけど…】
【零のあの世との境みたいな気が…】


動画共有サイトでコメントが流れ


「なんや…あの世ってこういうの言うんかいな…。」

「いやコレ寧ろ地獄とかって呼んだ方がいいんじゃ?」

「文字通りの死者の国という言葉がこれ程似合う場所も…。」


特番の出演者たちは自らの身体を無意識にさすり


「パパ怖い…。」

「安心しろパパがいる…。オーちゃんコレって?」

「変色海域最深部、全ての生命の存在を許さない文字通りの死者の国、冥府や黄泉の国に一番近い状態だそうだ。」

「……マジ?」

「ああ、この時既に黄泉平坂の封印が解けかけてたらしい…。」


柏木家では起きてきた柏木の子が画面を見ると背筋に氷の柱を入れられたような恐怖に駆られ父に抱きついた。
大見との会話に柏木の背に冷たい汗が流れる。
そして彼女の姿が映される。



『GYAAAAァァァァアアアアア"ア"ア"ア"!!』

210: 635 :2021/08/01(日) 01:10:34 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp



【何アレ】
【どう見ても白面の者です。ありがとうございま、有り難いわけねえだろ!?】
【あわわわわ】


また動画共有サイト


「…最早怪獣ですね…。」

「はあ、あないな怪獣になったお姫さんを向こうの日本はどうにかして戻したんやな…。」

「メカゴジラでも用意したんでしょうか?」


でもって特番



「あっちの日本はアレをどうにかしたっての!?」

「ああ、向こうの柏木が元国会議員かつ元国務大臣でティ連議員で特務大佐で昭和の上皇陛下の侍従やって居なかったら積みだったそうだ。」

「オーちゃん、向こうの俺何やったのよ!?」

「……ぐだおの代わり?」


そして安定の柏木家



『この時対州要塞姫は初めて艦娘らと戦闘を行っていた時よりさらにその身を変質させていました…。』


アナスタシアの解説が画面より流れる


『全長二百メートル超の最早既存の生物の大きさを超える原因となったのはドイツが作り上げたもう一つの呪詛兵器。
機能としてはある神を召喚するための呼び水とも言うべきソレをが韓国軍により対馬へ持ち込まれたこと。
そして対州要塞姫がその神の器としてあまりにも適合し過ぎていたことが原因でした。』


【ま た ド イ ツ か!!】
【ドイツってやつ碌なことしねえな】
【こっちのドイツの惨状との差は一体…?】


再びの動画共有サイトで


「取り敢えず今回の件ドイツが悪いんやな。一番は韓国やけど。」

「そうとしか思えませんね…。」

「欧州各地でもやらかしてたそうですしね。」


まあ動画共有サイトと同じ感想の特番


「対馬の件でこれだと色んな意味で向こうの歴史の授業大変そうだな…。」

「向こうの柏木に聞いたら実際、小中高の範囲がコッチの比じゃないからな。」

「そんなに?」

「歴史として超古代ギリシャ文明、記紀にメソポタミア神話挙げ句に大西洋異聞帯、通称オリュンポス文明のことまでガッコで習うんだぞ?
他の異聞帯はさわり程度らしいが…。」

「お父さん何その教科書…。」


柏木家だけなんか話がずれてる。

211: 635 :2021/08/01(日) 01:11:26 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


そして画面の中では五隻の艦娘により五芒星の結界が敷かれ対州要塞姫を抑えに掛かる。
ネットや特番の者たちから歓声が上がるがシステムの警告に絶望の声が漏れる。


『――――警告――――』

『――――対象の発する呪詛の汚染深度、範囲共に急速に再拡大開始――――』

『――――結界オバーフローまで残り三十秒――――』




『GYAAAAァァァァアアアアア"ア"ア"ア"!!』


画面の中では巨大な妖狐が立ち上がる。


「主よ…。」


画面に映るそれを見て誰かが言葉を零す。
ここはEU、欧州連合の欧州連合理事会の会議の場である。
連日のように行われる向こう側の欧州連合の実質的な崩壊という情報から安全保障関連の各国閣僚を集めた会議。
同時にEU各国首脳により構成される欧州理事会及び欧州議会も招集されていた。

その中でドイツの国防大臣は針の筵であった。
米国経由で齎された情報、欧州各地への侵攻、虐殺その事実に蒼白となっていた。
特に三度目の道路三国と首脳陣根切りされた挙げ句国家体制そのものが変質しまくった隣国とお隣の狂犬の視線が痛い。

日本の信任状捧呈式と宇宙船やら宇宙生物やらの飛来で焦点が逸れ国防大臣はホッとしたと思えば、
今度は人間材料にした核兵器を他国に提供し実戦使用とかいう厄ネタ。
しかもそれが世界に危機を齎しさらにもう一つ向こうのドイツの隠し玉があるとかいうアナスタシアの爆弾発言である。


『そして我々がこの変質した対州要塞姫を鎮めるべく作戦を開始したと同時にそのドイツ首相はとても容認し難い発言を行いました。』


アナスタシアの言葉に議場がざわつく。
そんなことしてたら画面が切り替わり見慣れたドイツのトップの姿が映る。
ドイツ国旗を背景にツカツカと演壇に向かう。


「「「(嫌な予感しかしねえ…。)」」」


議場にいる人間の心は一つになった、嬉しくないが。
独国防大臣の顔なぞ蒼白通り越して青い、もうやめて!とっくに国防大臣のライフはゼロよ!
そして独首相は息を大きく吸い込み発言を行う。


『日本と神崎島の滅びは決定事項、神の怒りを受け入れて粛々と滅びるべきです。』

「「「「ちょっとマテや!?」」」」


あ、国防大臣が倒れた。

212: 635 :2021/08/01(日) 01:11:59 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年08月02日 10:13