60: 635 :2021/10/04(月) 23:02:16 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp

銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその五十七


会見が終わる前に自宅を出た柏木は夜道を歩き近所の神社まで来ると夜空を見上げ溜息を吐く。
都心から離れた八王子の夜空は星と月が良く見える。
先程、柏木の表情を見た大見に外に出されここに行くように言われた。

あの柏木真人と自分、同じ柏木真人であるのにどうしてこれ程の差が生まれたのか…頭の中がグルグルと回る。
あの柏木になるなと大見は言い、自分も成りたくもないがどうしても比べてしまう。
劣等感からだろう大見から見ても余程酷い表情をしていたのだから外に出されたのだろう。

ティアマトに上陸してからの画面の中の自分は大量の化け物に囲まれた。
そして化け物に殺されかけた所で画面の中の大見に助けられ、大見を残して行けと言われた。
そして艦娘の加賀やサーヴァントのネロも共に残った。
ネロが招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)で化け物を閉じ込めるとケッテンクラートに飛び乗り駆け出すあの自分。
その後も他の艦娘や異星人、諏訪子らが残り化け物達を押し留めた。
それはあの柏木への絶対の信頼からだろう。

家から持ってきた度数がウリのチューハイの缶を開け一気に飲み干す。

大見にここにいる人物に愚痴でも聞いて貰えと言われた。
自分達友人家族じゃ言いづらいこともあるだろうと…ではここにいる人物とは誰だろう。


「全く…見ず知らずの私達に愚痴を零せだなんて…大見さんにも困ったものですわね…。」

「まあ、あの柏木さんと比べてしまえば劣等感に苛まれるのもしょうがないのでは?」

「浜風さんも中々キツイこと言いますわね…。」


女性の声がした。
振り向くと月明かりに輝く銀色の髪に馬の耳を持つ少女と同じく銀の髪のショートヘアの少女。
いやある意味見ず知らずではない顔。


「今晩は。いい夜ですわね…。」

「どうも、柏木さん…。」

「メジロ…マックイーン…それに浜風…?」


オーちゃんや…この美少女らにおっさんの醜い愚痴聞いて貰えという非情を申しますか…。


「何取り出してますの!?」

「一升瓶出して食べて呑み始めた!?」

「ほんのり塩味がいい感じのこれ食べてモグモグモグモグ酒呑んでゴクゴクゴクゴックン永久コンボですわ!
永久機関のモグゴクモグゴクゴックン完成ですわ!!(ヤケクソ)モキュモキュゴキュゴキュ。」

「ちょっ!?柏木さんがオツマミパクパクですわ!?」

「更にストゼロ原液(仮)ゴクゴクです!?」




『カハッ!!』


また一人倒れた。
少しずつ絶望に削られるように仲間が倒れていく。
星見の旅路でマシュが何度も見た、見せ付けられた光景。
倒れた仲間を守りティアマト頭脳体にも似た存在に火線を放つフェル達。
個人携行火器としては地球のものはおろか異聞帯にすら比例しうるものは少ない重力子兵器すら効果を成さない。
そしてティアマトの攻撃、再度立ち上がりそれらよりフェル達を守る鬼(対州要塞姫)。
鬼が進んで自ら人を守ることに驚きつつもフェル達を守り倒れた彼女をティアマトより仲間を守る様に立ちはだかるフェルにマシュは悲鳴を上げた。

61: 635 :2021/10/04(月) 23:02:54 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


「フェルさん!!」

「ガタッ!!」フェル、オマエジャナイ…後仕事ダ。」


そう言うとシエはクイクイと後を指差した。


「あの…フェルフェリア局長。そろそろヴァルメの管制の指揮を…。」

「クッ、何でこんないい時に…。シエ!チャンと映像記録しといて下サイネ!!」


マシュの悲鳴に立ち上がりかけたヤルバーンのフェルさん、促され渋々仕事に向かう。
はいはい、いってらっしゃいとひらひらと手を降るシエさん。
その姿はさながら張り切ってた子供の運動会で仕事が急に入ったお父さん(フェル)と見送るお母さん(シエ)だったそうな。


甲高い音と共にティアマトの半身が吹き飛ぶ。


「え?」


神を穿つ一撃。
画面がその攻撃を放った人物を映す。


「アルトリア・オルタさん…?それにあれは…霊基外骨骼(オルテナウス)…!?」


良く知る人物、加え自分の扱う巨砲(バレルレプリカ)と違う巨砲を構え自分と全く同じ霊基外骨骼(オルテナウス)を纏う見知らぬ人物。
霊基外骨骼を纏う彼女があの世界の自分の立場なのか、
もしやいやあの少女はデミ・サーヴァント?自分しか纏えない筈の霊基外骨骼を纏える以上生み出されながら名も姿も知らず亡くなった自分の姉妹か。
そんな考えが浮かぶ。

そして再生を始めようとするティアマトに対しアルトリア・オルタ(マシュ視点)の聖剣が振るわれ、オリオンやアルテミス、
いつの間にいたのか頼光や俵藤太が攻撃を仕掛け他の者たちも猛攻を行う。

イナズマというデミ・サーヴァント(マシュの中で確定)の少女は最後の援軍を連れて来たと言う。
星の内海より自らの足で来たというその存在。


「マーリンさん?それともアルトリア・キャスターさん?」

「ケラーマシュ、その二人の名は?」

「私達の危機に星の内海、アヴァロンより応援に駆けつけて下さった方々です。」

「…確か特異点や異聞帯と呼ばれる時と場で?」

「はい。星の内海…!あの光は!!」


画面から溢れる光がヤルバーン艦橋とマシュやヴェルデオの顔を照らす。
この対馬では世界を救う希望を守るう為に振るわれた最果ての輝き。
獅子の意匠の兜を被った人物がその光を放ちティアマトを消滅させる。

ティアマトをその手に持つ聖槍で消し去った人物はやがて来る王を名乗る。
星の内海、アヴァロン島で眠りについている筈の古きブリテンの王その人。
流石にこの展開は誰も、フロム脳患者も厨二病もマシュさえも読めなかった。
アーサー王(生身)が目覚めてアヴァロンから助けに来るとかどんな超展開だ。

現代で嘗ての姿を取り戻した神が降臨し、主が御使いを遣わし、古の英雄達が集結。
そして人が災いが過ぎるのをただ震えて待つのではなく自ら立ち向かう、こんな物語をこの世界の者達は誰も知らない。

62: 635 :2021/10/04(月) 23:03:52 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 あわわわ!

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 ティアマト何故に出てきたし!?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 え!?あのちっこいのもティアマトなの!?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 ちっこいの(竜体比)

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 ああ吹雪ふっとんだああ!?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 て今度はティアマトの半分がふっとんだああ!?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 って電ちゃん!?何故にオルテナウスでブラックバレル!?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 セイバーオルタもいるやんけ!?ってエクスカリバってるうう!?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 今度はアサマチに俵藤太に頼光ママだと!?あ、アルテミスとオリオンも来た!!

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 今度は馬に乗った騎士?聖槍抜錨ってことは…乳上!!

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 なんか重くね?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 あっこれまずいやつだ

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 時間が歪んでやがる

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 落ちるのか…久々やな


ここまでの怒涛の勢いにいくつもの実況スレ、考察スレや関連サーバーが落ち。呟きの負荷も天井知らずで落ちた。
英国の原因はやがて来たる王であるが…。
記者会見場の記者たちもヤルバーンの乗員も情報のジェットコースターに疲労困憊だがまだ先が残っている。
現代科学も先史文明トーラルの技術を使った艦艇、英雄達ですら時間稼ぎをするしかない絶望が。


そして最後の戦いが始まった。
子供や血やグロテスクな映像が苦手な者は見ないようにという再びの注意と共に。
親らは子供の目を閉じ、グロテスクなものが苦手な者も今度は目を閉じた。
たった六十秒、それがどれ程長く苦しい時間であったかをこの世界の者達は知った。

現代科学の粋を超えた深海棲艦の装甲がバターの如く溶かされ、SFの技術の結晶とも言える航宙艦のシールドが抜かれ、
名だたる英雄達が次々に倒れ伏し、ティアマト神・伊耶那美命直系の対州要塞姫すら皆を守り堕ち、艦娘もフェルや柏木らの盾となるのがやっと。
皆、血塗れとしか言いようがない光景。

ゲートのこちらのホワイトハウスで大統領が軍人にティアマトを止められるかと問えば合衆国全軍の壊滅と引き換えとしても不可能と答える。
核兵器含む物理攻撃効果ないやつどうしろと?との返答にやはりハリウッドの様にはいかないかと溜息を吐く。

EUの会議、お前らこんなもの呼び出したのかと再び独国防大臣に視線向けられた……が、国防大臣殿、
先程に急性胃腸炎で倒れ救急搬送されたの全員が思い出し微妙な空気が流れた。
議長が咳払いをすると全員が画面に視線を向け直す、見終えなければ議論も始まらない。



画面の中のニーラは柏木とフェルにディルフィルドゲート砲が来るから逃げろと叫ぶ。
ティアマトの前に輝く亜空間境界面、対人にそして惑星上で使用するには強力過ぎる代物に先程の大和の時と同様に、いやそれ以上にヤルバーンは大騒ぎになる。
放たれる対象が彼らの敬愛するフリンゼであることも拍車をかけている。


『させないのです!!』


ゼルモニターの中、マシュの瞳に霊基外骨骼を纏う自分ではないシールダーがディルフィルドゲート砲とフェル達の間に割って入るのが映る。
マシュは画面に映る自分の姉妹かもしれない少女に手を伸ばす。
少女の肌が焼け爛れ、髪は燃え尽き、オルテナウスは砕け溶けていく。
肉が剥がれ、骨が露出し、眼球が潰れ、内臓が溢れる。
モニターのフェルが悲鳴が揚げるが盾を離さない。


「あ、あ、ああああああッ!!」


マシュが声にならない声を上げたその刹那。

63: 635 :2021/10/04(月) 23:05:00 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp



轟雷一閃、その双眸に正義の輝きを湛え猛き刃金が舞い降りる。



名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 復旧した…ってロボ!?

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 スーパーロボットやんけ!!

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 あ、あれはまさか!!

名前:名無しの憂鬱な日本人 投稿日:~
 知ってるのか雷電?


【スパロボキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!】
【え?今までリアル系だったけどスーパー系も作ったの?あの日本?】
【開発したというかアレがアレなら千年前の機体やぞ!!】
【千年前って平安時代やん。冗談はヨシ子ちゃん。】
【いや乳上とかアルテミスいるんだから千年前のって有り得るぞ】
【ええええ…何なのあの日本】



『ゴオオオォォォルデンなのです!!』



アナスタシアは語る、電の意思と危機に力を貸した存在があると。
その名は坂田金時、土蜘蛛退治と大江山の酒天童子退治に名を馳せた英雄。
そしてその鎧たる『摂津式大具足・熊野』もまた重巡足柄を器とし現れたと言う。
この世界でも金時は金時なのだとマシュは涙ぐむ。

そしてベアー号もとい摂津式大具足・熊野が天に手を翳すとマシュが良く知るというより一心同体と言ってもよい物が天より、天使の梯子より降ろされる。
円卓の騎士ギャラハッドの盾、即ち円卓。ギャラハッドと共に主の下へと召し上げられた聖遺物。
それが知れ渡るとまた掲示板やツブヤイターのサーバーが落ちた。
特に欧州では先の御使いの鳩と合わせ驚愕が大きい。
即ち世界を救わんとする彼ら彼女らへの悪意ある批判は主の意思を疑うということ。


そしてその肩に柏木夫妻、アルトリア、オリオンを乗せティアマトへと突撃する大具足。


『真名、開帳――――。其は全ての疵、全ての怨恨を癒やす我らが故郷、我こそは…それを守る黒鐵の城なり!。』


皆が知る詠唱と違う詠唱。
そして白亜ではなく黒鐵の城が現出し全ての攻撃を防ぎ切る。
そして月女神の加護を受け、古の巨人にも等しき力を持つ筈のティアマトの口を開けるとそこへアルトリアがロンゴミニアドと天叢雲剣により嵐を送り込み動けなくする。
アルトリアが天叢雲剣を扱える事をアナスタシアが解説すると神話や型月系知識持ちが驚愕に襲われたり。

そして…柏木とフェルがティアマトの頭へと飛び移り天沼矛を突き刺し全ては終わった。
竜体が崩れ去り朝日の下に新たなる神が日ノ本の大地に降りた。




「国産みの権能を持つ最果ての槍天沼矛、そして伊耶那美命の言霊を以て神代振りとなる神産みが行われました。
そしてティアマト神は日ノ本の国の国御霊として産まれ代わり永久に日ノ本をみそなわす存在になられたのでした…。」


めでたしめでたし、と続きそうな言葉でアナスタシアは此度の物語を綴た。
記者会見場の全員がどっと疲れた様な表情で溜息を吐いたり、背もたれにもたれ掛かったりする。
アナスタシアが話し終えるまでの怒涛の情報の洪水に流されっぱなしだったから仕方がない。
その様子を見てアナスタシアと総理はクスリと笑いまだ言うことがあると発言した。
記者らはまだあるのかと食傷気味な表情をする。


「皆様これをご覧下さい。」


ゼルモニターの画面が切り替わり青い星を映し出す。


「これはリアルタイムでの火星の映像です。」


会見場がざわつく火星が突如として地球化したことは既に広く知れ渡っていた。


「皆様御承知だとは思いますが現在火星は昨日テラフォーミングが成さ生物が生存可能な環境にあります。
それを成したのは日本の神となられたティアマト神です。」

64: 635 :2021/10/04(月) 23:05:37 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


記者やはり銀河連合日本が関わっていたのかと皆納得の表情だ。
映像で見たティアマトの力を見ればそれも有り得ると考える。

そして凍りついたのは記者会見を見る科学者達だ。
現在の技術で火星を生物が生存出来る環境にするのに天文学的な労力が必要だからだ。
加えヤルバーンも同じ、ティ連の科学技術ならば惑星のテラフォーミングも出来るが僅か一日で惑星一つを生物居住環境に出来るなど聞いたこともない。
ヤルバーンの艦橋でヴェルデオは唸る。


「一日足らずで惑星一つのテラフォーミングを終えるとは…。」

「神々の権能というのは私達の想像の及ばない力を持ちます。
恐らくは火星をテラフォーミングしたのは権能の中でも大権能、ティアマト神の国産み、生命創造の権能でしょう。」


マシュが補足する。


『さて我々銀河連合日本及び神崎島は…』

「何か発表するみたいですね…。」




「我々銀河連合日本及び神崎島はここに火星の領有を発表します。」


再びざわつく記者達、しかしながら質問をする記者はいない。皆まだ疲労困憊だからだ。
しかしとアナスタシアは言葉を続ける。


「今後こちら側の地球諸国の宇宙進出の度合によりましては火星の一部土地を友好国への無償貸出若しくは譲渡を検討、考慮致します。」


再び衝撃が記者や映像を見る者達を襲う。
自らがテラフォーミングした火星の領有を宣言するのは分かるしかしその折角領有した星を一部とはいえ貸出、譲渡するとはの如何なることかと。



「大きなエサを見せつけ敵対するデメリットを示し味方を増やす。あちら側のシンゾーはビジネスマンとしてもやり手のようだな。」


Mrs.アナスタシアかもしれんがなと呟き、ホワイトハウスで合衆国大統領は首を振る。


「まあ我々も自由過ぎた者たちをどうにか出来なければ危なかったですが…。」

「あいつらならば彼らの提案をトブに捨てかねんからな。というか彼らから提案もしなかっただろうよ。」


側近の言葉に面白くない事を思い出し顔を顰める大統領。


「どちらにしても彼らが我々に求めるものに相応しいメリットを示すならば協力するだけだ。」

「ヘヴィリフター(超大重量打ち上げロケット)に火星の土地とは豪勢なものですな…。」

「手札で顧客のニーズに応える。ビジネスマンの基本だよ。彼らからすれば枯れたモノでも我々からすれば魅力的な商品さ。それに…いきなりミレニアム・ファルコン渡されても困るだろ?」

「ツギハギだらけでどこから手を付ければいいか悩みますからな。」

「ハハハ、その通りだ。おっと今度はシンゾーが発言するようだぞ。」



「さて続きましては私から日本国民の皆様にとても大切なご報告をさせて頂きます。皆様こちらの方の映像をご覧下さい。」


総理がゼルモニターを指し示すと火星から切り替わりナヨの姿を映す。


「こちらの方は先程の対馬での戦いでも映っていらっしゃいましたがお名前はナヨクァラグヤ・ヘイル・サーミッサ。
銀河連合日本の世界において大凡千年前の日本を訪れた異星人であり竹取物語のなよ竹のかぐや姫のモデルとなられた方でもあります。
また銀河連合日本の友好国であり、ティエルクマスカ銀河共和連合の大国イゼイラが帝政だった時代の最後の皇帝陛下でもあらせられます。」


かぐや姫のモデル、千年前の日本を訪れた異星人の女帝という事実に記者会見場は再びざわつく。

65: 635 :2021/10/04(月) 23:06:12 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp



「やはり創造主ナヨクァラグヤ!!」

「ヴェルデオ、落チ着ケ」


ヤルバーンでヴェルデオは司令席から立ち上がり興奮した様に叫び、シエが嗜める。
こういう場合、副司令のジェグリ辺りがすべきだが彼も興奮している。
イゼイラ人の大半が信奉する創造主が実際にいるという事実はヴェルデオ、いやイゼイラ人にとって天地がひっくり返るくらいの衝撃だ。


「アノナヨクァラグヤガ居ルノハ並行宇宙ノヤルマルティアダゾ?コチラノ日本ヲ訪レタノカモマダ分判明シテイナイゾ。」

「確かに…シエ局長の言う通りか…。」


シエの指摘に冷静になったヴェルデオは席に着くが、ゼルモニターに映る総理の言葉に再び立ち上がる。


『そして銀河連合日本の協力による調査の結果驚くべきことが判明しました。』




総理はカメラと記者達を見回し、分かりやすい言葉を選び発言する。


「これは日本の国体に関わることであり、今後の日本を取り巻く環境に大きな影響を与えると考え公開に踏み切る事に致しました。」


総理は息を吸うとゆっくりと話す。


「大凡千年前、我が国にもナヨクァラグヤ陛下が訪れていた事実が確認されました…。」


記者会見場、テレビを見る者、ヤルバーン。
総理の言葉に全ての者が凍りつく。


「その事実から我々日本政府はこちら側の世界のティエルクマスカ銀河の調査及びイゼイラ国を始めとするティ連構成国同位体国家への接触を図る銀河連合日本へ全面的な協力を行うことを決定しました!」





「星間国家の外交に日本が頭を突っ込んで行くか…。去年の俺に言ってたら鼻で笑ってたな…。」


総理官邸の一室。
記者会見の映像を見ながらこちら側の白木は呟き、向こうの特務大佐な柏木長官は言う。


「どちらにしてもアレ隠すにはこれくらい衝撃的なのしなきゃダメだろ?」

「確かにだけどよお。もう一度聞くけどアレ、マジかよ?後、そこまでして隠す必要あるのか?」

「政府間交渉で冗談言わねえよ。こっちの日本人はイゼイラ人の血を引いてる。後、これが知られてもみろ馬鹿が日本人は人間じゃないとか言い出すぞ?」


そんなことを話し合う柏木と白木。
柏木は日本人が異星人の血を引く、この事実知られれば良くない事を考え、実行する馬鹿が日本人からすら絶対に出ると言い切る。
白木はその言葉にあっ…(察し)という表情をするがそこに血相を変えたフェルが駆け込んで来る。

66: 635 :2021/10/04(月) 23:07:06 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp


「タイヘンデス!タイヘンデス!マサトサンがやらかしマシタ!ああもうこれだから突撃ドゥスは!!」


その場の全員が柏木を見る。
その視線に気圧されるが柏木は自分は何もやっていないと主張する。
だが普段の行いから疑惑の視線が向けられる。


「違いマス!ワタシのマサトサンじゃなくてコッチの白木サンの友人のマサトサンデス!!」


え?俺のと自分を指差す白木にフェルは頷き状況を説明する。


「オサケたらふく呑んでベロンベロンに酔っ払ってマックイーンサンと浜風サンに愚痴ってたんデスヨ!!」

「美少女相手に何やってんのこっちの俺!?」


驚きの声を上げる柏木。


「そしたらそこにこっちのヤルバーンのものと思われるヴァルメ出現して愚痴を途切れさせられたのにキレて、
酔っ払って気が大きくなってたのかヴァルメ相手に啖呵切ったら転送ビームでアブダクトされたデスヨ!!」

「酔った勢いで更に何やってんの俺!?」

「ああ…うん…柏木だもんなあ。落ち着いたかと思ったけど突撃バカは健在か…。」


あいつならやらかすなという感じの白木に神崎島の艦娘や妖精らに加え、アルトリアや伊耶那美命、デメテルまでも同意する。
えっという感じで全員を見回す柏木。


「え?俺って皆の中でそんな存在なの?」


全員が頷いたことで崩れ落ち見事なorzをする柏木、そこへリシュリューが入ってくる。


「ちょっと私の所のアインビルからヤルバーンナウって連絡が来たんだけど…ってどんな状況よコレ…?」

67: 635 :2021/10/04(月) 23:12:11 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります。転載はご自由にどうぞ。
巻きに巻いたのに8000字を突破、ようやくお待たせしました次回よりヤルバーンと日本、そして銀河連合日本の本格的接触となります。
神というもの知り、精死病の真実を知るヤルバーン。
加え歴史にも記されぬ1000年前の事故の顛末と聖地ヤルマルティアとイゼイラの関係を知ることになります。

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最終更新:2021年10月08日 00:04