732: 弥次郎 :2021/11/25(木) 00:59:10 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
憂鬱SRW ファンタジールートSS「扶桑皇国、開発戦線1941」証言録
「これをウィッチや魔導士に装備、ですか?」
「はい。そうでなくとも、航空機への搭載も可能ではと…」
「不可能ではありませんが……高くつきますよ。おまけに打ち切ったらおしまいですし」
「打ち切り……?」
「遠方から敵を補足し、飛んで行って、追尾して、撃破する。その分のしわ寄せということです。
技術的難易度を考えれば、どうやってもこれくらいの大きさのものを抱えてもらわねばなりません」
「……これは」
「はっきり言って、無理やり積んだところで費用対効果に優れません。無駄とは言いませんが」
- 日本国召喚世界からもたらされた個人携行ミサイルを持ち込まれて相談を受けるシティシス。しかし、難しいことは難しいままであった。
「なので、妥協しましてもこういった無誘導のロケット弾がよほど効果が望めるのではないかと。
比較的小型化もしやすいので、既存の航空機にも乗せやすい。何よりも生産もしやすいですから」
「しかし、誘導されないのでは遠距離から安全に撃破するのが難しいのでは…?」
「そのための技術が足りていないと、そう申し上げております。
なんとかするならば高価な演算宝珠を使い捨てにすることで実現できますが、それでも作りましょうか?」
「……うっ」
- 演算宝珠を使い捨てにするミサイルの概要を見せられて、ストパン世界側担当者は言葉に詰まる。一発当たりの単価がバカにならないものだった。
「一先ず各国から人は集まったか…」
「指導に時間はかかりますけど、人員は欲しいですからね」
「……変な偏見とか思い違いをしてほしくはないけれど」
- 扶桑皇国を通じて集めた各国の兵士たちを前に、レベッカ。各国の思惑はともかくとして、使い物にするのは一苦労であった。
「いや、あの、エーテル宇宙というのは否定されているのでは?」
「ややこしいですが、そのエーテルとは違うのです。
化学物質としてのエーテルとも違う、この世の法則を超える物質が含まれているのです」
「……」
「そんな目でも見られても困りますね……」
「空気に魔法の元が混じっています、と言われてもにわかには信じがたいものですから」
「ですが、肥料や火薬を作るためのハーバーボッシュ法のことを考えればありえなくもないのでは?」
「あれは科学ですし…」
「では、あなた方は違う世界に転移してしまうという、非科学的なことが起こってもなお、科学は絶対だと言い切れますか?」
- 日本国召喚日本との間での技術交流の中で、エーテルについて議論して。やはり既存の科学に縛られてしまったようである。
「ともあれ、こちらが地球連合が戦ってきた外敵および勢力についてです」
「……こんなにですか?」
「現在進行形で増えていますので、おかわりもあります。
ですが、現状を把握していただくにはこれらにも目を通していただければと」
- 日召日本に引き渡される膨大な地球連合の歴史と現状を示す資料。なお、到底信じられないものばかりであったことを記す。
「あなたが、その、シティシスの……」
「そうとも。地球連合から派遣されてきたリーゼロッテ・ヴェルクマイスターだ。階級は大佐。
シティシスにおいては最高責任者を務める。テストパイロットや研究員も務めている。よろしく頼もう」
「……あ、はい。こちらこそ」
「言いたいことはわかるが、こう見えて私は成人している。申し訳ないが慣れてもらうしかない。
では、さっそく案内をさせよう。フラワー?」
「はい。では私、フラワー・ルビーがご案内いたします」
- 日召日本の関係者との初めての対面。見た目十代前半の少女がトップということに、あからさまに忌避感を抱かれる。
733: 弥次郎 :2021/11/25(木) 01:01:32 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
「……フラワー、これは?」
「……各国からです」
「これからはすべてに検閲をかけるように扶桑皇国に伝えろ。扶桑皇国から届けられるものもな。
不快だ、ああ、不快だとも!私を舐めたな……!高くつくぞ!」
(ヴェルクマイスター様が一番人気でしたからね…)
- ストパン世界から政略婚を狙った動きがリーゼロッテら女性陣に。報復は地味だが嫌なものが行われた。呪術において写真も立派な媒介となるのである。
「これは一応空母なのですよね?」
「はい、そうです」
「ここまで巡洋艦のような艦砲を積んでいるのはどうしてなのでしょうか?」
「我々の常識では、こうした砲を搭載しなければ無防備すぎるのです。
相手はえり好みをしてくれませんし、こういった空母でも自らを守らなくてはならないのです」
「それはそうですが…」
- ストパン世界海軍関係者に公開されるシャングリラにて。彼らの常識からして過剰なまでの武装と装甲を纏うシャングリラは奇妙に見えたようである。
「……これを出すのか?」
「極めて有効ではと判断されましたが……」
「(極めて長く、そしてめんどくさい愚痴)」
「心中、お察しします……」
- 提供する火器の候補に例の婦警が使うハルコンネンが入っていて、愚痴るリーゼロッテ。
「大佐はいったい何歳なんだろうなぁ…」
「見た目は十代前半に見えるが」
「だが喋り方や立ち振る舞いはどう考えても大人だ。というか、もう老成しているっていうのか?堂が入っているよな」
「教えてもらえないんだよなぁ…気になるのに」
「年齢が機密になるってどういうことなんだろうな」
「本国からは次々と物資が届くな…銃火器、装備、医薬品、嗜好品と。
欧州が遠隔地になったというのによくやってくれるものだ」
「これも地球連合や日本国の支援の結果だそうですよ」
「我々ウィッチに出番が少ないのは少々やるせないが……遠隔地でここまで充実した装備で戦えるのはありがたいことだ」
- 欧州の地にて、坂本美緒。だが、これらさえも間に合わなくなる事態になるとは彼女は知らなかった。
「これが魔導士の装備一式を身に着けた姿だそうだが…」
「まるでMSだな。いや、まあMSなどが人を模しているから自然な収束か?」
「ライフルとシュツルムファウストなどを抱えて、背嚢と瘴気避けのマスクに防護ヘルメット……まるでギラ・ドーガじゃねぇか!」
「時代相応というか、なんというか…」
「だが、シティシスの開発した装備も行き渡っているようで何よりだな」
「あとは運用データを集めて反映させなくては…」
「まったく、どこも戦いばかりだ」
- ストパン世界前線からのレポートに目を通す夢幻会員。魔導士の姿がどことなくMSに似ていることに思わずツッコミ。
734: 弥次郎 :2021/11/25(木) 01:02:09 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
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常識が違えば見える世界が違う、悲しいけどこれ現実なのよね。
最終更新:2021年11月25日 11:30