385: 加賀 :2022/01/06(木) 08:45:55 HOST:softbank060070241111.bbtec.net
「さて、マリアナ沖海戦だったわね。ならその前に行ったトラック諸島沖海戦と松輸送から話すわ」
「フム……トラック諸島沖海戦は分かりますが松輸送もですか?」
「そうよ、松輸送が無ければマリアナも陥落していたからね」
瑞鶴はそう言って煙草に火を付ける。
「松輸送の発端とも言うべきが絶対国防圏の設定よ。絶対国防圏の設定はガダルカナル島の戦いが勃発して南太平洋海戦後に決められたわ」
「南太平洋海戦後にですか?」
「えぇ。その前の第三次ソロモン海戦で負傷した三川中将とソロモンの英雄になって軍令部入りした栗田中将らの主張でね。まぁ準備はしていたんけど……」
「けど?」
「……山本のアホが母艦飛行隊をラバウルに投入して『い号』作戦を強引に進めたから陸軍との協議が山本のアホが戦死してからになったのよ。あのアホがいらない事をしなければ作戦も早くに進められたのよ……」
瑞鶴が能面な表情をし青葉がアチャー(ノ∀`)という表情をする。
「まぁアホが戦死後の5月から古賀長官らが主体になって陸軍と協議したわ。それから松輸送が最初に実施されたのが43年の9月から。以後、マリアナ沖海戦が始まるまでに14回の輸送が行われたわ」
「確か被害は海防艦2隻だけの被害で……」
「海防艦と言いつつ駆潜艇2隻だけどね。ちなみに米潜水艦隊の被害は17隻ね」
「ニミッツ長官の頭を抱える様子が目に浮かびますねー」
「それが要因でリンガエンとタウイタウイで訓練していた機動部隊の状況が送られる事はなかったから一番嬉しい事よね」
「成る程」
「結果として松輸送は大成功。第31軍は四個師団、三個独立混成旅団、二個戦車連隊等々でマリアナ沖海戦を構える事になったわ。またマリアナ諸島に入植していた日本人も大半は本土に引き揚げる事が出来たしね」
「成る程。そしてサイパン島は要塞化され航空隊も……」
「えぇ。陸海軍合わせて450機近い戦闘機と彩雲で構成されていたわ」
そう言って瑞鶴は紙に編成を書いて青葉に渡した。
「フムフム……」
烈風120機
零戦53型150機
隼3型120機
疾風90機
彩雲60機
「確かこんくらいだったわね」
「豪勢ですねー」
「まぁそんなもんよ。そんで松輸送の話は終わり、そして……」
「そして?」
「トラック諸島沖海戦よ」
「あらま……」
「まぁトラック諸島沖海戦の前提としてYZ作戦なんだけど……」
「あぁ……チャーチルのハゲが更にハゲになった作戦ですねー。確か鹵獲したタンカーは約半年分の艦隊行動と同じく約半年分100オクタン価のガソリンが手に入ったと……」
「まぁその代償としての私なんだけどね」
短くなったタバコの最後を吸って灰皿にタバコを潰す。
386: 加賀 :2022/01/06(木) 08:46:29 HOST:softbank060070241111.bbtec.net
「まぁ……空母の大半がいない事を知った米海軍がトラック諸島を空襲しようと攻めてきたけど、トラックにいた私が載せれるだけの機体を載せて出撃。米機動部隊からの攻撃隊はトラック上空で待ち構えていた烈風隊等に撃墜されまくったからね。そんで私が側面攻撃をして『イントレピッド』……『銀鶴』を鹵獲する要因を作ったからね……」
「その代わり飛行隊がまた壊滅したと……」
「まぁその生き残りは彼処で餅を食っているわよ」
「アチチ……」
瑞鶴の指差す先に三個目の餅を食べる加賀海軍大将がいた。
「しかも蒼鶴を鹵獲する要因の機関室を魚雷で破壊したのもあいつの分隊だからね」
「えぇ……( ´Д`)」
瑞鶴の言葉に呆れる青葉であった。
「まぁトラック諸島沖海戦で私の飛行隊は壊滅し再建する事になったわ。YZ作戦で練度を上げた601空も定数を満たしていたから丁度良かったわ」
「ですね」
「そして多聞丸……山口中将の第一機動艦隊に編成されたわ。確かあの時の空母編成が……」
そう言って瑞鶴は再び紙に記入して青葉に渡した。
第一機動艦隊
司令長官 山口多聞中将
参謀長 古村啓蔵少将
旗艦
『大鳳』
第一航空戦隊
『大鳳』(烈風×36 天山×27 彩雲×3)
『瑞鶴』(烈風×36 彗星×27 天山×27 彩雲×6)
『加賀』(烈風×27 彗星×27 天山×27 彩雲×6)
第二航空戦隊
『雲龍』(烈風×27 彗星×18 天山×18 彩雲×3)
『天城』(同上)
『葛城』(同上)
第三航空戦隊
『笠置』(零戦53型×27 彗星×18 天山×18 彩雲×3)
『阿蘇』(同上)
『生駒』(同上)
第五航空戦隊
『鞍馬』(同上)
『妙義』(同上)
第六航空戦隊
『蓬莱(サラトガ)』(烈風×27 彗星×18 天山×18 彩雲×6)
『蒼鶴(ホーネット)』(烈風×27 彗星×27 天山×27 彩雲×6)
第七航空戦隊
『隼鷹』(零戦53型×18 彗星×27 天山×18 彩雲×3)
『飛鷹』(同上)
『龍驤』(零戦53型×36)
烈風234機 彗星297機 天山306機 零戦53型207機 彩雲57機
「これが第一機動艦隊に配属されていた空母ね。前衛の第二艦隊には『瑞鳳』『龍鳳』『千歳』『千代田』が防空空母として零戦53型×27と彩雲×3ずつを搭載していたわ。それに四航戦の伊勢日向も合わせると零戦53型が全体で351機に彩雲69機になるわね。それと瑞雲改二が72機ね」
「成る程……銀鶴さんは修理から直っては……」
「直っていたとしてもこの時点での航空隊はいなかったんじゃないかしら。よくても50航戦の促成隊しかいなかったし……だから山本のアホがやった『い号』作戦のが悔やまれるのよ……」
瑞鶴は呪いそうな表情をしながらそう言うのである。
「……でもこの航空戦力があっても尚……」
「……艦攻隊はレイテ沖海戦で一回休みになる程の壊滅ね」
「米艦隊の弾幕能力ェ……」
387: 加賀 :2022/01/06(木) 08:49:58 HOST:softbank060070241111.bbtec.net
というわけで一話目でした。
それを凌ぐヤバいのが米機動艦隊です(白目
そろそろ烈風を主役にしてもええやん
最終更新:2022年01月29日 11:14