191: 635 :2021/08/28(土) 07:02:29 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその五十五



柏木家を監視しながらアナスタシアの会見を見ていたマックイーンはその耳の良さから草を踏む複数の足音に気づき振り向く。


「マックイーンおねえちゃん、こっちのファルンは…?」

「あら?…姫迦ちゃんそれにティアマト神に…深海浮き輪さん。それから貴女は確か糸紡ぎの…どうしてここに?」


暗がりより姿を現したのは姫迦、ティアマトに加え姫迦のお目付け役の小柄な御伽噺的な意味での妖精が一人。
何でもイチオシの花嫁な予感がするとかで柏木家に押し掛けスライディング土下座で頼み込みこの地位ゲットしたとか。
ちなみに相棒は姫迦の護衛の深海浮き輪さんである。


「この子(姫迦)がどうにもこちらのあの子(柏木)のことを聞いてから気になってしまったみたい…。」


姫迦を撫でながるティアマトの言葉にマックイーンは成程と納得する。
こちら側では姫迦が生まれること即ち両親が結ばれることは決してないことを姫迦気にしたのだろう。


「可能性の世界…IFの人類史…夢見るだけならば夢で終わりますが、実際あると残酷ですわね…。」


向こうで戦死した者が生きていた。向こうで生き残っていた者が死んでいた。
嘆きの姫の素体となった巫女は人として生きていた。太母の器となった母も。
姫はその事実を聞きただ一言、「そう」と寂しそうに嬉しそうに微笑んだ。
世の無常を感じ星空を見上げるマックイーン。

マックイーン視線を離したゼルモニターでは相対する大和…伊耶那美命と対州要塞姫が互いの兵装を用い壮絶な撃ち合いを行っていた。




名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 なんというか宇宙戦艦ヤマト対怪獣?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 鋼鉄の咆哮ではないのか?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 いやいやオリュンポスの如くスーパー神話大戦だぞ

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 北米神話大戦?(難聴)

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 規模が違い過ぎますがな


そんなことを言う電子の海の彼らの目の前では重粒子ビームやら超高速斥力砲やら超大口径要塞砲やらが火を吹き、まるでSF映画の様な光景が繰り広げられていた。
なお記者達は目の前の映像見て頭の中で宇宙戦争なエンドロールがながれていたり、光の剣振り回す剣士の姿があったり。
その頃漸く到着したヤルバーンは大混乱に陥っていた。


「ヤルマルティアノ技術ハ想定ヨリ上カモシレンナ。」

「その可能性はありまスネ。」

「ソレ以上ニアノ巨大生物ハナンダ?生体ノクセニ背中ニ背負ッタ機械カラ重粒子ビーム放ツナンテ。」

「ヂラールの様な生体兵器なのかもシレまセン。」


フェルと艦橋に上がってきたシエは話し合う。
粒子ブラスターやデイスラプターと思しき兵装を彼女らから見れば航宙艦と生物と思しき存在が戦闘を行っているからだ。
そんな二人の会話の横でヴェルデオはマシュに問いかけていた。


「ケラーマシュ、先程映像出た人物を名前で呼んでいましたが知人なのですかな?貴女が所属しているカルデアという機関の。」

「…はい、ヴェルデオ司令。私がいたカルデアに召喚されたアナスタシアさんという方にソックリなんです。」

「フーム…平行宇宙存在か…?ではケラーあの航宙艦と巨大生物については?」

「あの船と巨大な狐については…船は宇宙戦艦ヤマトという架空の宇宙船に似ていますが狐の方は…いえ狐の方はもしや…ビースト、愛玩の獣…?」

「ビースト…確か平行宇宙のハルマ人の持ちうるアポトーシス、自種族絶滅機構でしたか…?」

「私も全てを把握している訳ではありません…人類が人類であるが故に逃れられない汚点。人類を脅かし、人類を滅ぼす大災害。人が人であるが故に切り捨てる事の叶わないモノと言われています。」

「それからあのヤルマルティアと思しき弧状列島の大都市圏に存在した航宙艦、アレはオリュンポスの『カミ』ですかな?」

「はい…私の知る機神とほぼ同じ形状でした。」


話していたマシュとヴェルデオが再度モニターに目を向けると大和の主砲、超高速斥力砲から放たれた砲弾が対州要塞姫の身体を穿ち侵食弾頭を炸裂させていた。


『あれは侵食弾頭?でもどうやって…?』

192: 635 :2021/08/28(土) 07:03:05 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


ヤルマルティア人と思しき男性の呟いた言葉見たこともない兵装にヴェルデオは科学局のジルマや自衛局のゼルエを呼び質量弾を高速で射出する兵器やシンショク弾頭なる兵器が如何なるものかを検討するよう指示を出した。
そしてその後に画面に映る人物を視界に入れマシュを除く艦橋の全員、ティエルクマスカの人間達の肌に鳥肌が立つ。


『柏木や、どうやら大和、いえ伊耶那美様も考えて戦ってらっしゃるようですよ。』

「バ、バカな!?」

「ナゼココニ!?」


それはそうだろうイゼイラ全土はおろかティ連でも知らぬ者はいない存在の姿がそこにはあったのだから。
フェルはその名前を叫ぶ。


「ゴ、ゴ先祖様!?創造主ナヨクァラグヤ!?…デモなんか若い様な…?」


彼ら彼女らが信奉する希望の創造主ナヨクァラグヤ・ヘイル・サーミッサの姿が艦橋のゼルモニターに映る。
しかしフェルの知る姿、実家に飾ってある絵より随分と若々しい。
そこへマシュが恐る恐る問いかける。


「あのフェルさん。ナヨクァラグヤさんて確かフェルさんのご先祖様でイゼイラ全土で信奉されている神様…でしたよね…?」

「エエ…創造主という実在した人物を生き方の模範とする。その様に生きたいと願うというものが創造主というものデス。マシュサンの知るオリュンポスやホクオウ神話、デシタか?そういったティエルクマスカでも存在しない超常の存在とは違いマスガ。」


現在ティ連ではマシュの知る『神』という存在について超常の異能を持つ高度知性体と認識し同時に警戒している。
まあティ連が入手した情報、オリュンポスやバビロニアの惨状鑑みれば当然であるのだが。
故に機神と思しき存在への警戒度が上がっていたりする。
そんなことをマシュとフェルが話し終える画面に目を戻すとフェルは吹き出した。


『うわー!!何アレ!何アレ!!』

「ブッ!?メルチャンにサスアサン!?」

「ナゼココニイル!?」


水上艦艇から伊耶那美命と対州要塞姫の戦いを見つめるフェルさん妹+義弟(予定)の姿に全員の目が釘付けになり驚くフェルとシエであるが次の瞬間時が止まる。


『そういえばお姉ちゃん、あの舟に乗ってる女の人も神様?』

『エエそうデスヨ。』


次の瞬間には全員の目がフリンゼと画面の間を行ったり来たり。
ゲートの向こう側、銀河連合日本でティエルクマスカ風に言えばヤルマルティアの子となった彼女の姿。


「フェ、フェルさん…?」


なんとか絞り出す様に言葉を出すマシュ。
まあそらそうだろう知人と同一形状で声も同じのがいるのだから、しかもその知人はサーヴァントじゃないし、フォーリナー(異星人)ではあるが…。
いくら起源同じ人多数(例:某アルトリア顔、某エリちゃん)で鍛えられているとはいえ限度ってものがある。
後ネロが出てたりしたが気づかなかったり。


「ワ、私がもう一人…?」

「…あのヤルマルティア人と思しき男性が呼んだのはフリンゼの愛称…。」

「ツマリ…モウ一人ノフェル…イヤマテ、ソモソモイゼイラ人ノ姿ガ何故ヤルマルティアノ広域放送電磁波情報ニ出ル!?」


シエの疑問も最もであった、しかしその解答は直ぐに出た。
電波通信の情報を取集整理していた調査局よりヤルマルティアより東へ行った島嶼部に並行宇宙間のものと思しきディルフィルドゲートらしき存在が確認されたからだ。
そして接触の経緯も判明した、流石にヤルバーンが会見映像を捉える以前の対馬まで至る道筋はまだ分からなかったが。

193: 635 :2021/08/28(土) 07:03:40 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


「つまりあの映像ハ…。」

「並行宇宙のハルマ、それもヤルマルティアで実際に起きたこということです、フリンゼ。」

「ソシテアノフェルハ並行宇宙ノフェルカ…。シカシ並行宇宙ノヤルマルティアハドンナ魔境ナンダ…。」


だがそれ以上に衝撃を受けたのはマシュであった。


「そんな…人理が崩壊していないのに…焼却も漂白もされていないのに異聞帯や特異点みたいなことが起きるだなんて…。」


そんな中、映像中の伊耶那美命と対州要塞姫は同航戦へと移行。
並走しながら互いの兵装を撃ち合うが振るわれた大和の周囲に浮かぶ神剣が振るわれ悲鳴と共に対州要塞姫は離脱した。
大和も回頭するがその甲板に伊耶那美命の姿はない。
遥か空中に飛び上がった伊耶那美命、巨大な狐の首を神剣による一閃で切り落とす。
その首から童女が弾き出され伊耶那美命は優しく受け止め空母大鳳の甲板に降り立つ。
そして映像が再びアナスタシアを映し出す。


「対州要塞姫は伊耶那美命の手で解放されました。しかしこれで終わりではなかったのです。」

『A――――――。』


画面の中で、会見場で流れるその歌。
マシュは、人理定礎修復を成した或いはその光景を見た者達はその歌を知っていた。
彼女が降りてきたあの時日本にいた者、あの時の光景を見た者はその声を聞いていた。


「ドイツが開発し韓国により対馬へと持ち込まれた神の呼び水。それを取り込んだ対州要塞姫が特級の器にして触媒たり得た為に悲運にもそれが起動してしまいました。
かくして存在を捻じ曲げられた対州要塞姫の影響により日ノ本の一柱、祟り神という形で姫の内に顕現しました。
神の呼び水、召喚器を開発した者達が意図した日本という世界を塗り替える存在に近しい姿で。 」


世界の至る所で驚きの声が上がる。
動画共有サイトのコメントで


【チョット待って!?】
【ドイツはアレを呼び出そうとしていたってこと!?】
【人類の手に負えるものじゃねええええ!?】
【アレって何さ?】
【アレはアレだよ】


掲示板で


名前:名無しの憂鬱なぐだお 投稿日:~
 ま た ド イ ツ か ! !

名前:名無しの憂鬱なぐだお 投稿日:~
 向こうのドイツはホント碌なことしねえな!?

名前:名無しの憂鬱なぐだお 投稿日:~
 何故よりによってそれを召喚しようと思った!?

名前:名無しの憂鬱なぐだお 投稿日:~
 バカなのアホなの!?

名前:名無しの憂鬱なぐだお 投稿日:~
 ビーストけしかけようとするとは…やはりドイツは第4帝国ッ…!

194: 635 :2021/08/28(土) 07:04:37 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp



ヤルバーンでも。


「あ、あれは…!」

「ケラーマシュ?」

「マシュサン。アレガ何カ知ッテルノカ?」

「は、はいアレは『アレハ、冠位ヲ掛ケタ死ノ付与と冥界ノ機構、英雄王ノ渾身ノ一撃ヲ以テドウニカナッタヤツダゾ!? 』」

「今度はシエデスカ!?」

「え、何で並行宇宙のシエさんが第七特異点のことを…?」


記者会見場のアナスタシアは記者やカメラを見回すと言葉を続ける。


「こうしてメソポタミア神話の古き創造神、ティアマトは降臨しました。遠き世界、汎人類史を呼称される世界において人類悪ビーストⅡと呼ばれる姿に似た姿で。」


其の傍らのモニターに映るのはどう見ても絶対魔獣戦線と呼ばれる世界の光景。


『Aaaa―――Aaaa―――Aaaa!!』




なお。


「ドイツ国防大臣、貴方方もあの様なもの、他のビーストを呼び出せるものを用意していたりなどは…あ…。」

「      」

「ドイツ国防大臣がまた倒れられておるぞ。」

「へんじがないただのしかばねのようだ…。」

195: 635 :2021/08/28(土) 07:05:25 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
ヤルバーン、並行宇宙を認識す。

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最終更新:2021年09月06日 10:38