726: 635 :2021/09/22(水) 00:22:26 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ サセボ異界紀行幕間 現場における日仏関係



「「「「Benis Notre Commandant!!(我らが指揮官に祝福あれ!!)」」」

「「「Vive la Richelieu!! Vive la Ocean!! Vive la France!!!(リシュリュー万歳!!オセアン万歳!!フランス万歳!!)」」」


「…また始まりましたね…。」

「いやまあ交代して今日の警備終わったから構わんのだが…。」

「最早熱狂というか狂乱だなこりゃ…。」


昼間の佐世保市内の居酒屋。
佐世保鎮守府陸戦隊の兵士達はノンアルコールビールを飲んだりつまみを食べながら、酒瓶を開け昼間から大騒ぎしている集団を見やる。
大騒ぎしていると言っても統率の取れた応援団か親衛隊を見ている気分になる。


「しかしまあ"あの"規律正しいFFR軍人、
それも臨時の編成の陸戦隊とはいえ戦艦リシュリューの警備を任せられる程の海兵らがああなるとは…。」

「しかも海兵とはいえ彼ら"あの"リシュリューの乗員、FFR海軍でもエリート中のエリートですよ。」

「まあそれだけ彼らFFRにとって慶事ということだな。艦娘リシュリューの帰還というのは…。」


そう大騒ぎしているのは戦艦リシュリューの警備を担う戦艦リシュリューの陸戦隊の面々である。
ちなみにこの陸戦隊は常設のものではなく必要に応じ部署も関係なく乗員を集め臨時に編成される。
FFR艦艇の乗員にとって陸戦技能は持って当たり前でありどの部署の者であっても技量に不安はないので問題はない。

そして彼らは我らが指揮官の艦体を守るという大役を次の者に引き継いだ後、
我らが指揮官の帰還という慶事を祝うべく居酒屋へと駆け込んだ。真っ昼間から。
それだけ喜ばしいことだということだろう。
なお戦艦リシュリューに戻り祝っても…と鎮守府陸戦隊の一人が話したら、
FFR海兵から我らが指揮官の御前でその様な事など恐れ多くて出来る訳ないと言われた。
後仕事場で飲める訳ないだろう?常識的に考えて、とかまあ仰る通りで。

なお彼らこの店の酒と食べ物全て制圧せんとばかりに飲み食いしている。
食い気で日本の領土であるこの店を制圧する気であろうか?


『『『『我等の母の涙恐れるなかれ。消え去れ、絶望よ!』』』』


「やあ楽しんでるかね?」

「まあそこそこは、これで酒でも飲めりゃ最高なんですがね。」

「はは、そりゃ無理ってものだろう?君たちの仕事は我々を見張ることなのだから。」


今度は個人の持ち物と思しきハーモニカの音色と共に肩を組み歌を歌い出したFFR勢より離れた一人の軍人が佐世保陸戦隊の面々に話しかけてきた。
この場のFFR軍人を纏める上官である大尉だ。
佐世保陸戦隊が自分達の監視をしているのを知ってもなお軽口を叩くらい度量が広い。

727: 635 :2021/09/22(水) 00:23:38 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


「ああそういえば大尉殿。」

「ん?」

「善意からというのは分かるのですが、あれやめさせて貰えませんかね?」

「あー…アレか…。」

『いや結構ですって!!』

『絶対にこれにサインをすべきだ!!我らが指揮官の魅力を理解出来るならばこそ全てに勝る母の子となる権利がある!!』

『そうだ!!君の様な人物が我々の兄弟となるのは非常に喜ばしいことだ!!』


FFR陸戦隊の上官が佐世保陸戦隊員の指差す方をみればFFR軍人に絡まれる佐世保陸戦隊員が一人。
先程よりFFR陸戦隊員よりFFR外人部隊への入隊願書を勧められている。
それもこれもFFR陸戦隊員と話してる時に艦娘リシュリューの話題となり『あんな人じゃ慕いたくのもわかるわあ』とポロッと呟いたのが運の尽き、
怒涛のFFR外人部隊への勧誘攻勢を受けていたりする。
無論誰も彼もという訳ではない、認めた人物にこそ我らが指揮官の子と成ることを勧めるのである。善意から。
それは彼らFFR国民にとって我らが指揮官の子であることこそが天上の喜びであるからだ。


「いやまあ大きな実害はありませんが他国の軍人をその上官の目の前で勧誘するのは如何なものかと…。」

「いやはや申し訳ない。」


FFRの大尉は苦笑しながら頭を下げた。
そして佐世保陸戦隊の上官がそういえばとFFR側の大尉に話しかける。


「戦艦リシュリューから要望が出されていた礼砲の件、
機関砲級というサイズ制限とこちらの用意した砲と空砲を用いるという条件付きだが上から許可が降りました。」

「それは…ありがとうございます。」


佐世保陸戦隊の上官の言葉に複雑な顔を浮かべ礼を述べるFFR大尉。
何故礼砲の話が出るのか、それは我らが指揮官の帰還という慶事にこそ礼砲を我らが指揮官に捧げたいという要望が戦艦リシュリュー側から日本に出されたからだ。
元来であれば戦艦リシュリューの主砲を用いるべきであろうがここはFFR国内ではない。
他国の主権内でその様なことをすべきでないと弁えているFFRである、日本側に制限付きで構わないのでと低姿勢でお願いしてきた。
まあ流石にそれくらいで関係良くなるなら制限付けてで構わないのでは?と日本側の内部からも話が出た。

流石に艦載砲サイズはあかんやろということで機関砲サイズに落ち着いたのだが、FFR側ちょっとご不満。
やはり我らが指揮官の慶事には相応しいものが欲しいと。
そこでこの佐世保陸戦隊の上官殿色々と大人の配慮を行った。


「で、我々佐世保陸戦隊が保有する教材用の砲の一つで今回に相応しいの使う許可を貰いました。」

「 ? 」


訝しげな顔を浮かべるFFR大尉に佐世保陸戦隊の上官はニヤリと笑い一枚の写真を見せる。
FFR大尉は絶句する。

728: 635 :2021/09/22(水) 00:24:14 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


「我々の保有する教材の機関砲級の砲、でもコレの砲ならば今回の慶事にも相応しいでしょう?」

「確かにコレならば相応しいが…まさかコレが日本にあるとは…。」

「多分資料用として大陸から持ち帰ったと思われるのが軍の倉庫で埃被ってるのを家のモンが見つけましてね。整備の連中の練習がてら直したんですわ。」

「コレの稼働状態は?」

「整備は十分、基地祭でも動かしてるので問題はありません。当日は塗装も当時の『元帥閣下』の指揮下にあったものと同じにしましょう。」


FFR大尉は居酒屋の天上を仰ぎ、佐世保陸戦隊の上官の顔を見ると互いにニヤリと笑い佐世保陸戦隊の上官は『教材』の説明始める。


「FT-17bis 、第二次世界大戦当時のフランスの数の上での主力戦車です。
恐らくはエストシナ植民地陸軍総司令官だったフィリップ=ペタン陸軍元帥の指揮下にあった車両です。」

「エンジンは?」

「フランクリン/ソミュアM32空冷直列6気筒。」

「懸架装置は?」

「垂直弦巻バネ式。」

「主砲は?25mmか?37mmか?」

「25mm72口径、戦車砲でございます。」

「パーフェクトだ。」

「感謝の極み。」

729: 635 :2021/09/22(水) 00:27:11 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。

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最終更新:2021年09月26日 11:44