801: ライスイン :2021/11/30(火) 21:10:38 HOST:g133-247-64-052.scn-net.ne.jp
注意:ネタです。欧米各国の狂気度が大幅上昇(日本は後に天元突破)。また核兵器が1939年時点で完成し、富嶽や弾道弾も1940年に完成しているという設定です。



西暦1950年8月15日 大日本帝国・帝都東京  式典会場

「まさかこんな事になるなんて・・・。」

胃を抑えながら長期政権を率いる嶋田繁太郎首相は呟いた。

「仕方ありませんよ、各国の連中が愚かな真似をしでかしたのですから」

大蔵大臣の辻正信も吐き捨てるように言った。
そしてこの後、盛大な式典が開かれ・・・・・大日本帝国は地球統一を宣言し、大日本地球帝国が成立したのだった。




                    覚醒「漆黒日本」前編



 切欠はチャーチルの爆死であった。何度目かの事態で対英不信が募っていたが、国益の為にイギリス救援を行っていた夢幻会。大陸時代とは違い
膨大な物量こそ用意できなかったが96式戦闘機や97式戦車など優れた兵器でドイツ軍を圧倒していた(※1)。
しかしチャーチル爆死で事態はあさっての方向に動き出す。
弱気になったイギリスに対して日本憎しで凝り固まっていたヒトラーが悪魔のささやきを行ったのだ。

「日本を連合から追放した上で我々と停戦し、共同で攻撃すれば現状維持での講和を認める。」

日本を連合国から追放した上で枢軸と停戦し、更に共同で日本へ攻撃を行えば現状維持で講和する。亡命政権の帰国と選挙の上での現政権(傀儡政権)と正当性を
競う事を認めるという内容であった。国民の士気が低下し、更に自分達が苦戦するドイツ軍相手に有利に戦う日本に対して黄禍論的な世論が形成されつつあった
イギリスは悩んだ。しかし敗戦では無い事と、情報を探って今回の事態を察知したアメリカからの勧め(※2)もあり、イギリスは秘密裏にドイツの案を受諾した。

802: ライスイン :2021/11/30(火) 21:11:14 HOST:g133-247-64-052.scn-net.ne.jp
 1942年1月15日、欧州の連合国勢力圏内で日本軍人の一斉拘束が開始された。

「何をするかっ!!」

この事態に抗議を行った日本軍将兵や外交官は問答無用で拘束されるか射殺されていく。更にイギリスはプリマス港に停泊する日本帝国海軍遣欧艦隊の拿捕または撃沈を目論んだが・・・。

「艦隊各艦はこれより英国勢力圏を脱出、本土に救援を要請する。まずはラ・パルマ島を目指す」

志願して港に残った陸戦隊や機関の起動が間に合わずに出航できなかった日向による捨て身の防戦により稼いだ時間を利用して遣欧艦隊は同港を脱出。司令官古賀中将は本土に救援を要請しつつ、
ラ・パルマ島(※3)を目指した。しかし

「逃がさんぞジャップ!!我等から活躍の場を奪った罪は重い、死をもって償えぇぇぇっ」

戦艦ネルソン、ロドネー、キングジョージ5世、プリンスオブウェールズを基幹とするイギリス本国艦隊の襲撃を受けた。日向を欠く中でも艦隊は優位に戦い

”ネルソンを砲撃で撃沈” ”ロドネーを大破(のち自沈) ”キングジョージ5世を雷撃で撃沈” するという戦果を挙げ、プリンスオブウェールズを舵損傷の瞑想による戦場離脱に追い込んだ。

しかしこの戦闘により艦隊は消耗しきってしまい、直後に現れた英独連合航空隊により残存艦はすべて沈み、古賀中将も戦死した。
因みにプリマスに残った日向の抵抗に手を焼いたイギリスは毒ガスを大量に用いて制圧、生き残りをその場で処刑しつつ洗浄作業も行った。そして日向はドイツに譲渡され戦艦バイエルン名を変えるのだった。

その数日後・・・、


「世界大戦の原因はすべて日本にあった。我々は対立していたが元凶を討伐する為に手を携えた。」


パリにて共同会見を行ったヒトラーとハリファクスによって共同宣言。世界大戦・・・それ以前から続く恐慌や民族・宗教対立は全て日本が原因であるという
ふざけた内容の宣言に日本中が激怒した。特に自らの利益の為に自分達を裏切り攻撃し、それを恥も外見も無く正当化するイギリスに。
日本は世界に身の潔白を訴え、イギリスの裏切りを非難した。しかし・・・英独の動きは早かった。
北欧やトルコにタイなど親日的な中立国において英国情報部や親英勢力・ナチスシンパに共産主義者を使って親日的な人物を排除してクーデターを起させ、自分達に忠実な新政権を誕生させたのだ。

スウェーデンでは親ドイツ政権が誕生、日本資産を接収し在住日本人を拘束してドイツに引き渡すという暴挙に出た。トルコにおいても多額の支援やソ連との関係改善を目当てに同様の行動に及んだ。
これはタイ王国のほかに、密かに支援していた東南アジア地域の独立派も同じで支援要員を拘束して列強の現地総督府に引き渡すなどの行為も行っていた。
中華民国では国内の日本人拘束と資産接収こそ行ったが上海疎開や遼東半島は有力な日本軍部隊が存在していたため手出しできなかった。ちなみに半島は寝返る機会を窺っていた。

唯一の例外はフィンランドとスイスだけであった。フィンランドは英独の要請で在住日本人を拘束しつつ、国民の大半が親日派であることから引き渡しはできない旨を伝え”事態終結まで拘束、脱走者は即射殺”という
条件を認めてもらうように交渉。英独も親日派のフィンランドが自ら日本人を拘束して軟禁したという行動に満足して要望を認めたのだった(※4)。

スイスは国是とスイス銀行の存在により下手に手を出すと面倒になるから後回しにさていた。それでも人道的見地(とMMJの密かな浸食)から日本人を保護していた。

更にバチカンを通じて対日聖戦宣言(※5)を出させる事に成功した。おまけにアメリカまでもが加わって

「身の潔白を主張するなら日本領のすべての個所に無制限での査察を受け入れろ。」

と言い出す始末。おまけに対立していたはずのソ連や援助目当ての中南米諸国も加わり世界VS日本という図式になった。

803: ライスイン :2021/11/30(火) 21:12:05 HOST:g133-247-64-052.scn-net.ne.jp

 そして2月5日、日本以外の国々はロンドンに集まって対日制裁国際会議を開催。その席上で”地球連合”の設立を決議し、

「全権を明渡し、我々の統治を受け入れよ」

と生殺与奪を含めたすべての権利を明け渡す様に命じる宣言を発した。そして更なる圧力をかける為に各国の艦隊をハワイに集結させた。
この事態に日本・・・夢幻会は自分以外はすべて敵であり、交渉による解決は不可能。もはや如何なる非道な手段を用いても勝利するしか生きる道は無い。
決断した彼らは嶋田内閣の組閣準備を急ぎつつ、少しでも時間を稼ごうとわざと媚び諂いう態度で交渉を行った(※6)。そして・・・

「大日本帝国は自国の生存をかけてあらゆる手段をもって戦い抜く」

4月1日、前日に成立した嶋田内閣の宣言と同時に日本は行動を開始した。
同日、大西洋のラ・パルマ島で火山が爆発し、大西洋全域を巨大な津波が襲った。これは戦争中に占領して即日突貫工事で衝号作戦の準備を進め、何時でも実行できるようにしていたのだ。
しかも使用されたのは試作の強化原爆であり、より広大な範囲が津波に飲み込まれていったのであった。(※7)


※1:それぞれの改型や最終生産型相当の性能。因みにイギリスに供与されたのはそれぞれの最初期型。

※2:日本を潰して属国化し、利益と領土を奪う良い機会と判断し支援を決めた。

※3:占領の時点で中継地点としての整備を開始し、イギリスの裏切り時点で一応の基地化が済んでいた(核爆弾の搬入と衝号作戦の用意もこの時に終えていた)。

※4:英米独の要求を受け入れる形で在住日本人を拘束する裏で、駐日大使を通じて必死の謝罪と決して不自由させないことと身の安全及び名誉を保証する旨を伝えていた。これらの行動により
  フィンランドはスイスと共に欧州で生き残れた国家となった。

※5:所謂サタンの使徒で悪魔の民族である日本人が絶滅することを神はお望みである的なヤツ。今作では更に”特務機関イス〇リオテ”もどきの組織を使って裏切者(日本人聖職者や親日派聖職者)の粛清も行っている。

※6:要するに土下座外交。

※7:フランスやイベリア半島にアフリカ北部の太平洋沿岸はほぼ津波に押し流され、ポルトガルを含め複数の国家や植民地が統治機能どころか国家や組織すら消滅。
   南北アメリカ大陸も同様でアメリカも大西洋に面した州が津波で壊滅し、ロングやハーストといった政権首脳や財界幹部の多くが死亡(西海岸で遊説中のガーナーは助かった)していた。


 いかがでしょうか?
孤立を上回る欧米の鬼畜な裏切り、そして恩を仇で返す化のような北欧やトルコにアジア各勢力の行動に日本は完全にブチ切れて理性のタガが外れました。
後編では流石に生物学的な暴挙こそ行わないものの、漆黒世界のアメリカに匹敵する狂気っぷりを日本は発揮することになります。

掲載お願いします。

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最終更新:2021年12月13日 23:25