614: 加賀 :2021/08/02(月) 20:00:42 HOST:softbank126241197205.bbtec.net
「天誅ゥゥゥ!!」
「グゥッ!?」
「ハシモトォォォォォォ!!」
「駄目です、出血が激しいです。血液が足りません!?」
「ならば私達のを使え。私達のは血液の種類は何でも変えれる事が可能だ」
「提督……死なないで……」
「戻ってこいハシモトォォォォォォ!!」
1930年も後一月で終わろうとしていた年の瀬。橋本はいつもの会合に向かおうとしていた。今日の会合は麹町にある憑依者が経営する料亭で行われる予定だった。
「今日は何を食べようか」
「取り敢えずはラム酒を空けるぞ!!」
「いやウォッカをだな……」
「まぁまぁ。此処は日本酒で……提督もそうしようよ」
離宮から近いという事もあったのでこの日はたまたま橋本らは歩いていく事にしたのだ。なお、ニコライ四姉妹はバレる可能性もあったので車で移動となっている。
そして橋本らを建物の陰から監視する者がいた事はガングートが気付いていた。だがガングートも橋本へのブンヤだろうと思っていた。何せ橋本は二特で活躍したのでたまにブンヤに取材される事があったので今回もそうだろうと思っていたのだ。
そして事件は起きる。後少しで料亭に到着しようとした時である。
「橋本少佐でありますか?」
「ん?」
声をかけてきたのは一人の青年将校らしき陸軍佐官だった。料亭がすぐそこ(僅か3mのところに料亭の入り口があった)だったので関係者だろうと橋本はそう思ったので迷わず答えた。
「確かに橋本だが……」
その時、物陰から複数の者が走ってきた。
「天誅ゥゥゥゥゥゥ!!」
『ッ!?』
走ってきたのは三人の陸軍の青年将校だった。彼等の手には軍刀が握られていた。彼等は真っ直ぐに橋本に斬り掛かろうとしたがそれに待ったを掛けたのが伊勢だった。
「ぎゃァァァァァッ!?」
伊勢は素早く艤装を展開させ(その時間、0.03秒)自身の武器である昭和12年制定海軍制式軍刀で一人目の右腕を斬り落としたのである。その光景に驚いた残りの二人が一瞬躊躇した事で橋本は一人に対してそのまま一本背負いを決め地面に叩きつけた。
「この馬鹿野郎!?」
橋本がそう怒鳴った時、ドンドンと二回の銃声がした。その瞬間、橋本は一瞬光景が揺れたと思った。そしてこみ上げてくる液体、口元を触るとぬるりとした感触があり自身の白手は赤く染められていた。
橋本が振り返るとそこには先程橋本に声をかけてきた青年将校が十四年式拳銃を両手で握りしめていた。銃口からは撃ったばかりと思わしき煙が出ていた。
「ハシモトォォォォォォ!!」
「ぶべッ!?」
ネルソンが撃った青年将校に向けて拳程の石を投げる。無論、艦娘なのでその威力は半端はせず容赦なく青年将校の頭を粉砕した。それはさておき、撃たれた橋本は膝からゆっくりと地面に倒れた。
(あっ……こいつはマズイヤツだな……)
閉じようとする瞼に橋本は逆らおうとしたがそれは無理だった。橋本の光景は自身に駆け寄る伊勢、ネルソン、ガングート(右手には捻り潰した青年将校の首を持ってる)ともう一人の女性がいたがそこで橋本は目を閉じたのであった。
615: 加賀 :2021/08/02(月) 20:04:42 HOST:softbank126241197205.bbtec.net
今回は短めながらですが橋本君襲撃事件です。無論、黒幕もいます。ちなみに襲撃は高野五十六をモデルにしてます(紺碧
- ネルソン、500勝投手にはなれる
- 伊勢、人斬り抜刀斎
- ガングート、握力で捻り潰す
次回
??「橋本、覚悟を示せ」
橋本「覚悟って……覚悟って何なんですか!?」
最終更新:2021年08月07日 19:20