941: 冷石 :2021/08/26(木) 07:55:05 HOST:p0288671-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
西暦1575年駿府
「武田家の崩壊が意外に早かったな」
「信濃勢があっさりと調略に応じてきましたからね」
「しかし奥信濃を上杉に譲ってよかったのか?」
「かまいませんよ、あのあたりでうまみがあるのは善光寺の門前町くらいですから
一応あの辺は名目上村上や高梨といった元の国人の独立した領主ってことにしてますから。
あの上杉家と直接領地を接するのは勘弁願いたいですし、あそこを譲ったから西上野の領有で優位に立てました。
あのあたりの方が断然うまみがありますから」
「問題は甲斐の国ですよ、日本住血吸虫の被害があそこまでひどいとは…」
「特効薬がないからなぁ、史実や、我々の前世でも撲滅するのに昭和までかかってるからな」
「特効薬というとペニシリンの生産や種痘の普及はどうなっている」
「ペニシリンの生産は順調なんですが、種痘の普及は迷信がはびこっているこの時代なんで遅れています」
「地道にやるしかないですね、とりあえず種痘は殿、嶋田さんが率先してやってくれたんで家臣たちには広がってますから」
いつものように本多正信邸に集まった
夢幻会の面々はそばをすすりつつ話し込んでいる。
「それにしても内陸部への兵站構築はきつかった」
「後方の人材が乏しすぎる」
「東條さんが今回志願してくれて、それなりの人数引き抜いてくれたから破綻はきたさなかったけど、きつかった」
「その辺のことを嶋田さんが漢の蕭何の故事を引いて、武田攻めの功績第一位にしてくれましたけど
むしろ積雪期に古府中に攻め込んだことが評価されたんだと言われてますからね」
「家を継げない次男三男を馬廻にして彼らを後方担当にするって話はどうなってる?」
「教育は施してますけど、一家を立てると前線に出たがるので困りますよ」
「前線で命がけで戦っている人に厚く報いるのは仕方ないですが、こうも後方を軽視するのも考え物ですよね」
「その辺は時間をかけて教育するしかないだろう。外交面はどうなんだ?」
「上杉との関係は奥信濃で譲ったこともあって良好ですが、関東の諸大名が北條に押されてますね」
「そっちは計算の内だ、東北は小大名ばかりだから東海甲信関東を押さえればそれほど脅威にはならないだろう」
「むしろ西の方がごたごたしそうですよ、将軍と織田家がのっぴきならない所まで来てるみたいですし」
「うちにまで密書を送ってくるくらいですからね、嶋田さんは開封もせず「信長殿に送れ」って言いましたけど」
「織田家は織田家でうちには気を使ってますしねぇ」
「そりゃ900万石近い大大名ですからねうちは、敵に回ってほしくないんでしょう」
「そういや於義丸様を上杉の養子に送る話はどうなった」
「於義丸様が幼いという事で難色をしめされてますね」
「そうか、いやいいんだ、成立すれば儲けものという話だったからな」
「来年はいよいよ北條攻めですね」
「基本戦略は水軍に1万の兵を乗せて海沿いを攻撃して陽動をかけて、駿河、甲斐、上野の3方向から攻めて支城網をずたずたにしてから、小田原へ。でいいんだな」
「それでいいでしょうあとは、関東の諸大名に参戦を促すといったところで」
「北條は小田原城にこもるでしょうね、上杉軍の数十万を耐えた成功体験がありますから」
「あれは、上杉が長期対陣できないから撤退したんであり、水軍で物資の輸送ができて長期対陣できるうちには効かないことを教育してやりましょう」
「だな」
すると突如襖が開き今回の会合に参加していなかった
夢幻会幹部が駆け込んできた。
942: 冷石 :2021/08/26(木) 07:58:04 HOST:p0288671-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
夢幻会暴走事始め8終了です。
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駄文失礼しました。
最終更新:2025年04月05日 00:12