598: 弥次郎 :2021/08/21(土) 21:35:39 HOST:softbank126066071234.bbtec.net


憂鬱SRW ファンタジールート 設定集【魔導士装備・演算宝珠理論】


  • 概要
 魔導士装備は、ストライクウィッチーズ世界において開発された対怪異(ネウロイ)用個人装備を指す。
 ストライカーユニットにF世界の技術を盛り込むことにより、適正者やその活動期間の短いウィッチの代替を目指して開発された装備である。


  • 前史
 F世界に転移以前、ストライクウィッチーズ世界においてはウィッチの数は少ないままであった。
 この時点では、発生する怪異がさほど多くはなく、規模としても小さいことが多いためにウィッチ依存の体制で問題はないと判断されていた。

 しかし、F世界への転移とこれまでとは比較にならないネウロイという怪異に対し、ウィッチでは性能面はともかく、絶対的な数に不足をきたすことになった。
全盛期が10代の少女にほぼ限定され、それ以降では「上がり」により能力を発揮できなくなるというのはどうしても問題が付きまとった。
それは数の面でもそうであるが、規格化されることを前提とした軍事的な運用に適さないことや不安定さという意味で危惧があったのであった。
事実として、圧倒的多数の戦力に対してまともに抵抗できる戦力が乏しいというのはウィッチへの負担増大につながり、ウィッチからも問題視されていた。
 その問題はネウロイとの戦端が開かれた1939年の時点ですでに表面化しており、各国は頭を悩ませることとなった。

 ここで転機となったのが、他の世界の技術---空中に満ちている魔素(エーテル)を用いた個人装備や大型兵器の存在であった。
 空気中に魔素(あるいは魔力)が存在しているというのは確認されている事実であり、F世界においては元の世界を超える濃度で存在していた。
その為、あがりを迎えたウィッチが現役復帰したり、ウィッチの個人の能力が向上するのが確認されていた。
 そして、そのエーテルを用いて駆動する兵器とそれを成り立たせる技術というのはまさしく青天の霹靂であり、各国は挙って開発に挑んだ。


  • 設計及びコンセプト
 エーテルを用いた装備とその根幹たる魔導機関(後に演算宝珠と呼ばれる)のシステムは1940年には開発がスタートされた。
 そのコンセプトとしては、ウィッチの互換戦力あるいは代替戦力の開発、というものであった。
前述の通り、ウィッチの絶対数には限りがあり、その能力にはばらつきがあり、軍事的組織的運用に向いていないという問題の解決が望まれたためである。
ウィッチたちの能力は確かに高いものがあるが、相手が圧倒的多数のネウロイということは、それだけではカバーしきれないと判断されたのである。
 無論、如何に大気中に含まれるエーテル濃度が上昇して個人の保有する魔力量が増大したとはいえ、それでもストライカーユニットが動かせないことは変化していない。
その為、その点を技術的に下駄をはかせるか、あるいは代替することによって戦力化するという方法論が用いられることとなった。


  • 演算宝珠の誕生
 ウィッチの魔法や能力を再現する、というのは簡単ではなかった。
 ウィッチは簡単に飛行や防御あるいは攻撃転化しているが、そのプロセスについてはあまり研究がされていなかったためであった。
結論から言えば、その再現のためには、その魔法の実現のプロセスを技術を用いて代替する機関などを用意する必要があった。
 そして、この研究の中で導き出され、開発されたのが必要となる魔法の発現プロセスを代行する「演算宝珠」の存在であった。

 帝政カールスラントにおいて初めて完成した最初期のそれは、時計を思わせる歯車の連なりから構成された演算装置であった。
というか、時計をそのまま流用する形で開発されたといっても過言ではない。
これは歯車などにウィッチが魔力を込めて刻印を施し、それの稼働を以て時計の機能の拡張を魔法で実現するという構造であった。
 その最初の演算宝珠「ME-076」の実現した最初の魔法は、その日の正午を音声で広範囲の人間に伝達するというものだったが、極めて大きな一歩となった。

 開発当時の演算宝珠は極めて大きかったのだが、即座に小型化と軽量化が推進されることになった。
 また、ウィッチがハンドメイドする過程を研究することにより、これを機械的に量産化する研究も同時に進んだ。
 やがてこの演算宝珠は懐中時計大の大きさまで縮小することに成功。さらには魔力のこもった鉱石や宝石を用いることで量産しやすくなった。
加えて、演算の複雑化を実現したことによって、ウィッチの用いるそれを劣化しているとはいえ再現できるようになっていった。

 斯くして、この演算宝珠というのは新しい兵科「魔導士」の用いる装備において根幹をなすこととなるのである。

599: 弥次郎 :2021/08/21(土) 21:36:26 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

  • 魔法の発現プロセス

 演算宝珠による魔法の発現プロセスはいくつかに分けることができる。

1.演算宝珠の起動
2.魔法実現のために必要となるエーテルの大気中からの吸収
3.演算宝珠内の演算術式の稼働による内部機構の動作
4.飛行・シールド・通信などの魔法としての具現化

 まず、一つ目のプロセスは演算宝珠に魔力を流し込み、起動させることに始まる。
 演算宝珠はあくまでも代替するための装置にすぎず、これを稼働させるには外部から魔力を注いでやる必要がある。
このための最低限の魔力を有していないものは魔導士になることもできない。逆に言えば、これさえできる魔力があるならば、魔導士になれるかもしれないのである。

 ついで、多くの演算宝珠においてフローの最初に組み込まれた「エーテルの収集」が実施される。
 大気中に満ちている魔力(エーテル)を取り込み、適切な濃度にまで濃縮することで、ウィッチが生み出す魔力の代替とするためである。
これはレシブロエンジンにおける暖機運転に近いものであり、適切な条件下に置くことで、魔導士装備に付随する備蓄機関にため込まれる。
 このため困れた魔力こそが、魔導士装備における駆動の燃料となるわけである。

 三つ目に、演算宝珠内に記録されている術式およびそれに連なる機構が二つ目のプロセスで蓄えられた魔力を用いて動き出す。
 魔導士装備は、ウィッチが魔力を用いて無意識に実現していることも逐次再現しなければならないため、その機構は大型化する傾向にある。
その為、初期の研究段階においては宮藤理論以前のストライカーユニットのように補助機を用いることで解決策としていた。
 この過程が無事に完了することで、四つ目の結果、すなわち「魔法の具現化」という結果を得ることになる。


  • 飛行補助装備および陸戦補助装備

 斯くしてウィッチの魔法を再現することに成功したのであるが、次の壁にぶつかることとなった。
 即ち、ウィッチでいうストライカーユニットに該当する、魔法を実現するための装備の開発であった。
 生身のままに飛行する、というのは土台無理な話であり、また演算宝珠や魔力タンクを背負う都合上、ウィッチと同じことをするには機械的な補助が必要であった。

 その解決案となったのが、ウィッチが用いていたストライカーユニットや陸戦ユニットの類似品の開発であった。
 ウィッチほど潤沢に魔力供給ができないことや、演算宝珠の術式による効果を行き渡らせるためにウィッチのそれをそのままとはいかなかった。
元々の装備が大型化しているということもあり、必然的に人間の身の丈並の装備品が開発される運びとなったのである。

 先駆けとなった帝政カールスラントにおいてはウィッチの飛行ユニットに類似した「魔導外装脚部」の開発に成功したのが皮切りとなった。
 しかし、ここまでの小型化や量産化というのは技術的難易度が高いこともあり、各国ではそれぞれが独自の形に落とし込むことになった。
例としては、ブリタニアにおいては箒。ガリアやリベリオンは騎馬。オーラシャやロマーニャでは板という形のように。
ちなみに、飛行ユニットと異なり、陸戦ユニットについては陸戦ユニットの形状がそのまま流用されることとなった。
 基本形となったものに処々の必要な装備や機構を盛り込むことによってこれらは徐々にそれぞれの形へと進化していることとなる。


  • 武装および武装への魔力の転用

 魔導士の武装については、基本的にウィッチなどと同様のものを用いている。
 魔力を用いた身体能力増強の魔法により、通常の歩兵では不可能な重武装が可能になっていることもあり、一般歩兵を超えるものを実現できる。
ただし、魔導士はウィッチと比較して魔力量や魔法の出力という点では劣っているために、完全に追いつけるかと言われると微妙である。

 また、一部では実現されているが、魔力を用いて実弾や炸薬などにエンチャントを施し強化するという術式も存在する。
このエンチャントによって、弾丸の威力や射程が大きく向上したり、炸薬の威力や威力範囲が大きく拡大することが確認されている。
小型はともかく、中型以上のネウロイに対して有効打を与えるためにはこのエンチャントがほぼ必須と判断される。
ただし、このエンチャントは強力なほど演算宝珠自体に負荷をかけるものとなっているために、過度な使用は即ち死を意味することとなる。

600: 弥次郎 :2021/08/21(土) 21:37:22 HOST:softbank126066071234.bbtec.net

  • 防御手段

 演算宝珠に記録されている術式によって、ウィッチが用いるシールドを再現して展開することが可能となっている。
 ただし、現行技術においてはウィッチのそれから見れば大きく劣るものしか実現できておらず、せいぜいが中戦車程度、という評価がされている。
無論、演算宝珠のリソースを防御に振り分けることで増強はできるが、元々割けるリソースが小さいこともあって誤差の範疇である。
 そのため、最初期に策定された戦闘教義においてはシールドを活用するとなっていたが、基本的には動いて回避するというのが魔導士における常識となった。



  • 調達コストおよび運用コスト

 ウィッチのストライカーユニットや陸戦ユニットと比較した場合、魔導士の装備一式の調達コストは高くなる傾向にある。
これは開発コストの段階でウィッチのそれを超える額が使われたことや、ウィッチでは不要な装備をアレコレと必要としている分である。
 運用面においても、ストライカーユニットを超える整備箇所や部品を要することや、演算宝珠の調整という面もあって、コストはかさむ傾向にある。
ウィッチの装備品と比較してかかわる人間も多く、整備の行程も多いというのがそれに拍車をかける形となっている。
 本来ならばウィッチよりも数が多く要求されることもあり量産化に伴ってコストは下がるのであるが、現段階ではまだ高いのが実情である。


  • 推進機関

 多くの魔導士装備においては、ストライカーユニット同様に魔導により稼働するプロペラによる推進を主推進機関として用いている。
 その稼働に用いられているのはウィッチのそれと同じく魔導エンジンである。ただし、こちらは魔導士向けにデチューンされている。
魔導士が出力可能な魔力量がウィッチと比較して少ないための措置であったが、これに伴い発揮できる馬力や速度には限界が存在している。
 これに対して、一部の魔導士装備においては機械的な強化や補助を咥えることによって補うという方式がとられることとなった。


  • 総合評価

 多額の資金や人材、資源を投じて開発が推進され、実践投入される運びとなった「魔導士」であるが、その総合的な評価は厳しい。
ウィッチの代替もしくは互換戦力を目指して生み出されたのであるが、実戦での戦果やスペックではウィッチに勝っているのは数くらいだったことに由来する。
コストや時間がかかった割には得られたものがあまり大きいとはいえず、期待以上のものとして出来上がらなかった。

 無論、新技術を促成で慣熟させ、それを用いて急造されたという面を持っているので、今後の発展に期待するというのもある。
しかしながらも、プロパガンダもあったとはいえ、結局はぎりぎりのところでウィッチの下位互換に滑り込んだという事実に変わりはなかった。
その分のリソースをウィッチに割いた方がよほど有意義ではないかという声が生じるのも無理からぬ話であった。

 他方で、オーロシャが補助戦力やほかの兵科への支援に限定して用いたことで高い戦果を挙げたことを鑑みるに、使い方次第ではという声もある。
 ウィッチの代わりとして馬鹿正直に投入したガリアやカールスラントでは被害が多く出たが、事前のスペック比較の時点でそれは防げたのでは、というわけである。
事実として1942年の攻勢失敗後、魔導士の配備を推進した派閥に対しては、魔導士とウィッチによる模擬戦や性能比較の結果を以て追求する声が上がっている。
これを最初から念頭に入れて運用を行っていれば、犠牲は小さくすることができたのではないか?というわけである。

 よって、現段階、1942年6月以降においては、魔導士の評価は未だに定まっているとはいえない。
 また、ニッチを同じくする機動兵器「マギリング・パーソナル・フレーム(MPF)」の配備が近いこともあり、今後の情勢次第で評価は変化しうる。
 いずれにせよ、安直な評価を下すことは、客観的且つ俯瞰的な評価を下せなくなる恐れがあるので注意しなくてはならないといえる。

601: 弥次郎 :2021/08/21(土) 21:38:23 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
以上、wiki転載はご自由に。
魔導士装備と演算宝珠についての設定をまとめてみました。

原理だけで言うならば、実のところ魔導士装備とMPFはそれほど差異がないんですよね。
ただ、外から吸収するか、それともエーテルを取り込んでそれを増幅させるかの違いがあるんですが。
まあ、ここに関しては技術の差や経験の差というやつですな。

602: 弥次郎 :2021/08/21(土) 21:46:49 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
ちょっと修正
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これは歯車などにウィッチが魔力を込めて刻印を施し、それの稼働を以て時計の機能の拡張を魔法を実現するという構造であった。


これは歯車などにウィッチが魔力を込めて刻印を施し、それの稼働を以て時計の機能の拡張を魔法で実現するという構造であった。

614: 弥次郎 :2021/08/21(土) 22:29:40 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
すいません、追加で修正を
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エーテルを用いた装備とその根幹たる魔導機関(後に演算宝珠と呼ばれる)のシステムは1040年には開発がスタートされた。


エーテルを用いた装備とその根幹たる魔導機関(後に演算宝珠と呼ばれる)のシステムは1940年には開発がスタートされた。


時代が間違いすぎていた(白目
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最終更新:2023年11月03日 10:06