772: 635 :2021/09/24(金) 22:39:51 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその五十六


映像に映る古きメソポタミアの母神ティアマト、その顎が開くと漆黒の輝きが放たれ、黒い津波が引き起こされる。


『超重力砲にケイオスタイドデスカ!?』

「ケイオスタイド!」


かつてメソポタミアで見た光景を思い出しヤルバーンのブリッジで映像の中のフェルに重なる様にマシュが叫ぶ。
そして同様にそれらを知る者、地球の電子の海やテレビで映像見る者達も同様な反応をする。
ヴェルデオはマシュに質問する。


「あの黒い光は多分重力子兵器でしょう。しかしケラーマシュ、ケイオスタイドというのは?」

「侵食海洋とも呼ばれる全てを飲み込む原初の混沌、生命の海。ティアマト神が持つ権能、能力です。
アレに囚われたが最後英霊ですらティアマト神の眷属、人類の敵と成り果てます。」


英霊すら人類の敵となるその言葉にヴェルデオ達はざわつく。
ヤルバーンではマシュからの情報により英霊をヒトの持つ因果の防衛システムではないかとと推測している。それが汚染されるとは…。
そして画面の中では伊耶那美命が空間に穴、ワームホールを開き黒い光と津波を別の空間へと流す。


「そんな…ケイオスタイドを無効化するなんて…。」


自分達が守ろうとしながら手から零れ落ちていく様を生み出した第二の獣の生み出す黒い海としか見えないもの。
それをマシュの視点から見れば容易く無効化する様に呆然とする。


『ウヒャ――――――!?』

『のおおおお!?落ちる!?落ちる!?』

「アア!ワタシが落下して!?」

「クッ!フェルガ落チテイクゾ!!誰カ助ケロ!!」


ヤルバーンのフェルさんとシエさんは最早映像、劇化された並行人類文学作品を鑑賞している気分だ。
ワームホールが黒い光と波を飲み込み閉じると衝撃波が画面の中のフェル達が乗る船、空母大鳳を襲いその衝撃でフェル達は落下する。
しかしその落下するフェルと柏木は誰かに掴まれ戦艦大和の甲板へと引き上げられる。
二人を引き上げたのは画面に映る青いセーラー服に銀髪の少女と白いワンピースの青い髪の女性。


『えっと、まさか霧の…?』

『青のセーラーと白いワンピース…!TVアニメ版のお二人デス!?』

『アニメがどうとか分からないけど、私はイオナ、こっちはタカオ。』

『雑な紹介のしかたね…まあいいわ。私はタカオ、霧の重巡洋艦よ。』

『やはり霧の艦隊の…でも何故ここに?』

『呼ばれたから。大和の危機だから助けて欲しいって。』

「…フェル知人カ?」

「イエ、私のハルマ人サンの友達はマシュサンだけデス。」

773: 635 :2021/09/24(金) 22:40:26 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


画面の中の霧の二隻と柏木夫妻の会話を聞きそんなことを話すフェルとシエ。
そんな二人を他所にヴェルデオとマシュは話し合う。


「霧の重巡洋艦、霧の艦隊…ケラーマシュなにかご存知ですか?」

「いえ…英霊や神霊の類ではなさそうですが…。」


マシュらの疑問への返答、そらは画面の中のアナスタシアが答えていた。


『霧の艦隊とは私達の宇宙から見て並行宇宙の地球において海洋を人類より奪った存在です。
該当世界の地球人類を大きく離した技術力により人類は海洋より駆逐され分断されることとなりました。』

「「「「並行宇宙のさらに並行宇宙…?」」」」


アナスタシアの言葉に固まるマシュやヴェルデオ、まあ並行宇宙からさらに並行宇宙な存在が来るとか普通思わんだろう。
まあその霧の艦隊も地球外知的生命体の持ってき某月のフォトニック純結晶体みたいのの端末だったりするのだが。




「霧の艦隊って…オーちゃん!」

「本物だ。」


こちら側の八王子の柏木家の居間で柏木は大見へと疑問をぶつければ肯定の返事が返って来る。
先程から画面の中の自分は自分の知らない地球人類ではない妻なる者と艦これやりながら冠位指定やってやがる。
なお頭の中にはティアマト登場時に某怪獣王のテーマが流れ、大和復活時には某宇宙戦艦が流れていたり。

ギリっと歯を食いしばる。
自分は平凡な会社員である。
妻と結婚し子供もすくすくと育ち、仕事と父親の両立であたふたしている一般人だ。

それに不満などはない。
ないがあの自分は国会議員をやりながら宇宙を股にかけ、空想上でしかなかったキャラクター達と物語を紡いでいる。
エラくなり、好きなキャラクターと大冒険をするという子供の頃夢の様な現実、羨ましくないと言えば嘘になる。


「柏木止めておけ。あいつみたいにはなるな。」

「オーちゃん…。」

「あいつはあいつ。お前はお前だ。」


柏木に羨むなと言う大見はどこからかフリップを取り出す。
というか一部自衛官に支給されてるPVMCGで造成していたり。


「それにこうなりたくないだろう?」

「ブッ!?なんだよそれ!?」

「ブフォ!?」

「アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \。何それ!?」


その場にいる者全員が吹き出す。
大見が見せたフリップには…。


「クハハ…何だ。そのエラく爽やかな笑顔浮かべた真人は!?」


柏木父が指摘するのように爽やかな笑顔の柏木が写っていたり。
しかもエラい仕立ての良いスーツ姿だ。


「向こうの柏木の選挙ポスターだ。こういうのせにゃならんぞ?後、下手すりゃ向こうの柏木に対抗して野党に担ぎ出されたり…。」

「あー…うん。止めとくわ…。」

「後な。あの柏木のこれまでの人生聞くと命がいくつあっても足りん。」

「…そんなに?」

「ああ、今回の含めて艦これとグランドオーダーとその他合体したようなの何回か生き延びる必要がある。しかも、自分からそれに飛び込んで…。」

「ええ…。」

「更に天皇陛下やイギリスの女王陛下、ローマ教皇等各国要人との会談。
神様や妖精とかリシュリューを女神と崇めるフランス国民への対応とか求められ、自分も祀り上げられたり…。」

「俺、一般人でいいです…。」


大見の話にげんなりとした表情する柏木。
その頃画面の中ではティアマトが絶対魔獣戦線以上の不死性持ってる話を伊耶那美命withフェルさん達がし始めてネットもヤルバーンも阿鼻叫喚に包まれていた。

774: 635 :2021/09/24(金) 22:41:06 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp




名前:名無しの憂鬱なぐだ夫&ぐだ子 投稿日:~
 死の概念付加出来ないとかどんだけー?

名前:名無しの憂鬱なぐだ夫&ぐだ子 投稿日:~
 冥界に落としても殺しきれないとか向こうの日本これどうしたんだよ… 

名前:名無しの憂鬱なぐだ夫&ぐだ子 投稿日:~
 原作よりやばくなってるとかどういうことなの…

名前:名無しの憂鬱なぐだ夫&ぐだ子 投稿日:~
 そもそもイザナミがじいじが冠位賭けた死の概念付加出来ることに驚こうぜ

名前:名無しの憂鬱なぐだ夫&ぐだ子 投稿日:~
 いやそのイザナミって死の国の女神やんか


そんなネットの困惑を他所に画面の柏木は伊耶那美命と話し合い、どうにかなるという話に各所が工エエェェ(´д`)ェェエエ工となった。
ヤルバーンの方も似たような状況であった。


「ティアマト神を鎮める…そんなことが出来るの…?」

『伊耶那美様…。』

『覚悟は決まりましたか…?』


ゼルモニターを見るマシュ。
その視線の先では伊耶那美命からの覚悟の問いに柏木が応え、周囲の仲間たちもそれに同調する。
それらの姿は今は遥か遠き故郷の天文台の情景をマシュに思い出させる。


『はいはぁーい。伊耶那美様から頼まれてたダーリン連れてきたわよ。』

『ちょ!?おま!?降ろせ―!!』

「…オリオンさん…?」


そしてアルテミスがクマのぬいぐるみことオリオンを伊耶那美命の手へと降ろす。
伊耶那美命はオリオンに力を借りたいと言う。


『そこは大丈夫です。取り敢えず貴方の星座のトライスターに当たる住吉三神と習合させて全盛期に近い姿にしますので。』

『マテや!?習合ってどういうこった!?』

『私と同じで日本の神と融合?みたいなことするってことよ!これでおそろよっ!!』

「日本の神さまと習合ッ!?」


色んなこと経験してるマシュですら驚いた、だから誰だって驚く。


『今ならアルテミスと夫婦神扱いでの日本国内への祀り込みとこの話を加えた改訂現代ギリシャ神話の本年度最新版も付け加えましょう!』

『あら、お得…ってそうじゃねえ!!』

『夫婦神!そういうのもあるのか!!』

『アルテミスも反応するなぁ!?』


で。


『で、俺は何をすればいいんだ?』


筋肉モリモリマッチョマン降臨。
目の前で別神話同士の珍妙奇天烈な融合をさっくりとやってのける様見せ付けられマシュの顎が落ちた。
ついでに何だ改訂現代ギリシャ神話の本年度最新版って?
さらにその後の展開でマシュの感情はジェットコースターの如く揺さぶられることとなる。

775: 635 :2021/09/24(金) 22:42:27 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


神造の弓、主の御使い(サーヴァント)の転じた矢、そして至高の狩人(オリオン)。
思い出すのは彼が神を撃ち落とした日、かつてとは逆に恋人を射ち堕とした日。
打ち捨てられた異なる歴史であった、無かったことにされた悲劇。

だけど彼女は、機械の躯体を持つ彼女は画面の中で恋人共にそこにあって。
本来の姿、機神の真体をその背に浮かべながらもふんわりとした本物の笑顔を恋人に向ける。


『私達が貴方が弓を射るお膳立てをするわ。』

「アルテミスさん…。」


違う世界の出来事で自己満足かもしれない。でもマシュにとってはその笑顔こそが救いだった。


そして始まった。
ヤルバーンが見る日本の公共放送の電波はスタッフの手違いで何を間違ったか、ささき某の歌うテーマを大和の突撃開始と共に流し始め、
ネットではもっとやれと拍手喝采だ。

伊耶那美命は英霊達ですら突破は不可能とも思える重力と空間の波を突破。
ティアマトへと肉薄しその全力を叩きつけ、直ぐにワームホールを開き短距離の空間転移を行う。
宇宙な戦艦大和の様な展開とSFに付き物の解説の博士(ニーラ教授inふそう)に世のテレビの前の子供だった世のお父さんはワクワクしっぱなし。


『星間狙撃砲起動!神核接続、神核励起。『汝、星を穿つ黄金(シューティングスター・オルテュギュアー)』!!…ダーリン!!』

『おうよ!!』


大和の空間転移と同時に軌道上の機神アルテミスが最大出力の砲撃を叩き込み、アルテミスの言葉にオリオンが応じ黄金の輝きを纏い矢を天へと放つ。
実写化はおろかアニメよりも先に現実となった一矢。

それはあの時の如くアルテミスへと向かうがその狙いはティアマト。
アルテミスはディルフィルドゲートを開きその矢を地上へと向かわせる。
無双の狩人と月女神の輪舞曲、弓の英雄と弓の機神により放たれた矢、故に必中。
夢想の魔法を見ているが如く矢を構成するオーリブの枝葉はティアマトに突き刺さるとその腕を伸ばし拘束する。
これが現実にあったことと誰もが信じられない。

マシュやバビロニアを駆け抜けた先輩達は知っているティアマトを繋ぎ止める、それがどれ程困難な事であったか。
あの時、英雄の王の友がその身を神造兵器としその全てを賭けて繋ぎ止めた。それでも一刻が限度、ではどうするのか…。

空が割れる、空間を裂き。戦艦大和、彼女が再び姿を現した。
青い青い輝きを帯びるその艦首をティアマトに向ける。


こちらの柏木家ではそれ見てた柏木は驚いてたり。


「波動砲!?」

「いや。亜空間次元反転縮退砲というある種のエネルギー波動を放つを向こうの日本なんかが保有する宇宙戦艦なんかの決戦兵器だ。
威力は…あの形態の大和のだと最大出力で惑星だか恒星だか吹き飛ばせるんじゃないかとか…。」

「やっぱ波動砲じゃん!?…ティアマト消滅するんじゃ?」

「でもなあ…耐えきるんだよなあ…。」


えっ?と柏木が大見の声に反応し画面を見るとディルフィルドゲート砲に耐えきるティアマトの姿があった。


所代わり冥王星のともづるの艦橋。
ナヨ様は映像を懐かしそうに見て、ゾルダートもといキリシュタリアやマカリオスはあいも変わらず防御力やべえなという顔をしている。


「しかしディルフィルドゲート砲を防ぐ様を見ると何度見てもティアマト神の防御力は凄まじいものと感じますね。」

「確かに…恐らくは防御に全力を回せば対星級宝具すら弾くだろう。」

「まあ流石にアトランティスに封印されてるゼウスの対星系級のは無理だと思うけどな…。」

「アレは流石に比較にならないかと…「はーい注目!!」。」


話の最中に夕張が声を上げる。


「多川司令から命令、私達、人型可変機動艇千鳥とともづるはこっちの日本へ移動しろとの仰せよ。」

「分かりました。理由はヤルバーンの痕跡が確認されたからですか?」

「いいえ、観測機器が既に到着してるの確認したわ。」

「!!、了解です!!」

776: 635 :2021/09/24(金) 22:43:02 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp



「さてそろそろ私もハワイに移動をしますわ。」

「ん?ああもうそんな時間かい?」


銀河連合日本総理官邸のゼルルーム、マリヘイルはそこに仮想造成された椅子より立ち上がる。


「ええそれに、ヤルバーンが確認されたそうなので…。」

「確かに早めにゲートの向こうに渡った方が良いですね…。そういえば向こうへの移動は?」

「霧のケラータカオに乗せて頂くことになってますわ。」

「霧ん足なら十時間足らずで到着出来っでね。」


二藤部はマリヘイルに移動手段を問い、マリヘイルの霧のタカオとの答えに東郷はその方が良いと言う。


「マリヘイル。」

「何かしらサイヴァル?」

「向こうのフリンゼや私に会えたら伝えてくれないか?妻と元気にやってると…ね。」

「…ええ分かったわ。」




日本国総理官邸、記者会見場。
日本国内閣総理大臣と在日本ティ連全権大使のアナスタシアが演壇に立っている。
そして記者会見場に造成されたゼルモニターにはディルフィルドゲート砲を弾かれた戦艦大和の姿が映る。

記者たちは攻撃が防がれどうするのかと思った。
アナスタシアの説明ではディルフィルドゲート砲は決戦兵器、それが通用しないとなればどうするのか。


「ディルフィルドゲート砲は最後の守り、竜の甲殻と皮に防がれました。
しかし戦艦大和自身、その質量と硬度を武器にティアマト神の身体を貫き縫い止め、ようやく動きを止めました。
そして柏木氏らはティアマト神の身体に上陸、頭部を目指します。」


ティアマトの身体の上の柏木らの目の前、その全てを覆わんとばかりの怨霊が画面を埋め尽くす。

777: 635 :2021/09/24(金) 22:46:09 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
やっと次回、会見終了。
ヤルバーン接触、対州要塞姫の代打による会見場の記者の許されよ許されよまで行けるかどうか…。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年09月26日 11:45