660: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:12:36 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
戦艦リシュリュー(2020年代第二次大改装後)
全長:496m
全幅:66m
喫水:約28.5m
基準排水量:31万8000トン(公称)
約43万7000トン(実数)
兵装:75口径41cm4連装砲 5基
同3連装砲 8基
(磁気火薬複合方式)
60口径15.5cm速射砲 36基
(磁気火薬複合方式)
60口径6㎝機関砲 40基
(磁気火薬複合方式)
70口径3.7㎝多連装機関砲 60挺
82口径2.5cm機関砲 30挺
ミサイル垂直発射管 448基
21連装近接防空ミサイル 12基
1MW級レーザー砲 4基
200kW級レーザー砲 8基
3連装魚雷発射管 12基
6連装380㎜対潜ロケット砲 12基
装甲:対51cm対応集中防御(公称)
対51cm電磁砲対応全周防御(実体)
機関:
最大出力(公称) 100万馬力
最大出力(定格出力)150万馬力
速力:32ノット/時
航続力:14ノット時1万1000海里
艦載機:垂直/短距離離陸戦闘機 50機
各種ヘリコプター 8機
双発ティルトローター機 3機
UAV 数十機
(定数、格納庫搭載)
乗員数:約4000名
1. 概要
フランス連邦共和国(以下、FFR)海軍総旗艦にして共和国国民の総指揮官たる戦艦リシュリュー。その第二次大改装後の姿。
FFRの技術と誇り、そして意地と予算と信仰心。その他用いることのできるもの全てを投入した結晶である。
全長・全幅共に新造時の2倍以上となり、攻防性能は飛躍的に向上されている。
2. コンセプト
今次大改装で目標とされたのが
『敷島型/DZP級、計4隻を同時に相手取り勝利できる』
である。その目標を達成するために各種項目は策定された。
661: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:13:49 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
3. 改装に際して開発された新技術
2.のコンセプトを達成するために、様々な新技術が用いられている。
ここでは、その中でも攻守を代表するものを挙げる。
3.1. リシュリュー鋼
リシュリューの第二次大改装のために開発された新素材である。
改装後のリシュリューは、装甲版はもちろん各種構造材も可能な限り本素材で構成されている。
その強度は、従来の素材に対して「50倍」を達成している。
これを生産するためには、無重力環境が必須である。そして、その環境下で数十年に渡る各種研究によりリシュリュー鋼の製造方法は確立された。
製造拠点が衛星軌道上の研究プラントのみであるため、製造コストは文字通り桁違いとなった。
また、研究プラントの能力を全て振り向けたため、他の分野の研究が大きく遅延したが不満を述べる者はいなかった。
当然と言うべきか、このリシュリュー鋼は最重要機密事項に指定されている。
公表されている性能は「従来鋼の『5倍(Cinq fois)』」である。
さらに、記者会見時に大統領が
「FFR国民一人一人の想いが集まれば、その強度は50倍(Cinquante fois)にもなるでしょう」
と冗談めかした発言をしたことが真実を覆い隠すのに一役買っている。
事実、この発言に対するOCU反応は「サイコ・フレームかよ…」といったもので、実際の強度が露見したとしてもまず疑いの目で見られることであろう。
3.2. ポリ窒素爆薬
FFR化学業界が総力を挙げて開発した新世代の爆薬である。
窒素を110 GPa,2000 K以上という条件で圧縮し、窒素原子同士を単結合でネットワークを形成させたものである。
実験室レベルでの生成には20世紀の時点で成功していたが、安定化させるのが非常に困難であり近年ようやく実用化された。
その威力はRE係数でおよそ8。すなわちTNTの8倍である。
つまり、この爆薬を使用した砲弾の榴弾火力は8倍になる。これは口径換算で2倍の砲弾と同等である。
4. 船体規模
全長・全幅共に新造時の約2倍である。このLB比(水線長/幅)こそがリシュリューの黄金比であり、もはやFFR国教の教義である。
第一次大改装時においては、技術的制約からこの黄金比を崩すという不敬を働いてしまったが、今次改装でその過ちは是正された。
もちろん、単純に2倍にしたわけではなく細部設計はその規模に応じた最適化がなされている。
5. 全般配置
艦首から第2砲塔までの印象は新造時のそれを踏襲している。
艦首方向から見た際の印象を新造時から引き継ぐのはリシュリューの改装において最も重視されることであるので当然の結果である。
しかし、第二砲塔から後方はいささか様相が異なっている。
第二主砲塔側部後方の両舷、かつて15.5㎝3連装副砲があった場所には41㎝3連装砲が鎮座している。
それも背負い式で。
これにより全体の印象がより攻撃的になっている。
そこから進み艦中央部は前部艦橋にMACKと一体化した後部艦橋と新造時からの配置が最も色濃く継承されている。
ただし、よりレーダー反射率を意識した設計となっているため受ける印象は大きく変化している。
また、拡大された甲板面積を活用し考えられる限りの数と種類の対空火器が配置されている。
艦後部は砲塔が3基に増やされ、ひな壇式に配置されている。
また、前部と同様に副砲のあった場所には3連装主砲が背負い式に配置されている。
艦後部の約1/3強は飛行甲板を始めとする航空艤装となっている。
全体の印象に関しては、視覚効果に関しても充分に配慮されている。
『世界一刺激的なモダニズム作品』の異名は健在である。
6. 艦上構造物
艦橋を始めとする艦上構造物は、レーダー反射面積を低減するために垂直部分はほぼ存在しない。
これは第一次大改装でも実施されたことであるが、今次改装ではさらに磨きがかかっている。
実際、改装後の試験航海で地中海を航行した際、イタリア軍のレーダーには改装前と同じかそれ以下の反応しか示されなかったと言われる。
排水量では3倍以上になっているにも関わらずに。
しかし、今次改装における最大の変化はそこではない。
今次改装の肝は「軽量化」である。
艦橋などの構造材の厚さは大幅に削減された。これを成せたのもリシュリュー鋼のおかげである。
柱の厚みを1/10にしたとしても、強度は改装前の5倍を確保できるのだ。
ここまで徹底した軽量化にはもちろん理由はある。
「トップヘビー対策」である。
各兵装、特に主砲を大幅に増強した結果、艦の重心が上昇してしまったのだ。
機関部の強化である程度相殺されているがまだ不安が残った。
それに対応するための軽量化であった。
662: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:14:47 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
7. 兵装
「Notre Commandant(我らが指揮官)」リシュリューの新たなる剣。
主砲から対空砲やミサイル、機関砲にいたるまでFFRの持てる技術力が全て注ぎ込まれている。
なお、前述の通り炸薬は全てポリ窒素爆薬に更新されているので、その榴弾火力は口径の2倍と考えて良い。
(例:41㎝砲弾→82㎝砲弾)
7.1. 主砲
主砲は新設計の75口径41cm砲である。
OCUに遅れること約四半世紀、待望の磁気火薬複合方式砲である。
しかし、電力供給に関しては原子力機関が搭載できないためOCUに比して決定的に不利である。
そのため、本砲の開発する際には電力を節約する方策が探られた。
最も確実なので装薬の改良である。
しかし、従来式の装薬は既に理論限界近くまで改良されているためこれ以上の性能向上はほぼ望めない。
新世代の装薬として期待されている「液体装薬」については、まだ実用化の目途が立っていなかった。
そこで、FFR技術陣は掟破りの方策を採用した。
…ポリ窒素爆薬を装薬に使用したのである。
通常ならば正気の沙汰ではない。ポリ窒素爆薬は「炸薬」として使用するために開発されたものである。
「炸薬」と「装薬」では求められる特性が異なる。
通常ならばそのような事をしたら間違いなく砲身か砲尾が耐えきれずに破裂する。
ましてや、ポリ窒素爆薬のエネルギーはTNTの8倍である。
しかし、彼らにはリシュリュー鋼があった。
この50倍という強度で、ポリ窒素爆薬の圧力を抑え込むという力業を行ったのである。
結果を言えば、この目論見は成功した。
電磁投射を伴わない装薬のみの射撃でも初速は第一次大改装時の3倍を超える3000㎧を達成したのである。
これにより砲弾の運動エネルギーは約10倍となり、射程は500kmを超える。
これに電磁投射を併用した際の初速は6500㎧である。
ここまで来るともはや宇宙速度の領域であり、射程距離は大陸間弾道ミサイルに匹敵する。
安全率を無視した場合は約7800㎧に達するが、これを行うのは本当に最後の手段である。
砲弾は基本的に第一次大改装時から引き継いでいる。
すなわち対艦用の超々大質量砲弾(1680kg)と対地用の榴弾(1100kg)である。
榴弾は片舷斉射した場合、およそ1.09ktの破壊力を有する。
(弾着速度500㎧を想定)
また、超長距離射撃用の誘導砲弾も用意してあるが、運用側からすればこれは「余技」である。
リシュリューの本義はあくまで「敵戦艦との砲撃戦」であるし、超高初速の砲と高性能の火器管制装置。
そして、芸術の域にまで達した乗組員の技量をもってすれば無誘導砲弾でも命中させられるという自負があった。
砲身には、太陽光による加熱で変形することを防ぐためにサーマルジャケットが装備されている。
さらに、連続斉射時の冷却用に水冷機能も備わっている。
7.1.2.特殊砲弾
①広域殲滅弾
ポリ窒素爆薬の特性を利用したクラスター弾である。
単純に一発の砲弾の威力を8倍にした場合、その加害面積は三乗根、つまり2倍にしかならない。
しかし、砲弾の威力をそのままに数を8発にした場合はその加害面積の合計は8倍となる。
この物理法則を利用するため、1発の砲弾に8発の小弾を内蔵している。
これにより、片舷斉射の場合1斉射で256発の41cm榴弾を発射するのと同等の破壊力を有することになる。
(弾頭重量の関係で運動エネルギーは8倍にはならないので厳密には異なるが)
子弾1発につき、半径200mの範囲内(暴露状態)にいる人間は即死する程度のエネルギーを有する。
つまり、理想的な条件で着弾した場合、約32k㎡の面積を一掃することが可能となる。
②リシュリュー弾
別名「銀の弾丸(Balle en argent)」
戦艦リシュリューの切り札である。
基本的な問題であるが、FFRの技術力はOCUの後塵を拝している。その差は徐々に縮まっているが、厳然として存在している。
つまり、OCUもリシュリュー鋼に匹敵する、もしくはそれ以上の新素材を開発可能なのである。
(FFRが費やしたのと同等の予算と時間をかければ)
仮にOCU新造戦艦がその新素材を用いて建造された場合、リシュリュー鋼の優位は消滅する。
そして同じ次元で争うならば、大艦巨砲の原則に従いより大口径な主砲を搭載できるOCU側が勝利する。
リシュリューの沈没はFFRの滅亡、すなわち4億の民の命運が尽きることと同義語である。
そのような結末は絶対に回避しなければならない。
その命題に対する回答として技術陣が用意したのがこの砲弾である。
リシュリュー鋼を弾殻に使用することにより超硬度砲弾とした。
これにより貫通力を飛躍的に向上させている。
当初は硬芯付高速徹甲弾にすることも検討されたが、リシュリュー鋼の硬度とポリ窒素爆薬の榴弾火力に期待して通常形式の砲弾となった。
砲弾という消耗品の代表格に用いるには原料が非常に高価なため、各砲塔に対し4斉射分しか搭載されていない。
663: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:15:49 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
7.2. 副砲
副砲は廃止された。これは、主砲の搭載スペースを確保するためである。
しかし、この決定に対し反対意見が続出した。
反対者たちは言う。敵軽快艦艇に対する備えが不足すると。
そもそも、第一次大改装時にも副砲廃止論があったが同様の意見により退けられたではないか!?と。
そして、当時この意見を主張したのはまだ多くが存命であった「Les camarades de notre commandant」、第二次ゼーラント海戦の生き残りたちであった。
「『我らが指揮官』の戦友」、FFRにおいて最も偉大な「英雄」たちの意思を否定するのは容易なことではなかった。
しかし設計陣たちもここで引くわけにはいかなかった。この決断は戦艦リシュリューの運命を左右するものなのだから。
設計陣たちは懸命に説得した。
新設計の主砲塔及び主砲弾ならば、その旋回速度と危害半径によって軽快艦艇にも十分に対抗できる。
また15㎝、あるいは20㎝クラスの砲では敵戦艦には有効な打撃を与えられない。
それどころか装甲巡洋艦相手でも不安が残る。
ならば磁気火薬複合方式にするかと言えば、そのスペースを主砲に割り当てた方が効率が良い。
このように客観的なデータを片手に根気よく説得していった結果、副砲の廃止は受け入れられた。
(もっとも、その代わり「両用砲」として対空火器の更なる強化を要求されたが)
7.3. 対空火器
対空火器に関しても刷新されている。
まず、7.6㎝速射砲は6.0㎝電磁機関砲に統合され廃止された。
これは、6.0㎝電磁機関砲の性能が7.6㎝速射砲を代替できるほど向上したためである。
これにより、弾薬の種類を削減し効率化することが出来た。
発射速度は毎分300発に据え置きであるが、初速は3500㎧にまで強化され1発当たりの運動エネルギーも7.6㎝砲速射砲を上回った。
12.7cm速射砲は15.5㎝速射砲に更新された(磁気火薬複合方式)。
これは、副砲を廃止したことに対する異論や不安が多数あがったことに対する対応という意味が大きい。
されど、性能に関しては一切の妥協はなされていない。
発射速度は12.7㎝速射砲の毎分40発(最大)を維持しつつ、電磁投射により射程を大幅に向上させている。
初速は通常4000㎧であるが、弾道弾迎撃時などには最大8000m㎧まで発揮できる(最大仰角85°)。
ただしその場合、発射速度は毎分1発が限度である。
機関砲は基本的に変化なしだが、20㎜機関砲は陸軍の新型機関砲と規格を統一するために25㎜機関砲に更新された。
もちろん、近接防御用の小型対空ミサイルも更新されている。
7.4. レーザー
FFRにおいても、ようやく実用に耐えるレーザー砲の開発に成功した。
(より正確に言うならば、実用に耐える電源の確保が成功したのである)
リシュリューに搭載されたものは、戦術ミサイル迎撃用の200kW級と弾道弾迎撃用の1MW級レーザーである。
7.5. ミサイル
垂直発射管は第一次大改装の2倍である448基が用意された。
計画時には拡大した甲板面積を最大に活用した672基の搭載が予定されていた。
しかし、主砲塔をやや強引に増設した結果使用可能面積が減少した。
また、主砲その他電磁投射火器に使用する電力を生み出す発電機や貯蔵するコンデンサーを配置する必要も生じた。
更に、各種迎撃手段の発達によりミサイルの戦力的価値は相対的に低下し続けている。
そうした理由を鑑み、上記の搭載数に決定された。
搭載されるミサイルの種類は第二次大改装前のものを引き継いでいる。
ただし、それらのほぼ全てが極超音速ミサイルに更新されている。
また、発射管は装甲区画内に配置されているのは第一次大改装から変わらないが、蓋にもリシュリュー鋼を使用している。
そのため、対艦ミサイル程度では内部のミサイルに誘爆する危険はほぼ無くなった。
(そもそも運用側の想定では、砲戦に移行する前にミサイルは全て撃ち尽くしている)
7.6. その他兵装
6連装380㎜対潜ロケット砲はいまだ現役である。これだけは第一次大改装から何も変更されていない。
ただし、当初の役割であった「敵魚雷に対する面制圧」は迎撃用スーパーキャビレーション(SC)魚雷が搭載されたことにより発生する可能性はほぼ無くなった。
現在の役割は、赤外線や画像解析誘導を妨害するためにチャフや煙幕弾の発射である。
13.2㎜機関砲は定数が100挺に増強された。
また、保安部員用として陸軍の歩兵用パワードスーツが配備されたので、白兵戦時は陣地防御のみならず一般小銃のように扱い機動運用が可能となった。
664: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:16:34 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
8. 電波兵装
航海用レーダー配置に関しては、第一次大改装時のものを踏襲している。
射撃管制レーダーは前後左右各主砲塔群に対応して正副6基、合計12基を分散配置してある。
FCSも同数を用意しているため、リシュリューはやろうと思えば12個の目標に対して同時に主砲を撃つことが可能である。
(通常は「分火射撃」するとしても、各砲塔群単位で行うが)
本艦電波兵装最大の特徴である国産防空システム「アッキヌフォート」も最新版に更新された。
マルチバンド発信機とダイヤモンド半導体受信機を採用したことによりステルス機への対応能力を向上させている。
9.
10. 光学観測機器
光学観測機器も一新され、大幅に強化された。
これは、机上演習において「敵」が大出力レーダーが使用不能な停泊時を狙い小型無人機や特殊工作艇による飽和攻撃を仕掛けてきたことに起因する。
これによりレーダーに頼らない観測・火器管制システムの強化が叫ばれたのである。
いわゆる「アイボールセンサーMk.1」(肉眼)からAI連動の光学カメラまで多種多様な光学センサーが装備されている。
また、各火器も目視照準でかつ手動操作で操作可能なようにアップデートされた。
後述する「空気レンズ」のアイデアもこの時生まれたものだ。
11. 防御力
——リシュリューは沈む事を拒絶する——
この言葉、『提督』の今際の際の発言であるこの言葉こそがFFR国教で最も重要な言葉であり聖句である。
リシュリューが沈む時は、FFRが沈む時なのである。
リシュリューが存在しない世界ではフランス人は生きられない。
そんな世界では生きたくない!!
リシュリューの浮沈は文字通りFFRとそこに住まう4億の人民の生死に直結するのである。
(これを指して、BCやOCUからは「聖句ではなく呪いの言葉だ」などと言われることもある)
よって、防御力の強化はリシュリューの改装で最も重視される項目である。
主砲ですら、優先度では一歩劣る。
防御力の目標は「『黄泉国型水爆』(推定威力、100メガトン)の直撃に抗堪する」である。
しかし、これは100年単位の時間をかけて達成する最終目標であり、今次改装では現状の技術力で可能となる最大値で落ち着いた。
要点を述べるならば、
「距離2000mで炸裂した1.5メガトン級核爆弾を小破未満で切り抜け、初速8000㎧前後で発射された51cm砲弾に抗堪する」
程度である。
以下にその詳細を述べる。
665: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:17:28 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
11.1. 装甲防御
まず舷側は厚さ30㎜の外板が船体表面を構成している。
「外板」と言っても、その強度は仮想敵である敷島型やDZPⅡ級、あるいはBM級の主砲である51㎝砲の零距離射撃(火薬式)に抗堪する。
この外板も改装前と同様に超高分子量ポリエチレンブロックと共にモジュール化されており、取り外し可能である。
この外板モジュールの内側に100㎜の補助装甲、その内側にセラミック式複合装甲、そしてさらにその内側に傾斜した700㎜の主装甲が配置されている。
理論上は、この主装甲だけで秒速6000m強で発射された51㎝大質量砲弾に抗堪する。
(射距離想定、最短15㎞前後)
また、各装甲帯の空間には改装前から引き続き「ヌーベル・エポナイト・ムース」が充填されている。
もちろん、こちらの更新も怠っていない。
FFR化学陣は、ゴム分子とプラスチック分子をガリドニウム触媒により結合することにより、ゴムの弾力性とプラスチックの強度を両立させた新素材を発明したのである。
これにより従来の目的(被弾時の衝撃吸収と浮力維持、浸水や火災の抑制効果)を維持しつつ、耐弾性が大幅に向上した。
また、ゴムの特性から熱を加えられたら溶解し変形する。つまりは穴が開いても熱で自然と再生するのである。
リシュリュー鋼以外の装甲構成素材も、それぞれ無重力下での材料工学的革命により強度が大幅に向上している。
超高分子量ポリエチレンは、第二次改装前の「25倍」。
複合装甲のセラミックは「30倍」である。
甲板装甲に関しては、上甲板に60㎜の補助装甲と超高分子量ポリエチレンブロック、
中甲板に400㎜の主装甲とセラミック式複合装甲を配置している。
さらに、機関部を守るために下甲板に50㎜の装甲板を配置している。
艦橋下部に位置する司令塔には、前面及び側面に600㎜+複合装甲+超高分子量ポリエチレンブロック、上面は350㎜+複合装甲+超高分子量ポリエチレンブロックが施されている。また、艦橋と接する後面も300㎜の装甲板が存在している。
こちらに関しては、第一次大改装時よりも装甲が薄くなっている。
理由としてはトップヘビーを是正するためと、司令塔の優先度が低下したためである。
(戦術指揮は「戦闘指揮所)で行う)
また、元々が過剰防御であったことも一因だ。
煙突もまた「蜂の巣装甲」で防御されている。さらに、後述するように装甲シャッターも装備された。
11.2. 間接防御
ダメージ・コントロール技術はもはや芸術と言って良い水準である。
それは毎年『転属』者が出かねないほどの訓練と、乗組員たちの不断の努力の精華である。
また、ダメコン作業用のパワードスーツ(保安部員用と異なり、防弾能力は考慮されてない)も配備されており作業効率は劇的に向上している。
更に、ダメコン要員補助としてアンドロイドが数百体搭載されている。
アンドロイド採用にいたるまでも後述する艦首形状のように多くの悲喜劇があったが、最終的にはこのように決定された。
リシュリューの浮沈は全てに優先されるのである。
アンドロイドの軍事採用に関しては、改定時のアムステルダム条約における
「非戦闘用に限り、アンドロイドの使用を認める」
という新条項に則っているため問題にはならなかった。
艦内主要通路を装甲化する、外周部の居住区画を空間装甲にするなど、第一次大改装で用いられた工夫も全て踏襲している。
11.3. 水雷防御
喫水線下の防御については、基本的に第一次大改装時の構造を踏襲している。
特記すべき変更箇所は、舷側装甲(喫水線下~艦底部)が強化されたことである。
(250㎜から350㎜へ増厚)
その他液層・空層防御等を総合した対弾能力は、TNT16000㎏(16トン)弾頭の魚雷が直撃しても航行には何の支障もきたさない程度である。
また、これ以外にもバルジを装備しているがもちろんこちらもリシュリュー鋼で構成されている。
11.4. NBC防御
基本構造は第一次大改装から変化していないが、技術革新に従い順次更新されている。
666: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:18:21 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
11.5. 対レーザー防御
船体表面には赤外線反射コーティングが施されている。
その反射率は「99.99%」である。つまり、レーザーのエネルギーを1/10000に減少できる。
この反射コーティングを2層準備し、その間に赤外線吸収材と人工ダイヤモンド膜を挟み込む。
これにより2層の赤外線反射コーティングはその性能を最大限に発揮することが可能となり、レーザーのエネルギーは1/100000000にまで減少する。
OCUの戦略レーザー砲である「カイザルス・ワード」の出力が推定1GWであるため、リシュリューの対レーザー防御に対しては約10Wとなる。
赤外線吸収材は文字通りレーザーのエネルギーを吸収するため高温になるが、それには人工ダイヤモンド膜で対応する。
ダイヤモンドの熱伝導率は銅の5倍以上である固体物質では最高を誇る。
この特性を利用して熱を大気に放出するのである。
なお、この装備は至近距離での核爆発についても有用である。
11.6. 攻勢防御(アクティブ・ディフェンス)
まず船体各所にウォーターカーテンが設置された。
これは「核弾頭を始めとするNBC攻撃を受けた際の除染用」と説明されている。
が、より大きな設置目的は「レーザー攻撃に対する水蒸気防御壁の構成」である。
しかし、レーザー攻撃に対する攻勢防御はこれが本命ではない。
目には目を。
レーザー攻撃に対する防御はレーザーである。
使用法は、レーザーで大気を局所的に加熱しイオン化するほどの高温にする。
これにより発生する「カー効果(Kerr Effect)」を利用するのである。
カー効果により、加熱された局所大気の屈折率は変化する。
これを利用して敵レーザーの進路を逸らすのである。
分かりやすく言うならば、空中に大気で作ったレンズを浮かべるのだ。
理論的には、敵のレーザーをそのまま反射して敵に照射するという事も可能である。
が、そこまでは求めていない。
またレンズであるため、長距離光学観測などにも応用できる。
11.7. 電子防御
いかにFFRの技術力と芸術性の粋を極めた設計といえど、リシュリューほどの巨艦をレーダーから完全に隠すことは不可能であった。
そこで逆転の発想として、電波妨害などの電子戦能力を強化しアクティブ・ステルス能力を強化した。
これにより海域全体をジャミングして敵レーダーを無力化、および敵ミサイルの誘導を妨害する。
さらに、レーダーに対するもののみならず、人工衛星に対する妨害能力も付与された。
主なものは衛星と戦場にいる敵との通信を妨害である。
他には、衛星測位システム(いわゆる「GPS」)に偽の位置情報電波を送り込む「なりすまし」能力も有している。
この「なりすまし」により敵誘導兵器の無力化や、敵部隊を任意を海域に誘い込む等も可能となった。
これらを駆使し、戦場となった海域周辺のみという局所的なものであったとしても「宇宙優勢」を確保しようというのである。
667: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:18:59 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
12. 主砲塔
船体中心軸上の主砲塔は「連装砲塔を2基組み合わせて、その中間に被害抑制用の仕切り板として装甲板を設置する」という基本構造に変化はない。
当初は2倍以上となった全幅を利用して「3連装砲塔を組み合わせた『6連装砲塔』」という案も出されたが、即座に却下された。
機械的信頼性が確保できないというのが第一の理由だが、「宗教的」理由も大きかった。
——戦艦リシュリューの主砲は4連装砲塔
これはFFR国教の教義でも根幹部分に属しており、変更することは不可能であった。同様の理由から前部主砲塔は背負い式に2基というレイアウトも変更不可である。ただし、後部砲塔は第一次大改装より追加されたものであるので融通が利いた。
このため後部主砲塔を1基増やし、4連装3基をひな壇式に配置することにした。
これで4連装5基20門の主砲を手に入れることができたわけだが、まだ足りなかった。なるほど「ドゥーチェ」ことBM級戦艦が相手ならば、計算上主砲弾を18発叩き込めば大破させられるのでこれで充分である。
しかし、リシュリューの真の仮想敵は敷島型/DZPⅡ級戦艦である。彼女たちを撃破するためには、35発の主砲弾が必要であった。
しかし、中心軸上にこれ以上主砲を配置することは(物理的にも教義の上でも)困難である。
そこで、設計陣はまたしても建艦思想の常識を投げ捨てた。
——舷側砲塔を採用したのである。
「主砲塔は艦の中心軸上に配置すべし」というのは近代戦艦の大原則である。
少なくとも、超弩級戦艦以降の艦で舷側砲塔を採用した例は世界中を見渡しても見つからない。
これには色々理由があるが、最大の理由は「非効率」だからである。
例えば左舷で砲戦した場合、右舷の砲塔は戦闘に参加できないが中心軸上に配置すれば全ての砲塔が使用できる。
無駄を徹底的に排除して設計される戦闘艦では舷側砲塔は無くなるのは必然であった。しかし、フランス設計陣はその必然に抗ったのである。
主砲口径が制限されている以上、たとえ非効率であったとしても門数を増やすしか採れる道は無いのである。
嗚呼、恨みぞ深きアムステルダム条約!!
「Notre Commandant」にこのような邪道を歩ませることには恐懼を禁じ得ないが、そもそもが1発当たりの弾頭重量ではなく、一斉射当たりの投射弾質量を追求する時点で大艦巨砲主義としては邪道である。
毒を食らわば皿までだ。
という訳で、副砲を廃止しその場所に新設計の3連装主砲を背負い式に配置した。
如何に全幅を増やしたと言っても、舷側に4連装砲塔を配置することは不可能であった。
外観的には、かつてあった副砲も3連装であったので相違はあまりない。なので大きな問題にはならなかった。
やはり「火力増強」という至上命題の前では他の要素は薄れるのである。
(副砲の是非はその「火力」に属した問題だったのであそこまで重大化したのである)この思い切った措置により、リシュリューの主砲投射火力は
艦首方向:20門
艦尾方向:24門
舷側方向:32門
となった。
ここまでやっても目標とした35発には届かなかったが、主砲の高初速化とポリ窒素爆薬の榴弾火力で十二分に補えると判定されている。
装甲は、第一次大改装の時から変化ない。すなわち対51㎝防御対応で
正面防楯:800㎜+複合装甲
側面:450㎜+複合装甲
後面:350㎜+複合装甲
天蓋部:400㎜+複合装甲
バーヘッド:700㎜
となっている。
もちろん、素材はリシュリュー鋼に更新されている。
揚弾・装填機構も一新され射撃間隔は第一次大改装の20秒から8秒にまで短縮された。ただし、事故率を下げるために通常は20秒に1発と規定されている。
また、砲身の冷却問題もあるので「決戦時」にしかこの最大装填速度は発揮されないであろう。
(電磁投射を併用する場合は、電力の問題もある)
668: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:19:39 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
13. 電力供給
今次改装では電磁投射兵器が多数採用されている。
そのため、その膨大な電力需要を満たすために様々な供給手段が用意されている。
13.1. 発電機
リシュリューには新造時より主砲塔に隣接する形で発電機が搭載されていた。第一次大改装でも同様である。
これは、機関部からの電力供給が遮断された場合に主砲射撃システムを動かすための措置である。
第二次大改装でもその思想は踏襲され、各砲塔群にはそれぞれ発電用ガスタービン機関が用意されている。
これを活用し、戦闘開始前より艦内各所にあるコンデンサに電力を貯蔵しておき、戦闘時に備える。
13.2. 送電システム
10.1.で実装した対応策だけでは、『決戦』時には電力不足に陥る可能性がある。
そこで考えられたのが「外部からの送電」である。
まず甲板にシート状に成型したマイクロ波受信素子を展開する。
主に飛行甲板を想定しているが、他の部分でも展開は可能である。
それにより送信されたマイクロ波を受信し、電力に変換するのである。
これを実現するために、FFR領土に存在する全ての発電所及び主要送電網にはマイクロ波発信装備が設置されている。
中継には人工衛星を用いる予定であるが、衛星が使用不能の場合は成層圏に展開した飛行船または航空機で代用する。
戦艦リシュリューとはFFRの象徴であり、FFRそのものである。
つまり戦艦リシュリューと戦わんと欲するものは、FFRという国家そのものと戦うということを覚悟しなくてならないのである。
14. 航空艤装
艦後部、5番砲塔と後部ミサイル発射管のさらに先に飛行甲板が設置された。
これにより、「クレマンソー」級航空母艦の2倍弱の航空機運用能力を獲得している。
こちらは主砲配置や後述する艦首形状とは異なり比較的容易に認可された。
これまでも度々言及してきた通り、艦後部は第一次大改装で大きく変容していたので融通が利いたのである。
また、ある歴史家の研究により妹君である「ジャン・バール」に航空戦艦化計画が存在していた事が判明したことも後押しとなった。
搭載機は垂直/短距離離陸戦闘機50機、ヘリコプター8機、双発ティルトローター機3機である。
戦闘機の任務は言うまでもなくリシュリューの直掩であるが、弾着観測任務も想定されている。
また、対艦装備も全力出撃0.5回分、対地装備も同1回分用意されている。
ヘリコプターは主に対潜を担い、ティルトローター機は輸送であるが、空中給油機としても運用可能である。
飛行甲板は上から見た場合長方形をしており、アングルド・デッキは有していない。
「融通が利く」と言っても、流石にそこまでの外観変更は許されなかったのである。
ただし、全幅自体が「クレマンソー」級航空母艦の2倍以上あるため、飛行甲板を斜めに使用すれば事足りた。
スキージャンプ台も装備されていないように見える。これもアングルド・デッキと同様の理由である。
(あと、主砲の射角を妨げるのも理由だ)
しかし、制空装備ならともかく対艦・対地装備の際にはスキージャンプ台は非常に有用な装備である。
なので、設計陣は一計を案じた。
飛行甲板の一部を「可動式」としたのである。
必要に応じてその一部分が上昇しジャンプ台を形成するのである。これなら機能と主砲の射線を両立できる。
宗教学者たちの一部はなおも難色を示したが、運用上の利点を説明され引き下がった。
これらの他に、21世紀初頭から搭載されている小型無人機も引き続き配備されている。
669: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:20:24 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
15. 機関
「ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの混載」という方式は、第一次大改装から変化していない。
しかし細部は異なる。
第一次大改装時は、低速・巡航時はディーゼルエンジンにより航行を行い、高速航行時にはガスタービンエンジンに切替える方式であった。
今次改装では、低速・巡航時は、ディーゼルエンジンで発電した電力による電気推進で航行し、高速時にはガスタービンエンジンによる機械駆動も併用して推力を得る方式を採用している。
当初はガスタービンエンジンのみで機関部を構成することも考慮された。
しかし、それでは機関重量が軽くなりすぎ、ただでさえトップヘビー気味であるバランスがますます崩れるという理由で本方式となった。
機関出力は「公称」100万馬力である。
また、これとは別系統で非大気依存推進機関が装備されている。
これは、敵がナパーム弾などを使用しリシュリュー周辺を酸欠状態にした際の対応策である。
敵が上記の戦法を採った場合、すぐさま煙突の装甲シャッターが作動し機関部を保護。
そして非大気依存推進機関が始動し、慣性航行で酸欠区域を離脱するまでの間最低限の戦術行動を可能とする動力を供給するのである。
16. 航行能力
航続距離は14ノットで1万1000海里という第一次大改装時の数字が踏襲された。
この数字が設定された当時から戦略的環境が変化していないのが理由である。
この能力ならば、エストシナ植民地の他、同盟国であるテキサス共和国やグアテマラ、ウルグアイにも無補給で到達することが出来る。
戦艦リシュリューの最高速力は約32ノットである。
これはこの宇宙の真理であり、この数字を下回るということはあってはならない。
(「余裕」があるのは構わない)
それを成し遂げるためにこその100万馬力級という機関出力が設定された。
そして、それ以外にも新技術が可能な限り投入されている。
まず真っ先に行われたのが、海水による抵抗の削減である。
海水による抵抗は大きく分けて、造波抵抗・摩擦抵抗・粘性圧力抵抗(造渦抵抗)の3つがある。
このうち摩擦抵抗に関しては、スーパーキャピテーション魚雷の技術が応用された。
船底部をマイクロバブルで覆うことにより、海水との摩擦抵抗を削減したのである。
そして粘性圧力抵抗(造渦抵抗)については、スクリューを二重反転式にすることにより低減している。
造波抵抗は、艦首部にバルバスバウを設置するだけで大きく改善できるので技術的には3つの内最も簡単に解決できる。
しかし、政治的…否「宗教的」にはこれが一番の難題となった。
新造時のリシュリューは当時の主流であったクリッパーバウを採用しており、第一次大改装時にも変更されていなかった。
——艦首という象徴的な部位を、我々人間の都合で変更して良いのか?
造波抵抗が問題ならば、その抵抗を上回るだけの機関出力を用意すれば良いのではないか?——
この命題に対する答えは海軍内部だけで出せるものではなかった。
そこで連邦議会直轄の委員会が設立され、著名な宗教家を筆頭にFFR各分野の代表たちの議論に委ねられた。
国民たちにもこの命題は周知され、FFR全土で議論されることとなった。
そして、無数の議論と数百回の乱闘、百を超える決闘の果てに決断は下された。
バルバスバウ『採用』と。
性能向上のための変更であることがやはり決め手となった。
反対派も、「喫水線下であるので普段は目視できない」という事実を以て妥協したのである。
海水による抵抗のみならず、空気抵抗に関しても対策はとられている。
空気の密度は水の約1/800であるので、通常なら考慮されないがリシュリューほどの恵体となれば無視できない影響を及ぼす。
艦上構造物などは、レーダー反射面積を第一に考慮され設計されているのでこちらの最適化は難しい。
なので、塗装に航空機やレーシングカーで用いられている抵抗軽減型塗装を採用した。
従来の防錆機能との両立は中々に困難であったが、FFR化学陣はその難題を見事突破した。
これらの対策の積み重ねにより、リシュリューが航行時に受ける抵抗は理想的な状態では約25%低下した。
670: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:21:07 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
17. 指揮統制機能
戦術レベルの指揮をとる「戦闘指揮所」、戦略・国家レベルの統制を司る「戦略指揮所」共にその能力を大幅に強化されている。
「戦闘指揮所」ではFFR海軍に所属する全ての艦艇のみならず、陸軍の沿岸砲兵や空軍の対艦攻撃部隊をも含めた統合部隊を一元指揮できる能力を有する。
「戦略指揮所」では陸海空宙の四軍はもちろん、フランス国内軍や警察・消防などの国内治安組織。
県庁レベルまでの地方自治体からの情報収集・命令伝達を行える。
これらを達成するために、両指揮所にはそれぞれ独立した電算機を備えており、その性能は1~2世代前のスーパーコンピューター並である。
(流石に戦闘指揮所のものは戦略指揮所のそれより一歩劣る)
より正確に言うならば、旧スーパーコンピューターを小型化・省力化したものが用いられている。
「Notre Commandant(我らが指揮官)」、「フランス連邦共和国総旗艦にして総指揮官」
これらの称号は誇張でも虚構でもないのである。
また、艦内制御を司るAIも順次アップデートされている。
671: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:23:08 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
本編終了。
我がエラン・ヴィタールを全て捧げました……。
次に、仕事の合間に書いた(オイ)解説と後書きがあります。
…ちょっとインターバルを取らせていただきます。
(集中力が切れた)
674: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:34:56 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
以上です。
ウィキ掲載は自由です。
長らくお待たせいたしました。
皆さんの熱いご愛顧により誕生しましたがこちら、リシュリューの第二次美魔女化改装でございます。
全体のコンセプトとしては「大艦巨砲主義の極致」を目指しました。
…が、どうやら私の創造力ではそこには届かないようですな。
私の想像力では、金田中佐の夢(50万トン級戦艦)も、総統閣下の野望(H45、49万トン)も越えることはできませんでした……。
(あと、いずれやって来る「大和(Ⅱ)」型も)
しかし!!
私とFFRの皆さんの「愛」の熱量は誰にも負けるつもりはありません⁉
ある人は言いました。
人類の歴史や文明を前進させてきた原動力は「愛」であると。
家族「愛」、隣人「愛」、「愛」国心。
そして、信仰心もまた愛の一側面であります。
つまり、このリシュリューはFFR国民4億の愛の結晶。
『愛は沈まない』!!!
あとは、「鋼鉄の咆哮」の超兵器たちも意識しましたね。
『241: 陣龍 :2020/10/18(日) 21:33:54 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
FFR『リシュリューを艦隊決戦で沈めたければハリマ(鋼鉄の咆哮)かヴォルケンクラッシャー(鋼鉄の咆哮)かフィンブルヴィンテル(鋼鉄の咆哮)を連れてこい!
その上でそいつを沈めてやる!』
をマジでやりそうな方々ですからな、うん』
『839: 陣龍 :2021/02/09(火) 23:59:27 HOST:124-241-072-147.pool.fctv.ne.jp
838
(中略)
何だって?反物質砲やδレーザーや超怪力線照射装置や多弾頭ミサイルVLSや多目的ミサイルVLSを無限乱射しまくるフィンブルヴィンテルを瞬殺できる
戦艦リシュリューを降臨させるんだって?!『できらぁ!byモントゴメリー』(謎の幻聴)』
二回もこんな注文されたら、受けないわけにはいきませんわなぁ(覚悟キメた目)
…気を取り直しまして、各要素の解説を行いたいと思います。
まず、皆さんが最もツッコミたいであろう設定についてご説明いたします。
こいつに関しては、我々の世界でも2004年に生成に成功しております。威力は本文中に記した通りTNTの約8倍。
まあ、安定化させる方法が見つかっていないので実用化の目途は立っておりませんが。
しかし、未だ試験室レベルでも実現していない電子励起爆薬よりかはいいかなと。
それに、調べたらこの爆薬エスコンに採用されてるのよね(アリコーンの主砲とか)。
OCUが「ストーンヘンジ」や「エクスカリバー」を採用するなら、こっち(FFR)がポリ窒素爆薬採用してもいいよね!!
675: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:35:46 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
はい、今回の改装の肝でございます。
ぶっ飛んだ設定ですがリシュリューが「戦艦」であるためには絶対に必要でした。
『159: 名無しさん :2020/09/28(月) 00:06:19 HOST:KD106181165016.au-net.ne.jp
そうなるとお互いにレールガン改装後は自分の火力に自分が耐えられる想定ではない、定義的には巡洋戦艦になるな、リシュリュー達は』
これが致命的に問題でありました。
リシュリューは巡洋戦艦ではありません。「戦艦」なのです!!
それはFFR国教の根幹、全ての基準なのです。
なので、最低でも自らの剣である41cmレールガンに耐える「ドレス」が絶対に必要となりました。
そこで編み出したのが従来の素材に対して50倍の強度を持つリシュリュー鋼でした。
そして「50倍」の強度という数字は決して荒唐無稽なものではございません。
Fe(鉄)の理論強度は、実測値のおよそ「470倍」でございます。
つまり、仮に強度が50倍になったとしても鉄の理論強度の「10.6%」にしかならん訳です。
何故これほど理論と実測に差があるか?
それは、金属原子の結晶(「金属結合」という)に「欠陥」が生じていて、その欠陥により原子が「転位」し易い状態になってしまっているため理論よりはるかに小さい力で変形してしまう訳です。
よりマクロな視点で見ると、金属の内部に微小な亀裂が無数に入っているということです
(製造段階から)
金属の強度を上げるためには、その亀裂を消滅させればよいわけです。
このリシュリュー第二次美魔女改装を考えている間、私を悩ませていた問題の大半はこれでありました。
学生時代のノートをひっくり返し、修士論文を棚から引っ張り出し、毎晩のように考えましたが答えが出ませんでした。
ですがある夜、寝落ちした際の夢で私は母校の研究室にいました。そこでは酒瓶を片手に教授が学生たちと談笑していました。
そこで教授は言っていました。
「宇宙のような無重力状態なら、現在の製造法でも2・3倍は強度の高い合金は作れる。何らかのブレイクスルーが起これば100倍だって夢じゃない」
と。
飲み会という嫌な記憶だったから今まで忘れていましたが、この時とうとう思い出しました。
そうだ、宇宙だ。宇宙で製造すればいいのだ。
100倍は無くていい。50倍でもあれば、リシュリューは「戦艦」でいられる。
こうして生まれましたがリシュリュー鋼でございます。
以下に各部の目安を記します
676: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:36:44 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
舷側
- 外板:30㎜→1500mmに相当。おおよそ対70cm砲装甲(火薬式)
外板の厚さは第一次美魔女化改装時点のものをそのまま採用しております。
とりあえず、これで一般的な対艦ミサイルは全て無力化します。
OCU諸国の戦艦主砲である51cm砲ならば、零距離でも貫通できるかどうか微妙ですな(火薬式なら)。
FFRの皆さんからは「ハリマ」(超兵器)やOCUの列車砲である80cm砲対応にすべしという意見も上がりましたが、これは装甲ではなくあくまで外板なので厚さは据え置きました。
- 補助装甲:100mm→5000mmに相当。おおよそ対105cm砲装甲(火薬式)
こちらにつきましては……正直に申し上げます。
ホワイトベアー氏の「大和」型戦艦を仮想敵といたしました。
いや、世界線が違うから張り合う必要はないのですが、FFRの皆さんが
「対地砲撃用巡洋戦艦なんかに負けられるか⁉」
と荒ぶりまして……ホワイトベアー氏お許しください(土下座)
「口径60cmで最大射程200km」という情報から、大和型の主砲のスペックを
「弾頭重量3.24トン、初速1700㎧」と予測いたしました。
これ、史実大和型の約10倍の威力をもっております。
なので、史実大和舷側装甲を単純に10倍以上にいたしました。
- 主装甲:700mm→35000mmに相当。おおよそ対200cm砲装甲(火薬式)
これだけやって、ようやく初速6000㎧強の51cmスーパーヘビーシェルに耐えられます。
ちなみに、ソ連のキエフ級には厚さ約30㎜の装甲が配されていますが、これは「距離2000mで炸裂した30kt級核爆弾に耐えられる」ことを目的にしているそうです。
なので、単純に考えると我らがリシュリューは外板のみで30×50=1500kt=1.5Mtの核爆弾に耐えられる計算となります。
…まだまだ目標には遠いなぁ(黄泉国型水爆を見つつ)。
甲板装甲に関しましては、
『36: New :2020/10/17(土) 00:42:14 HOST:softbank060128001160.bbtec.net
乙。これ沈めるとか神の杖必要だわw』
というご要望にお応えして、「神の杖」を基準にいたしました。
まず60㎜(従来鋼3000mm相当)の補助装甲(+超高分子ポリプロピレン)で神の杖A(弾頭重量0.1トン、初速3220㎧)を砕き、バンカーバスターをへし折り、(英国面の権化)グランドスラムをはじき返します。
そして主装甲(+セラミック複合装甲)で神の杖B(弾頭重量8.3トン、初速変わらず)に耐えます。
『433: トゥ!ヘァ! :2020/10/22(木) 09:59:47 HOST:FL1-118-109-165-4.kng.mesh.ad.jp
まあこれ核使う云々も基本日蘭がわざと流した情報で実際に使おうってわけじゃないと仮定しまして…
リシュリュー沈めるのなら通常兵器でも十分。
戦艦と航空機とミサイルと魚雷とでタコ殴りにすれば済みます。
そら物量じゃ制限かかってない日蘭の方が上ですので。』
この言葉がただただ口惜しかった……。
なので戦艦はともかく、『航空機とミサイルと魚雷とでタコ殴り』にされても問題ない御衣を用意いたしました。
677: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:37:29 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
そして、OCUには敷島型/DZPⅡ級戦艦以外にも脅威の兵器があります。
『388: クー&ミー :2020/10/21(水) 07:54:33 HOST:sp49-104-13-21.msf.spmode.ne.jp
リシュリューに大ダメージを与えられそうな蘭帝の二大兵器(核以外)
皇帝の剣(エクスキャリバー)
ストーンヘンジ(蘭名忘れた)
果たして何発まで耐えられるのか』
このレーザー砲と120cm磁気火薬複合式砲に備えなければなりません。
対レーザー防御は思ったよりも簡単でした。
「レーザー」と言っても、突き詰めれば「赤外線」です。
(原理的に赤外線レーザーでないと大気中ではすぐ拡散してしまう)
で、赤外線ならば「反射率99.5%」とかの反射フィルムとか「吸収率80%」の吸収剤はカメラ専門店とかに行けば普通に買えます。
もしかしたら、皆さんの家の窓にも使われているかもしれません。
史実より15~20年先行の技術力、それも軍事用ならば「反射率99.99%」も達成可能なハードルでしょう。
これを本文中のように組み合わせれば、エネルギー量1.21GWの皇帝の剣(エクスカリバー)も約12Wの爪楊枝と化します。
いやー、リアル先輩はいつでもリアリティ後輩の先を行くのですね!
最初にエクスカリバーの設定調べた時はそのエネルギー量にひっくり返りましたが。
弾道ミサイル迎撃に必要なレーザーは1MWとされているのに、それの1000倍以上ですからね。
マウリッツ・カノン(ストーンヘンジ)に関しては……。
「次期改装への課題」ということで。
弾頭重量25トン(推定)ってどう防げばいいんじゃい!!!(魂の叫び)
いや、通常の初速(800㎧前後)なら甲板・舷側装甲共に耐えられますが電磁投射されるとね……。
概算ですが、2000㎧前後でギリギリですね。
まあ、ストーンヘンジは太平洋(豪州・フィリピン・日本本土)にしかないのでまだ余裕はあります。
船体規模につきましては、最終的には単純に「新造時の2倍(縦横共に)」に落ち着きましたがここまで来るのに紆余曲折がありました。
スタート時点では(やっぱり)
日米枢軸世界の「大和」型(全長380m)を超えたいな、でした。
で、(執筆開始当初)この掲示板最大の艦である「大和」型戦艦(四〇艦隊の人氏、全長393m)を超えたいとなって一旦落ち着きました。
そもそも、「史上最大の船」ってどれくらいなのだろう?と思い調べてみると「プレリュード」という船が
全長:488m
全幅:74m
で世界最大でした。
リシュリューはFFRの全て。そして「夢」でもあります。
「夢」が「現実」に負けるなんて悲しいではありませんか!!
という訳で、「全長488m超え」という目標になりました。
(プロポーションが崩れるので、全幅は考慮しない)
そうすると新造時の全長を2倍したら丁度いいや、となり最終案となりました。
……とは言え、現実に打ち勝ったのは全長のみ。全幅と排水量では「プレリュード」の方が上です。
やっぱりリアル先輩は強い。
678: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:38:07 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
電力問題は、アムステルダム条約により原子力機関の搭載が禁止されているため根本的な解決はできません。
補助発電機とコンデンサで誤魔化しましたがこれだけでは不安でした。
で、思いついたのが「電力の仕送り」です。
リシュリューとはFFRそのものなのですから、リシュリューと戦うということはFFR全体と戦うということになるのです!!
あと、原子力機関がNGなので通常動力で40万トン越えの船体を32ノット以上の速力で走らせることが可能とならねばいけません。
なので、抵抗削減技術も考えられる限り積みました。どんぶり勘定ですが25%削減は不可能ではないでしょう。
これだけで約10万トン分。ニミッツ級1隻を動かすのと同等のエネルギーを節約することに成功いたしました。
航空艤装については、お約束と言いますかこれ以外に広くなった甲板の活用方法が思いつきませんでした……。
あとは、マイクロ波受信アンテナを展開するのに都合が良かったので。
「せり上がり式スキージャンプ台」については、『翼に日の丸』に出てくる伊吹型軽空母から着想を得ました。
広域殲滅弾につきましては…
『14: クー&ミー :2020/09/06(日) 01:18:57 HOST:sp49-96-15-251.mse.spmode.ne.jp
なんとなく頭に浮かんだネタ
姫騎士リシュリュー(ファンタジー風に)
広範囲即死魔法(核)は無いが、打撃系の攻撃力は総じて高い
ピンポイント(主砲)、広範囲(ミサイル)の両方で敵を攻撃可能である
防御力もかなりのもので、生半可な攻撃では打ち破れない
彼女の攻略は、鍛えに鍛えてから行おう(じゃないと死ぬ)
なお、ライバルは姫騎士敷島姉妹と姫騎士アイザライク姉妹
登場作品
姫騎士リシュリュー ~あなたって(ry
取り敢えず、FFRが気付く前に脱出だ…ソローリ』
というご要望にお応えして、核ではありませんが「広範囲即死魔法」を用意いたしました次第。
(残念、ことリシュリューに関する限りFFRからは逃げられない!!)
また、(核兵器に代わる)戦略兵器を名乗るならば、それに相応しい攻撃手段が欲しいとも思いました。
リシュリューの片舷斉射のエネルギーは約1.1キロトン。
ベイルート港爆発に匹敵します。
…正直、広島型原爆の約1/15では胸を張って「戦略兵器」とは名乗れないですが。
679: モントゴメリー :2021/09/30(木) 21:42:05 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
はい。今度こそ終了。
この作品をリシュリューと、読者である皆さんに捧げます。
特に、635氏とひゅうが氏、霧の咆哮氏へは最大限の感謝を。
699: 700 :2021/10/01(金) 10:59:09 HOST:KD119105029058.ppp-bb.dion.ne.jp
乙です。
635スマホ氏のスエズマックスで気になって計算したんだけど、
基準排水量でこの喫水を確保しようとすると水中船型が真四角な艀になります。
史実リシュリューと相似形の船型だと喫水は基準で30m弱にはなるかと。
#史実リシュリューの排水量は最大寸法の積の45-60%程度
713: モントゴメリー :2021/10/01(金) 20:59:07 HOST:116-64-111-22.rev.home.ne.jp
699 700氏
喫水
……あ゛!?
確かに再計算したら、28.45mになりました……。
こっちもウィキ掲載時に修正してもらおう
(「28.5m」に)
最終更新:2021年10月07日 21:17