574: 弥次郎 :2021/12/05(日) 19:11:10 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
憂鬱SRW 融合惑星 蒼き鋼のアルペジオ世界編SS「蒼と赤」3.5
- C.E.世界 融合惑星 δ世界日本列島 硫黄島 陸港
霧の重巡洋艦「タカオ」は硫黄島に整備された陸港の上で大気圏外からやってきた船たちを興味深げに観測していた。
そう、観測だ。
メンタルモデルの能力をもってすれば、艦艇を目でとらえ、レーダーでとらえ、解析することも容易い。
明らかにタカオの既知を超える艦艇だ。それを生み出した人類の技術や能力にも興味がある。なればこそ、最も手近なサンプルを調べることにしたのだ。
外部から眺めるばかりではない。降り立っている地球連合の人員に話を聞いて回ることでも情報を集めて回っている。
正直、これまで人と交流した経験があって助かってばかりだ。北海道で過ごした時間が無駄でなかったと、そう思える。
(向こうも、メンタルモデルというものを知りたがっているみたいだし…)
ただ、一つ気が付いたのは彼らがあまり驚いているように見えないということだった。
まるで、そういった人の形をしているが人ではないモノをよく見ているかのような、そんな口ぶりであったのだ。
彼らの言では、地球連合という国家連合においてはそういったロボットやアンドロイドも普及しているとのこと。
なるほど、人のような人でないものに忌避感を抱かないのも当然か。同時に、単純なロボットとは違うメンタルモデルについて興味が強いようだった。
そのおかげで情報交換が滾ったのはありがたい限りだ。一先ず集まった情報を整理すると、いけ好かないがヒュウガのところに送信しておく。
『はーい、偵察ご苦労様。あとで愛しの艦長様にも伝えておくわね』
『群像様はお元気かしら?』
『今は地下のプールで遊泳中よ、写真を送るわ』
水着姿が送られてきた。艦長の男らしい健康的な肉体がグッと来た。たまらない。
体温上昇、ユニオンコア演算速度が異常上昇。思考回路に影響が発生。
アジャスト。ちょっと演算が狂った。落ち着こう。
『ンンッ……休養は取れているのかしら?』
『ええ。ちょーっと無理やりだけど休みを取らせて良かったわ。
こっちで情報は意図的に遮断しているし、他のクルーも代わりに働いてくれているから艦長は完全にフリーよ』
『そう、良かった……』
タカオはその点を心配していたのだ。
こちらの事情で勝手に押しかけて来たことが、ただでさえ披露してた群像の負担になったのでは、と考えてしまったのだ。
艦長は船のすべてを把握しているというのは、思い通りに動かすため。だが、それには常に責任が伴う。
船の命、クルーの命、そして船が担う使命。それらすべてがたった一人の人間に覆いかぶさってしまうのだ。
もしも自分というものが負担になるようであれば……タカオはそこが怖かったのだ。
『なぁに?会えない艦長様が心配でヤキモキしているのぉ?』
図星。だが、それを一瞬でアジャスト。努めて冷静に返す。
『からかわないで。群像様を心配しているのは確かよ。けど、私がどうこうできる問題じゃないわ』
そう。自分ではどうにもならない。自分が負担になっている可能性があるのだから。
できることといえば、彼が元の仕事に復帰した時に備え、出来るだけの準備や情報収集を行うことだ。
こうして地球連合の情報を集め、今の情勢を把握し、整理すること。それが蒼き鋼の一因としての仕事だ。
『あらそう、からかいがいがないわねー。じゃ、そのまま情報収集よろしく』
そういうなり、ヒュウガとの通信は切れる。
適当な対応に見えるが、ヒュウガもまたイ401の船体の修復やその他業務に追われているのだ。
やはり、艦長という存在が一時的に欠けているのが大きい。タカオは、早い復帰を祈るしかなかった。
575: 弥次郎 :2021/12/05(日) 19:13:47 HOST:softbank126066071234.bbtec.net
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短いけどアルペジオ世界の様子を…
艦長休憩中…
私も休みたい…(白目
最終更新:2023年06月18日 22:11