268: リラックス :2021/12/18(土) 14:11:49 HOST:softbank126242222046.bbtec.net
さて、もう一つネタを
厄いものが湧いたみたいです~バグって怖いんですよ?~
バグ誕生の原因のなった穢れ(瘴気)、バグがまた発生する前にエネルギー資源として大々的に利用して枯渇させちまおうぜ!プロジェクトについて、
主に欧州の『エネルギー資源として活用できるなら瘴気も国家の有するエネルギー資源に当たる』という主張、そして『その解釈も間違っていない』という民間の自称識者や専門家の擁護により、バグの問題について、後一歩のところで完全解決せずにグダグダを続ける様を見かねて、
α/乙世界とβ/甲世界から、何故、あのような物が発生するに至ったのかと、関連の情報について説明を行う用意があると申し入れがあり、(珍しく生の)記者会見が行われる運びとなった。
集められた記者たちの目の前で様々な資料が展開される。
「まず、こちらをご覧ください。これはエネルギー生命体と呼ばれる魔物の一種です」
モニタに様々な魔物の映像が表示される。
「エネルギー生命体というのは基本的にエネルギーを媒介にした身体を持ち、意思や本能を持ってエネルギー不足を補う為に外部のエネルギーを求め、また個体を増やす為の能力を持つ存在を指します。
ゲームに登場するエレメンタルや精霊をイメージしていただければわかりやすいかと」
例えにゲームの話を持ち出してくるのは不真面目だ不謹慎だ、などと騒ぐような記者は流石にいない…もう。
いたらいたで、「事前に下調べもせず、ノーベル賞受賞者に義務教育レベルの知識があれば分かるようなことを一々質問してるあなた方の方が余程不謹慎で不真面目で不誠実」だの、
「そもそも基幹となるのは欧州圏等で前世紀より遥か前から蓄積、発展してきた文化の一種であり、最も身近な例として上げやすいのがゲームだったに過ぎない」だの、
「だったらアンタらが下調べや事前研修をどんな風にやって来たのか予めこちらに知らせておくべきである。それに合わせた高尚で文化的素養に溢れている(と思う)表現とやらも知らせておいて欲しいね、相互に誤解が生じないよう」だの、
この場で残りの会見時間いっぱい(途中退席不可)ボロクソに言い返されて、
「こんな映像使える訳ねーだろ」、「どうやって放映時間の穴埋めをするんだ」と上が頭を抱えることになるという悲劇、いや、喜劇が繰り広げられたことだろう。
以前に質問に対する返答として寄越された動画から、その程度は理解していた責任者は、『もう穴埋めに頭と胃を痛めるのはゴメンだ』と対策くらいはしていた。
「これらはエネルギー体のまま活動するエネルギー生命体ですが、事前にお配りした資料にあるように、中にはそうでないエネルギー生命体も存在する可能性が考えられます」
熱エネルギーで身体を構築する火のエレメント、大気を動かすエネルギーで身体を構築する風のエレメント、大地を動かすエネルギーで身体を構築する土のエレメントなどの映像が別の映像に切り替わる。
269: リラックス :2021/12/18(土) 14:13:01 HOST:softbank126242222046.bbtec.net
「エネルギー体のままでは身体…意思や本能といった個を個として成り立たせる物を保護する器とイメージしてください…を維持することが困難なエネルギー生命体は、質量を持った物体に入り込むことで、その弱点をカバーすることが考えられます。
その類似例として、エネルギー体を質量を持った物質に変換、またその状態で別の物質に憑依というケース、こちらに関しては実例があります」
一口にエネルギー生命体と言っても、エネルギーに色々と種類があるように構成するエネルギーの種類によっては、そのまま身体を保ち難くかったり、保ち易かったりする為に、こうした差異が生じる可能性があるのだと続く。
この程度は事前の配布資料に分かりやすくまとめられた情報だったこともあり、そして送り込んだ上司や責任者が徹底的に小テストで送り込む記者を篩い分けしたこともあり、既に配布された内容を『つまり、どういうことだってばよ?』と説明を求めたり的外れな質問で口を挟んだりすることはない。
β/甲世界やα/乙世界相手には当たり前となりつつある光景だが、ひと昔とも呼べないくらい最近までの有様を知っている視聴者からすると非常に奇妙な光景であり、ネットではこのネタで弄るレスが三割くらいはあったのは余談である。
まあ、10年もすれば東日本を襲った大災害の際に当時の首相や政権が言ったことのように「そこまでバカな訳ない」「後知恵でヘイト高め過ぎ」「老害○ね。氏ねじゃない、○ね」と当時ニュースも見てなかったような年齢の連中が元気に擁護してくれることだろうから問題はあるまい。
しかし、それでも「人間は魂という質量を持ったエネルギー体により肉体という器を動かすエネルギー生命体の一種と言う解釈も間違っていない」という先に説明された内容を改めて詳しく証明されていくのに頭を抱えたくなった者を責めるのは難しいだろう。
しかし、この魂と肉体云々はα/乙世界とβ/甲世界が質量を持った物体に入り込むことで、その弱点をカバーするエネルギー生命体やエネルギーを質量に変換して肉体を構築するエネルギー生命体が存在する疑念であり、
その疑念がこの先を語る根拠となっているので、避けては通れないのだが。
「この上で、改めてインフラトンエネルギーについて説明させていただきます」
インフラトンエネルギーは安定性が高く、術式やコードと呼ばれる特殊な方法を用いなければ通常、簡単に変化はしない。
しかし、例えば擬似魔法を行使する際にデバイスや演算装置を用いずとも脳内で暗算することでも発動することは可能であるように、影響を与えることが有り得ない訳ではない。
「しかし、コードを解き明かしてもいないこちらの世界で、そのようなことが簡単に起こるのでしょうか?」
「コードとは『インフラトンエネルギーをこのように変換したい』と思った際に、現時点で尤も効率よく変換することが可能な定型分のようなものです。
例えば大阪に行くとします。これが魔導技術を使って起こしたい現象とします。
そして目的地に辿り着くには徒歩、自転車、自動車、電車、飛行機、色々な方法があります。
自動車なら国道を地道に走るか、高速道路を走るか、電車なれ各駅停車、特急、新幹線と様々なプロセスがありますが、何れの方法でもたどり着くことが不可能でないのと同じように、同じ現象を起こすにも様々なプロセスが存在し得るのです。
技術でなく才能により魔法を行使…思念によりインフラトンエネルギーに干渉することで必要な現象を起こす存在は確認されていることからも、それは明らかです。
歴史上に存在する幾つかのオカルト儀式の中には、偶然にもこの条件を満たしたが故に、実際に魔導技術発見前の科学で解明できない現象を起こしていた可能性は十分に有り得ます」
270: リラックス :2021/12/18(土) 14:13:37 HOST:softbank126242222046.bbtec.net
思念によってインフラトンエネルギーへの干渉は可能である上、その才能に優れた者がいる以上、そうした存在が歴史上にいたのは充分有り得る。
「また丑の刻参りや百度参りなど、そこから新たなコードの手がかりとなったケースも存在します。
世界中に存在する儀式や呪術とは、経験則に基づくインフラトンエネルギーへの干渉方法の一種が存在していた証明になるでしょう」
だから、大勢の悪感情に伴う思念がインフラトンエネルギーに影響し、何らかの現象を引き起こす程のエネルギーとなってしまう…「天が御上の徳を嘆いている」というのは充分に有り得る『災害』なのだと。
「酷い目に遭わせてやりたい、という大量の思念がインフラトンエネルギーが『体調不良を引き起こす』ような何らかの作用を引き起こすエネルギーに変換される可能性、また、質量を持ったエネルギーとなったはずの魂が何らかの変異を起こして、エネルギー生命体としてその場に止まり、インフラトンエネルギーを変換し続ける存在となる、どちらも充分に有り得ます」
つまり呪いや曰く付きの場所、地縛霊というのも、充分に有り得るのだと。
そう断言する大使に、記者達の困惑とざわめきが深まっていくが、流石にそれを責めるのは酷というものだろう。
胡散臭いオカルトと思っていたものが、ピースが幾つか不足していたから説明できなかっただけで、充分に科学的に証明できると言われたようなものなのだから。
「つまり、それが魔物をバグへ変化させた…我々が穢れとか、瘴気と呼んでいる物の正体だと?」
「大分近いですね。もう一つ付け加えますと、惑星にはある機能が存在します。
それは宙ぶらりんになったエネルギーを吸収し、長い時間かけて無色のエネルギー、即ちインフラトンエネルギーへと変換する機能です」
いよいよ、今回の発表における本題に入ったと空気が引き締まる。
屍となった肉体が朽ち果て、土に還り、また別の生命の糧となるように、死したエネルギー生命体の亡骸や各種エネルギーの残滓もまた惑星へと吸収され、また無色のエネルギーへと戻される。
地球も同様であり、吸収したエネルギーが代謝(厨二的な表現をすると浄化)される形で最終的にインフラトンエネルギーとして一部が放出される。
「厨二的に表現するなら龍脈とかライフストリームとか、まあ、そんな感じにイメージしてください」
というジョーク(?)が挟まったのは余談だが。
「今回の場合、そちらの地球では人類が増え過ぎたことにより、単位時間当たりにおける思念から影響を受けるインフラトンエネルギーの量が、地球が吸収できる量を上回ったことにより蓄積。
そして閾値を上回ったことにより、バグの誕生という結果に繋がったのではないかと」
続けてそう放たれた言葉は、間違いなく爆弾だった。
『惑星の許容量を超えて人類が増え過ぎると問題が起きます。わかりやすく直接的な厄災として』
そんな宣言と同義だったからだ。
271: リラックス :2021/12/18(土) 14:14:35 HOST:softbank126242222046.bbtec.net
しかし、魔物に悩まされているα/乙世界もβ/甲世界も、大規模な瘴気が発生したり、魔物がバグに変異したという話はない。
魔物が魔物のままでいるα/乙世界とβ/甲世界、そして魔物がバグとして発生した銀連世界の地球で違うことは何か?と言われれば、ティ連や神崎島の存在や日本の超大陸化がまず上げられるが、人口の違いも確かに無視出来ない。
「深海棲艦は恐らく、貴方達が瘴気と呼ぶエネルギーにより身体を構築していたエネルギー生命体が進化して、質量のある肉体を持つ生命体へと変異した存在かと思われますが、バグは魔物の肉体という器に瘴気により構成された肉体を持つエネルギー生命体が取り憑くことで産まれた存在です。
ティ連により初期段階で除去に成功していなければ、深海棲艦と魔物の厄介な所を足して2で割らないような種族にまで進化していた可能性はありますね」
エネルギー生命体は元となるエネルギーが多ければ多いほど成長も進化も早く、エネルギーを質量に変換させる能力を身につけると個体数を増やすのも早い。
そして最悪なのはコードを理解し始めることである。
エネルギー生命体にとり、魔導技術により『どんなエネルギーにも変換し得る』インフラトンエネルギーは万能の食材であると同時に、万能の力にもなり得る。
それこそ錬金で砲弾を作り、質量砲と同じ原理で放ってくる……プロセスは様々だが、こうして深海棲艦のように人間大で軍艦並の砲火力を放ってくることも不可能ではない。
勿論、実際にはそんな簡単に行かない。荒れ狂う水流を相手に水車で動力を得るよりも遥かに難易度は高い。
しかし、α/乙世界やβ/甲世界で魔物に対して人類が未だに魔導技術で優位を取れているのは、個体能力でなく種族としての力、マンパワーに基づく研究能力の差によって、より優れたコードや応用技術を生み出す速度が圧倒的なこと、
そして、それを理解して魔物に文明を築くことを許さないよう常に大量破壊兵器と観測技術を用いてソドムとゴモラの如くに文明の萌芽の痕跡を徹底的に叩き潰すことで優位を維持して来たことによる。
しかし、エネルギー生命体が死によって星の中心に還るときに、持っていた知識やエネルギーは星の持つ莫大なインフラトンエネルギーの中にエネルギーパターンの痕跡として残り、読み解くことが不可能ではないと理論上は結論が出ている。
そして、惑星が代謝する過程からコードを解析し得る(魔導技術におけるエネルギーの変換プロセスが不可逆変化でない以上、一方向で出来れば反対も理論上可能)こと、かつてあった、またはあったかもしれない事象の全てがコードの手がかりとして残っており、現在、β/甲世界とα/乙世界も協力して全力で解明に当たっている。
(ネットの反応曰く、『それ、なんて根源の渦?』。)
そして、そのエネルギーパターンを解析・理解することに長けたエネルギー生命体が誕生することが有り得ないと断言が出来ない。
だからこそ、対エネルギー生命体用の兵器が開発されている。
バグには、その可能性がある。
あんまりバグを舐めると文明が終了しても知らんぞ、お前ら?というα/乙世界とβ/甲世界の言葉は、下手な呪いより性質の悪い恐怖として銀連世界に浸透するのであった。
272: リラックス :2021/12/18(土) 14:18:23 HOST:softbank126242222046.bbtec.net
余談
β/甲世界「魂と肉体の仕組みとエレメンタルみたいなエネルギー生命体が存在すること、それから惑星の仕組みが判明してからこのタイプのエネルギー生命体が存在、または誕生する可能性をずっと警戒していたのよね」
α/乙世界「まあ、結局のところ、そういう生命体は発見されなかったし、そういうのを警戒してエネルギー生命体に飢餓作戦を仕掛けもした」
β/甲世界「それに、水も飲み過ぎたら中毒起こすように、莫大な無色のエネルギーってエネルギー生命体からすると猛毒にもなり得るというか、普通はそうなる(故に対エネルギー生命体用の武装として波動砲が作られた)」
α/乙世界「ついでに言うなら、何故生きてるエネルギー生命体が惑星に浄化されないかと言うと、浄化されないよう危ない場所に近づかないから(その知能がないようなのは浄化されて淘汰される)」
β/甲世界「なので元々惑星の持つインフラトンエネルギーに直接アクセス出来るエネルギー生命体ってのは可能性が低いってのは確か」
α/乙世界「エネルギー生命体の中ではかなりインフラトンエネルギーに耐性が高い形式取ってる人類ですら、悪影響を受けるというか不調を来す可能性が高い。だからこそ、そっちで言う根源の渦の解析が進まない訳なんだけども…」
β/甲世界「バグって魔物に取り憑く瘴気の方が本体のエネルギー生命体ともなり得る、つまりはバグは一は全、全は一が成り立つ可能性がある」
α/乙世界&β/甲世界「地球の浄化能力を上回る勢いで蓄積するエネルギーからバグが誕生してる時点で『その可能性があるヤベー生命体』だっていうのに舐めプするとか、ないわー…」
銀連世界「う、うるせいやい!ティ連にバグは根こそぎしてもらえるんだから解決ってことで良いだろ!!」
β/甲世界「ちなみに、これは仮定の話なんだけど、インフラトンエネルギーに限りなく近いエネルギーで身体を構成して、エネルギー体と質量体を自由に切り替えられて、惑星に寄生することが可能なくらい容量の大きいエネルギー生命体がいたとする。
そういうのは、この莫大なエネルギーを利用して他の生命体に干渉して反応を見るような種族や個体も存在する可能性があるよ。
かつて速攻で閉じた先のゲートでは観測に成功した…というか、観測しちゃったから、リスク承知で速攻閉じた訳なんだけども(乙世界ほど繋がりが強くなかったから出来る無茶なのは秘密)。
そーゆーのって、場合によっては空間や時間を捻じ曲げ、傍から見ると物理法則すらも無視したような現象を引き起こすことも有り得るって言ったら信じる?」
銀連世界「え、まさかそれって…」
α/乙世界「神かと言われたら、『そういう解釈も間違ってない』だね。
神の定義が曖昧なんだから、存在証明も不在証明も不可能なんだよね、そもそも」
273: リラックス :2021/12/18(土) 14:19:47 HOST:softbank126242222046.bbtec.net
β/甲世界
夢幻会「ちなみに、ここからα/乙世界に対してもオフレコなんだけど、惑星の持つインフラトンエネルギー、長ったらしいからライフストリームと呼ぼうか、これを読み解くと理論上はかつて在った(惑星に還った)魂の設計図も出て来るのよね。
なので、読み解ける存在がいて魂の構築技術を持ってるなら魂の複製なんてのも可能よ、そっちで例えると…フェイト・○・ハラウオンじゃなくて禊ミ○ティのイメージ」
銀連世界夢幻会「え、いやでもまさか…本人の主観で自分が複製された魂かどうかなんて分からない訳だし…転生ってまさか…」
β/甲世界夢幻会「偶然から魂が誕生する際に古い記録をパク…参照にしてしまう可能性も有り得るんだけど、分からないのは記憶。
記憶ってのは感覚器官から得た情報の記録そのものじゃなくて、最終的に脳が編集加えた情報に感想を付け加えたもの。
だから肉体無しの魂だけで記憶を自我を保てる程に大量に残すのはまず無理。
だから記憶を保持したまま転生するというのは、まず考えられるのは魂と肉体には離れた後も何らかの繋がりがあって、転生後も途切れない状態になってる。
記憶と肉体の最終状態の記録はセットなはずだから、肉体の最終状態が惑星に情報として残ってる可能性はあるし、考えられなくはない。もしくは…」
銀連世界夢幻会「肉体以外の外付け記録媒体が魂に付与してある、転生させた存在によって…」
274: リラックス :2021/12/18(土) 14:20:43 HOST:softbank126242222046.bbtec.net
以上、バグと瘴気って意外にヤバいよ~?という話
最終更新:2021年12月20日 13:54