953: 194 :2021/08/19(木) 22:45:31 HOST:ai126165029006.73.access-internet.ne.jp
現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件セカンドシーズン?特別番外編 ウマ娘とその関係者達が、超大陸世界にやって来たようです その11
決勝まで残り二週間。両陣営の様子を見ていこう。まずはカノープスから。
最初の一週間は、高山トレーニング用のマスクを着用するのみで休養していたツインターボ。再び病院で検査を受け、不整脈が悪化していない事を確認。
スタミナ強化のトレーニングが再開されるかと思われたが、それプラスある指示が出されたのだ。
南坂「ターボさんには、コーナーでゆっくり走る練習をして貰います」
イクノ「?ゆっくりしてたら勝てないのでは?」
南坂「最後までそれで走ればそうなりますが、ターボさんは直線のみ全力で走り、コーナーでは可能な限り内側を走りつつ力を温存しながら走って貰います」
今回南坂が言ったトレーニングは基本的な走行テクニックの一つであり、全力でコーナーを曲がる際のスタミナ管理は必須のテクニックでもある。
ターボには全力疾走しつつ内側をキープ出来る程筋力に余裕は無い。ならば内側を攻めつつスタミナを温存し、直線で勝負をかける方が勝ち目があるとの判断だ。
だがその作戦には欠点があると、ナイスネイチャが手を挙げた。
ネイチャ「でも決勝に上がってきたのは皆、最高のメンバー達よ?一度抜かせたらターボが抜き返すチャンスが無いんじゃ」
南坂「ええ。だから抜かせません」
マチタン「どういう事ですか?」
南坂「ここからが、作戦の肝となりますが・・・」
南坂が作戦の具体的内容を話している頃、スピカの方でも決勝での戦いに向けての議論が交わされていた。
本大会において絶好調なメジロパーマーや元々の仮想敵であるツインターボ、大逃げの二人をどう攻略するかという事である。
スぺ「どうすればいいんですかね?」
スズカ「メジロパーマーは準決勝では息切れする事無く勝利した。テイオーさんが全力で走って追い抜ける位置を把握するとして、そこまで体力を温存しつつ集団から抜け出すしかないかも」
ウオッカ「けど外過ぎたら、その分体力使い過ぎるだろ?」
ダスカ「かと言って、内じゃスピードも出ないし」
沖野「・・・となると、集団の先頭を取るしかないか」
ビワハヤヒデやライスシャワー等が居るであろう集団で先頭を取る。一見それが確実な様に見えるが、問題は他のウマ娘達も同じ作戦で来る可能性が非常に高い事だ。
最悪先頭を取り合う過程で消耗し、共倒れになる危険もある。
ライバルと競り合うか、それとも賭けに出るか。どちらの方が勝率が高いか沖野達がシミュレートする一方で、トウカイテイオーも決勝の舞台となる阪神競バ場のトラックの詳細を確認しつつ、
頭の中でシミュレートを行っていた。
頭の中で何度もレースが繰り返しては自分が負ける結果が繰り返され、作戦を変えても自分を抜く相手が変わるだけ。優勝の可能性が少しずつ閉ざされていく。
954: 194 :2021/08/19(木) 22:46:01 HOST:ai126165029006.73.access-internet.ne.jp
ゴルシ「何悩んでんだよ。スピード出しながら内を回ればいいだろ」
マックイーン「貴女と同じ芸当が、誰にでも出来ると思わないでくださいまし」
煮詰まりつつある状況を何とかしようとしてか、ゴールドシップがそんな事を言うもマックイーンにあっさりと否定される。
- が、その言葉にハッとした表情をするトウカイテイオー。
テイオー「ゴールドシップ、今何て言ったの?」
ゴルシ「えっ!?えーと、『何悩んでんだよ』」
テイオー「その後!」
ゴルシ「・・・『スピード出しながら内を回ればいいだろ』」
『一体どうした?』という顔をしているゴルシを置いて、もう一度トラックの詳細を見ながら再度シミュレートする。
走るコースは内ラチギリギリのライン。誰も攻めていないこのラインを攻めるシミュレーションをしてみると、最後の直線で集団から確実に抜け出してパーマーを抜く結果を出す事が出来た。
それと同時に、南坂がツインターボに与えた指示の裏の意味を理解すると、決勝でどういう作戦を使ってくるかを予想し、思わず笑みを浮かべる。
ゴルシ「て、テイオー?何で笑ってんだ?」
テイオー「あーゴメンゴメン。でも、やっぱりターボ師匠を意識しておいてよかったよ。そうじゃなきゃ僕も潰されていたかも」
沖野「どういう事だ?」
テイオー「うん、恐らくだけど・・・」
導き出した勝利への道を説明するテイオー。最初は全員困惑していたが、もしツインターボがある動きをした場合、間違い無くある事態が発生する。
そうなった場合、早く抜け出さねば後続は全員潰されるのだ。
他のウマ娘ならばそうはならないかもしれない。だが、ツインターボなら間違いなく罠に嵌める事が出来る。
自分達の名誉を傷つけてでも栄冠を手にする為の南坂の策略に、沖野達は呆気にとられる。
沖野「な、なるほど。・・・考えたな、南坂め」
テイオー「今の僕に必要なのは、ここを全力で走る力。差しじゃなく、全力で追い込むよ!」
沖野「・・・ヨシ!方針決定だな。ウチには追い込みのプロが居る。この二週間はハードだぞ!」
両陣営共にライバルを意識し、ひたすら特訓に明け暮れる。こうして瞬く間に、二週間の時間が過ぎていった。
955: 194 :2021/08/19(木) 22:46:31 HOST:ai126165029006.73.access-internet.ne.jp
~~決勝当日・阪神競バ場~~
予想を遥かに超えて大盛況という事もあり、来年以降も開催される事が決定したJURAファイナル。今年の締めを飾る中距離部門を観戦すべく多数の観客が押し寄せていたが、その中にこの人達も居た。
柏木(キグルミ中)「いやはや、思った以上に観客達が来てますね。神z・・・鎌崎さん」
神崎(キグルミ中)「ですね。もうすぐ冬だというのに、まるで夏の様な熱気というか・・・。まぁ今日は楽しみましょう、柏g・・・川木さん」
そう、柏木一家と神崎提督・護衛兼デートの名目で武蔵と信濃が、キグルミシステムで見た目を変えてやって来ていたのだ。
ゼスタール本星の奪還作戦が終了し、戦後処理も軌道に乗り始めた事もあり、周りから
『家族サービスも兼ねてリフレッシュしてこい』
と言われた事もあり、ならば『家族サービスでどこに行くか』という話になった時に、愛娘である姫迦が
姫迦「今流行りの、ウマ娘?とかいうお姉ちゃん達のレースを見てみたい」
と言い出した事もあり、同じく休暇を貰った神崎提督も誘って今回のレースを見に行く事にしたのだ。まぁ、観客の多さには流石に辟易していたが。
因みに偽名だが、以下の様になっている。
柏木→川木 舞人(かわき まいと)
フェルさん→川木 伽耶(かわき かや)
姫迦ちゃん→川木 姫子(かわき ひめこ)
神崎提督→鎌崎 博(かまざき ひろし)
武蔵→鎌崎 武子(かまざき たけこ)
信濃→鎌崎 信子(かまざき のぶこ)
ただし、間違い無く読者の皆様が混乱するのが目に見えているので、吹き出しの方は本名の方で書いていく。
二人がそんな事を話していると、買い物に出ていた武蔵が複数のレジ袋を抱えて戻って来た。
武蔵(キグルミ中)「相b・・・じゃなかった博、ウイニングライブで使用するサイリウム(ペンライト型)と飲み物、あと売店で適当に焼きそばとか買って来たぞ」
信濃(キグルミ中)「もう、姉さん買い過ぎだって」
険しい顔をする信濃。焼きそばだけでも10人前程は有り、それとは別にお菓子とかも大量に買い込んで来ている。
武蔵(キグルミ中)「何、一航戦の二人とかに比べたら可愛い物だろ」
フェル(キグルミ中)「・・・確かにアノ二人と比べタラ、まだ少ないデショウけど・・・」
姫迦(キグルミ中)「ねぇねぇ、オレンジジュースとかある?」
武蔵(キグルミ中)「いいぞ、好きなのを選べ」
姫迦(キグルミ中)「わーい、アリガト」
柏木(キグルミ中)「すいませんね、武s・・・じゃなかった武子さん」
武蔵(キグルミ中)「何、博もいつも世話になってるしな。この程度は、かまわんよ」
柏木(キグルミ中)「それはそうと・・・」
そう言って柏木は、神崎提督に顔を近づけてヒソヒソと話す。
柏木(キグルミ中)「・・・今回は大和さんが来てませんね。大和型姉妹が揃い踏みになるかと思ってたんですが」
神崎(キグルミ中)「・・・ああ、それですが、大和は子供達の世話が有るのと、それに関係している事を言われてまして」
柏木(キグルミ中)「・・・何を言われたんです?」
神崎(キグルミ中)「・・・大和は既に二人目を生んだんですが・・・。武蔵と信濃が未だ子供が出来ていないので、『デート後に三人で頑張って(意味深)』と言われまして」
柏木(キグルミ中)「・・・」
神崎(キグルミ中)「・・・同じく今回のお出かけの話を聞いた吹雪と明石が、それぞれ『しばふ村特製精力剤』と『排卵誘発剤』を手渡して来たりと色々有って・・・って、柏木さん?」
柏木(キグルミ中)「・・・一回言わせて下さい。モゲて世の男性達に謝罪すべきかと」
神崎(キグルミ中)「何でだよ!!」
とまぁこんな感じで、色々と平和に(大本営発表)時間が過ぎていく。
ウマ娘達の夢の祭典。最後に残った中距離部門の栄冠をかけた戦いが、間もなく始まろうとしていた。
956: 194 :2021/08/19(木) 22:47:01 HOST:ai126165029006.73.access-internet.ne.jp
以上です。いやはや、中々に難産でした。そしてレースシーンにまで持ち込めなかったので、それは次回以降に(汗)
極めて多忙な柏木一家が神崎提督達と共に、レースを見に行く事に。まぁ銀連世界の
登場人物も、もっと出したいですし(一応銀連二次創作でもあるので(汗))
なおプロットの段階では、トリーと旗舘さん&武勇(武勇 隆・たけゆう たかし・武豊氏の同位体)さんとの感動の再開なシーンもあったのですが、残念ながら自分の力量では
描き切るのが困難そうだったので、泣く泣く没に(涙)。とはいえ、シーンがカットされただけで再開その物は果たしています。
さて、いよいよ次回はレース本番となります。多分複数回に分けて書く事になると思いますので、時間に余裕のある方は、お付き合いしていただければ幸いです。
wiki掲載は、自由です。
最終更新:2021年08月22日 14:22