27: 635 :2021/11/01(月) 07:13:40 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ ゲートの先は神崎島もヤルバーンも無いようですその六十一
「ど、どういうことですかケラーマックイーン!?」
「どうも何もこの場の者達がなっているのはディルフィルド航法の後遺症である精死病ではなく言うなれば人為的、人工的な悪意ある精死病だということです…。」
怒りを滲ませながらヴェルデオの言葉にマックイーンは答えた。
そして絶望や怨嗟を集める為だけにこのような非道を成していると語る。
何故そんな感情を集める必要があるのかとヴェルデオが問う。
「悲嘆、絶望というのは大きな感情です。それこそ他者を死に至らしめる程の…。
そして対馬の映像を見たのならば分かるでしょう?そういった人の嘆き、悲しみ、怒り…こそが彼女を、対州要塞姫を生み出したのです…。」
「ソ、ソンナ…。」
「一体誰がそんなことを…。」
「現状では分かりません。しかもコレは通常の精死病の治療、予防法ではどうにもなりませんわ…。」
マックイーンの言葉に絶望の表情を浮かべるフェル達。
「ですが…絶望するにはまだ早いですわ…。」
そんなフェルの手をマックイーン取って絶望するにはまだ早いと言う。
ティアマトやケルヌンノス、世界樹の呪いの方が余程大変だったそう言ってマックイーンはウィンクした。
そこへマシュと手を繋いだアデーレが話し掛ける
「時間が掛かるかもしれませんが必ず運命を変えられます。昨日ではない明日を迎え、マシュさんと再会出来て…、
本来消える筈の異聞帯の私達の運命すら変わったのだから…。
そして十年後、百年後…いえもっと先の千年後の未来を話し合える世界にしましょう。」
「千年後の未来…?」
昨日である今日が続いていた世界に生きたアデーレが明日を語ることの重み、浜風がアデーレの言葉に続く。
「明けない夜などありません。未だ見えないかもしれませんがいつかは必ず暁の時はやってきます来ます。
暁の水平線に勝利を刻むことが我ら艦娘の使命なればこちらのティエルクマスカを覆う呪いにも勝利を刻みましょう。」
アインビルとエストレェルも言葉を紡ぐ。
「フリンゼ、我らもまた精死病だけでな世界を覆う呪いにも晒されました。しかし我らはここにいます。」
「アインビルなどその身に呪いを受け生死の境を彷徨いながら、現在では元地域国家の総督となった方の右腕とも言える存在にまでなっております。
精死病も呪いも越えることはできるのです。」
「エス…そこら辺はいらないんじゃないかな?」
そしてマックイーンは言葉を紡ぐ。
「貴女方にとって精死病、ひいてはあの呪いに打ち克つのは奇跡がなければ無理と思われるかもしれません…ですが…。」
フェルの両手を取りしっかりとその金の瞳を見つめるマックイーン。
「奇跡は起きます。それを望み奮起する者の元に…」
「ケラーマックイーン…。」
マックイーンの言葉に感極まったフェルに抱きつかれたのを皮切に患者家族達に一斉に抱きつかれマックイーンはもみくちゃにされ倒れる。
「ちょっ!?重い!重いですわ!?」
28: 635 :2021/11/01(月) 07:14:15 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
もみくちゃにされるマックイーンを見つつマシュは浜風らに近づく。
「そういえば呪いと言いましたが何か聖遺物でもあれば解呪できるのでは…?」
「ここに聖遺物なんて…。」
「……ああ……あるな…。」
「エスそんな訳…。」
「アインビル、君の持ってるソレだ。」
「ええ…これかい?」
槍を見せるアインビル。
「そっちじゃない…それも聖遺物だけど。」
「じゃあなんだい?」
「君の持つファーダリシュリューの一部を使ったサーベルや御守りだよ!彼女も名代とはいえ女神だっただろ?」
ああ確かにという顔をするアインビル。
柏木やマシュはなんのコッチャな顔だ。
遠い世界、並行うちうのさらに並行うちうの話だから仕方ないね。
「確かに…『リシュリュー』を信奉し始めてから彼ら曰く悪魔憑きとか呼ばれる存在、
私達からすると我々の
近似世界からの転生者ぽいの出現しなくなったってケラージョルジュも言ってたし…。」
「ファーダがあの時それっぽいのに取り憑かれたの払ったし、
彼ら見てたらそれっぽいのや良くないものが取り憑こうとしてたの弾いてたんだよ。多分御守りが原因じゃ『ドサッ!!』、!?」
話していたアインビルや柏木らがそちらを向くと。
「ッ!シエさんッ!?」
マックイーンの絶叫、全員がマックイーンの視線の先を見ると床に伏せた人物の姿があった。
一番近くに居たリアッサが倒れた人物を起こし声を掛ける。
「シエ?シエッ!!オイ、ドウシタ!!起キロ、シエッ!?」
リアッサの腕の中で彼女、シエは悲鳴の様な必死の呼びかけにも全く応じずその瞳を閉じていた。
ホールの床に置かれた医療ポッドに横たわるシエ、その周りには検査に当たる医務官達やそれを見守るマシュやフェルらがいる。
シエが倒れたという事態にイゼイラ本国及びダストールと協議する為にヴェルデオらは一端この場を離れていた。
「脳ニューロンデータの取得不可能、蘇生措置効果なし…シエ局長は…間違いなく精死病です…。」
「シエ…クソッ!!」
「シエさん…地球へ来てこれからだというのに…。」
「局長…。」
「どうして…これが…これがシエ局長の因果とでも言うの…!!」
「シエ…。」
30: 635 :2021/11/01(月) 07:14:55 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
壁を殴るリアッサ、余りの事実に倒れかけたマシュはアデーレに支えられた。
フェルや部下のポルタラやリビリィは涙を流している。
シエが倒れヤルバーンは大混乱に陥った。
それこそマックイーン達のことなど頭から抜け落ち放っておかれた程だ。
その光景を見ながらマックイーン達は唇を噛み締める。
日本、銀河連合日本との折衝を待っては呪いの除去、治療手段の確立等アレコレで少々時間が掛かりすぐには治療に取り掛かれないだろう。
しかしその治療手段が必要なのは今すぐだ。
シエはダストールの総統の娘でもある、それがティ連外の星しかも呪いなどというティ連から見れば良くわからないものによる精死病で倒れた。
それは暗いヤルバーンやティ連に影を落とす。
だからマックイーンは独断で動くことにし、浜風達も同意した。
この状況下でのシエの速やかな回復は政治的にも外交的にも意味がある。
たがそれは理由付けでしかない。
皆が皆、善良なる者達が絶望に襲われるのが許し難かった。
マックイーンはフェルに話し掛ける
「フェルさん。」
「ケラーマックイーン…。」
フェルやマシュの顔色は悪い。
特にフェルは両目から涙を流している。
彼女らに対しマックイーンは宣言する。
「御安心なさい。この身は神馬、かつては人の想いを乗せターフを駆け虹の彼方へ渡ったもの、
この姿は虹の彼方で人の想いを託されターフを駆け舞い歌うもの。」
「マックイーンさん…?」
「ケラー何を…?」
「貴女方の誰かを想うその想いを乗せ、必ずや希望を届けましょう。!!」
言葉と共にマックイーンと共に姿が変わる。
「マックイーンさん!?」
人の身を遥かに超えた芦毛の巨体、鉄より堅きヤルバーンの床に跡を残し踏みしめる四肢。
そこにいたのは最高のステイヤー、芦毛の神馬メジロマックイーン。
マックイーンは神馬天斑駒としての本来の姿へとその身を転ずる。
「馬!?」
「角ないボルダ!?」
『お待ちなさい!直ぐに希望を連れて参ります!!』
驚くヤルバーンの者たちを他所にマックイーンは跳躍しその姿を消した。
「探知偽装!?」
「今の現象は何だ!!」
「天斑駒の能力、ありとあらゆる障害を超え疾駆する力です。」
ざわつく者達の耳に届く浜風の言葉に全員の目が向けられる。
31: 635 :2021/11/01(月) 07:15:51 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
「一体どれだけ時間が掛かるのデス!?」
「フェルさん、まだ十分も経っていませんよ。」
「そ、そうデスカ…。」
マックイーンが空間跳躍してから暫く、フェルはそれ程時間が経っていないのに苛立っていた。
幼馴染で親友なシエが精死病に掛かった中、希望を持ってくると言った者がまだ帰ってないのだからしょうがない。
そんなフェルを宥めるマシュ。
「でも天斑駒とは何デスカ…ボルダの様な姿になれる種族なんて聞いたことがないデス。」
「彼女達は神馬、そういう種族なのです。」
シエの問に浜風は答える。
天斑駒、人の夢や想いを背負い走り続けたその功績により死後その魂を高天原へと召し上げられ神馬となった元競走馬達である。
とある理由により再び地上へと降りることとなり女性の姿を取るようになった。
マシュは清姫やジークみたいのと言われ納得するが自分と同じだが見知らぬ地球人(浜風)の口から清姫やジークの名前出され驚愕し、
こんなのとアインビルのスマホに入ってたグランドオーダーなゲームをみんなに見せられマシュの顎が落ちたり…。
浜風が実は人間じゃなくて軍艦版英霊みたいなのと説明されたさらに顎が落ちたり。
画面の中からマシュの声で真名開帳とか聞こえみんな驚いてる。
「しかし希望を連れて来るとはどういうことなのですか、ケラー浜風?」
この騒ぎに戻ってきたヴェルデオは浜風に問う。
「先に申し上げて起きましょう。呪というものを払うことに関して我々は経験があります。」
「本当ですか!?ケラー!!」
「というかこの世界はもとより我々の世界でも与するものはおりません。そしてそれら呪術的なものを研究している方がおります。」
驚愕するヴェルデオ、しかしこの場の者も含めた全員を助けるには治療技術構築から始めねばならぬ以上暫し時間が必要だろうと言う。
フェルは何とかならないのかと問うがその為にメジロマックイーンは独断で動いたと浜風は答える。
「独断行動などケラーマックイーンらは大丈夫なのですかな?」
ヴェルデオはマックイーン達の今後を心配する。
そしてその心配に答える声。
『心配御無用、どうとでもなりますわ。』
「!、ケラーマックイーン!!」
マックイーンの声に全員がそちらの方を向くとそこに芦毛の馬がそこにいた。
そして誰か見たこともない服装をした人物がマックイーンより降りる。
マシュだけはその姿が平安時代の壺装束にも似たものだと感じていた。
「ふぅ、マックイーンやそなたが突然にともづるまで来て強制的に背に乗せられ驚いてしまいましたよ。」
『申し訳ありませんわ。ですが事態は急を要していましたので…。』
その人物は申し訳なさそうなマックイーンの声に良い良いと返事をする。
和音の様な声で日本語を紡ぐその人物、イゼイラ人女性であろうとヤルバーンの者達は当たりをつける。
その人物はシエの下へとまっすぐに向かうと市女笠の虫の垂衣を手で退け顔を見せ周囲の医務官らに退くように言う。
医務官らは驚愕しながら指示に従い、女性はシエの眠るポッドの横に屈みフェルの様子を見る。
「…やはり悪因、悪果の呪で繋いだ先に飛ばされておりますね。」
『呼び戻すのは?』
「通常の精死病であればこの場で浜風の助力を得れば可能です…ですがこのシエに掛けられた呪をとうにかせぬ限り呼び戻すことは敵わないでしょう…。」
そんな話をしながらイゼイラ人女性は市女笠を外しその姿を全員に見せた。
驚愕する周囲のざわめきを気にせず話をマックイーン達と続ける女性、名をナヨクァラグヤ・ヘイル・サーミッサと言った。
32: 635 :2021/11/01(月) 07:16:26 HOST:119-171-250-56.rev.home.ne.jp
以上になります。
転載はご自由にどうぞ!
最終更新:2021年11月04日 23:30