603: リラックス :2021/11/23(火) 22:23:54 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
194氏、乙です。UMA達のネタはこれからもよろしくお願いします!

さて、私もネタの投稿をば、

厄いものが湧いたみたいです~もう一つ地球の兵器はガラパゴス?~その3

多目的垂直離着陸機 MVー90

点と線の支配というと、日中戦争やベトナム戦争、アフガン戦争において「戦術レベルなら戦えば勝つ」くらい現場レベルの戦力では優位にあった側が陥った状態である。

広大な大地を前に、広く浅く分散して戦闘を継続する敵を相手に主要都市と主要交通網を抑えただけで屈服させることは出来ないことは、α/乙世界でも銀連世界でも歴史的に証明されている。

しかし、とある作品から言葉を借りてくれば、それぞれの点にテコでも動かぬ釘が打たれ、その間に決して切れない細く丈夫な糸を張り巡らせてエリアを区切り、区切られたエリアを一つ一つ制圧していくということが可能なら、例に挙げた戦争の結果は違う物になっていただろう。

実際、環太平洋条約機構にβ/甲世界がアドバイスした戦術を究極に要約すれば、そんな内容になった。

まず大雑把にエリアを指定し、その範囲に加えて付近数キロ圏に徹底的な砲爆撃を叩き込み焦土に変える。

更に邪魔な障害物を場合によっては地形ごと切り崩して射線を確保し、監視カメラや各種地雷、簡易誘導ロケット発射機、基幹自動銃ユニット、無人兵器の中継装置などを配置し、指定したエリアから出て行こうとする者も入り込もうとする者も片端から始末する『線』を引く。

そして、後は制圧担当(つまり二重雑種兵の歩兵部隊とメタルギア:カイオト・ハ・カドッシュを中心とする支援部隊)が線の内側の魔物の生き残りを始末してエリアを制圧する。

(自然環境破壊?逆に考えるんだ、人間の手を入れる=森林破壊と主張するバカ(放棄された里山や雑木林の手入れなど)もいるんだ。

魔物により良い様に食い物にされて変化している=環境破壊であり、その後の再生(植林など)まで含めれば自然環境再生行為であり、即ちエコなのだと。

エコって何だよ?安心しろ、エコの定義は口に出す奴と同じだけある。君がエコだと思った答えがエコだ、一人一派だ。

こんな感じの見解が主流になっていく模様。)

とまあ、このように爆撃だけでは片付かないが、爆撃自体は対魔物戦略において必須というβ/甲世界側の関係者からの説明もあって爆撃任務に従事できる機体の必要性が認められたことで開発計画はスタートした。

604: リラックス :2021/11/23(火) 22:26:12 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
ここで『そっちのアメリカのBー2みたいな高性能機は不要、というかそっちで言うWW2の頃のBー29レベルの機体でも迎撃らしい迎撃出来るようなのはいないから、簡易の爆撃能力付与した民間機で大丈夫と思うで』と追加のアドバイスを貰ったことで民間旅客機の爆撃機への改造という路線が検討された。

しかし、流石に『爆撃機への転用=軍国主義への回帰』という方程式を絶対の根拠としてグンクツノアシオトガーと喚く連中の大部分は小遣いも貰えなくなり、特に五月蝿いのが『国際騒乱罪』だの『人類文明崩壊未遂罪』とか訳の分からないがヤバそうな罪状で二級殺処分されたことから、

『アレはそういうノリで騒いでたバカに、賢い君気取りって思われたら恥ずかしいから、空気読んで合わせてただけだし?』『今はもう、軍国主義がどうとかで騒がないかな、○○で騒ぐ』と方針転換するか、さっぱり足を洗って真面目に働き口を探すようになっていたこともあり、世論からの反対こそ目立たなかったものの、

流通の混乱や生産体制の崩壊により各地で様々な物資が不足する中で、β/甲世界と唯一の窓口を持つ日本はほぼ唯一、環太平洋条約機構全体に安定的に物資やインフラ整備を筆頭とする各種サービスを供給出来る存在となっており、

各国の(魔物の襲撃に備え)コロニー建設・インフラ刷新の為、未曾有の好景気に湧いていたことから国内の貨物機も貨客機も引っ張り凧(輸送効率という意味では海路が最も良いのだが、最速なのはやはり空路であった)と、転用する機体の数が確保できないという問題が立ち塞がった。

大西洋圏や中華が崩壊し、米露も多くの産業基盤を失ったことにより、手に入らなくなった保守部品をβ/甲世界製の部品で代用して稼働を維持するべく、改造や試験に回さなければならない分も考えると、とてもそんな余裕はなかったのである。

(いっそのこと素直にβ/甲世界の機体をライセンス生産するのはどうか、という意見もあったのだが、β/甲世界側も開示して良いと判断した技術の兼ね合いで手頃な機体をすぐには用意出来なかった。)

そんな中、目に止まったのが三菱で開発中のスペースジェットだった。

この機体は事務処理をポカしたおかげで技術的には事実上ほぼ問題はないにも関わらず、完成が年単位で遅れているというトホホな機体だったが、取り敢えずの国産リージョナルジェット機であり、ある意味で宙に浮いた機体でもあったのである。

その為、コイツを手に入らなくなった海外製の部品を国産部品とβ/甲世界製の部品で代替して改設計した後、客席のスペースの一部を利用して重力偏向装置を設置するといった改装を行うことが決定。

重力偏向装置とは要するにCーM○ON、もしくはパーマ○のマントを想像してもらえばよいのだが、自由落下する方向を自由に変更することが出来る装置である。

失速した場合の立て直しを容易にする安全装置としても使えるし、離着陸の時に制御次第で垂直離着陸も可能、加速に必要なエネルギーも速度を維持するエネルギーも小さく抑えられることから省エネ化が可能な為、航続距離を伸ばしたり、フライトの低コスト化を図れる他、重量制限が大幅に緩和されるという『チートや、そんなんチートや!』レベルの代物である。

605: リラックス :2021/11/23(火) 22:26:51 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
改装終了後、(アメリカが事実上それどころじゃないので)β/甲世界と環太平洋条約機構基準での試験が行われた後、(β/甲世界側の、その手の手続きに詳しいアドバイザーによる丁寧な指導の下、手続きをきちんと行った結果)無事に垂直離着陸機能を持つ多目的機として正式採用された。

(この辺りは爆撃機という名称自体に忌避感あるだろうから、とβ/甲世界側が妙に鋭い気配りを見せた。)

重量制限は前述の装置により緩和されても機体の小ささから生じる体積の制限の問題は、巨大なグライダーを曳航するという、これまた何処かで聞いたような方法で強引にクリア。

比較的知能の高い魔物は魔導技術による擬装(ファンタジー風に言うと隠蔽用の結界)を用いて居住地を隠していることがあるのは確認されていたことから、β/甲世界製のそうした結界を(やはりファンタジー風に表現すると魔力反応を)探知するセンサーを筆頭に、対魔物戦における爆撃任務を行う機体として必要な機材と自衛用の火器を本体に搭載する代わりに、グライダーの方に爆弾は搭載するという割り切った設計。

本体に爆装する訳でなく、二重雑種兵の空挺部隊の輸送用に改装された機体もある為、多目的機という表現は嘘ではない(大本営発表)。



余談

一応、愛称を定めてみてはどうかという意見もあったのだが、第一候補の『紅龍』は「それだと旧軍の爆撃機の命名規則を連想させるだろが」と「何のために多目的機の型番つけたと思ってんだ」というツッコミが担当者同士で行われて却下。

第二候補の『白鯨』は商標的に大丈夫なの?という問いに答えられる者がおらず、保留というカタチで事実上の却下。

第三候補の『鳳凰』はH-21ヘリコプターに『ほうおう』ってつけてたけど良いの?とツッコミが入り、その他、『天馬』『大鷲』『若鷹』『雷鳥』と上がっていたが同じような理由でツッコまれるとグダグダ。

最終的に『天翔』という名前が採用されたが、関係者が「大々的に発表してもクレームの対応に追われるだけ」というトラウマから広報を忌避したこともあり、世間で定着せずに終わってしまった。

606: リラックス :2021/11/23(火) 22:28:08 HOST:softbank126002191158.bbtec.net
以上、スペースジェットよ、いつかリアルでも活躍する日が来ると信じて!

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最終更新:2021年11月30日 23:03