546: リラックス :2021/11/21(日) 13:06:08 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
さて、ネタの投稿
厄いものが湧いたみたいです~価値観の乖離~
「いや、別に必要はないかと」
「え?」
「我々としては其処が疑問なのですが何故、我々の力になれると思うのですか?」
「それは、こちらの世界はそちらの世界の人口も国力も倍以上で…」
「我々のやっている戦争をそちらに分かりやすく表現するなら、ベトナムやアフガンですよ?今、それらの戦争をやったら勝てると?」
「べ、ベトナムにアフガン?」
「平たく言うとロクなインフラも都市も持たず広く分散して存在する敵戦力の撃滅と目標らしい目標もない土地の制圧を両方実現しなければ、いつまでも終わらない戦争です。
我々の軍備をガラパゴス化していると表現しているそうですが、そちらの軍備はガラパゴスに対応していない」
「確かにベトナムやアフガンの戦いとなると劇的な解決策はないと言えますが、それは我々に対する侮辱行為では?」
「事実の指摘です。どう捉えても貴方達の勝手と仰るならそうですが、善意で言わせてもらえば、ガラパゴスの生態を破壊したネズミにもなれない貴方達はコッチに干渉するより先にやることがあるのでは?」
もう一つの地球(α/乙世界)との接触の後、対魔物戦略に対して協力を申し出た銀連世界とのやり取り。
銀連世界からするとα/乙世界は良く言って末期戦状態であり、滅亡の3歩手前でガラパゴス化した軍事力を抱えた弱小勢力に過ぎず、もう一つの地球の利権というのは魅力的に映り、恩を売り付けようとしたらしい。
しかし、α/乙世界からすると、魔物との戦いに例の一件(魔物がゲートを超えてやって来た一連の事件)の前の自分達に毛が生えた程度の国家がバラバラに送り出して来る援軍程度でどうにかなる問題ではないというのが魂の底まで擦り込まれる常識となっていた(むしろ移送にかかる費用だけでマイナス)。
空爆に関してもβ/甲世界から提供された技術で改装された飛行機(パーマ○のマント方式で燃料無しで巡航可能&体積的な意味での容量制限はあっても重量制限はほぼ無し)を用い、電子励起爆薬を実用化した自分達以上に魔物への効率的な空爆など不可能と正確な分析を行っており、
更に言うなら一番欲しいのは高性能なステルス爆撃機とか衛生軌道上から攻撃可能な宇宙戦艦でなく、相手の領地を制圧する歩兵部隊であり、他の惑星に十年単位で歩兵部隊を大量に派兵するなど絶対無理やろとも銀連世界の各国より先に結論を出していた。
ついでに言うなら魔物との戦いは後は時間のかかる処理でしかない状況で無駄に借りを作る気などα/乙世界側としては毛頭なかった。
547: リラックス :2021/11/21(日) 13:08:01 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
『環太平洋条約機構の横暴を許すな!』
『ナノチップエキスパンションは人権違反!』
『環太平洋条約機構は人類の敵!』
α/乙世界の情報が明らかになったことで発生したデモ。
特に死刑囚(環太平洋条約機構はこれを第二級殺処分者と表現)に対するクローニング化と更生した人格インストール、それを社会復帰プログラムの後に解放という処置は真っ当な連中からしても恐怖と嫌悪が強かった。
参加者は人格改造刑を嬉々として批判していた連中と大体同じ面子だが、環太平洋条約機構側が「罪を憎んで人を憎まず、それを実現した画期的なシステム」として、何が問題なのか理解出来ないと本気で言い切ったことで完全に一人相撲状態に(尤も、この環太平洋条約機構の反応には銀連日本やティ連もドン引きしていたが)。
「ウチの世界にもいたよ、同じこと言ってる奴。つまり、君達、魔物相手に枕期待してんでしょ?キッショ…」
「魔物相手に粘膜接触しないとならない状態(通称:眷属)になって内部工作した連中は確認されてんのよね、ウンザリするくらい」
「他には?魔物のウン○になった連中のこと?」
魔物保護を訴える輩に対するα/乙世界側の返答(何れも意訳)。
α/乙世界にとり魔物保護を大仰に訴える輩の大体は見目麗しい魔物のハニトラにかかった連中が大半、というのは第四段階辺りでは公然の秘密となっていた模様。
粘膜接触()した抵抗能力を持たない連中を洗脳可能な能力を持っている魔物が猛威を奮った結果、イギリスや東欧のコロニーが崩壊したことは反用例としてソース付きで公開できるほど確認されていた。
他の例としては熊に妙な夢を見てる連中と同じようなことやって同じようにモグモグされた模様。
銀連世界の援軍を得たところで、この手のハニトラに引っかかるバカは絶対に出るという判断もありがた迷惑する理由となっていたらしい。
「ねえ、連中ってバカなの?」
「地球一つと見たら確かに人口も国力も落ちていますが、事実上の統一政権が成立していると分からないのか…」
「そもそも向こうの地球に軍を派遣という時点で無理ゲーだろ」
「しかし、本格的にあったかもしれない世界という感があって恐ろしい…」
某会合における会話。経緯を知れば知るほど「時期によるが有り得ないと思えない」流れでああなった、ということが理解できてしまい頭痛を堪えている。
更に頭痛を覚える理由として、諸外国からα/乙世界を救うという名目で国連軍を編成して派兵しようという話を持ちかけられることが増えており、その為の足を用意しろとせっつかれていた。
特にバグの一件で旧難民(元々の難民)と新難民(ドイツ人の生き残り)に国土が脅かされている欧州各国は半ばヒステリーを起こして「向こうの地球を魔物から解放、或いは共存して安寧を確保した上で向こうに移住する」と画策しており、外務省職員の中にこれに手を貸して恩を売り得点にしようという者達が現れ始めていた。
難民と根付く前のバグにすら対応出来なかった連中が完全に根付いてる魔物相手にどうこう出来るか、いっそまとめて餌になれば静かになっていいのに、と思っているのはナイショ。
548: リラックス :2021/11/21(日) 13:08:32 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
「えーと、魔物をまとめて除去することも可能ですが」
「有り難いと言えば有り難いのですが、それは最終手段とさせていただきたい。我々の社会は魔物との戦いを前提に成り立っているところも多く、いきなり無くしてはどのような副作用があるか分かりません故に」
「他に何か手伝いになるようなことは…」
「そうですね、いざという時の緊急避難先を兼ねた移住先を探すのを手伝ってくれれば助かります。我々の観測上、我々がそちらの太陽系に転移したということは分かっていますので、太陽系内の権利問題について話し合いの場を設けられれば、と」
「太陽系内の権利ですか…」
国交樹立の為に話し合うα/乙世界、というか環太平洋条約機構側と銀連日本(+ティ連関係者)のやり取りの一部。
このやり取りで銀連日本側は環太平洋条約機構側がこちらで言う宇宙探査艦クロガネを作れるくらいの技術支援はβ/甲世界から受けていることは理解した模様。
この後、ティ連の支援の元、火星及び金星のテラフォーミングや開発について共同で行わないかという提案が為された。
「何故あんなことになったかって?軍人否定するようになったのと同じノリで活動家思想家を否定するようになったからよ」
「キングメーカー?
アメリカでは普通、他の国でも多かれ少なかれそんなもんじゃね?」
「アドバイザー?貸し付けた物がデカ過ぎるからね、アフターサービスってやつさ」
「まあ、こっちでは生まれなかった競走馬の血統を迎え入れられたのは嬉しかったね」
「牛や豚といった家畜の品種改良も同様だ」
「まあ、その程度にしか手は加えてないって言ったら…信じる?」
環太平洋条約機構との価値観の乖離についてβ/甲世界の転生者に尋ねたやり取りの一部。
法改正を含めて体制を再編したのは認めたのだが、あの価値観に関しては環太平洋条約機構が新体制に適応していく中で独自に築き上げたという旨の話を聞かされ、銀連日本側の転生者も唖然とした模様。
特にシステムEGOの刑罰への応用は本当に環太平洋条約機構独自の発想だった旨を説明された時はSAN値が削られた模様。
549: リラックス :2021/11/21(日) 13:09:48 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
以上、価値観の乖離に目を白黒させるネタってさ、良いよね
最終更新:2021年11月30日 23:03