46: 陣龍 :2022/01/09(日) 23:14:58 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp

無幻世界に置ける第二次世界大戦 ~大体中盤頃までの各戦線模様は基本魔女の巨釜~



欧州戦線

【事前状況】…後世、軍事に軽く足を踏み入れた人間(主に日本人)が『無用の長物』等と揶揄する事の多い、独仏国境全てを埋め尽くしたマジノ線であったが、単刀直入に言えば後に日本が巻き込んだ新戦術研究会を行い、ドクトリンを根本から変革させる前までは、ドイツはこの常識を超越した大要塞群に本気で脅威を覚え、そしてフランスはこの要塞線を絶対的な自信と共に世界へ誇示していた。第一次世界大戦で積み上げられた血塗れの戦訓を元に、フランス植民地領から強制徴用しすり潰して建築されたこの要塞は大量の鋼鉄とベトン、機銃や重砲、更には戦艦砲流用の要塞砲すらも据え付けられて構成されており、歩兵による突破は考えるまでも無く不可能と言うのは明白であった。また、第二次世界大戦で主役を張る戦車や航空機は、マジノ線をフランスが大真面目かつ躍起になって建築している頃は、現在で知られている程に性能は強力では無く発展途上の最中であり、日英独の関係が極めて深くなる直接的原因となったロンドン条約にて城塞関係の制限を付けていなかった事を、フランス人が『致命的ミス』と嘲笑っていたのは、この時の技術等から見て至極真っ当な反応だった。



【フランス軍戦略】…マジノ線を常軌を逸した熱心さで構築したように、フランス軍の根本的戦略は『防御』である。
理由としては極めて単純で、先の大戦では常に攻勢を仕掛けている形で有った英仏軍の被害の方が、防衛側であったドイツ軍の損害を概ね上回っていたと言う戦訓と、またその大戦にてやたらめったら攻撃を繰り返し続けた為にフランス人の人口が文字通り【抉れた】程に消耗しており、自分から先んじて攻撃する事をトラウマ的に忌避していた為である。
そしてトラウマであったからこそ、マジノ線をフランス植民地からの人員込みの徹底した収奪にて構築させる傍ら、フランス国内の意識が反ドイツ、そして反日に傾くがままに軍事費が高騰し、復員後の失業者が一掃される程にフランス軍の人員拡大や装備開発と量産が継続された事によって、所謂軍事ケインズとも言うべき生産活動にて、極めて不健全で歪(いびつ)ながらも戦後不況を脱却させた事から、当時のフランス政権の支持率はかなり高かった。余りにもフランス全体での対独、対日での憎悪が凄まじいせいも有って、民主主義国家に基本的に存在すると言われている『良識有る良き人々』が介在する余地も無く、積み上がる大量の国債の山の償還は、復讐心に突き動かされるがままにドイツの全てを奪い尽くし、存在そのものを喰らい抹殺する事で済ます事が公文書で語られた程に、熱狂と狂気の暴走は最早実力行使以外で止められない状況だった。

 無論、守ってばかりではドイツに勝てないので、ベルギー軍と一部増援のフランス軍がドイツ側に傾倒(実際には蘭印関係での日本への寄りかかり)している、軍事的に弱小のオランダを轢殺しドイツ軍を圧迫、反撃をされたら無理をせずにマジノ線に引きずり込んで出血を強要。そして外交交渉で既に色よい返事を受けていたと【フランス上層部が報告だけ受けていた】ソ連がドイツの背中から殴り掛かり、呼応してマジノ線での攻防で消耗して居たドイツ軍をフランス軍が粉砕、事後ドイツの過半をフランスが、東ドイツの一部とポーランドはソ連が分割すると言う寸法であった。戦争期間は長くて2年以下と策定されており、イギリスは自国植民地への宥和政策等で身動きが長期間取れないと目されており(尚実際には英国の努力と日本の援護で比較的短期間で終結)、怨敵ドイツに助力し切りな日本は遠すぎて即応は不可能であり、この短期決戦でドイツの滅亡を既成事実化出来るとされていた。手前勝手な部分も多々見られるが、戦略的にはそれなりに妥当と言えなくも無い考えだった。

47: 陣龍 :2022/01/09(日) 23:17:03 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp

【ドイツ軍戦略状況】…『大戦』終結後の日本の異常なまでのドイツへの肩入れ、そして日本の『暴走』を抑止では無くこれを奇禍として自国植民地統治法の改変する傍ら対仏への対抗馬とする事を考えたイギリスの思惑により、敗戦によって一時崩壊寸前まで追い詰められたドイツ経済は、当時の政権、そしてその後を引き継ぐ形となったヒトラー政権の適切な手腕によって、見違えるように復活するばかりか、内需拡大政策で自国産だけでは不足する程に旺盛に国内開発を続けている日本からの工作機械輸出や
ライセンス契約の継続的需要、またイギリスとの関係改善にてドイツが必要とするあらゆる資源を不足なく入手できるようになった事から、『大戦』前すら超える健全な経済発展を成し遂げる事に成功して居た。だがその平和的な経済発展の代償として、普通の財務官僚であったら頭がおかしくなりそうな勢いで借金財政と軍事ケインズを展開しているフランスの軍事力に対するドイツ軍は、どうしても規模的にこじんまりとしている期間が長らく続いていた。経済的に再建途上の頃にフランス軍に対する対抗軍備など揃えようとしたら間違い無く虻蜂取らずの諺の通りに、経済も軍備もボロボロのままのドイツになっていたのは間違い無いので、後に自伝を記したヒトラー総統も経済再建を優先し、フランスの暴虐は外交交渉による日英からの圧力で対抗と時間稼ぎを続けた前政権の事を『短慮に逃げる事無く抗い戦い続けた、我がドイツ切っての功労者』と称賛している。フランスの挑発等に憤るドイツ国民から【弱腰】等と叩かれても継続された政策によって、後継政権であるヒトラー政権が第二次世界大戦で大暴れする下地を作られていた事に対して、幾ばくかの後ろめたさや申し訳無さも有ったらしい。


ただ、直接的兵力差は兎も角としても、ドイツ軍が進めている装備の開発は、仮想敵国であるフランス、そしてそのフランスと強い友好関係に有るソ連より多くの面で優越していた。戦後フランスによるルール地方占領と言う暴挙からの対仏制裁と言う流れで比較的早期に過大な軍備制限が一部撤廃されたり、元からの技術力が高かったのも要因の一つだが、一番の要素は例によって日本によるものであった。『大戦』後に暫くして、緩衝地帯として満州に現地民国家を欧州ルールに則り建国し、根回しと市場開放により英独の積極的賛成、アメリカの消極的賛成によって満洲国と言う日本勢力圏を確固たる存在にしたは良い物の、万里の長城以北は伝統的に『化外の地』として中華では無いとしていながらも、日本等の投資で開発と発展が進んだ瞬間に『中華伝統の地域』と故地奪還等と叫んで、その実満州の財貨を奪い尽くす魂胆が丸分かりな蛮族脳の中華大陸軍閥や、建国時から徹頭徹尾日本から敵対視や強い警戒感を抱かれて脅威を受けているソ連が虎視眈々と極東ロシアを圧迫する満州の日本軍に対する軍備を揃えていた事から、日本はドイツやイギリスから軍事顧問を招聘したり共同研究等と銘打って、欧米本国の目が届き難い日本本土や満州で新兵器の開発や試験運用を行っていた。ドイツは当然としてイギリスとしても、内需拡大で景気が良い日本がかなりの資金を拠出して技術や兵器開発を行えるとあってこれに乗り、結果日英独の三カ国がそれぞれの技術交換を進めた事が、次の第二次世界大戦に勝利する根幹となった。例を挙げると、イギリスからはレーダー技術やマーリンエンジン、ドイツからはマウザー砲やジェット機(の共同基礎技術開発)、日本からは磁気探知装置や酸素魚雷、と言った具合である。
またこの技術交換や日本への工作機械輸出等に関連して、イギリスでは内需拡大で日本本土の濃尾平野某所に作られた世界一線級かつ最大級の工業地帯に衝撃を受け、世界帝国のプライドに掛けて英国本土の工業再編が強引に推し進められたりもしている。

48: 陣龍 :2022/01/09(日) 23:18:27 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp


 経済と生産力の面については兎も角、ロンドン条約にて敢えて作った、抜け穴に見せかけた袋小路に突撃しているフランスを横目に、日独間で執り行われた対マジノ線攻略法に置いて、日本が自信満々に提示した大火力戦…後に、ソ連やアメリカの一部で検討された縦深突撃ドクトリンに近い形の、マジノ線全てを砲火と大部隊で粉砕する極めて壮大な作戦原案は、ドイツ人に溜息と共に否定された。
英独の知日家や日本通と呼ばれる人間が時折言う言葉に『かの国はアメリカ程に巨体で有るのにその民はその巨体とは真逆の謙虚さと良く分からない海外への強者信仰が有る』と言う物が有り、この時も『日本がこれ位なら頑張れば出来るし先進国のドイツなら十分行ける』と言う謎理論によるノリで言い出した感が有る。だが現実として、本国経済力こそ欧州随一にまで復活し付随して工業力も再編と強化が成され、尚且つ欧州圏としてはかなり多い人口を背景に相応の軍備を揃えられはするが、日本側が提示したような、大地諸共要塞を耕す様な物量戦まで出来る程では無かった。ドイツ発祥の新戦術である電撃戦も、その始まりはプロイセン的戦術嗜好では無く『砲弾使用量をケチる為の戦車等による機動戦』と言う物であった位である。だが日本が提案した大火力戦を全面否定する訳では無く、新しい戦術的・戦略的視野を得られたドイツ軍は、新しいモノ好きなヒトラー総統の後押しも有って、ドイツ流にリファインした『新時代の戦略』を構築し、次なる『大戦』に向けた準備を推し進める事となる。そしてそれは、先の『大戦』で見せつけたドイツ軍の精強さを、もう一度全世界に知らしめると同時に、後世ドイツ軍がSFなどでのフィクションでは毎度毎度人類軍の最強格に君臨する事になる(ある意味どうでも良い)二次被害を生み出していた。



【状況開始】…ドイツのフランスに対抗する為の軍備拡張に対して、フランス政府は『ドイツの軍拡は世界に明確な危険を齎している』として、【即時ドイツ軍の全軍備解体】【ロンドン条約にてフランスが放棄した賠償請求権を、軍拡によりフランスへ危機を齎した事に対する賠償として即時復活】【対英、対日と締結する全協定の破棄】【軍事関連企業の完全解体並びに戦争関連技術の破棄と譲渡】【全項目を達成するまでの間、監視の為ドイツ全土にフランス軍の駐屯と駐屯関連費の全額拠出の認可】を『先の『大戦』の惨禍を再び引き起こさない為』と称し最後通牒として要求。
そして解答までの猶予を僅か一日のみとするあからさまに戦争する気全開の狂犬姿勢に、ドーバー海峡を挟んだ隣国では、一頻り(ひとしきり)大笑いした後に真顔で軍の出動準備が発令され、遠くユーラシアの反対側の大陸島国はドイツ支援に向かおうとした直後に面前の満洲国に中華民国軍、国際都市上海に軍閥兵が前触れなしに殴り込んで来てそれ所で無くなる中、対するドイツ側はフランス人の滅茶苦茶な憎悪の結晶であるこの最後通牒に対して、極めて冷静に国会で総員が通牒を拒絶し、この後も何度も繰り返されるヒトラー総統の一世一代の大演説にて、国民の意識も含めた総力戦体制に突入。
ドイツ人的几帳面さによって策定されていた大戦略と事前準備にて即応予備役の再動員が一気に推し進められた中、最後通牒の期限の25分前にフランス空軍が中立国オランダの領空を堂々突破し、キールとヴィルヘルムスハーフェンの二都市へ奇襲攻撃を敢行。諜報網が捉えた予兆と日英との技術交流で実用の域に達していたレーダー索敵によって、事前想定が多少狂い押っ取り刀な緊急迎撃となったが、フランス側の航空隊が二都市爆撃の為に戦力を二分した事にも助けられ、退避が遅れた市民数百人が爆撃や墜落機で死傷し、民間施設が複数破壊された他は軍事的に皆無と言って良い程度のドイツ側の損害に終わり、対するフランス側は奇襲したハズなのに派遣した戦力の2割を怒りに燃えるドイツ空軍の戦闘機や対空砲に叩き落とされ、損傷機も多数出ると言う想定外の大損害を受ける羽目になっていた。

49: 陣龍 :2022/01/09(日) 23:20:00 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp


 空での迎撃は比較的成功したと言って良いドイツ軍であったが、陸戦に置いては僅か数日未満と言う短時間で引き潰したオランダ領を駆けて来たベルギー・フランス連合部隊への対応よりも、ドイツ側に逃れて来たオランダ軍の敗残兵や民間人の保護に忙しく、事前想定の一つに考えられてきた『オランダ軍と共同での即時カウンター』案は破棄を余儀なくされ、暫しの間防戦に努める事となる。ドイツ側、またイギリスに取って不幸中の幸いだったのが、脱出も出来ずに捕縛された政府機関は兎も角オランダ王室に関しては、軍用車や軍用機がフランス軍の電撃的侵攻で殆ど撃破される等された為、政府職員の友人が所有する一般車にて逃げ出してドイツ軍に保護されており、オランダ奪還の旗印と名分は得られた事だろう。フランス・ベルギー連合軍としてもまさか軍用機でも政府車両でも何でもない民間人の一般車でオランダ王家が逃亡するとは予測しておらず、見当違いな所を捜索していたと言う幸運も有った。
当の受け入れ側のドイツ軍は情報が錯綜して居た上、王族の衣装も脱ぎ棄てて一般人の服を着込んだオランダ王家の事を始めは信用出来ず、確認が取れるまで暫く基地に監視付きで半ば軟禁状態にしてしまっていたが。


 王室一家の事は兎も角として、小国とは言えフランス視点ではドイツ側の国であるオランダを、軍事的には一瞬で占領したフランス・ベルギー軍の士気は上がり、その高ぶる士気のまま強制接収した現地オランダ市民の家財等を用い、事前の計画通りに防衛陣地の構築を開始しつつ各所に威力偵察部隊を派遣し、ドイツ側の進撃の遅延や調査を行っていたが、そんな事は最初から予測していたドイツ側の行動は素早く、蹴散らされ叩き潰されるも国内各所に点在したオランダ軍残兵と、突然の侵略と略奪行為に怒り心頭のオランダ市民による『背後からの一撃』を援護として、オランダ領内に侵攻した敵軍をドイツ軍機甲部隊が後背を遮断するように機動し、即応し交戦に入った筈のフランス軍戦車部隊を鎧袖一触でドイツ軍戦車部隊が粉砕し、逃げる間もなく包囲された仏白連合オランダ侵攻軍は、事前の想定を遥かに超えたテンポの戦争に対応出来ずに殲滅された。
だがそもそもオランダへ派遣した戦力は、マジノ線に入っている最精鋭と比べると、ドイツ軍釣り出しの為の機動力重視部隊と言うのも有って一部自動車化歩兵と戦車部隊以外では騎兵を基幹とした旧時代的な戦力だった事も有り、ドイツ軍の戦力価値をフランス・ベルギー首脳部が明確に認識は出来ていなかった。一番の要因は半ば信仰の域に達する程に構築されたマジノ線の存在では有るのだが、この序盤の敗戦を軽視した【ツケ】は、想像以上に痛烈なモノとなった。




 遠く極東では、満州に侵攻した中華民国軍が、内応した満洲国内の一部中華民族と共に日本軍と満州軍、そしてユダヤ系義勇軍により叩き出され、上海では乱入した軍閥が現地住民を虐殺して日本軍が満州向けの増援を上海方面に向けて現地民の救援をする羽目になり、それと同時にルーズベルト大統領の暗殺騒動により跡を継いだアメリカのポピュリズム政権が中華民国による【日本軍による虐殺】のプロパガンダに相乗りして宣戦布告一歩手前の在米日本資産の凍結等の暴挙を敢行し、喉を傷める程に怒号が飛ぶ英国国王肝いりで王族が巡戦タイガーに乗艦し日本へ送り込まれていると言う時代の変革が否応無しに見せつけられている中、欧州戦線はドイツ軍が動き出すまでの暫しの間、静かな時を過ごしていた。
フランスが対独戦略の柱としていたソ連軍による挟撃は、どう言う事か【ソ連側はフランス側が行っていた筈の秘密外交交渉の事を欠片も認知して居なかった】と言う驚愕の事態により、泥縄的に巻き込まれ動員する状態であったソ連軍の中途半端な攻勢をポーランド軍と一部増援に入ったドイツ軍が半泣きになりながら各個撃破の形で死に物狂いで応戦すると言う、今大戦の実情を象徴する様なグダグダの戦局が東部戦線で展開されている中、ドイツ軍は西部戦線の早期終結の為にも、日英との交流等で立案と練成が成された戦略を元に、一大攻勢を敢行。此処に、序盤の欧州戦線の終幕で有り、今大戦の無常観の象徴と化す発端ともなった、マジノ線攻防戦が開始された。

50: 陣龍 :2022/01/09(日) 23:22:42 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp


 マジノ線の戦闘が開始して三日目、ドイツ軍の機動戦術に釣り出されて機動防御に出たフランス戦車部隊が、ドイツ軍戦車部隊によって完膚なきまでに叩かれて多数が再編成を余儀なくされる惨敗を喫しても、フランス・ベルギー軍のマジノ線の要塞に対する信仰は揺るがなかった。戦車部隊が敗北しても、要塞群に備えられた火器は敵戦車に有力で有る筈だったから。


 マジノ線の戦闘が開始して六日目、制空権獲得競争にフランス・ベルギー空軍が敗北し、要塞線にドイツ軍爆撃機による攻撃が開始されても、マジノ線への信仰は変わらなかった。分厚いベトンとコンクリートで固められた要塞は、その程度で崩れる事は無いと確信していたから。




 マジノ線の戦闘が開始して十日目。外郭陣地の破壊とドイツ兵の侵入が報告される。

 マジノ線の戦闘が開始して十二日目。大量に投射される自動車化多連装ロケット砲部隊と的確な重砲の砲撃、急降下爆撃によりフランス・ベルギー軍双方の兵員が異常な損耗を記録。シェルショック症状を訴える兵員も多数報告される。

 マジノ線の戦闘が開始して十三日目。ドイツ空軍の最新鋭戦略爆撃機『He111 J』による絨毯爆撃と急降下爆撃機、重砲の砲爆撃が多数降り注ぐ中、ドイツ機甲軍は戦車、機械化部隊による同時攻勢を開始。仏白連合現地軍は陸空同時攻撃と言う未知の事態によりパニックが発生。



 マジノ線の戦闘が開始して十七日目。マジノ線の鉄壁の防御が突き破られると言う『想定外』の事態に後方のフランス軍総司令部が混乱する中、アルデンヌ地方の森林地帯に同じく建築された要塞群より『未知のドイツ軍重戦車の大部隊』により突破されたとの報告後に通信が途絶。
フランス総司令部の混乱がパンデミックと化し、軍や政府全体にまで伝播。




 マジノ線の戦闘が開始して二十三日目。ドイツ本国、並びに同盟各国が『シルバーブレッド』と言う暗号電文を受信。マジノ線の完全突破と、ベルギー方面軍、ルクセンブルク方面軍の握手が成功した事を示すこの言葉は、近代ドイツ軍の輝かしい栄光を端的に表す単語として、後世長く語られる事となる。




――――マジノ線の戦闘が開始して二十五日目。フランス本土に置いて凱旋門、エッフェル塔、ノートルダム大聖堂が突如『爆撃』されて崩壊、ルーブル美術館も炎上すると言う事件が発生し、フランス政府は全世界に【ドイツ軍による蛮行】と発表。フランス国民に【ドイツ軍はフランスを抹殺しようとしている、生き残りたくば皆銃を取れ】と根こそぎ動員による徹底抗戦を決定。マジノ線に籠っていた兵士の撃破と降伏受け入れに忙しく、一兵も一機もパリに差し向けてなど居ないドイツ側が何が起きているのか全く訳が分かっていない中でもこの冤罪に猛抗議や無実を訴えるも、異常に手際のよい【何者か】によって、恐らく国籍や存在そのものを偽装した人間の手を通じて
スイスか北欧らの中立国経由で合成映像と見られる爆撃映像がアメリカに流れ、この頃にアメリカ軍による対日奇襲攻撃による世界大戦が勃発して居た事も有り、『正義』に酔い痴れたアメリカ国民の感情に阿るままに、アメリカ大統領は国際連盟に属する日英独を中核とした国々全てに『無条件降伏』を戦争終了条件とする旨を公式に声明。此度の『第二次世界大戦』が、情け容赦の無い大戦争になる、最後のファクターとなった。



51: 陣龍 :2022/01/09(日) 23:29:53 HOST:124-241-072-209.pool.fctv.ne.jp
|д゚) 無幻世界特有のFZB(フランス絶対ブッコロスマン)が創作するに当たって滅茶苦茶便利でした(小並感)

|д゚) ちょっとハイテンポな戦争の進み具合に自分でも思いますが、まぁこの頃指折り数えるのも面倒な位のドイツ軍の誇る
    綺羅星な名将が、綺麗な総統閣下の信頼や史実より豊富な兵站物資と強力兵器が有ったなら、割と出来るんや無いかなって
    フランス側の戦術思想も要塞線が基盤の第一次世界大戦型でちょっと遅れていますしね

|д゚) 取り合えずこの後世に発掘されたとある日誌が見付かるまで謎()とされて来たフランス世界遺産の爆散犯を擦り付けられた総統閣下、
    開戦から早くも例の地下壕モードで叫んでいる事でしょう(適当)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年01月20日 12:50