398: 影真似 :2021/10/24(日) 22:20:33 HOST:182-165-182-101f1.osk2.eonet.ne.jp
再投稿版です。

漆黒アメリカルート 小ネタ 「赤い侯爵と血濡れのマリー」

「…………これが私の贖罪なのだろう。」
―『レットバロン』リヒトホーフェン。とある場面で遠い目をしながらのセリフ。

WW1時にフランスの邪悪の諸行によって全滅したとされるフランス人若年兵達。その後に奇跡的に発見され、ヒトラーに救われた
少女とは別のもう一人の生き残りとなった少女、マリーズ・イルズ、本名マリー・アントワネット・イルズ。ここでは彼女の人生の
一部に触れていく。
彼女が頭角を現したのは、フランス懲罰飛行隊とも揶揄されるフランス人若年兵部隊である。日本陸軍航空隊にて彼らの真摯な
態度によるひと時の安息を過ごしていたイルズは同じマリーズの名を持つ同僚のマリーズ・バスティエと特に仲を深め、訓練中に
おいては互いにツーマンセルでタッグを度々組んでいた。
その後、フランス高官のメンツのために強制的に連行されると『マリー・アントワネット』という本名から当てつけに迫害されようと
されるイルズをバスティエが庇い、戦場ではイルズとバスティエのタッグで奮闘していたものの、最後はバスティエの機体が
イルズの機体を庇うようにして両機とも撃墜されることとなった。
両機はドイツ帝国領に墜落した後、バスティエの機体が庇ったおかげか、イルズは奇跡的に生存していたもののその場に
駆け付けたドイツ軍兵士の中に衛生兵がいなければいずれは失血死していたとされている。(このことは戦後、ドイツの軍事病院
で意識を取り戻した彼女が自らの身元を話したことで即座に日本に伝わり、日本陸軍航空隊の少佐(通称『オヤジさん』)が
駆けつけ涙ながらに謝罪の言葉をかけたとされている。)
その後は戦後全ての真実を知ったリヒトホーフェンが秘密裏にイルズの入院中に彼女の入院費と治療費の全てを支払い、
伝手を利用したことでそのまま病院で看護師として働くことになった。しかし、フランス匪賊との戦闘による負傷者が次々に
運び込まれてきたことで彼女の中にはどす黒い憎悪と復讐の炎が生まれており、更に自分の戦友であった少女がヒトラーを
追っかけて入社したと聞くと看護師を辞め、帝国警備に入社することとなる。
入社後は、帝国警備航空部門のパイロットとして全体を鮮青色に染めた上に旧フランス王家のアヤメとユリの紋章を付けた機体に
乗りながら特にフランス人匪賊に対する無慈悲な蹂躙劇を続けたことでフランス側からはその名前と機体から「ブラッドマリー」など
と揶揄されるも彼女がその手を止めることは無かった。

399: 影真似 :2021/10/24(日) 22:27:26 HOST:182-165-182-101f1.osk2.eonet.ne.jp
そして、「レットバロン」ことリヒトホーフェンがヒトラーの勧誘によって再起し、入社した際、途轍もなく気まずい空気となった。
立ち直ったとはいえ同僚を一番撃墜したであろう男と幸運にも直接的ではないがその被害者。しかも、イルズは病院時代に
治療費などの支払いや病院での仕事が出来たのが彼のおかげと言うことを密かに看護師時代の同僚から聞き出していたことや、
その後は懺悔するかの如く酒におぼれた生活を送っていたことを耳に挟んでいたため、憎しみと言うよりは躊躇いや感謝、
同情といった感情の方が強かった。その場はもう一人の生き残った少女によるフォローで何とか訓練に移ったものの、訓練では
何故か相性がいいと言う結果に本人たちは複雑な内心はともかく、取り敢えず背中を預け合う仲間として交流を図ることとなる。

そして交流を重ねるうちに心を開いていったイルズは彼女に対しては不器用ではあるが真摯に接するリヒトホーフェンを何かと支える
ようになり、ドイツ陸軍がやらかしたウクライナでの失態を帝国警備による大反撃で何とかした際には、鮮紅色と鮮青色に染められた
二機がそれぞれの色のような鮮やかコンビネーションによって帝国警備の作戦成功に大きく貢献したとされる。

その後は、ヒトラーが社長から政治家に転身し、彼の親衛隊が会社の経営を行うようになっても二人は帝国警備のトップエースとして
活躍を続け、WWWにおいてもドイツ帝国の勝利に貢献。現役を退いた後も、人類同盟軍における特別指導者として人類軍の育成に
力を注ぎ、1970年代においてはドイツ内部の学生闘争を一喝して結果的にドイツ帝国内部のリベラル勢力の拡大と米合の後継者の
浸透を抑えることに繋がり、ドイツ帝国がリベラル勢力の大掃除を行っている最中、二人は息を引き取った。

………………また、余談であるがイルズは「レットバロンを撃墜した女」としても知られており、リヒトホーフェンが気付いた時には
帝国警備内での外堀が埋められ切っており、「君にはふさわしくない」「もっと若くていい男がいるはず」と焦る彼に、「一生を懸けて
償ってくれると言ってくれましたよね?」「年齢なんて関係ないです」等のセリフを言って逃げ場を無くした後、完全勝利したとされる
(冒頭のセリフはその際のものである)。更に、蛇足ではあるが、もう一人の生き残りの少女もゲリ・ラウバル、エヴァ・ブラウンと結託
してヒトラーを撃墜し、リヒトホーフェンとヒトラーが二人で飲みに行きながら「……覚悟を決めた女性は強いな」と煤けた背中で語り合っていたという。

400: 影真似 :2021/10/24(日) 22:29:02 HOST:182-165-182-101f1.osk2.eonet.ne.jp
以上です。

ネタが被っていたことに急いでたら何故か伍長も巻き込んでしまいました。不思議だなぁ()

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最終更新:2021年10月26日 17:32