944: 冷石 :2021/08/26(木) 13:34:36 HOST:p0288671-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
「急にどうした、世の中にはそんなに慌てるようなことはそんなにないぞ」
「そうだぞ、織田家がいきなり敵に回ったとかならともかく、そんなことはないだろう」
ゼイゼイと息を吐きながらその幹部は声を上げる
「そのまさかが起こりそうなんだよ」
「「「は?」」」
「将軍が徳川追討令を出したんだよ!」
「「「な、なんだって~!?」」」
引きこもり万歳世界線における夢幻会暴走事始め9
「…この前、将軍の信長追討の密書を信長殿のところに送っただろう」
「ああ、たしかに、変に信長殿に勘繰られたくないと開封もせず送ったんだよな」
「それがマズかった…信長殿がその密書を持って将軍に詰め寄ったんだ、「勝手なことをするな」って」
「ま、まさか…」
「そのまさかだ、その密書は徳川が偽造したものだと言い逃れをしたんだ。そして「余と、御父信長殿との関係を裂かんとする逆臣家康を討てと公式に追討令を出しやがった」
「ま、まじかよ…」
「さすがに今までの関係から消極的になるが、擁している以上兵を出さざるを得ないと、水野殿から密使が来た」
「さらにその追討令を受けて村上が佐久に攻め込んできた」
「う、上杉はそれを容認してるのか」
「それどころか、武田が奪った村上領すべてを返却しろと言ってきやがった」
「あ、あんの似非義将め~」
「関東の諸大名も将軍の仲裁を受けて北條と和睦、そのうえ北條を盟主に徳川追討軍を結成。北條は北條で上野を上杉に明け渡して上杉と同盟を結んだんだ!」
また一人駆け込んできて
「大変だ、甲斐で穴山信君が武田信君を名乗って反逆した!」
「「「なにぃ!?」」」
「し、信濃は?」
「信濃で離反した国人は今のところいないみたいだ」
「そ、そうか」
「今のところ離反したのは甲斐だけだ」
「ふ、不幸中の幸いだな」
三人目が駆け込んできた
「次はなんだ」
部屋にいる面々の視線を受けてたじろぎながら使者が発言する
「ほ、本多様、殿がお呼びです」
悪い知らせでなく安堵のため息が漏れる
「わかりました、すぐ向かいます」
945: 冷石 :2021/08/26(木) 13:35:15 HOST:p0288671-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
駿府城の茶室
「信長殿から椀木通信で、三河の国境に兵は送るが侵入はしないと暗号文で連絡があった」
茶を入れながら我らが嶋田さん事、徳川家康が言う
「最悪の事態は起こらなかったという事ですか」
茶を受け取りつつ辻事、本多正信が発言した
「ですが、ある程度は兵を張り付けないと、疑われますよ」
東條事鳥居元忠が述べる
「信康に4万の軍を預けて岡崎に籠らせる信長殿との密約は伝えてはおいた」
「しかし、将軍の言い逃れで家康包囲網か洒落にならんな」
水軍をあずかる山本五十六こと向井正綱が言う
「将軍の策謀を潰すのに尽力してきましたからね、ある意味信長殿より恨まれているんでしょう」
「そうは言うがな辻この局面をどう打開するかだぞ」
「怖いのは上杉ですね、関東の追討軍は海沿いを進んでくるから水軍の艦砲射撃の援護が見込めますが
内陸での戦いになる上杉戦ではそうはいきませんからね」
「東條、大砲や機関銃の輸送は順調か?」
「はい、山岳地帯での移動に適した山砲メインですが深志城に籠めてあります」
「東條深志城の城主に任ずるから、上杉に備えてくれ、兵は5万だ。
関東勢を撃退して駆けつけるまで守り抜いてくれ」
「承った」
「残りの軍で関東の追討軍を撃退する」
「関東勢は、20万を超えるって話ですよ、10万を切る軍勢で大丈夫ですか」
「20万と言っても今まで争っていた諸侯の連合軍だ。複雑な連携が取れるわけではないからそれほど恐れるに足りんよ」
「甲斐はどうします?」
「穴山は武田を名乗ったのは失敗だったな、甲斐を攻める際に真っ先に調略に乗った人間が、今日から武田家当主だと言っても説得力がないさ」
「安心しました」
「ではその方針で軍議をまとめる、山本、辻、東條頼んだぞ」
「「「了解しました」」」
946: 冷石 :2021/08/26(木) 13:36:46 HOST:p0288671-vcngn.gifu.nt.ngn.ppp.ocn.ne.jp
夢幻会暴走事始め9以上でございます。
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駄文失礼しました。
最終更新:2025年04月05日 00:18